
誤条悟
作家志望のうだつのあがらないダメ人間です!
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誤条悟
サンタウォーズ
クリスマスイブ、日夜喧嘩に明け暮れる底辺高校のヤンキー戸中井桐人(となかいきりと・通称トナカイ)。家庭も貧困で、母親は出て行き、残った父親もギャンブル狂いで借金を重ね、生活は常にギリギリだった。そんな中でも健気に自分を慕ってくれる妹、真理亜(まりあ)にケーキとプレゼントを買ってやりたいと、ネット(X)で見つけた単発バイトをやることにする。それは、サンタの紛争をしてプレゼントを指定されたところに届けるということだった。コスプレは恥ぃと思いながらも、妙に高額な単発バイトだったし、妹のためだと一念発起して、実行するのだが、、、
指定された、マンションの一室の前に行き、事前に指示されたリアクション(インターホンを押すのではなく、ドアを均一感覚でドン、ドン、ドンと叩く。クリスマスプレゼントだから子供にバレないようにインターホンは押さないで、と指示されていた)をする。しかし、反応が無い。どういうことだと思うと、突然、ドアがガバァと開き、やたらガタイのいい巨体の女が出てきて、戸中井は取り押さえられる。
「確保! 確保だーーッ!! のこのこと現れやがって!ブタ箱にぶち込んでやっから覚悟しろよな!」
いきなり、謎のデカ女に取り押さえられてもなんのことやらわからない戸中井、ブチ切れて拘束された状態から脱出、デカ女に反撃しようとするのだが、逆に投げ飛ばされる。
「あんた、自分がなにやったか、もしかしてわかってない?」
デカ女は、実は刑事らしく名前を三田美紗(みたみさ通称サンタ)といった。
「みたみさ?ふざけた名前だな?」
「ああ?ジョジョやデスノートに出てきそうな名前でかわいいでしょうが?」
どうやら三田は見かけの割に漫画が好きらしい。それはともかく、あんたの持ってきた、そのプレゼントの箱、中身を開けて見てみなよ?と三田に言われて、中を見ると白い粉が、、、
「なんだこりゃ?小麦粉?ケーキでも作るのか?」
「麻薬だよ!!……はあ、あんたそこまで世間知らずのお馬鹿さんなら、単純に利用されただけみたいね」
「どういうことだよ、オレは妹にケーキとプレゼントを買ってやりたいから、ネットで見たバイトに応募しただけなんだけど」
「それ、闇バイトなんだっつーの!!バイト料、万単位だったろ?クリスマスでサンタのコスプレすれば違和感ないから、それに乗じて麻薬の受け渡しの役をされてたってわけだよ」
「マジかよ!!じゃあ、オレは犯罪の片棒握らされてたってわけかよ?」
「そういうこと。クリスマスイブの今日はサンタの格好した奴が大量にうろうろしているけど、そん中にもあんたみたいな犯罪まがいのやつが相当、紛れ込んでるだろうね」
「そいつはやべえな。なあ、オレとっとと帰って妹にプレゼントとケーキを買ってやりたいんだけど、はやく帰してくんねえ?」
「はあ?あんた犯罪グループに協力したんだから、立派な容疑者だぞ、このまま帰すわけねーだろ」
「なんだってーー」
「……いや、ナイスアイデアを思いついた。あんた、私に協力してくれたら、恩赦を与えてやる。なんなら妹さんへのプレゼント代くらいはくれてやるよ」
スマホでどこかへと電話する、三田。しばらくすると、妙にぽっちゃりした配達員の男(オタ恋の広告動画に出てくるような動けるデブみたいな見た目)がやってきた。
「姐さん、指定された衣装持ってきやした! 姐さんのサイズにピッタリですよ! あと、もう一つのも適当に持ってきました! 今度のコミケも楽しみにしてますからね! あっ、着替えたら記念な撮影していいっすか?」
なんのことを言っているか戸中井だったが、仕事のための制服みたいなもんだから、これを着ろと言われてしぶしぶ着用する。三田も、個室に行って着替えてくる。
配達員のオタク兄さんが説明する。
「姐さんは、刑事のかたわら、実はコスプレ活動をしていて、ボクたちみたいなデカ女萌えの者たちには聖女として崇められているんですよ」
なにいってんのかヤンキーの戸中井には、イマイチよくわからないのだったが、暴力的なあの刑事にも変わった趣味があるんだなと納得するのだった。と思いつつ、自分が着ているものはなんだこれ?と思う、なんか茶色し、着ぐるみみたいなかぶりものがあるし、、
三田が個室から出てくる。サンタコスチュームで相変わらずガタイがいいものの、顔はコスプレ仕様でちょっと化粧っ気が出ている。ガタイはいいけど、顔だけは整っている三田、それなりに映える模様。
「うひゃーー!!ミサ様のご降臨だ!!」
バシャバシャと写真を撮りまくるオタク兄さん。
「マジ女神!ボクたち下民を踏み潰してほしい!これ、インスタにあげていいっすか?」
「それは職権濫用であたしが処分受けるから勘弁な」
「へえ、あんたもなかなかのトナカイっぷりだねえ、あたしのサンタにはお似合いだよ」
「えっ? これ、トナカイだったの?」
「で、今からこのふざけた格好でなにをするっていうんだよ」
「クリスマスイブの今日に乗じて、さっきのあんたみたいサンタコスした運び屋が大量にいるからね。そいつらを全員ぶっ飛ばす!!」
こうして、暴力的なサンタとトナカイによる偽サンタ掃討作戦が開始された!!
間違って善良な一般人をぶっ飛ばしたりとのトラブルもありつつも、その人がデカ女マニアだったため事なきを得る、などのトラブルを挟みつつも、殆どの偽サンタをぶっ飛ばし逮捕した三田と戸中井。
最後に残る、サンタコスの男は、小柄な中年のようだが、、とんでもなく強い!これまで無双してきた三田の攻撃をかわし続ける。渾身の三田のパンチを受け流したと思ったら、その隙を見て瞬時に投げ飛ばされる!
「なんだ、、こいつ、今まであたしが戦ってきたやつの誰よりも強い!!」
謎の男の動きを見て、戸中井は気付く。
「あの動き、、、! まさか、、、三田さん!! そいつはオレが相手する!!」
「あんた、あたしよりも弱いじゃないかよ、敵うはずないだろ?やめとけよ」
「いや、オレはあの動きを知っている! オレなら対応ができる。だから、任せろ。これはオレじゃなくちゃいけないんだ!!」
戸中井の謎の勢いに気圧されて、任せることにした三田。
「なんなんだ、あいつの熱意は?」
対峙する戸中井と謎サンタ。
「この技術は合気道! 愛を持って相手を制する技だって、昔ガキの頃、あるやつに教わったんだよ、、、なあ? 親父!! 」
謎サンタの正体は、なんと戸中井の父、盛平だったのだ! 互いの呼吸を伺いつつの合気道バトルが始まる!!
「あんた、昔はめちゃくちゃ強かったのに、なんで落ちぶれちまったんだよ!!」
「試合にばかり夢中になって、俺は家庭を顧みなかったんだ、だから妻にも逃げられた! 愛を与えるのが合気道だったのに、俺は肝心な家族に愛を注ぐことができなかったのだ、、」
一瞬の隙を見て、父盛平を投げ飛ばす戸中井。
「桐人、強くなったな、、、」
結局、盛平も、うだつのあがらない自分に嫌気が指し、心を入れ替えて働き、クリスマスイブの今日、子供たちにクリスマスプレゼントとケーキをプレゼントするために、バイトに応募していたということがわかる。
「そんなところも親子なんだねえ」
最後に残る盛平とのバトルも終わり、犯罪者グループの掃討も終了。
外を見たら、もう暗くなってきた。雪が降ってきた。ホワイトクリスマス。
それは盛平の過去や、親子ふたりのいざこざも全て洗い流してくれそうな美しさだったのだ。
エピローグ
「三田のねえさん、バイト料、結構気前よくくれたもんだな。おかげでプレゼントとケーキだけじゃなくて、チキンとか色々買えたぜ!」
「うむ、しかし、こうしてふたり一緒に家に帰るのも恥ずかしいもんだな、昔を思い出すというか、、」
2人揃って、家に戻る戸中井親子。家は昭和マンガに出てきそうなボロい木造の一軒家だった。
迎え入れる妹の真里亞。
年は桐人より5つ下の小学生ながら、発育は良く桐人とほぼ同じくらいの身長だ。(三田と同じようなデカ女の系譜)
「あっ、お兄ちゃんとお父さんだ! ふたり一緒に帰ってくるなんて珍しいね」
真里亞には頭が上がらなくデレデレのふたり。貧しいわりに、ムチムチしているので、相当甘やかされている模様。
こうして、久しぶりの親子3人水入らずの食事がクリスマスイブに実現するのでした。
「よかったよかった、、これもあたしのおかげね!」
いつのまにか三田が戸中井家の食卓に紛れ混んでいた。
「わっ、三田さん!あんたなんでこんなとこにいるんだよ!もう用件は終わっただろ」
「常勝無敗だったあたしを負かした、その人が気になっちゃって、、、」
どうやら、三田は自分を負かした盛平に惚れてしまったらしい。
「今お仕事に困ってるなら、その合気道の技術を生かして、仕事を紹介してあげてもいいんだけど、、、」
「それはありがたい。もう闇バイトとやらに利用されるのは勘弁なんでね」
「あと、真里亞ちゃん、あなたコスプレに興味ある?あなたならあたしの衣装も、そのまま着れそうよ」
「あるあるー!!」
「はあ、やれやれ、なんかとんでもないことになったな。でも、こんなクリスマスの日は久しぶりだな」
これからは賑やかな日常になるだろうな、と桐人は思うのだった。
おわり

誤条悟
ラストミッションラストマーダー
第1話
Underground Underpeople
Episode"Last Mission Last Murder"
Awaken Edishon
第一話 深夜の外出者
一緒に暮らすようになって、三ヶ月が経った。
下野昂。三十六歳。元サラリーマン、現ニート。生活保護受給者。自称作家志望。
最初に紹介されたときは、正直言って「うわ、終わってる」と思った。だって、部屋は薄暗くて、カーテンは閉めっぱなし。冷蔵庫には水と安い缶チューハイしか入ってなくて、ベッドの上には読みかけの文庫本と、ぐしゃぐしゃになった原稿用紙が散らばっていた。
でも、クズ原が「お前に任せる」と言ったから、私はその言葉に従った。
あの男の言葉には、妙な説得力がある。信用してるわけじゃないけど、逆らう気にもなれない。そういう種類の人間だ。
家政婦として派遣された私は、掃除、洗濯、食事の用意をこなしながら、下野の生活を見守るようになった。
彼は基本的に無口で、干渉してこない。私が何をしていても、何を着ていても、何を話しても、ほとんど反応しない。たまに、文学や漫画の話になると急に饒舌になるけど、それ以外は、まるで空気みたいな存在だった。
それが、逆に居心地がよかった。
家出してから、いろんな大人に絡まれてきた。説教してくる人、スカウトしてくる人、利用しようとする人。そういうのに比べたら、下野はずっとマシだった。
でも、最近――気になることがある。
彼が、夜中に出かけるのだ。
最初は、トイレかと思った。次はコンビニかと。でも、違う。
深夜二時とか三時とか、普通の人間が寝ている時間に、彼はふらりと家を出て、数時間後に戻ってくる。
そして、帰ってきたあとは、なぜか原稿用紙に向かって、朝まで一心不乱にペンを走らせている。
……いや、パソコンじゃなくて、原稿用紙ってとこがまた、なんか古臭いんだけど。
で、私が起きる頃には、彼は布団に潜り込み、いつものように「ふう、今日も何もしてないなあ」なんて呟いて、だらけた顔をしているのだ。
なにそれ。絶対、なんかやってるでしょ。
まさか、殺し屋? シティハンター的な? いやいや、あの下野が? でも、あのクズ原の知り合いだし、ありえなくもない……?
そんな妄想が膨らんで、私はついに決意した。
――尾行してやる。
その夜、私は寝たふりをして、下野が玄関を開ける音を待った。
カチャリ、と鍵が回る音。静かに閉まるドア。
私はすぐに起き上がり、スニーカーを履いて、そっと後を追った。
*
夜の街は、昼間とはまるで違う顔をしていた。
街灯の下に浮かび上がるアスファルトは、どこか冷たくて、湿っていて、まるで死体の肌みたいだった。人通りはほとんどなく、遠くで酔っ払いの笑い声が聞こえるだけ。
下野は、思ったよりも足が速かった。
猫背でトボトボ歩くくせに、信号のタイミングとか、裏道の抜け方とか、やたらと慣れている。私は何度も見失いそうになりながら、どうにか距離を保ってついていった。
途中、彼が立ち止まって自販機で缶コーヒーを買うのを見て、私は思わず息を止めた。
その仕草が、妙に様になっていた。
缶を開けて、ひと口飲んで、空を見上げる。
その横顔が、なんだか、少しだけ――父さんに似ていた。
いや、違う。父さんはもっとしっかりしてた。もっと、強かった。……はずだ。
今はいない人間の記憶なんて、曖昧なものだけど。
そして、彼は再び歩き出した。
私は、静かに後を追った。
*
オンボロアパートの二階。錆びた鉄骨階段を軋ませながら、私はそっと近づいた。
ドアは半分開いていて、隙間から薄暗い室内が見える。壁紙は黄ばみ、天井には染みが広がっていた。古びた蛍光灯が、かすかにチカチカと瞬いている。
その部屋の奥――ベッドに横たわる老女と、その傍らに座る下野の姿があった。
私は、階段の影に身を潜めながら、耳を澄ませた。
「あと、三時間くらいで眠くなってくるだろう。……それまで、よかったら僕に話を聞かせてほしい。社会からいらないと判断されたあんただけど、僕はあんたの話を聞きたいんだ。あんたが生きてきたことに、意味があったんだと思いたい」
その声は、いつもの下野のものとは違っていた。
どこか、祈るような響きがあった。
私は、息を呑んだ。
――なにそれ。どういうこと?
そのときだった。
「ヒナタ! いるんだろ? 入ってこいよ!」
――バレてた。
*
部屋に入ると、下野は苦笑いを浮かべていた。
「尾行のセンスは悪くないけど、足音がちょっとね。まあ、いいや。ちょうど説明しようと思ってたところだ」
「……なにこれ。殺し屋? 国家の陰謀? 姥捨山?」
「お、いい線いってる。楢山節考、知ってるんだ。さすが文学少女」
「うるさい」
私は、老女の顔を見た。
痩せ細った体。深く刻まれた皺。だが、その目鼻立ちは、どこか整っていて――
若い頃は、きっと美人だったんだろうな。
そう思った瞬間、下野が静かに語り始めた。
「これは、国家直属の“終活制度”だよ。生きていても価値がないと判断された人間を、静かに、穏やかに、終わらせる。もちろん、本人や代理人の同意は取ってある。表向きには孤独死とか、病死とか、そういうことになってる」
「……そんなの、ありえない」
「でも、現にこうして、僕はここにいる。そして、君も見てしまった」
私は、言葉を失った。
下野は、老女の方を見やりながら、続けた。
「このおばあちゃん、昔は“妖婦”とか“大悪女”とか呼ばれてた人でね。殺人罪で服役してた。男性のアレを切り落として殺した上に、目撃者も殺した」
「ええっ!」
「これだけで、マイナス二万ポイント以上。制度上の対象者だ」
私は、老女を見つめた。
その顔は、まるで眠っているように穏やかだった。
でも、彼女はゆっくりと目を開け、語り始めた。
「……あたしね、あの人が“女になりたい”って言ったから、切ってあげたのよ。でも、血が止まらなくて、あたしも混乱して、叫ぶ彼を黙らせようと花瓶で殴っちゃって……」
その語りは、どこか現実感がなく、ふわふわとしていた。
でも、確かにそこには、彼女なりの“理由”があった。
そして、彼女は昔の写真を見せてくれた。
そこには、妖艶な美女が写っていた。
唖然とするほどの美しさ。目鼻立ちは整い、肌は白く、髪は艶やかで――
老婆となった今も、その面影は残っていた。
「……あんたみたいな色男が話を聞いてくれるんなら、あたし、もう少し生きてもよかったかもしれないわ」
そう言って、彼女は目を閉じた。
しばらくして、呼吸が止まった。
*
「この御婦人は、末期がんだった。どのみち、長くはなかったんだ」
下野は、静かに言った。
「ヒナタ、あまり深く考えないほうがいい」
「……でも、あんなに綺麗な人だったのに、どうして……」
「その美貌のせいで、幼い頃から性加害に遭ってたらしい。精神に変調をきたして、虚言癖もあった。閉鎖病棟に入ったこともある。さっきの話も、どこまで本当かはわからない。殺人の件も、今の法体制なら、どうなってたか……」
私は、黙って老女の顔を見つめた。
その顔は、まるで眠っているように穏やかだった。
――意味なんて、あるのかな。
でも、下野は言った。
「僕は、意味を与えたいんだ。どんな人間にも、生きてきた意味があったって、そう思いたい」
その言葉が、胸に刺さった。
私は、何も言えなかった。
ただ、静かに、老女の眠る部屋を後にした。
――そして、私はこの日から、下野の“終活”に同行することになる。
(第1話 了)

誤条悟
夢を見ていた。
夢の中のわたしはなぜか金髪にバリバリのメイクを施したギャルになっていて、傍らにはいかにも反社のようないかついおっさんがいる。
「ほほう、漱石の『夢十夜』のような話じゃあないか。さすが、文学少女のようないでたちをしているだけはあって、なかなか興味深い話をしてくれる」
そうして今、目の前にいるのは、文士気取りの着流し姿の男。大方、太宰治のコスプレでもしているのだろう。この街なら、こんな奴がいても不思議ではない。
親と大喧嘩をして、家を飛び出した。
僅かな金とスマホだけを頼りに、辿り着いたのが、この日本を代表する繁華街だった。
誰かが言った。
木を隠すなら森にしろ、と。
だから、わたしはここに来た。
昔は人混みが嫌いだった。
わたしは人見知りで、大勢の人がいる中では緊張して話せなくなる。だったんだけど、、、
ここには、サラリーマンも女子高生もおじさんもおばさんも老人もいる。
ヤクザも風俗嬢もコスプレイヤーもオタクも、どんな変な奴でも当たり前のように受け入れてくれる、この街も案外悪くないものだ、と思い始めていた。
それに、この街は、誰も私を気にも止めない。
黒髪眼鏡の地味な女子高生、いや入学前に家出したので女子高生ですらない、この私を誰も気にしない。家出してきた身分としてはありがたいのた。
とはいえ、食費をケチって、ほぼ飲まず食わすで、ここまで来たわたしは、さすがに体力が尽きる。
道端に倒れ掛けた私を受け止めてくれたのが、今、眼前で安物のコーヒーを啜っているこの男。
少し休んだほうがいいと、小さな喫茶店まで案内され、席に着いた途端、眠気が限界に達して意識を失ってしまったのだ。
そうして、見たのがさっきの不思議な夢。
「案外、予知夢になるかもしれないなあ。君、知ってるか? ハイスクール奇面組の最終回! 最終回にして、今までの単行本全26巻に渡る物語がヒロインが休み時間に見ていた夢だった!となる、なかなかトンデモな結末でなあ。夢オチと当時は散々叩かれたそうだが、あれは作者によると、ループして最初に戻ったということらしい。実際、この漫画は人気があって作者が止めたくても止められずに、作中で作者がタイムマシンに乗って時間を巻き戻して過去エピソードを描いていたりしたから、、、」
ひたすら、わけのわからないオタ話をし始めたので、わたしは男がおごってくれたパンケーキに手を付ける。甘い。美味しい。家に居た頃は、こんな糖分マックスなものはとても食べれなかった。
「きみ、いい顔で食べるなあ。それはこの店でも、なかなか評判の代物でね。おごった僕も鼻が高いよ。なあに、気にしなくていい。僕は今、日本国に養ってもらってるような身分だからね」
ナマポというやつか。助けてもらって酷な話だが、ここまで堕ちたくはないと思う。どうにかしないと。
「ふう、働かないで味わうコーヒーの美味いことよ! まあ、これは無料チケットで注文したものだけどね。さて、どこまで話したっけ?」
「その奇面組のアニメをきっかけに秋○康が嫁さんをゲットしたって話でしたよ」
「そうそう秋○康の嫁だけじゃなく、キムタクの嫁まで主題歌に絡んでいたという、、、て、そんな話まできみにしたっけ?」
そう言いながら困惑する目の前の男。中年ながらも、どこか幼さを残した、その表情に、わたしは会ったこともないはずなのに奇妙な既視感を覚えていた。なんだろう。父さんに似ているのかな? いやいや、父さんはこんなに弱々しくない、もっとしっかりしていたはずだ。……はずだ。今はいない人間に関する記憶なんて、曖昧なものだけど。
なんにせよ、これからは自分ひとりの力で生きていかなきゃいけないんだ。しっかりしないと。
「助けていただいて、こんな美味しいものまで、おごっていただいて本当にありがとうございました! 私、もう行きますね」
どうにか、これからのことを考えるくらいのエネルギーは回復した。なんとかして、私はこの街で生きていかなきゃいけない。その方法を考えなければいけないのだ。
「おっ、もう行くのかい。まだ僕はこのコーヒーを飲み切っていないというのに」
==
ばたん、という扉を閉める音と、老いた店主の「おあっ、あ、あふっ、ありがとうごじゃいまーす」という間延びした声が、下野昂の耳に入ったのはほぼ同時だった。
「やれやれだな。死にたがりの僕が言うのもなんだが、生き急ぐのはよいもんじゃない。思ったより、時間が早まったが、クズ間に合うか?」
下野のスマートフォンのスピーカーから、男の声が返ってくる。
「お前が女を長時間相手できるとは、こっちも思ってない。安心しろ、もう俺はこっちに来てる。あの黒髪眼鏡の、いかにもなお嬢様育ちなやつか?」
「そうそう、クズの好みとは180℃違うタイプだけどね」
「……ということは、お前の好みだってことか。大丈夫だ、お前の望み通り、悪いようにはしない。って、そろそろ切るぞ」
「ああ、頼んだ。別に、僕の好みじゃあ、、」
僕はもっと破滅的なオーラを持った女性が好きなのだ、あんな寝言で「……ママ、ごめんなさい」とか呟くような、かよわい子じゃない。
下野は、うなされながら眠り、ときおり儚げな声をあげる黒髪眼鏡の少女の姿を思い出していた。
「……まあ、小説の題材にはなるかもしれんなあ」
==
さっき太宰コスプレの変なおっさんに絡まれたと思ったら、今度はいかにも反社にしか見えない怪しい男がわたしの前に現れた。今日は厄日なんだろうか。反社のおっさんは、意外にも真っ白な歯を見せて、わたしに笑い掛ける。
「おまえ、家出少女だろ?」
その男は、夢に出てきた男に似ていた。
ー了ー
to be continued to "Underground Underpeople" main storys

誤条悟

誤条悟

誤条悟
プロローグーファミレスと有線と花の髪飾りー
小学生の頃の話だ。
朝、隣に住む幼馴染の乃々花に起こされる。
「なんだよ、今日は日曜じゃねーか!もっと寝かせてくれよ」
「寝ちゃだめー今日は、円花ちゃんを迎えにいくでしょ! 準備しないと」
「まどか?誰、それ?」
「忘れたの? 秀雄おじさんのお友達の娘さんだよ。今までは施設で暮らしてたけど、今日から、来夢くんの家で一緒に暮らすことになるんだよ」
そういや、そうだった。おれ、ずっと、一人っ子だったから親父に、「なあ、家族が急に増えることになるから大丈夫か?」って聞かれたから大歓迎だって即答したんだった。なんか、親父の大親友の子供で、その大親友とやらが亡くなった後は、施設に入ったらしいけど、いじめかなんかで大変だったらしくて、じゃあ親父が引き取るよって事になったらしい。おれはゲームの対戦相手ができてラッキーって感じだったけど、そうか女の子だったのか。
「わたし、今日のためにこんなのつくってきたんだよ」
それは花の髪飾りだった。髪飾りっつうか、正確には頭に被る花冠ってやつだ。へえ、器用だなあ。こんなん作れるんだ。
「ちゃんと3人分あるんだよ」
おれまで付けんのかよ!恥ずかしいなあ。まっ、しょうがないか。乃々花が張り切ってるし。
親父と乃々花と一緒に、これから一緒に住むという女の子、円花を迎えに行く。なんか俺にはよくわからんけど、養子縁組をしたとかで、おれの義理の妹になるみたいだ。まあ、格ゲーの練習相手にでもなってくれたらいいや、そんな軽い気持ちでいたけど、初めて会った円花は、ずっと下をむきっぱなしで、全然しゃべらないしで、これから大丈夫なのかとおれは不安になった。そんなぎこちない状況で、親父は「まあ、みんな腹でも減ってるだろう」とファミレスに行く。
注文したメニューが届いても、なかなか食べようとしない円花。困ったもんだと思ったときに、ファミレスの有線で、流行りのボケモン数え歌が流れ始める。これ、リズムに乗ってボケモンの名前を次々呼んでくってだけの歌なんだけど、ラップ調で曲がなかなかカッコいいから、当時の子供たちに大人気だった。思わず、有線に合わせて口ずさむおれ。すると、それまで黙ってた円花に笑顔が見え始める。おれは調子に乗って、替え歌まで歌い始める。
「へーい!くさったミカン!今日のゴハン!夜になったらおなかがあたってドカンドカン!トイレに直行、ドカンドカン!」
「もー、来夢、いまは食事中だよー、、あっ」
おれを嗜めようとする乃々花だったけど、急に黙り出して円花の方を見る。
「あはっ、あはははっ!」
円花が満面の笑みを浮かべて、声を出して笑っていた。それを見た瞬間、おれはこいつとうまくやっていけそうな気がしたんだ。まあ、今にして思うと、これがおれの初めてのヒップホップ体験だったわけで。
「ねえ、円花ちゃん、今日の記念に、わたし、こんなの作ってきたの」
すかさず、このタイミングで花の髪飾りを取り出す乃々花。
「円花ちゃん、付けてみて」
「おれも男の子だから正直恥ずいけど、まどかのために今日は特別に付けてやるぜ」
「うん、ありがとう……」
誰かから何か貰うことに慣れてないのだろう、どこか不器用な微笑みで円花は答えた。
すると、さっきからおれたち3人のやりとりを黙って見ていた親父がカバンからカメラを取り出して、こう言った。
「おまえたち、よく似合ってるぞ。写真を撮ってやろう」
なんかちょっと親父が涙目になってるのは気のせいだろうか。
「はい、チーズ! ……いい写真が撮れたぞ」
「なんかこそばゆいなあ。ねえ、乃々花、もう、これ取っていい?」
匂いはしないんだけど花粉でも飛んでるのか鼻がムズムズする。
「だーめ! 今日はずっと付けてなきゃダメなの!」
ぷんすかと、おれに向かって怒り出す乃々花は、さすがにガーベラの髪飾りが似合っている。
そんなおれたちふたりのやり取りを見ていた円花は、にこにこと笑っている。ちょっとサイズの合わないガーベラの花の冠がズレてきて、花びらが円花の瞳のあたりでゆらゆらと揺れていた。ガーベラの花言葉は「希望」。そんなことを知ったのは、もっとずっと後のことだったけど。でも、そのときおれはこれから楽しい日々が始まると思ったんだ。
To be continued to
Story of "LOVE OF THE HIP HOP FLOWERS"

誤条悟
平和な午後の陽光が、リビングの窓から差し込んでいた。研究に明け暮れる日々を送る科学者、私は久しぶりに家族と過ごす穏やかな時間を噛み締めていた。双子の息子と娘は、最新のゲーム機に夢中だ。画面から飛び出すカラフルな光が、子供たちの無邪気な笑顔を照らしていた。
テレビのニュースが、その平和を切り裂いた。遠い国の紛争、終わりの見えない戦火。私はうんざりしてチャンネルを変えた。せめて今日くらいは、そんな現実から目を背けたかった。
その時だった。
「戦争だーーッ!!」
息子の、けたたましい叫び声。そして、乾いた銃声が、鼓膜を震わせた。
心臓が凍り付くような恐怖に突き動かされ、私は子供部屋へ駆け込んだ。
そこは、地獄だった。
血の海が広がり、娘が、小さな手に似合わない銃を握りしめて立っていた。その足元には、息子の変わり果てた姿。床に広がる血溜まりが、夕焼け色の光を吸い込み、黒ずんでいく。
「死んでる…なんで、こんなことに…」
震える声で、私は呟いた。娘は、虚ろな目で私を見上げた。その瞳には、狂気と絶望が渦巻いていた。
「なめこと…まいたけ…どっちが凄いかで…喧嘩になって…パパの…仕事部屋にあった銃を使って…戦争を始めたんだけど…」
なめこ?まいたけ?理解が追いつかない。私の研究室にある銃を、おもちゃだとでも思ったのか?軍事利用の武器を開発していることが、こんな形で災いするなんて。
「パパ…わたしの…勝ちだよ…」
娘は、力尽きたように倒れた。その小さな体から、生気が消え失せていく。
変わり果てた双子の側には、2つのチョコレート菓子が転がっていた。
『なめこの里』
『まいたけの森』
同メーカーより同価格帯で発売される、その2つのチョコレート菓子は、常々どちらの方がうまいか論争になり、それは一部で『なめこまいたけ戦争』と呼ばれていた。
私は、膝から崩れ落ちた。
平和な日常は、音を立てて崩壊した。
しかし、それは始まりに過ぎなかった。
その夜、私は悪夢にうなされた。双子の笑い声が、銃声に変わり、血の匂いが鼻腔を刺激する。夢の中で、私は何度も子供部屋へ駆け込み、同じ光景を繰り返した。
そして、夢の中で、私は気づいた。
娘の瞳に宿っていた狂気は、私自身のものだった。
私が開発していたのは、ただの武器ではない。人間の憎悪を増幅させ、狂気に染め上げる恐ろしい兵器だったのだ。その兵器は、私の無意識を通じて、子供たちに影響を与え、ささいな争いを、破滅的な戦争へと変貌させた。
翌日、私は研究室へ向かった。兵器の設計図を焼き払い、研究データを全て消去した。しかし、恐怖は消えなかった。
双子の亡霊が、私を責め立てる。
「パパ、わたしたちは、どっちが美味しかった?」
夜な夜な、子供部屋から聞こえる声。チョコレート菓子の甘い香りが、血の匂いと混ざり合い、私を狂わせる。
私は、気が狂いそうだった。
そして、ある夜、私は決意した。
子供たちの後を追おうと。
私は、研究室に残された試作兵器を手に取った。それは、憎悪を増幅させる装置。私は、そのスイッチを入れた。
世界が、歪んでいく。
憎悪が、私を飲み込んでいく。
そして、私は理解した。
なめこまいたけ戦争は、終わらない。
それは、人間の心の奥底に潜む、狂気の象徴なのだ。
私は、銃口を自分のこめかみに当てた。
「なめこ…まいたけ…どっちが…」
引き金が引かれた。
平和な日常は、永遠に失われた。

誤条悟
最近、哀しい別れがありまして、メンタルはもう海底深くを彷徨っている状況です。
小説や詩などを発表しています。
一部は、ここにも投稿しています。
読んでやってください。
DMなどいただけると喜びます。
こいつをどうにかしてやりたいと思った方おりましたら、是非!!


誤条悟
そんなことはわかりきっていたはずなのに、ぼくはいまだに終わった物語の続きが始まることを期待していたりする。
あのときああしていれば、今のような不甲斐無い事態を免れることができたのにと、後悔ばかりの毎日だ。しかし、これは現実の物語だ。残念ながら、ゲームのように時を巻き戻して、選択肢をやり直すなんてことは不可能だ。失敗を受け入れて、自らに傷跡を残しつつも生きていくしかないのだ。この曖昧なままの世界をーー。
それでも、僕は夢想してしまうのだ。
おぼろげな輪郭の世界を、今またはっきりと映し出してくれるような、そんな世界そのものを変えてくれるような出会いがしたいと。
この世界は美しいのだ、と改めて僕に思わせてくれるような出会いを。
それは嘘だって構わない。僕に生きる希望を再び与えてくれる魔法を掛けてほしいのだ。
そうして、今再び新しい物語を紡ぎたいのだ。
もちろん、この物語の主人公は僕だ。
あなたの役割はーーそれはまだわからないけど、今はモノクロの物語に彩りを与えてるくれるだろうことを僕は確信しているのだ。
創作活動をしている者です。ちょっと辛いことがありましたので、仲良くしてくれる方を募集しています。

誤条悟
怪談・墓参り
一章 石の下の面影
お盆の黄昏、蝉の声が遠のく中、誠は墓地を歩いていた。
草いきれと線香の匂いが胸の奥をじわりと満たす。
墓石には「岸田 彩」の文字。
二年前の夏、帰宅途中の交差点でトラックに撥ねられ、即死だった。
彩は明るく、少し天然で、誰とでもすぐ打ち解ける人だった。
彼女の死後、誠は部屋の隅にぽっかりと穴が空いたような生活を送った。
食器棚に残る彼女専用のマグカップ。洗面所の棚に忘れられた香水。
それらを捨てられるまでに、一年かかった。
「……彩。会いに来たよ」
線香を立て、手を合わせる。
唇が震えたのは、今も彼女の死を受け入れ切れていない証だった。
立ち去ろうとした時、風が背後を撫でた。
その感触は、生きていた頃に背中へ回された彩の腕に、よく似ていた。
---
二章 深夜の呼吸
夜半。
薄暗い寝室で誠は、不意に人の気配を感じて目を覚ました。
枕元に、彩が立っていた。
白いワンピースに、濡れたような黒髪。
その瞳は、生前と変わらず柔らかく笑っている。
「……彩、なのか?」
「そうだよ。お盆だから、会いに来たの」
声は確かに彼女のものだった。
頬に触れられた瞬間、指先は氷のように冷たく、それでいて涙が出るほど懐かしかった。
「まだ、好きだよ」
「私も……」
そのまま、唇が触れ合い、誠は抗えず抱き寄せた。
冷たい体温と、甘く湿った吐息が入り混じる。
彼女は死者であるはずなのに、生きている時よりも官能的だった。
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三章 繰り返す夜
翌夜も、彩は現れた。
静かな部屋で、二人は絡み合う。
触れた肌から、力を吸い上げられるような感覚があったが、誠は気にしなかった。
ただ、生きていた頃には戻れないと思っていた幸福に、溺れた。
三日目の夜。
「明日も……来るから」
「……明日は、少し」
誠は口ごもった。
「新しい彼女と……会うんだ」
その瞬間、彩の笑顔がわずかに揺らいだ。
瞳の奥に、暗く濁ったものが滲む。
「そう……新しい人。……いいよ、また来るから」
その声には、湿った鋭さが混ざっていた。
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四章 見られている
翌晩、誠は新しい恋人・莉奈とベッドを共にしていた。
柔らかい肌の感触に身を委ねながら、ふと背筋が冷える。
暗い部屋の隅、何かが立っている。
白いワンピース。
黒い瞳が、じっと二人を見つめている。
瞬きもせず、動きもせず。
誠は見て見ぬふりをした。
莉奈は気づかない。
ただ、その視線だけが、夜を押し潰すほど重く沈んでいた。
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五章 混ざる
さらに翌夜。
莉奈と愛し合っていると、誠は奇妙な感覚を覚えた。
莉奈の手とは別に、冷たく細い指が肌を這う。
吐息が二方向からかかる。
「……誰?」
目を開けた瞬間、視界が歪む。
ベッドの上で莉奈と彩が重なり、溶け合うように形を変えていた。
どちらがどちらなのか、もう判別できない。
息苦しいほどの快感と、骨まで凍るような冷気が同時に押し寄せる。
耳元で、彩が囁く。
「みんなで一緒にいよう、永遠に」
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六章 干からびた朝
翌朝。
ベッドには誠と莉奈が横たわっていた。
裸のまま、干からびたミイラのように。
皮膚は褐色にひび割れ、眼球は失われ、唇は縮れたまま固まっていた。
窓辺に立つ彩の肌は、生前以上に艶やかで血色を帯びている。
「……誠。裏切らなければ、ずっと一緒にいられたのに」
そう呟くと、彩はふと微笑み、誰もいない方へ顔を向けた。
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終章 あなたの部屋で
——その夜。
あなたが眠る枕元で、冷たい風が頬を撫でる。
目を開ければ、白いワンピースの女が立っている。
「こんばんは……お墓、来てくれる?」
その笑顔の奥にある渇きは、あなたの命でしか満たせない。

誤条悟
その老人は今年100歳で、20年ほど前から寝たきりの生活を送っている。その頃から認知の方には問題があり、既に亡くなった妻や、息子、孫の顔すらはっきりと覚えていないのだ。ただ窓の外の風景を眺め、時折来る介護士の付き添いでトイレを行う、そんな寝たきりの日々だった。それは生きているのか死んでいるのか? ただ言えるのは老人は一代で財を成し、偉人として崇められ、もはや本人の意志とは無関係にひたすら生かされていたのである。そんな老人だったが、さすがに現代の医療技術でも延命するのは難しいようで、その命は風前の灯。臨終を看取るための医者や、家族たちが待機している。そんな状況であった。
「ああ、、サナエ、、やっと、やっと会えた、、」
ベッドの上で眠り続ける老人の口から、齢100歳とは思えない、はっきりとした呟きが漏れた。突然の事に、驚いた医者は老人の家族にこれは一体なんなのかと尋ねた。
「毎年ね、この時期になるとね、こうなんですよ。夢の中で、誰かと会っているのかしら? でも、サナエが誰かなんて、私たち家族にもわからないのよ」
孫娘が答えた。
80年前。当時二十歳の青年だった老人は、その日、恋人のサナエという女性と逢瀬を重ねていた。親から反対された関係。身分違いの恋だった。その日もようやく会えた喜びで深く身体を重ねていた。人気(ひとけ)の少ない、廃屋のような場所。戦火のさなか、命を賭けた逢瀬だった。
行為を終え、服を着始めるサナエに青年は語り掛ける。
「なあ、サナエ。この戦(いくさ)はきっと負ける。そうしたら俺たちは戦いから解放されるんだ。そんときは、俺たちきっと一緒に、、、」
ーー光。
その瞬間、青年が見たのは、まばゆいばかりの真っ白な光。
何かに気付いたように、咄嗟に青年を突き飛ばすサナエ。
サナエの顔。優しい微笑み。爆音。光。音の無い世界。サナエが光に包まれていく。光。光。爆音。炎が上がる。赤。黒。異臭。世界が変革していく。
「……サナエ、、、ああ、、サナエ、、!」
老人が毎年、見続けてきた夢だった。自分の名前すら忘れてしまった今でも、「この日」になると、はっきりと思い出すのだ。サナエの、自分を守って光に包まれて消えていった、最後の笑顔を、あの優しい微笑みを。
あれから既に80年が経った。
長い時間だった。
なあ、俺もそろそろ、そっちに行っていいかい?
あれから俺、頑張ったよ。頑張ったんだ。しゃかりきに頑張って、立派になって、子供も孫も、ひ孫までできたけど、でもやっぱりお前のことがいつまでも忘れられないんだ。
サナエ。
やっと、お前の元に行けるよ。
俺にも、光が見えるんだ。
ああ、温かい光だ。
俺も、光に包まれていく。
サナエ、これからは一緒だ。
サナエ、、、
……….…。
「ーー8時15分17秒、御臨終です」
医者が淡々と事務的に告げる。
老人は穏やかな顔で眠っていた。
ー了ー

誤条悟
蛇に巻かれる
第一章:蛇に巻かれる
テレビの画面には、男が映っていた。
ぬらりとした光沢のある黒い蛇が、男の上半身に巻きついている。肩から胸、腹部へと、その長くしなやかな胴体が密着し、肌を這っていた。男はそれを恐れる様子もなく、むしろ恍惚とした笑みすら浮かべていた。
アナウンサーが解説する。
——「この蛇は全身の筋肉を使って相手に圧をかけ、心拍数を上げさせることで興奮状態を引き出す効果があるとも言われています」
俺はその番組を、深夜の休憩室でぼんやりと見ていた。
そして今でも、日量翠のことを思い出すとき、俺の脳裏にはあの映像がよみがえるのだ。
蛇に巻かれながら微笑む男。その笑みの奥にある、理屈ではない何か。
逃れようとすればするほど、より深く巻きついてくるもの。自分でも気づかないうちに、相手に自分の鼓動を委ねてしまっている状態。
翠は、俺にとって、まさにそういう女だった。
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桐堂大(とうどう まさる)——役者の夢を捨てきれず、三十を過ぎても小劇団にしがみついていた。日の当たらない稽古場、少人数の観客、深夜のコンビニでのバイト。誰もが「お前には無理だ」と心の底で思っているのを、笑って受け流す日々。
演技の腕には自信があった。顔だって悪くない。だがどこかに決定的な「何か」が欠けていた。だからこそ燻り続け、いつの間にか“夢を追う者”という肩書きさえ、自分にとって免罪符になっていた。
翠(みどり)と出会ったのは、そんな夜勤のバイト先だった。
地方から出てきたばかりだというその女は、制服に着られているような華奢な体つきをしていて、化粧気もなく、顔立ちはどこか地味だった。だが一度歩く姿を見た瞬間、俺の目は彼女の長い手足に釘付けになった。華やかさはないのに、妙に視線を引く。それは、舞台の上で時折感じる“間”に似たものだった。
最初は、いつも通りだった。
話しかけ、距離を詰め、流れのままに体を重ねる。バイトの後輩に手を出すのはこれが初めてではない。感情を介さず、ただの慰めとして女を抱く——それが俺の癖だった。だが、翠は違った。
彼女は、こちらのリズムを拒否しない。だが、合わせるわけでもない。彼女には彼女の“間”があり、それがすべてを支配していた。
その独特の沈黙に、俺は少しずつ巻き取られていったのだ。
---
翠は、ある日ふいに俺の稽古を見に来たいと言い出した。
「興味があるんです、演劇に」
その目に浮かぶ無邪気な光と、わずかに覗く執着の影。演技でも、恋愛でも、俺が人を引き込むときには、まず相手の目を見た。けれどそのとき、俺は初めて、“見られる側”の恐れを感じたのだった。
劇団『句読点』の主宰、八嶋は一風変わった男だった。かつて新人戯曲賞を受賞した経歴がありながら、以降は売れ線を嫌い、難解な台詞と無音の演出を多用する偏屈な演出家だった。観客はどんどん離れ、今では身内に毛が生えた程度の舞台しか打てていない。
だが、翠が見学に来たあの日、空気は変わった。
休憩中に、ぽつりと彼女が言った。
「この台詞、なんか、難しくしようとして難しくなってる気がします。もっと普通に、伝えたいことだけにしたら、もっと響くかも」
八嶋は最初、黙って彼女を睨んでいた。けれどその目の奥に、微かに火が灯るのを俺は見逃さなかった。
それがすべての始まりだった。
翠は、舞台に引き込まれていった。
脚本は変わり、芝居も変わり、やがて彼女自身が主役になった。
気づけば、俺の居場所が、少しずつ奪われていった。
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「蛇に巻かれる」という言葉がある。身動きが取れず、逃げられず、飲み込まれるように。
彼女の前では、俺のすべてが、無力だった。
なのに、俺は——そのことに、どこかで救われていたのかもしれない。
(続く)

誤条悟


誤条悟
毎夜、汗と埃に塗れる肉体労働。罵声と嘲笑が、私の耳朶を嬲る。ああ、疲れた。ひどく、疲れてしまったのだ。長期休暇? そんなものは、夢物語。私の人生は、常に薄暗い雨雲に覆われている。
思えば、幼き頃より、茨の道だった。陰湿ないじめ、父の残した借金の重圧、そして、病に倒れた母の、長きにわたる介護……。やっと、やっと解放されたと思ったのも束の間、悪魔のような詐欺師に、全てを奪われた。希望も、未来も、僅かな貯えも。
それでも、私は生きている。いや、生かされているのかもしれない。狂ったように働き、辛うじて息をしている。ああ、誰か、私を癒してくれ。この凍てつく心を、温めてくれ。
一時の安らぎでも良い。刹那の温もりでも構わない。暗闇の中で、私はただ、光を求めている。誰か、私に、一筋の光を……。
もし、この文章に、何かを感じてくれたなら、どうか、私にメッセージを送ってほしい。共に、束の間の夢を見ようではないか。

誤条悟
もっとあなたの側にいたいのに
あなたが近くにいると
わたしはだめになってしまう
思うように身体はうごかない
どうしていいかわからなくなってしまう
せっかくあなたに呼ばれても
出てくるのはそっけない言葉
ほんとうは嬉しいのに不器用なわたし
顔はきっとこわばっている
もっと素直に笑えたらいいのに
あなたが近くにいると
わたしはだめになってしまう
離れていくあなたを目で追っている
この距離なかなか縮まらない
どうか遠くまで行かないで
わたしの目のとどくところにいて
けっして捕まえられやしないのに
この手を伸ばしてしまうのはどうしてなの
もっとあなたの側にいきたいのに
あなたの近くにいると
わたしはだめになってしまう
ふたりの距離
いつまでたっても縮まらない
だから わたしを見て
気づいてくれなくていいの
あなただけを見てる
わたしを見て
もし目が合ったら
わたしもう少しうまく笑えるだろうか
だから わたしを見て
いつかあなたの心を捕まえてみせるから
ねえ わたしを見て
おねがい わたしを見て

誤条悟

誤条悟
どんなに頑張っても
誰かに足を引っ張られて僕はつまずいてしまうんだ
助けた相手に裏切られて
僕はもうなにもかも失ってしまったよ
砕け散ってばらばらに飛んでいった希望のカケラ
集めに行く元気をください
少しだけ少しだけ
僕はまだ夢を見ていていいんだと
嘘でもいいから誰か思わせてよ

誤条悟
恩を仇で返される。何度目の裏切りか?
どうせ約束を破ることは目に見えているので、かなり余裕を持ってスケジュールを組んでいたのに、最初の締め切り日は当たり前のように破る。次に設定した日も、平気で破る。その次に設定した日も、やっぱり破る。10日以上持たせた余裕も、あっさり破られて、こちらの予定も白紙状態になり、私はまた大変な状況に追い込まれてしてしまった。方々への、再びの謝罪行脚の始まりである。なお、「奴」は、ギリギリまで「できます!」と言い、こちらが送る確認メッセージにも「👍」のリアクションを返してくる。しかし、約束の時間を過ぎても成果物は送られてこない。「すいません、時間までに間に合いそうにないです」と最初から言えばよいものの、「奴」は絶対に言わない。時間を過ぎても連絡がないので、こちらが催促のメッセージを送ると、とんちんかんな言い訳をしてくる。無理なら、無理だと、言えばよいのである。何故に虚勢を張る。そして、私が新たな期日を設定し、この日まで頼みますよ。と、お願いすると、やはり「奴」は「大丈夫です!」と余裕ぶる。まあ、厳しいだろうなあ、とこちらも思いつつも、その場は受け流し、期日3日前からは「ちゃんと間に合いそう?」と毎日、確認メッセージを送る。その度に「👍」のリアクションをしてくる「奴」だったが、やっぱり期日までに間に合わない。例のごとく、意味不明な言い訳。「明日にはできる」とか言いつつ、当然できない。延期2回目の期日設定をする。「今度こそ、この日までは頼みますよ」とお願いすると、もちろん「奴」は「大丈夫です。信じてくださいよ!」と言い張る。そうして、2回目の期日も破る、3回目の期日も破る。これ以上はこっちがまずいと、何度も念押しした4回目の期日も破る。「申し訳ありませんでした」との謝罪もなく、「これでも僕もなんとかしようと努力してるんです」と言い張る「奴」。

誤条悟


誤条悟


誤条悟
もうだめです
たすけてください


誤条悟
生まれてくるはずだった君たちへ
君たちは双子だった
僕の弟たちとなるはずだった
でも生まれてくることはできなかった
君たちは今も僕のそばにいるだろうか
僕は君たちのぶんまで生きてこれただろうか
だめだよだめ
ぜんぜんだめ
まだまだだよ
君たちはそう言って僕を笑うだろうか
生まれてくることができなかった命はどこにいくんだろう
星になり光り輝くのだろうか
僕の世界がふかいふかい暗闇におおわれたとき、
君たちが光を与えてくれるのだろうか
いやだなあ
めんどくさい
がんばれよ
君たちはそう言って僕を突き放すだろう
それでいい
それが僕の罰さ
生まれてくることができなかった君たちへ
君たちは僕を笑いながら
あざやかに輝けばいい
僕の事なんか気にせず好き勝手に宇宙をまわればいい
僕も自由に生きよう
でも時には思い出して空を見上げるだろう
その時は誰よりも美しく輝いていてほしい
双子座の君たちへ

誤条悟
この世界の法律は
なにが正しくて
なにが間違っているのか
ときどきわからなくなるよ
自分の正しいと思ったことを選んでも
人は言う
君のその行動は正しいのかい?
本当にそれでいいのかい?
動け動けというくせに
そのくせみんな違うことを言う
僕はいったいどうすればいいんだい
ここから出て行けと言ったり
この世界のルールに従って生きろと言ったり
本当に正しい事は
きっとわかっているはずなのに
でも僕は思ったんだ
君の笑顔を見て思ったんだ
あのときの行動は正しかったんだって
なにが正しくて
なにが間違っているか
そんなものはすぐにわからないよ
でも僕はまた
誰かの笑顔のために動こうと思う
君の心からの笑顔が
間違っているはずないんだから
君の笑顔のために生きる
そんなきざな生き方も悪くないと思うんだ
いつか誰にも縛られずに生きられたらいいな
ただ僕は優しくありたい
誰かからなんと言われようとも
自分の正しい道を選べばいい
そうすればまた君は笑ってくれるだろうか

誤条悟
ぼくはサンドバッグ。
みんなに殴られるのが、ぼくの仕事なんだ。
でも、サンドバッグのくせにパンチが飛んでくるのがこわいんだ。
誰かが言った。
それじゃあ、サンドバッグじゃないじゃん。
君は、サンドバッグなんだよ。
君は、ただみんなのパンチを受け続ければいいんだよ。
君のからだはじょうぶだから、ちょっとぐらいパンチをくらったくらいじゃ、全然だいじょうぶなんだ。
ふつうの人にパンチをしたら、顔面はぐちゃぐちゃになって、血は出ちゃうし、なんなら訴えられちゃうからね。
その点、君はふつうじゃないから、いくらパンチをしても大丈夫! ぼくたちも助かっているんだよ。
笑いながら答えるかれの言葉を聞いて、ぼくはふつうじゃなかったんだ。だからサンドバッグなんだとあらためて思うのでした。
そうか、ぼくはやっぱりサンドバッグだったんだ、、、
それからもサンドバッグは、みんなにパンチをくらいつづけ、ぶらんぶらんとからだをゆらしていました。
ぶらんぶらん
ぶらんぶらん
そうして、ときどき思うのでした。
もしぼくも、ひらりひらりとパンチをかわし、ボクサーのように、あいつにパンチをくらわせられたらと。
このからだをぶんぶんとふり回して、おもいっきりぶつかれば、きっとワンラウンドKOにちがいない。
そんなことを考えながら、今日もサンドバッグはぶらんぶらんとからだをゆらしているのです。
ぶらんぶらん。
気をつけて!
いつかサンドバッグをむすぶひもがやぶれて、あなたのもとにぶつかっていくかもしれません。
みんなに殴られつづけて、もうサンドバッグはぼろぼろなのです。
ひもがぷつんと、やぶけるかもしれませんよ。
ぶらんぶらん
ぶらんぶらん
ぶらんぶらん
ぷつん!

誤条悟





誤条悟



誤条悟
僕は弱い
だから戦場に出たら
マシンガンに蜂の巣になり
あるいは刀で首を切り落とされ
またあるいはナイフで心臓を抉り取られていただろう
僕は弱い
だから戦場には出られなかった
だけど罵倒のマシンガンに蜂の巣になり
暴言の刀で首を切り落とされ
蔑視のナイフで心臓を抉り取られていた
現実のナイフで刺されたら血が飛び出るけど
言葉のナイフで刺されたら何が出てくるんだろう
毎日毎日僕は言葉のナイフで刺され続け、そのたびになにかが自分のなかから出ていく気がしていた
ぐさりぐさり パパッ
ぐさりぐさり パパッ
刺されるたびに自分が自分でなくなっていく気がしていた
それでも僕は毎日毎日言葉のナイフに刺され続けていた
ぐさりぐさり パパッ
ぐさりぐさり パパッ
ぐさりぐさり パ
ぐさりぐさり ……
いつしか、刺されてもなにも出ていかなくなった
刺されるたびに僕の心はすり減っていった
刺されるたびに僕の感情は失われていった
もうないよ
もうなにもないよ
よろこびもかなしみもくるしみも
それでも彼は僕にナイフを刺し続けた
昨日も刺した
今日も刺した
明日も刺した
もうないんだ
きみにたいしてのいかりさえも
僕はもう疲れてしまったんだ
ある日雨が降った
はげしいはげしい雨だった
翌日になっても水たまりが残った
僕は水たまりに映った自分の顔を見た
なにもなかった
もうそこには僕はいなかった
僕は泣きたかった
昨日の雨のように
心の底から泣きたかった
だけど涙すら流れなかった
泣こうとするやせ細った僕のみにくい顔が水たまりに映っていた
雨よ
ああ雨よ
君が次に泣くときは
どうか僕のからだをその激しい涙で貫いてくれ
そうだ僕は君の激しい大量の涙に埋もれて溶けていくのだ
そしてやがて地に還ろう
そしてどろどろに溶けきった僕のからだは大地の肥やしとなるだろう
どうかどうか美しい花を咲かせますように
太陽の暖かい光を浴びたその花はほかのどんな花よりも美しいだろう
その花を見て君が笑ってくれたらいいな
そうだ僕は花になろう
いつか美しい花になろう
君の手に摘まれる事を夢見て

誤条悟
心身、すっかり疲れ果て、脳は睡眠を要求してきました。私はそれに抗うことはできずに、ただ倒れるのでした。夢を見る余裕すらなく、恐怖から逃れるように思考を停止させるのです。
気分は負けるとわかっている戦いに出向く兵士たちのようです。散ることそのものが美しいと、自らに哀れな暗示をかけ、棒のようになった脚を、動け動けと叱咤激励し、死地に向かうのです。
流れ爆弾が激突し、この身体が爆発四散したら、それはどれほど滑稽で美しい花火となるでしょうか。
飛び散った肉片は、黒い鴉たちについばまれ、私は彼らのあらたな血と肉になり、生まれ変わるのです。
さあ、飛べ鴉たちよ!
その、ぬらりぬらりと怪しく光る翼を広げ、飛べ鴉たちよ!
おまえは私を食べ、私はおまえになり、どこまでもどこまでも飛んでいくだろう。
苦しみも悲しみもない世界へと向かって飛んでいくだろう。
飛び続けるのだ鴉たちよ!
哀れないのちたちよ、きみたちは、わたしたちは、ただ飛び続けるしか、すべがないのだ。
翼を広げ、飛べ、飛べ、飛べ!
答えを見つからないきみたちは、いつかすばらしいそれが見つかると信じて飛んでいくのだろう。

誤条悟
感想ください







誤条悟






誤条悟
今無一文なんで、たすけてください




誤条悟
誰か荷物預かってくれる人いないですか


誤条悟





誤条悟
だれかたすけてー

誤条悟
全然感想なくて涙目





誤条悟


誤条悟

誤条悟
職場で風邪が流行したおかげで7連勤しました!
8連勤も確定で、10連勤まで行くかもしれないという!
これはもうレジェンドだね!

誤条悟
心折れることばかりでもう疲れた
寝ることが唯一の幸せになってきている
絶望的な現実から逃げるのだ


誤条悟
もはや今際の際際ですので、誰かたすけてください
裕福ならお嬢様いましたら、お願いします!


誤条悟

