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誤条悟
平和な午後の陽光が、リビングの窓から差し込んでいた。研究に明け暮れる日々を送る科学者、私は久しぶりに家族と過ごす穏やかな時間を噛み締めていた。双子の息子と娘は、最新のゲーム機に夢中だ。画面から飛び出すカラフルな光が、子供たちの無邪気な笑顔を照らしていた。
テレビのニュースが、その平和を切り裂いた。遠い国の紛争、終わりの見えない戦火。私はうんざりしてチャンネルを変えた。せめて今日くらいは、そんな現実から目を背けたかった。
その時だった。
「戦争だーーッ!!」
息子の、けたたましい叫び声。そして、乾いた銃声が、鼓膜を震わせた。
心臓が凍り付くような恐怖に突き動かされ、私は子供部屋へ駆け込んだ。
そこは、地獄だった。
血の海が広がり、娘が、小さな手に似合わない銃を握りしめて立っていた。その足元には、息子の変わり果てた姿。床に広がる血溜まりが、夕焼け色の光を吸い込み、黒ずんでいく。
「死んでる…なんで、こんなことに…」
震える声で、私は呟いた。娘は、虚ろな目で私を見上げた。その瞳には、狂気と絶望が渦巻いていた。
「なめこと…まいたけ…どっちが凄いかで…喧嘩になって…パパの…仕事部屋にあった銃を使って…戦争を始めたんだけど…」
なめこ?まいたけ?理解が追いつかない。私の研究室にある銃を、おもちゃだとでも思ったのか?軍事利用の武器を開発していることが、こんな形で災いするなんて。
「パパ…わたしの…勝ちだよ…」
娘は、力尽きたように倒れた。その小さな体から、生気が消え失せていく。
変わり果てた双子の側には、2つのチョコレート菓子が転がっていた。
『なめこの里』
『まいたけの森』
同メーカーより同価格帯で発売される、その2つのチョコレート菓子は、常々どちらの方がうまいか論争になり、それは一部で『なめこまいたけ戦争』と呼ばれていた。
私は、膝から崩れ落ちた。
平和な日常は、音を立てて崩壊した。
しかし、それは始まりに過ぎなかった。
その夜、私は悪夢にうなされた。双子の笑い声が、銃声に変わり、血の匂いが鼻腔を刺激する。夢の中で、私は何度も子供部屋へ駆け込み、同じ光景を繰り返した。
そして、夢の中で、私は気づいた。
娘の瞳に宿っていた狂気は、私自身のものだった。
私が開発していたのは、ただの武器ではない。人間の憎悪を増幅させ、狂気に染め上げる恐ろしい兵器だったのだ。その兵器は、私の無意識を通じて、子供たちに影響を与え、ささいな争いを、破滅的な戦争へと変貌させた。
翌日、私は研究室へ向かった。兵器の設計図を焼き払い、研究データを全て消去した。しかし、恐怖は消えなかった。
双子の亡霊が、私を責め立てる。
「パパ、わたしたちは、どっちが美味しかった?」
夜な夜な、子供部屋から聞こえる声。チョコレート菓子の甘い香りが、血の匂いと混ざり合い、私を狂わせる。
私は、気が狂いそうだった。
そして、ある夜、私は決意した。
子供たちの後を追おうと。
私は、研究室に残された試作兵器を手に取った。それは、憎悪を増幅させる装置。私は、そのスイッチを入れた。
世界が、歪んでいく。
憎悪が、私を飲み込んでいく。
そして、私は理解した。
なめこまいたけ戦争は、終わらない。
それは、人間の心の奥底に潜む、狂気の象徴なのだ。
私は、銃口を自分のこめかみに当てた。
「なめこ…まいたけ…どっちが…」
引き金が引かれた。
平和な日常は、永遠に失われた。
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タイミング悪過ぎて、蹴っちゃったよw

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マリィマリィとは何ですか?
マリィマリィは、主に日本の伝説や文化に関連する言葉で、特に「マリィマリィ」とは、特定の神話や物語に登場するキャラクターや概念を指すことが多いです。具体的には、以下のような特徴があります。
文化的背景: マリィマリィは、特に日本の民間伝承や神話において重要な役割を果たすことがあり、地域によって異なる解釈や物語が存在します。
象徴的な意味: この言葉は、しばしば特定の感情や状況を象徴するために使われることがあります。例えば、友情や愛情、または自然とのつながりを表すことが多いです。
現代の使用: 最近では、アニメやマンガなどのポップカルチャーにおいても取り上げられ、若い世代の間での認知度が高まっています。
マリィマリィについての具体的な情報や物語は、地域や文脈によって異なるため、興味がある場合はその背景をさらに探求してみると面白いかもしれません。

みやっ


竜の谷
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