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臼井優

臼井優

境界性パーソナリティ障害(BPD)とは
 感情、対人関係、自己イメージが不安定になりやすく、「見捨てられることへの強い恐れ」が根底にある精神疾患で、激しい気分の変動、衝動的な行動、慢性的な空虚感などが特徴です。
 幼少期の環境(虐待、ネグレクトなど)と遺伝的・気質的要因が複雑に絡み合って発症すると考えられ、自傷行為や自殺念慮が見られることもあり、専門的な心理療法(DBTなど)や薬物療法で改善が期待できます。

主な症状
見捨てられ不安と対人関係の不安定さ:相手に強く依存したり、見捨てられると極端に怒ったり、関係が激しく変動する。

感情のコントロール困難:激しい気分の落ち込み、怒り、不安が制御できず、衝動的な行動に出やすい。

自己像の不安定:自分が何者かわからなくなり、慢性的な空虚感や生きづらさを感じる。

衝動的な行動:自傷行為(リストカットなど)、過食、薬物乱用、危険な運転など。

理想化とこきおろし:人を「最高」と理想化する一方で、少しのことで「最低」と評価を急降下させる(>><>全か無か思考)。

原因(要因)
環境要因:幼少期の虐待、ネグレクト(無視)、過干渉、親との愛着形成の不安定さなどが指摘される。

遺伝的・気質的要因:ストレスへの反応性や心の特性が関与し、遺伝的傾向も示唆されている。

治療と支援
心理療法:弁証法的行動療法(DBT)などが感情調整や対人関係スキル向上に有効。

薬物療法:併存するうつ症状や不安、衝動性を和らげるために補助的に用いられる。

周囲の理解とサポート:家族やパートナー、支援団体の理解と協力が回復には不可欠。

境界性パーソナリティ障害は「治らない」と思われがちですが、適切な治療と支援によって改善し、安定した生活を送れるようになる疾患です。
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ヒロ🦻【えんの木】

ヒロ🦻【えんの木】

1.第1世代の認知行動療法(Hayes, 2004)。

・1968年以降、アメリカの精神科病棟を中心として発展していた応用行動分析学は、主に神経症を対象としていた。

・その後南アフリカ (例えば、Wolpe, 1969内 山監訳 1971) やイギリス (例えば、Eysenck, 1964) を中心として発展していたアプローチと合わせて行動療法と呼ばれるように(Yates, 1970)。

 

2.第2世代の認知行動療法

・認知療法との領域が曖昧になり、認知行動療法における行動分析学の存在感は薄れる(Kohlenberg et al., 1993)。

・ヒトの私的事象(観察者が自分しかいない行動)を、自分以外の人からも観察が可能な顕在的行動の媒介変数、あるいは原因として捉える認知的アプローチが注目されるようになり、初期の行動療法はそれらのアプローチと統合されて認知行動療法(CBT)と呼ばれるようになる(Lazarus, 2001)。例)うつ病に対する認知療法(Beck, 1963, 1964)

・精神科臨床領域で、言語行動を含めた複雑な問題を扱う必要性が指摘されるように(Kohlenberg et al., 1993)。

 

3.第3世代

第2世代で用いられた認知的アプローチに対して、認知的な介入技法を用いなくても効果に差はないという結果(例;Dobson & Khatri, 2000; Jacobson et al., 1996)が報告されるようになる。



・1990年代から研究報告が増える(Dougher & Hayes, 2000)

・言語行動としての認知そのものを変容させるのではなく、対象者の生活上の重要なオペラント行動に及ぼす認知の影響を変容するという、認知の機能の変容を方法論の一部として取り入れていると呼ばれるアプローチへ(行動すると気分が勝手に変わる)。

・行動分析学の考え方を取り込んだ心理療法を「臨床行動分析」と呼ぶ

例)

・アクセプタンス & コミットメント・セラピー(Acceptance and Commitment Therapy: ACT; Hayes & Wilson, 1994)

・機能分析心理療法(Functional Analytic Psychotherapy: FAP; Kohlenberg & Tsai, 1991 大河内監訳 2007)

・Integrative Behavioral Couple Therapy(Koerner, Jacobson, & Christensen, 1994)

・弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy: DBT; Linehan, 1993 大野監訳 2007)

・行動活性化(Behavioral Activation: BA; Martell, Addis, & Jacobson, 2001 熊野・鈴木監訳 2011)

・統一プロトコル(Unified Protocol: UP; Barlow et al., 2011 伊藤・堀越訳2012)

など



・アメリカの国立精神衛生研究所 (NIMH)やイギリスの国立臨床評価研究所 (NICE) に代表される公的機関が、多くの精神疾患に対してエビデンスがある心理療法としてCBTを推奨(Holmes, 2002; Tolin, McKay, Forman, Klonsky, & Thombs, 2015)。

・エビデンスを重視するなら薬物治療以外の標準治療はCBTだが、“エビデンスを備えた心理療法のエビデンス”が何を指すかは検討する必要がある。

 

【参考文献】

仁藤・奥田・川上・岡本・山本(2021)精神科臨床における応用行動分析学の実践と研究, 行動分析学研究 第35巻 第2号

 

【ベストコメント】

温玉さんはゆで卵って食べますか?

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ヒロ🦻【えんの木】

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1.第3世代の認知行動療法とスピリチュアリティ

・「DBTは無宗派であるように設計されており…これらのスキルを実践し, マスターするためには,スピリチュアルや宗教的 な信念は期待されませんし,必要ありません」一方で,「マインドフルネスの心理学的な目標とは対照的に,スピリチュアルな観点からのマインドフルネスの目標は,究極の現実をそのまま経験すること,知恵を育み,執着を手放し,徹底的に現実を受け入れ,自己と他者への愛と思いやりを増やすことが含まれています」(M・リネハン) → 「マインドフルネスは宗派性を排除しているとしても宗教性を排除していない」(熊野)という主張に一致

・MCT:言葉にできるメタ認知的知識や信念によって自らの認知行動プロセスをモニタリングしコントロールしない


2.マインドフルネスが捉える人生の方向性と第三世代のCBTの重なり

・「している自己」(エゴ)が幸せになるように,自己中心的に考えるのではなく「している自分」から離れ,瞬間,瞬間,他の全ての存在とのつながりを感じながら行動するような生き方のために実践を重ねる。

→ 自由に生きて,それが世界が目指す方向になっているという,スピリチュアリティの顕れ

・世界全体を対象とするようなメタ認知的活動を積み重ねることによって機能するようになるモニタリングとコントールが実現(今井)

・ACTでは「プロセスとしての自己」と「文脈としての自己」の行動プロセス…今この瞬間に起きている自分を俯瞰的に見るような感じ。→ マインドフルネスが前提とする人生の方向性は少なからず重なる

・ACT・DBTともに人生のメタ的なモニタリングとコントロールを目指す志向性


3.第3世代の認知行動療法から見たマインドフルネスを理解するために

・それぞれ認知行動療法がどのような治療原理に立っているかを踏まえること

・治療原理がマインドフルネスの治療原理と本来的にどのような重なりを持つのかを深く理解すること

・それぞれの治療原理が今後どのように発展をしていくのかを見通した上でマインドフルネスとどう重なってくるかを想定すること

 

【参考】

熊野(2021)第3世代の認知行動療法の治療原理とマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4


【ベストコメント】

すみません 笑

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ヒロ🦻【えんの木】

ヒロ🦻【えんの木】

第三世代の認知行動療法ACTと仏教の共通性

1.マインドフルネスに対する二種類のスタンス(酒井)

①治療原理から応用…MBSRやマインドフルネス認知療法(MBCT)

②技法のみを応用…ACTや DBT

例)ACT ではフォーマルなマインドフルネス瞑想を必ずしも行ず,マインドフルネスという心の持ち方や存在の在り様が含む様々な機能(アクセプタンス,脱フュージョン,プロセスとしての自己,文脈としての自己)を,組み込んでいる


2.ACTにおける「機能」とマインドフルネスの類似性

マインドフルネスとはマインドフルネス瞑想のみを意味しているものではないのである (ローゼンバーグ, 2001)。

・マインドフルネスにおける『呼吸による癒し』中の「諸々の感情……それらと同一化してしまったり,抵抗したり,あるいは拒否したりせず」はACTの脱フュージョンやアクセプタンス,「呼吸も,感受も,心の状態も,やって来ては去っていくもの全てを見つめていると,これらのことを「している自己」という概念が想像上のものであることも理解されてきます」→「プロセスとしての自己」「文脈としての自己」

【ACT】
機能的文脈主義=徹底的行動主義「観察できる生体の行為は全て行動と見なす」

①観察者自身にしか観察できない思考,感情,身体 感覚,記憶などのことを私的出来事

②行動とは個体と環境との相互作用の中で成立する従属変数として捉える

私的出来事も全て私的環境内(皮膚の内側)で生じている従属変数になり,「自分」がそう 「している」ことではなくなる。

「自分」に認められるのは「観察者」としての機能だけということになる

3.仏教
・「している自己」が生まれる理由は様々レベルでの行動連鎖が次々につながって,感覚,感情,習慣,自己へと発展していく様である十二縁起を挙げ,習慣的行動の成り立ちや持続を個体と環境との相互作用の連鎖で捉える。

【参考】
熊野(2021)第3世代の認知行動療法の治療原理とマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4

【ベストコメント】
「月が綺麗ですね」


#認知行動療法 #仏教 #マインドフルネス #ACT #心理療法
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ヒロ🦻【えんの木】

ヒロ🦻【えんの木】

1.第3世代の認知行動療法3つ


・アクセプタンス&コミットメント・セラピー (ACT)


・弁証法的行動療法 (DBT)


・メタ認知療法(MCT)


【特徴】


・認知の内容ではなく機能やプロセスに注目する(熊野, 2012)


・原理主導型(principle-driven)の治療法


・概ね1990年代に欧米で確立され,2000年代半ばに日本に本格的に導入,第3世代,新世代,マインドフルネス系などと呼ばれ,認知行動療法の新しい流れに


 


2.心理療法でのマインドフルネス


・ジョン・カバット-ジンのマインドフルネスストレス低減法(MBSR)で実践されているような,「仏教の伝統から宗教性を排除したために広く実践されるようになった」と説明されることが多いが、宗教性が排除されているのではなく宗派性が排除された。


・「マインドフルネス瞑想法は……アジアの仏教にルーツをもつ瞑想の一つの形式を基本


としています」(カバットジン,2007)。


・ACT・DBT・MCTそれぞれに共通の物足りなさや議論のすれ違いもある


 


3.行動主義的な第三の認知行動療法「弁証法的行動療法(DBT)」・「アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)」


・行動療法の基礎になっている徹底的行動主義(radical behaviorism)をとる。…行動分析学の創立者であるB・ F・スキナーが提唱した「観察できる生体の行為は全て行動と見なす」という立場。機能的文脈主義と言われているものと同じ。アセスメント法である機能分析は,基本的に診断横断的でプロトコール主導型ではなく治療原理主導型


①DBT


・介入対象:境界性パーソナリティ障害…行動療法的な「変化」を目的とする手法を使おうとすると,非承認的環境を再体験する状態となりうまくいかないためCLを承認し,あるがままに受け入れる受容の戦略(radical acceptance)が必要。BPDは「変化」を求めるとかえって不安定になるため受容が必要になる一方で、様々な問題行動は「変化」させねばならないため、クライエントが置かれた文脈(現在の生活環境や生育歴など)を含めてアセスメントした上で介入をする行動療法的な関りが有用とした上で,変化の戦略と受容の戦略のバランスをとって介入を進める。


・マインドフルネスをスキル・トレーニングの中核になるコアスキルとして,集団スキル訓練の中で継続的に実践。変化の戦略と受容の戦略の緊張関係を止揚してジンテーゼを生み出すためのメタ的な気づきや行動の場を生み出す働きも担う。各治療段階に合わせて,役割を変化させつつ治療全体の中に位置づける


②ACT


・治療対象…うつ、慢性疼痛、不安など


・精神病理を持続させる6つの「行動」プロセスとして


1)認知的フュージョン


2)概念化された自己


3)過去と未来の優位


4)体験の回避


5)価値が明確でないこと


6)持続的行動の欠如


を挙げている。


・MCTに見られるようなメタ的なプロセスは想定されていない。


・基礎哲学においている機能的文脈主義と、仏教の自己観の共通点が見て取れ、技法的にマインドフルネスを取り入れている


 


4.認知療法に基づく第三の認知行動療法「メタ認知療法(MCT)」


・精神病理を持続させる「認知」プロセスとして,認知注意症候群(CAS) を定式化し,その構成要素として,


反すう・心配などの反復的思考,脅威モニタリング,思考抑制や回避などの役に立たない対処行動を挙げている。CASに関するメタ認知的信念の内容を変えることによって,対象レベルで働く通常の認知のプロセスを変化させることを狙う。


・ACTにおける精神病理を持続させる6つの「行動」プロセスとして挙げられているものの内,認知的フュージョン,概念化された自己・過去と未来の優位, 体験の回避と,機能的に大きな重なりを持つ。


・認知行動プロセスをモニタリングしコントロールする主体的なプロセスとしてメタ認知の働きを想定し,その内容を記述したものとしてメタ認知的知識・信念を定式化


・創始者のA・ウェルズは,MCT を第三世代の認知行動療法には位置づけておらず,メタ認知の内容を変える点で,認知療法の発展形であるとしている。


 


【参考】


熊野(2021)第3世代の認知行動療法の治療原理とマインドフルネス,心理学評論 Vol. 64, No. 4



【ベストコメント】


情熱を感じられるトークのおかげで、難しくても理解しやすい感じがしました✨


内容は難しいけど、わかりやすいと思いました。


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かつみ

かつみ

朝から図書館で
ソクラテス式質問法について
勉強してた📖

DBT(弁証法的行動療法)とソクラテス式質問法
の部分で、難しくて頭フラフラしてきて

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)とソクラテス式質問法
読んでたら吐きそうになって

わーー!!!となって
図書館飛び出してきた🏃‍♂️💨

車に乗ったら
無茶苦茶暑くて
車外温度43度[びっくり]

こんな温度初めて見た[目が回る]

怖い暑さだよねー☀️

GRAVITY
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