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またんぎ

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### 結論
瞑想の効果は、ストレス軽減、不安症状の軽減、うつ症状の軽減に最も強いエビデンスがあり、集中力・実行機能の向上、睡眠の質の向上、免疫力の向上、痛みの軽減がこれに続く。脳の老化防止や血圧低下はエビデンスが弱く、さらなる研究が必要である。すべての効果は、特に8週間以上の継続的な実践(例:MBSRやMBCT)で顕著に現れる。信頼性の低い情報(例:スピリチュアルな主張や未検証のウェブ記事)は避け、査読済み論文や公的機関のデータを基に解説しました。
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しゃろみつ

しゃろみつ

MBCTとACTの差異についての持論。

MBCTだけでも十分であるとは思うが、ACTも含めた方がよいと、個人的には考えている。

共通すること
・メタ認知を行い、高次な視点で客観視する。
・今起きていることにのみ集中し、過去の経験と切り離す。
・賢い心を増やし、効果的な行動をする。

ACT の必要性
・自分に都合の悪い体験も回避せず、行動し、受け入れる。
・失敗を怖れず、受け入れ、行動する。
・好ましくない体験のための脳内領域を確保し、受け入れる。
・ダメな自分も自分であり、自分らしさでもある。ありのままに受け入れる。

留意すること
・ACTは負荷が大きいため、メンタルの状態に合わせて段階的に行う。慎重に取り扱うべき概念である。完全にそうしないければならないわけではない。
・メタ認知は高度な技術であり、習得することは困難である。他者の視点での説明を聞いたり、録音を聞いたりすると冷静に客観視をしやすくなる。習慣化することが重要である。
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ヒロ🦻【えんの木】

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1. MCT(メタ認知療法)

メタ認知療法(Metacognitive Therapy)は、心理学者Adrian Wellsによって開発された認知行動療法の一派です。

特徴と目的

思考そのものではなく、思考に対する認識(メタ認知)に注目します。

不安やうつの原因を「思考の内容」ではなく「思考のプロセス」にあると考えます。

例:心配しすぎる傾向(反芻思考)や、思考をコントロールできないという信念を修正する。

主な技法

思考の「監視」や「反芻」を減らす訓練

「心配しても意味がない」と気づかせる再構成

注意の柔軟性を高めるエクササイズ

適応例

全般性不安障害(GAD)

強迫性障害(OCD)

うつ病、PTSDなど


2.MBCT(マインドフルネス認知療法)

Mindfulness-Based Cognitive Therapy(MBCT)は、うつ病の再発予防を目的に開発されたグループ療法です。

特徴と目的

マインドフルネス(気づき)と認知療法を融合したアプローチ。

過去のネガティブな思考にとらわれず、「今ここ」に意識を向ける訓練を行います。

うつ病の再発を防ぐために、思考と感情の自動反応に気づき、距離を取る力を養う。

主な技法

呼吸瞑想、ボディスキャン、歩行瞑想などのマインドフルネス実践

認知の再構成とセルフケアの促進

8週間のプログラムが一般的

適応例

うつ病(特に再発性)

不安障害、慢性疼痛、依存症などにも応用されている

 

3.共通点

・マインドフルネスの理論と介入技法は,メタ認知と注意制御の認知機能によって構成され る点。

・特定の対象に注意を向け続ける手続き。具体的には雑念の想起や注意すべき対象に対して,注意を分割した状態を持続させておくというメタ認知的モニタリングを適用

・認知内容ではなく認知機能に焦点をあてる。

・メタ認知的気づき…MCTでは,対処モードによる思考の経験からメタモードによる思考の経験に切り替えるために必要であり、MBCTでも同じ様に認知的脱中心化の構成要素の一つとして重要視している

 

4.相違点

・理論的アプローチと介入法

・それぞれの認知機能における適用法

・それぞれが異なるメタ認知の側面を対象にしていることが考えられる。

・メタ認知的信念に関する理論と介入方法について提唱しているのはMCT特有

※同じようにマインドフルネスに関連する他の治療技法では,これらのメタ認知的信念を扱っているものは少ない。

・メタ認知的信念について理解するためのさまざまな介入法を適用するが,MBCTのような 「経験的に理解する」 という方法とは異なるアプローチ。


【参考文献】

今井(2021)メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4


【ベストコメント】


結婚は、ドキドキがポカポカになるんです。

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ヒロ🦻【えんの木】

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1.MBCTのマインドフルネス

・メタ認知的経験を重視する

・「評価しない」 というマインドフルネスの態度は,エクスポージャーと組み合わせることで,効果をより発揮する (Sisemore, 2012)。

・身体感覚に能動的な注意を向ける手続き (呼吸瞑想,ボディースキャン,歩く瞑想など)

・さまざまな心理的症状に著効を示す実証的知見が多くあることから,身体感覚をはじめとした自己関連刺激を用いることが必ずしもエクササイズの効果を弱めるわけではないと考えられる。自己注目を誘発する自己関連刺激を注意訓練に取り入れた研究では,社交不安症の症状に効果を示した例もある (富田ら,印刷中)。

・エクスポージャー中、情報の正しい(適切な)入力を目的としている

 

2.MCTのマインドフルネス

・メタ認知的知識をトレーニングや行動実験的な取り組みの焦点

・注意訓練では生体内の刺激に注意を向けることは推奨しない。理由として,身体感覚は最も典型的な自己関連刺激であり,対象モードによる処理が行われやすくなるため(Wells, 2009)

例)パニック障害の介入に注意機能を促進するMCTのエクササイズ(注意訓練法) をリラクセーションと併用した場合,注意訓練の効果が十分に発揮されなかった。→ 身体感覚に集中するリラクセーションの作用によって対象モードを促進したことが,注意訓練の効果を妨げた

・注意訓練における転換的注意に関するフェーズは特徴的な注意のトレーニングであり,MBCTなどでは転換的注意そのものを直接的に促進するトレーニングは見当たらない。

・介入手続きで自己注目を誘発しないことが一貫したポリシー

・自己関連刺激を用いたトレーニングを一貫して行うことはない

・自己注目に誘発されやすい身体感覚などの自己関連刺激(思考・感情・感 覚など) を用いながら,それらの刺激から「距離をおく」態度の実現を目指している。それがエクスポージャー中の有益なスキルともなる (Sisemore, 2012)。

・エクスポージャー中の情報プロセスの適切さを目的としている

 

3.共通点

・特定の刺激に注意を向け続ける選択的注意に関連したトレーニングがある (Verni, 2015)。

・転換的注意を促進する意図は共通性がある。雑念などの想起に対して注意が逸れた時には,注意を元に戻す(MCTでは音に注意を戻し,MBCTでは呼吸に注意を戻す)。この時に適用される注意機能は能動的な転換的注意である。

・注意訓練中の「分割的注意」フェーズは,ディタッチト・マインドフルネスを実行するための基礎的機能として位置づけられその意図は

1) 注意を分割することで自己注目に必要になる注意資源を枯渇させること

2) 注意を分割するというメタ認知的方略を意識することにより,メタ認知モニタリングが活性化されやすいこと

1)は MBCT同様でメタ認知的気づきや意図的活動に注意資源を割りあてることで,自動処理的な症状を悪化させる処理に注意を割りあてる資源が少なくなることを目的としている。

2)はMBCTのマインドフルネスのエクササイズの一つである「観瞑想」に類似した認知プロセス。観瞑想では,身体内外の全ての刺激に対して観察的態度で注意を向ける手続きを適用しており,分割的注意を土台にしたメタ認知モニタリング (熊野, 2012)

・エクスポージャー中に注意機能の操作に焦点をあてている点である。

 

【参考文献】

今井(2021)メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4


【ベストコメント】


お風呂で良いアイデアが浮かぶことが多いです。よいFLowが生まれる。


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ヒロ🦻【えんの木】

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MCTとMBCTにおけるマインドフルネスはメタ認知を適応的に機能させることが共通しているが,重点をおいているメタ認知の機能については異なり介入方法も違う。

 

ちがい1メタ認知

【MCTのメタ認知】

・メタ認知的知識(信念・手続き)であるため,エクスポージャーが含まれるようなメタ認知的ガイダンスをはじめとするような技法は「距離をとって注意深く観察する」というディタッチメントの有用性に関する知識と手続きを確認するために行われている。

・認知注意症候群(CAS)※ に関連するメタ認知的知識(信念・手続き)を反証するために使われている。

※心配・反芻と,脅威関連の刺激に注意を固着させるといった脅威モニタリングによって構成されている

 

【MBCTのメタ認知】

・メタ認知的活動が重視されている。呼吸瞑想のような生体内に生じる思考や感覚に焦点をあてるトレーニングが「あることモード」の有用性に関する知識を経験的に獲得するために行われている。

・それは「今ここ」に注意を向けることや、評価しない「あることモード」は,言語化することが難しい心的モデルなので、それらをメタ認知的経験での感覚(フィーリング)を通じて獲得するため。

 

ちがい2.経験と知識の比重

【MCT】

・メタ認知による制御に関する具体的な機能とシステムに関するアーキテクチャーを構築しており,明確な「知識」の提供と獲得に重点があり,「経験」は知識を確認するための補助的なものとして扱われる。

・反復的で強度のあるエクスポージャーなどは行わず,思考との付き合い方に関するデモンストレーションとして,さまざまな行動実験などを行う。

【MBCT】

・「経験」によって得られる知識に重点をおいており,「することモード(現実への対処方略を取る)」の「不一致処理(discrepancy-based processing)」に関する方略(Segal et al., 2002)の解消を目的としているため,マインドフルネスの状態を知識として知るだけではなく,実践を通してマインドフルネスの理解を会得する。



【MCTは知識で,MBCTでは経験でマインドフルネスを習得することを重視】

とはいえ…

MCTからは、最近になって提唱された基礎理論「メタ認知制御システム (MCS)」が提唱されており、その中に組み込まれているサイバネティック・ コードの書き換えには知識よりも経験が必要。

予想した認知処理とオンライン処理の不一致をサイバネティックに解消する試みが神経ネットワークを通じて行われることを考えると,行動実験による「経験」の重要性がいっそう高まる。

また,セラピールームでだけではなく,日常的に行動実験ができる、かつ継続的な経験的手続きの検討は必要。

 

【参考文献】

今井(2021)メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4


【ベストコメント】

①ひろさんはミンナに愛をばらまいてる

②いまいせんせい何してるのかな 水浴びで倒れてないかな

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注意機能の側面からみたマインドフルネス

1.ちがい 能動的注意機能を促進する介入法

【MCT】

・中性音や景色・人の顔などの刺激にアクセスする外受容感覚を適用したトレーニング

・自己関連刺激などに焦点をあてると,内受容感覚が自己注目(対象モード)を誘発しやすいと想定しているため。Wells (2002)

・マインドフルネスの筋弛緩法と注意訓練を比較した研究結果からは,どちらも不安症状は低減したが,自己注目については注意訓練をしたグループだけ低減していた(Fergus, Wheless, & Wright, 2014)。

・国内の比較研究の結果からは,注意訓練をしたグループでは注意機能の向上が示されたが,マインドフルネスを実施したグループは注意機能の向上は示されなかった。

【MBCT】

自己身体感覚の刺激にアクセスする内受容感覚を適用したトレーニング

 

2.MCT・MBCTに共通点

・注意制御をどのように適用するかという「知識」が前提条件として必要(藤島ら 2020)。

マインドフルネスに関する心理教育が十分ではない「瞑想」や「ヨガ」の形式を適用したエクササイズを実施しても,効果は得られにくい。(しかし注意の方向性と受容感覚に関する問題は直接的な比較検討が行われておらず推論の域を出ない。)

・MCT とMBCTでもマインドフルネスの促進を目的とした多くの介入法とその理論に注意制御に関するものが含まれている。

・マインドフルネスの定義および理論と介入法に,能動的な注意制御に焦点があてられている (Wells, 2009;Bishop et al., 2004)。

・思考や感情から距離をおいて観察するメタ認知的モニタリングの状態を維持する認知的土台として,能動的な注意制御が想定されている。

・注意制御機能の能動性を保つことができなければ,思考や感情から距離をおけない不適応的なメタ認知的モニタリングの状態となってしまい,マインドレスネス(mind lessness) を誘発することになると考える点。

・マインドフルネスでも注意訓練であっても、注意機能に注目した介入を行う時にはディストラクションや回避的な認知処理として注意機能を用いないことを十分理解しておくことが重要な鍵となる。

 

3.MBCTのマインドフルネス・MCTの注意訓練の課題

マインドフルネスにせよ、MCTにせよ課題がある

・マインドフルネスのトレーニングは参加者にとって内容が難しく,習得までにある程度の時間が必要になる(田中・杉浦・神村, 2010)。

・不安症の患者の中には注意訓練の内容が日常的な状態とかけ離れていると感じる者がいる(Staarup & Poulsen, 2015)→ 「自己注目誘発型ATT」を開発:通常の注意訓練よりスピーチ課題後の反すう的認知が減少。

曝露の状況にありながら,自分への評価とは無関 連の話し声を含めた日常生活音に注意を向ける操作を適切に行えば「状況への再注意法」の作用機序が含まれる可能性

 

【参考文献】

今井(2021)メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4

 【ベストコメント】

ラブすぎて尊い

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マインドフルネスの作用機序によるMCTとMBCTのちがい

マインドフルネスのトレーニングを実施する際に注意を向ける刺激のちがい

MCT…外受容感覚を用いる

MBCT…内受容感覚を用いる

→ それぞれの理論に基づいて違いが生まれている。

 

ICSモデル(Interacting Cognitive Subsystem)

・MCT・MBCTでも適用されている

・情報処理理論の観点からマインドフルネス瞑想によるうつ病の再発予防効果について検討したモデル

【理論の中核】

①命題的コード(prepositional code)特定の意味に関連

②含意的コード(implicational code)言葉で表現できないが感じることができる意味に関連

…身体感覚の入力を受ける性質や,感情の生成に関与する機能を有する。

この2つのコードの相互作用が中核となって、感情処理過程の中心にあると仮定し「セントラル・エンジン」と称される。

・ICSに基づいたMBCTは,認知的な命題コードから身体的な含意コードに移行する手続きを,処理モードの変換を通じて行なっているトレーニング

・この相互作用は,S-REFにおける下位処理システムとメタシステムの機能構造と類似

【二種類のコード処理】

①ダイレクトモード(direct mode)…オンライン処理による習慣的な反応

②バッファード・モード(buffered mode)入力されたデータを広範な文脈を考慮して処理。認知レベルを想定していないが,対象モードとメタ認知モードに類似した機能

 

・含意コードを生成する下位システムがバッファード・モードで処理されることが重視され(Teasdale, 1999)、S-REFにおける下位処理システムから入力された感覚などの自己関連刺激に対してメタ認知モードで処理されることを治療において重視していることと類似。

・「気づき」と「持続(あることモード)」がマインドフルネスの効果を示すためには、この含意的下位システムがダイレクト・モードよりもバッファード・モードが優位であることが重要。

・内受容感覚にアクセスすることによって 「あることモード (つまり, バッファー・ モード)」にシフトする

・MCTで提唱されている「メタ認知制御システム」では,サイバネティック・コードが生成され,ニューラルネットワークによって対象レベルの認知システムにバイアスを生じさせると想定‐(平たく言うと)自分の考え方を見張る司令塔(メタ認知制御システム)がルール(サイバネティックコード)を作って、脳の情報ネットワーク(ニューラルネットワーク)に伝えることで、考え方の癖や偏りを調整している

→ S-REFモデルで示された情報処理よりもICS モデルに近接していると考えられる。

 

脳を観察した実験(Farb, Segal, and Anderson 2013)

自分の呼吸に意識を集中する課題(内受容課題) 視覚刺激に注意を向ける課題(外受容課題)をするグループに分け、知覚された身体の信号によって統合的な表象が形成される脳部位(前部島)をfMRIによって観測した。

【結果】

瞑想経験が長い人ほど,自分の呼吸に意識を集中する(内受容課題)すると前部島の活動が高まり,視覚刺激に注意を向ける(外受容課題)では前部島の活動が低下するトレード・オフの関係を示した。

→ 「マインドフルネスは内受容感覚にだけ注意が固定されているわけではなく,必要に応じて注意を柔軟に切り替えられる」

これをMCTの注意訓練法などの介入法で自己関連刺激をトレーニングの刺激として適用しない(または適用できる)根拠を明らかにすることにつながる可能性を示す。

 

【参考文献】

今井(2021)メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4


【ベストコメント】


すごい!8回連続クシャミ はじめてきいた!!


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MCTのマインドフルネスと仏教のマインドフルネスの比較

・MCTは認知療法の系譜にあり「技法だけを応用した」もしくは「本来別の技法が共通点がある過ぎない」と理解した方がよさそうだが…。


1.ディタッチト・マインドフルネス (DM) と他の文脈で用いられるマインドフルネス の違い

A・Wells

・瞑想を含まず

・広範で継続的な実践を必要とせず

・身体に注意を固定的に焦点づけず

・現在の瞬間の気づきよりも思考へのメタ的気づきの促進に関係する

などを列挙している (ウェルズ, 2012)。

・「ディタッチメントは,具体的なメタ認知の処理モデルによって説明可能な変数であり,MCTに特有な概念」(今井)

(その一方で,MBCTの「あることモード(being mode)」の「全ての体験を意識の中の出来事として知覚すること」 という特徴を,メタ認知の機能的観点からDMとの類似性が認められる概念であるとも指摘)

 

2.全ての体験を皮膚の内側の中の出来事としたら?

・徹底的行動主義の自己観や仏教の自己観と類似してしまう

・ディタッチメントの説明として

1) 思考に反応する時の概念的もしくは対処に基づいたあらゆる活動からの解放

2) 自己の意識的な経験を思考から切り離すこと

がACTの脱フュージョンと似てしまう。

 

3.MCTは身体に注意を焦点づけない

・はじめからこれらの内受容感覚に注意を向けることはストレスフルであることを報告している Wells(2002)

・自己関連刺激などに焦点をあてる方法を一貫して適用しないのは,内受容感覚が自己注目(対象モード)を誘発しやすいことを想定しているから(今井)

→ MCTは反すうや心配と深く関わる自己注目を減らすことを大きな目標としている

・認知療法は自己の内と外を区別する常識的な自己観に立つ

※ 徹底的行動主義や仏教は自己に観察するという機能しか認めない

 

4.体に焦点づけないは、「注意を向けてはいけない?」なのか

しかし、治療が多少進んだ段階で,応用問題として内受容感覚を活用するという方向性はあってもよいのではないか。

「身体に注意を固定的に焦点づけない」は「身体に注意を向けてはいけない」という訳ではなく,マインドフルネスに含まれる観察瞑想のように,身体の全体,外的環境の全体を捉える六根(五感+自動思考)の働きに注意を向けることとの違いも相対的なものかもしれない。

・MCTにもマインドフルネスと治療原理そのものが重なっている可能性もある

 

【参考】

熊野(2021)第3世代の認知行動療法の治療原理とマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4


【ベストコメント】

ちゃんと理解して話されている感じが伝わってきます。
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第三世代の認知行動療法ACTと仏教の共通性

1.マインドフルネスに対する二種類のスタンス(酒井)

①治療原理から応用…MBSRやマインドフルネス認知療法(MBCT)

②技法のみを応用…ACTや DBT

例)ACT ではフォーマルなマインドフルネス瞑想を必ずしも行ず,マインドフルネスという心の持ち方や存在の在り様が含む様々な機能(アクセプタンス,脱フュージョン,プロセスとしての自己,文脈としての自己)を,組み込んでいる


2.ACTにおける「機能」とマインドフルネスの類似性

マインドフルネスとはマインドフルネス瞑想のみを意味しているものではないのである (ローゼンバーグ, 2001)。

・マインドフルネスにおける『呼吸による癒し』中の「諸々の感情……それらと同一化してしまったり,抵抗したり,あるいは拒否したりせず」はACTの脱フュージョンやアクセプタンス,「呼吸も,感受も,心の状態も,やって来ては去っていくもの全てを見つめていると,これらのことを「している自己」という概念が想像上のものであることも理解されてきます」→「プロセスとしての自己」「文脈としての自己」

【ACT】
機能的文脈主義=徹底的行動主義「観察できる生体の行為は全て行動と見なす」

①観察者自身にしか観察できない思考,感情,身体 感覚,記憶などのことを私的出来事

②行動とは個体と環境との相互作用の中で成立する従属変数として捉える

私的出来事も全て私的環境内(皮膚の内側)で生じている従属変数になり,「自分」がそう 「している」ことではなくなる。

「自分」に認められるのは「観察者」としての機能だけということになる

3.仏教
・「している自己」が生まれる理由は様々レベルでの行動連鎖が次々につながって,感覚,感情,習慣,自己へと発展していく様である十二縁起を挙げ,習慣的行動の成り立ちや持続を個体と環境との相互作用の連鎖で捉える。

【参考】
熊野(2021)第3世代の認知行動療法の治療原理とマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4

【ベストコメント】
「月が綺麗ですね」


#認知行動療法 #仏教 #マインドフルネス #ACT #心理療法
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1.メタ認知療法とマインドフルネス認知療法の復習

🧠 メタ認知療法(MCT:Metacognitive Therapy)

概要

心の問題は「思考そのもの」ではなく、「思考に対する認識(メタ認知)」に起因すると考える療法。

うつ、不安、強迫などの症状は、過剰な反芻(rumnination)や心配(worry)といった思考パターンによって維持されるとされる。

これらの思考パターンを引き起こす「メタ認知的信念(例:心配すれば問題を防げる)」を修正することが目的。

特徴

認知の内容よりも「認知のプロセス」に焦点を当てる。

思考をコントロールする技術(注意の切り替え、思考の距離化など)を訓練する。

比較的短期間で効果が期待できる構造化されたアプローチ。

 

🧘‍♀️ マインドフルネス認知療法(MBCT:Mindfulness-Based Cognitive Therapy)

概要

認知行動療法(CBT)とマインドフルネス瞑想を融合させた療法。

主にうつ病の再発予防を目的として開発されたが、不安障害や慢性痛などにも応用されている。

「今この瞬間」に注意を向け、思考や感情を評価せずに受け入れる姿勢を養う。

特徴

自動的なネガティブ思考に巻き込まれず、距離を取る力を育てる。

呼吸や身体感覚への注意を通じて、自己への気づきを高める。

グループ形式で行われることが多く、8週間のプログラムが一般的。

 

2.ちがいその1.「マインドフルネスアプローチ」

・「マインドフルネス」の想定が異なる

MBCTのマインドフルネス瞑想…メタ認知の適応的・不適応的な側面を理解するためにメタ認知的活動の状態を実際に経験しながら理解(知識化)していく。メタ認知的感覚という非言語的な経験に重点をおいており、言語化による知識として獲得するのが困難なメタ認知的感覚を重視。呼吸瞑想を用いたマインドフルネス・トレーニングでは,経験的に理解することが推奨されており (伊藤, 2018), この過程で得られるものがメタ認知的感覚である。

MCT…マインドフルネスによる経験は知識を確認する目的のために実施される(Wells, 2009)。言語化による知識において獲得できるメタ認知的知識を重視している。マインドフルネスの状態を長期的な経験によって獲得することを必要とはしていない(Wells, 2009)

・予想:注意を向けることができそうだ

・点検:この注意の向け方でいいのか

・評価:注意を適切に向けられている

のプロセスに焦点をあてるために曝露法を適用した行動実験を経験させながら,適応的なモニタリングに関するメタ認知的知識を獲得し ていく「メタ認知的ガイダンス」が実施される。

「思考を伴わない気づき」や 「価値判断を伴わない受容」は難しいし矛盾していると指摘 (Wells, 2009)


3.ちがい2.「メタ認知的コントロール方略」

・メタ認知コントロールとは…

「目標設定」…心配している状態に気づいたら距離をとってみる

「計画」…心配が始まったら,どのように心配から距離をとるか考える

「修正」…もう少し意識的に思考や感情から距離をとろう

で構成される(三宮1996)。

・メタ認知的知識の内容やメタ認知的信念の強さに影響され、メタ認知的知識の内容が思考の持続性や脅威性を強めるような不適切なものだと不安などの症状を高めるよう働く。

そのため,メタ認知的活動に焦点をあてたマインドフルネスのトレーニングを行うために 適切なメタ認知的知識の獲得が必要

 

MCT…メタ認知的知識に重点をおきながら,メタ認知的活動(経験)のトレーニングを通じてその妥当性を検討することで,マインドフルネスの状態を促進する。

MBCT…メタ認知的活動 (経験) をトレーニングすることによって得られるメタ認知的感覚に重点をおきながら,メタ認知的知識を獲得するプロセス

 

4.結論

・どちらにせよ知識と経験は必要であり,最初のうちは感覚であれ知識であれ意識して乗ることが求められ、最重要なことは,「思考は思考である」というメタ認知的知識を理解する こと。

・言語的理解や感覚的理解の能力に合わせた治療法を選択する

例)MBCTは,メタ認知的な機能について「視点」という表現で説明されることが多く,これらを 「評価しない」 や「今ここ」 という条件の下で用いることが定義にもなっているが,こうした状態を経験から理解することに難しさを感じる場合は, MCTのように具体的な知識として説明することで,治療導入がスムーズになる可能性がある

逆に,「理解はしているけど,思考や感情とメタ的に関われない」 という場合には, MCBTのように経験的な理解を目的としたトレーニングがよいかもしれない。

【参考文献】

今井(2021)メタ認知療法からみたマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4

【ベストコメント】
平和学という学問でエクスポージャーという言葉を使いました。
エクスポージャーは今までの自分を投げ捨てて、新しい場所へ行って何を感じるかの、現地実習のことを指します。

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