

書いたり、読んだり、紹介したり、しましょう!

ntm
イベントでやってみようかな…?

犬彦
泣き声を、笑いへ。
悲しみを、祝福へ。
それを“救い”だと信じた人がいた。
黒衣の聖歌監督マティア。
そして、声房の奥に残された古い印。
ミオの声は、まだ帰れない。
けれど、もう笑わされるだけではない。
ブライテッド・スターリーダー
― 穢れ星を読む者たち ―
#アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/novel/452758996/49052460
#ノスタンティークファンタジー
#ファンタジー小説
#小説更新
#ブライテッドスターリーダー


みくちゃ

小さな世界
隣を歩く彼が、自動販売機で買ったばかりのサイダーを一口飲んで呟いた。
夕暮れの風は少しだけ湿気を帯びていて、制服のブラウスにじわりと張りつく。
「もう六月だもん。衣替えから暑くなったから助かるね」
私は自分の冷えた麦茶を握りしめながら、わざといつも通りの、平坦な声で返した。
高校二年の初夏。
私たちはずっと、気の置けない「ただの友達」。
クラスも同じで、席は前後。
家も同じ方向だから、こうして放課後に並んで帰るのは、周りから見ればすっかり見慣れた日常の風景に過ぎない。
けれど、私の内側は少しも日常なんかじゃなかった。
彼が笑うたび、目が合うたび、ふとした瞬間に名前を呼ばれるたび。
サイダーの気泡みたいな小さな感情がしゅわしゅわと湧き上がって、胸の奥をチクチクと焦燥感で刺してくる。
(好き、って言えたら、どんなに楽だろう)
何度も頭の中で繰り返したその言葉は、いつだって喉の奥でつっかえて、それ以上先へは進んでくれない。
「そういえばさ」
不意に彼がスッと距離を詰めてきた。
歩道の狭いガードレールの内側。
肩と肩が、あと数センチで触れ合いそうな距離になる。
制服の柔軟剤の微かな香りが鼻をかすめて、私の心拍数が跳ね上がった。
けれど、そんな私の動揺になんて、この人は絶対に気づいていない。
「昨日の数学、ノート写させてくんない? 最後の方、板書間に合わなくてさ」
「……また居眠りしてたの?」
「ちげーよ、ちょっと考え事してただけだって」
「どうせ部活のことでしょ。いいよ、明日貸してあげる」
「マジで? サンキュ。お前、ほんと頼りになるわ」
無邪気に笑う横顔。
『頼りになる』。その言葉は、彼にとって私が特別な位置にいるようで嬉しい反面、私と彼の間にある「仲の良い友達」という分厚い壁の存在を、残酷なくらいはっきりと再認識させる。
彼女になりたい。特別になりたい。
でも、もしその境界線を踏み越えようとして、拒絶されてしまったら?
今、ここで立ち止まって彼の袖を引き、「ねえ」と本当の気持ちをぶつけたら。
この心地よい、隣を歩くのが当たり前という特等席すら、音を立てて崩れ去ってしまうかもしれない。
それが怖くて、失うのが恐ろしくて、私は今日もまた出かかった「好き」という二文字をごくりと飲み込む。
言葉にできないもどかしさが、胃のあたりで重たく、熱く渦を巻いていた。
「……なに?」
不意に私がじっと見つめていたことに気づいた彼が、こちらを振り向いた。
夕日を背にしたせいで彼の表情は少し影になり、そのぶん真っ直ぐに向けられた瞳の輪郭だけがひどく鮮明に見えた。
一瞬、世界から音が消えたように視線が絡み合う。
心臓の音が、うるさい。
今なら、言えるかもしれない。
「……」
「……どうした?」
彼が、少しだけ不思議そうな、でもどこか甘さを帯びたような声で首を傾げる。
「ううん、なんでもないっ」
私は弾かれたように視線を前に戻し、誤魔化すように少しだけ歩幅を広げた。
「なんだよそれ」
後ろから追いかけてくる彼の足音が、私の鼓動と重なる。
もやもやして、苦しくて、踏み出せない自分がもどかしい。
でも、この甘い痛みのような時間が、もう少しだけ続けばいいとも思ってしまう。
蓋を開けたままのサイダーみたいに、いつかこの気が抜けてしまう前に。
抜け出せない微炭酸の想いを抱えたまま、私は今日も、彼との曖昧な距離を歩き続ける。
#小さな世界 #恋愛小説 #創作 #青春 #一番楽しい時期

犬彦
笑い声に変えられた声。
名前ではなく、“声の性質”として扱われた子どもたち。
リネが忘れたくなかったのは、
ミオの顔ではなく、手の温度と、
「帰りたい」と泣いていた本当の声でした。
ブライテッド・スターリーダー
― 穢れ星を読む者たち ― #アルファポリス
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ジャック
【短編】富の再分配
富の再分配と言う言葉を聞いたことがあるだろう。税金なんかがいい例だね。裕福な者から取り、貧しい者に分け与えるシステムのことだ
昨今、どの国でも経済的格差と言うのは問題になっている。いや、はるか昔から存在している人類社会の解決すべき問題だと言えるだろう。
ノブレスオブリージュと言う言葉もあるな。高い地位や富を持つ者はある種の責任と義務を負うと言う言葉だ。たとえ、人より努力して苦労して手にしたモノだとしても、それに胡坐をかいて持たざる者を蔑ろにしたり、虐げることは社会的に在ってはならないことなんだよ。
つまり、持たざる者である僕が冷蔵庫の中の君のアイスを食べてしまったとしても、まるで聖人のような寛容さをもって僕を許すべきたという…
同胞の諸君、覚えておきたまえ。食べ物の恨みは恐ろしい。深夜にもかかわらずコンビニダッシュするはめになるぞ。あと、女の人ってこういうときはやってもビンタじゃない?ボディブローって結構痛いね。

小さな世界
窓際から差し込む西日が君の横顔をなぞり、ふわりと浮かぶ埃を金色の粉に変える。
君が振り返って笑うだけで教室の空気の密度が変わるのを、私は三つ後ろの席からずっと見ていた。
君が新しい文房具を使えば、翌日には私も同じものを持っていた。
君が口ずさむ流行歌を、私は帰り道に何度も反芻した。
君の歩幅に合わせて歩きたくて、私はいつも少しだけ早足で君の背中を追っていた。
私の世界は、君という光源を中心に回っていた。
君が誰かと笑い合うとき、その笑い声が届かない場所で私は拳を握りしめる。
指先がじわりと熱を帯び、心臓の奥が鉛のように重くなる。
どうして君は、そんなにも軽やかに世界と交われるのだろう。
どうして私は、君の影をなぞることしかできないのだろう。
喉の奥に飲み込めない硬い塊がずっと居座っていた。
君に近づきたいのに、近づけば近づくほど自分という輪郭がぼやけていくような恐怖。
君の眩しさに目が眩み、自分の居場所がどこにあるのかも分からなくなる。
あの日、君が黒板に書いた拙い文字を私は放課後の誰もいない教室で、誰にも見られないように指でなぞった。
君の一部になりたかったのか、それとも君になりたかったのか、その答えさえ出ないまま。
卒業から十年が経った。
ふと開いた古いノートの端に、君がよく使っていた色と同じペンの跡を見つける。
その瞬間、身体の深部があの頃の西日の色に染まった。
ああ、私をあんなにも苦しめていたのは、君への憧れだったのだと今なら分かる。
君は太陽で、私はその光を受けて輝くことを許されなかった地面だった。
あんなにも切実であんなにも自分を追い詰めていたあの感情に、今なら名前をつけてあげられる。
でも、もうあの教室の扉は開かない。
あの時の、不器用で、熱くて、どうしようもなく痛かった私の心だけが今も青春の真ん中に取り残されている。
#小さな世界 #恋愛小説 #創作 #恋愛 #

きゅ
回答数 18>>
小説として成立させるためにプロット通りに書くのが一番作業みたいに感じるかもしれません。多分あんまり良くないけど、物語は自由でありたいので、あんまり細かいプロットは書かない派。自分を優先する冷めた目をするキャラが他人のために感情論で動き出すと、自分の物書きとしての力量の無さを感じると同時にそういう不確定が愛おしくなるので、本当に根っからのTRPGプレイヤーだと思います

犬彦
名前を消された声が、まだ泣いていた。
第3章「笑い声の蝕徴」
第3話「名前のない聖歌児」公開しました。
るなは、笑いに変えられそうな涙を守る。
アオイは、分類ではなく名前を記録する。
ヴァルトは、床に残った“逃げようとした跡”を読む。
セレネは、怖くても声の写しを観測する。
ユノは、声を失った少女のそばで待つ。
そして星灯班は、祭壇裏の小さな扉――《声房》へ辿り着く。
ブライテッド・スターリーダー
― 穢れ星を読む者たち ― #アルファポリス
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なっつ
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