
アメジスト
読書しました
睡眠の起源
金谷啓之 著
講談社現代新書
著者の生い立ちの話はとても興味深かったです。
小学生の頃からアゲハチョウについての大がかりな自由研究をされていて、高校ではプラナリアの研究、その後はヒドラと、研究一筋で不断の努力をしている生き様を応援したいと思いました。
何かの専門家になれる人ってすごいなと思います。
小学生の頃にクロアゲハの生態に興味を持って、実際に飼育して解明するというエピソードは、まさに研究者になるべくしてなる素質を幼少期から持っていたんだなという特別感を感じます。
毎日のように思考実験をする粘り強さや凡人では持ちえない好奇心の強さ。
漁師からクラゲは寝てるんだという話を聞いて、そこから研究を広げるというのは、凡人ではできないアプローチです。
科学ミステリーを帯に書いていますが、著者の頭脳がミステリーですね。
#読書
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#科学
#研究者
#新進気鋭


アメジスト
読書記録です。
縄文時代の歴史
山田康弘 著
講談社現代新書
僕が住んでいる市内でも縄文時代の遺跡が見つかっているので、縄文時代の歴史についての本は読んでみたかったんですよね。
本書によると、土器の出現をもって縄文時代の始まりとし、灌漑水田稲作をもって弥生時代の始まりとするのが、定説だそうです。
土器の出現は最も古い場合は16500年前、灌漑水田稲作は最も古いのは、3000年前、または2400年前になり、その間が縄文時代ということになるそうです。
この時代は、狩猟、採集、漁労を主な生業とし、土器や弓矢を使い、本格的な定住生活も始まりました。
温暖な気候に恵まれ、栗林の育成(前期)、漆の採集(前期)、海水からの塩の精製(後晩期)などもおこなわれていたそうです。
特に、中期にあたる5470年くらい前から4420年くらい前に縄文時代の最盛期を迎え、日本列島全体の人口は26万人程度となり、西日本より東日本のほうが人口が多かったそうです。
また、縄文土器の一般的なイメージである派手で大ぶりな文様な付けられた土器や、有名な国宝の土偶「縄文のビーナス」は、この中期の時代に作られました。
東北地方において、精巧な亀ケ岡式土器や遮光器土偶を生み出した亀ケ岡文化が発達した時期が、晩期(3220年くらい前から2350年くらい前)となっています。
北海道の千歳市、恵庭市、苫小牧市などの石狩低地帯からは縄文時代後晩期につくったとみられる、周堤墓という大型の墓が発掘されているそうです。
周堤墓に埋葬される人/埋葬されない人の格差
周堤墓に埋葬される人々の中でも
周堤墓の中心部に埋葬される人/
周堤墓の内部空間に埋葬される人/
周堤上に埋葬される人/
という格差があったということが想定されるそうです
既にこの時代は単純な平等社会ではなく、すでに社会に階層が存在する「複雑化した社会」であった可能性が高いそうです。
縄文時代の人々は現代の意識高い系の方々が持っているようなサステナブルでエコロジカルで自然と共生しようという考えを持っていたというわけではなく、ごく少ない人口下で、石器によって人力で自然を切り開いていたので、開発の度合いよりも、自然の回復力の方が優っていただけというのが、この時代の真相だそうです。
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#縄文時代
#先史学
#考古学


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読書記録です。
カナダ
-資源・ハイテク・移民が拓く未来の「準超大国」
山野内勘二 著
カナダは大国だなあという認識はありましたが、食料自給率230%、エネルギー自給率180%と聞くと、改めて資源大国としての凄さを感じます。
日本でもマクドナルドのフライドポテトや小麦、キャノーラ油の原料である菜種、豚肉をカナダから輸入しており、日本の食卓はカナダが支えている面も大きいようです。
AIや量子コンピュータの開発も世界の最先端を走っているようで、大国として大きな可能性に満ち溢れた国なんだなと感じました。
今、Eテレで放送されているアニメ「アン・シャーリー」の舞台もカナダ東岸のプリンスエドワード島ですからね🇨🇦
魅力を感じる国です
#読書
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#地理
#国際


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読書記録です。
観音 地蔵 不動
庶民のほとけ
頼富本宏 著
角川ソフィア文庫
僕の住んでいる地域の周辺では、地蔵信仰や不動信仰が行われているところがあるので、少し知ってみたいと思ったので、本書を読みました。
地蔵信仰は
地蔵菩薩の六道救済にちなんで六体の地蔵菩薩を集合させた六地蔵
三途の川の賽の河原で石塔を積む夭折した子供たちを守護する地蔵
戦で加勢してくれる地蔵
災難にあった時に身代わりになってくれる地蔵
寿命を伸ばしてくれる地蔵
田植えを手伝ってくれる地蔵
夏の地蔵盆が子供のための祭りという性格が強いのは、地蔵菩薩は子供のほとけという意味合いが濃いからであるようです。
千葉県の成田山は不動信仰の一大拠点で、江戸歌舞伎の初代市川團十郎は熱烈な不動尊信者で、不動尊に願をかけて長男の九蔵(二代目團十郎)を得たといい、そのためにますます不動尊の信仰を深め、自らが生身の不動尊を演じて大喝采を得ました。
その後、代々の市川團十郎は不動尊信仰の念篤く、市川團十郎の屋号が成田屋であるのは、ここに起因しているそうです。
勉強になりました。
不動明王が盗賊に金縛りをかけて懲らしめたという伝説があるそうで、不動明王はボディーガード的な性格があるようです。
地蔵信仰が交通事故で亡くなった犠牲者に弔うことに重点を置くことに対して、不動信仰は交通事故そのものを阻止することに重点を置くことに特徴があるようです。
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読書記録です。
日本政治学史
丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで
酒井大輔 著
中公新書
想像以上に難解な内容でした。
政治に少し関心がある程度の心持ちだけで、政治学について読み解くのは無理ですね。
大まかな概要としては
20世紀後半における政治学は
「研究者の価値観」に基づく「過去や現状の分析」
そこでは「現状の分析」とともに「理念の追求」をも目指されたそうです
しかしながら21世紀に入ると
規範と実証、価値と事実を峻別し、
科学として純化するために
価値観を持ち込まず事実を明確しようとする方向性が強まったそうです
その一方で
「科学的」であることを目指すあまり
データは「(すでに演繹的に構築された)理論の正当性を検証するため」と位置づけられ
政治を「検証の素材」として扱われることが多くなっているそうです
素人の感想ですが
「権力の実態を明らかにすること」と
「望ましい社会を実現するため」にはどうすればいいのかを研究することを
両立してやればいいのではと思いました
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#社会科学
#理念の追求


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読書記録です。
ヤマト王権
吉村武彦 著
岩波新書
本書がカバーするのは、邪馬台国の時代から謎の4世紀を経て、倭の五王から継体、欽明の時代に仏教が伝来して古墳がつくられなくなる時代までのいわゆる古墳時代と呼ばれる時代です。
p86で述べられているとおり、「大王」号が後世の創作であるならば、倭王権の王は倭王と呼ぶのが妥当であるようです。
仁徳が河内王朝なのかどうかは、少なくとも古墳の発掘調査でもしないと、推測に推測を重ねる仮説しか言えないのが現状であり、つかみどころが難しい時代なんだなと感じました。
本書ではなぜか日本書紀がそうなっているからと理由で継体を応神五世孫と認めていますが、僕は信ぴょう性に乏しいと思います。
継体死後の二王朝並立や内乱の可能性についても否定する根拠は薄弱なように思います。
日本書紀や古事記と王家のある種の神聖性に引っ張られているように感じます。
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読書記録です。
よりみち部落問題
角岡伸彦 著
ちくまプリマー新書
僕の住んでいる市内では部落問題というのは存在しないのですが、たまたまこの本が書店で目にとまり興味を持ったので、読んでみました。
著者は1963年生まれなので、世代的には「巨人・大鵬・卵焼き」「昭和元禄」「バブル景気」を謳歌した世代だと思うのですが、その影で非部落差別にルーツを持つ人間として、部落問題に関わり続けた半生を綴った内容となっています。
日本の差別問題について扱った博物館である「リバティおおさか」で働いていたという話は興味深かったです。
そのリバティおおさかは大阪維新の会によって潰されてしまったのは残念に思います。
保守政権というのは差別問題というのは自己責任だと切り捨てる特徴がありますが、維新の会というのはまさにその特徴にピッタリと当てはまります。
わかりやすい例えとして、
「障害者差別のない」社会を目指す方法として、
保守は障害者の「いない」社会を目指します。
リベラルは障害者が「差別されない」社会を目指します。
この違いは大きいです。
目指すべきは
部落出身者が「いない」社会ではなく、
部落出身を明らかにしても「差別されない」社会です。
それは、全ての差別問題に共通する問題です。
#読書
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#差別
#日本の暗部


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午前中は散髪💈した後、時間があったので、お墓参り🪦もしました。
有意義に時間を使えました。
読書記録です。
サラブレッドはどこへ行くのか
「引退馬」から見る日本競馬
平林健一 著
NHK出版新書
引退した競走馬の大半は「食肉」になるということは知識の上では知っていますが、真正面から引退馬問題について論じているのは、本書が初めてだと思います。
単なる動物愛護ではなく、馬は本質的に「経済動物」であるという観点を持って、ターフを去った馬はどのように廃用されるのかということを丹念な取材によって明らかにしています。
競走馬というのは引退してしまうと経済的な価値がほとんどなくなってしまいます。
乗馬として売却しても安いですし、乗馬となった馬も早ければ数ヶ月で廃用されてしまいます。
繁殖用になった馬も繁殖用としての価値がなくなれば廃用されてしまいます。
人間にとっての使用価値は「食肉」にする以外になくなってしまうからです。
ターフのヒーローやアイドルになった馬が最終的に「食肉」となってしまう。
馬主や競馬の仕事で生活の糧を稼いでいる人などのホースマンも競馬ファンも馬肉は食べないというケジメを持つ必要があるように感じました。
#読書
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#競馬
#引退馬
#食肉


アメジスト
読書しました。
古墳と埴輪
和田晴吾 著
岩波新書
本書の考察で最も興味深かったのは、著者が「天鳥船(あまのとりふね)信仰」と名付けた古墳時代の他界観です。
死者の魂は鳥に誘われた船に乗って天上の他界へと赴き、そこで安寧な暮らしを送るというものだそうです。
古墳表面に並べられた埴輪は他界を表現したものであるというのが著者の見解です。
前回読んだ『埴輪は語る』(若狭徹 著 ちくま新書)とはまた違った解釈がなされており、いろいろな可能性が開かれている古代史の解釈の奥深さを感じます。
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#いろいろな解釈


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読書記録です。
「日本」とは何か
網野善彦 著
講談社学術文庫
「日本」は決して単一民族の国家ではなく、東日本と西日本は決して均質の国家ではなく、稲作中心社会ですらなかったということを、学術的に明らかにしようとしている内容となっています。
689年の浄御原令もしくは701年の大宝律令を持って「日本」の建国、天皇制度の成立とし、それ以前は倭国、倭王と呼ぶのが妥当であるというのは賛同します。
建国記念の日も架空の人物である神武天皇が即位したとされる2/11で本当に妥当がどうかというのも考えさせられました。
日の丸、君が代についても軍国主義の色がついていた歴史があるということは忘れてはいけないなと思いました。
鎌倉や江戸も源頼朝や徳川家康がいきなりつくった町ではなく、それ以前から海の交通の要衝として発展していた町であるという歴史があるということは勉強になりました。
第4章においては、百姓は農民だけではない、漁村もあり、瑞穂の国とは別の側面もある。
漁業を生業とする人々、廻船業、山間部の杣人(そまびと)や炭焼きの民、それから、養蚕業、商業、手工業者などがいて、年貢もコメだけではないという多様性のある国であるということを浮き彫りにして、瑞穂の国であるということを強調することは、本来、日本が持っている多様性が見えなくなる危険性があるということを論じています。
日本を天皇を中心とする国であると考えるのは、天皇が新嘗祭に代表される行事によって、「稲作文化」を中心に統べるということを強調することから、多文化共生に反する危険性があると思いました。
本書のタイトルである「日本」とは何かということを、あえて定義をするのは危険なことなのかもしれません。
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#日本論
#多様性

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