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ショートストーリーの星

ショートストーリーの星

147 投稿数 76 メンバー

惑星主: べな🐦‍🔥
小説にしては短く、ポエムにしては長い、独白にしてはファンタジーで、愚痴にしては現実味がない。 誰かに見てもらいたいけど誰かに伝えたいわけじゃないそんな文章を綴る星です。 勿論、書きかけでも供養でも構いません。 この星は自己満足を中心に出来ています。 管理人からのコメント ✮必ずアナウンスを一度読んで下さい。 ✮素人の一次創作/二次創作でも許容できる方のみの搭乗を許可します。 ✮活動進捗等の個人の状況は別惑星もしくは惑星を指定しない各々の投稿でお願い致します。 ✮GRAVITYの規約違反とならない程度の投稿のみとさせて頂きます。(違反となった場合は投稿が出来ないかもしれません) ✮この星はフィクションの投稿のみ許可します。 (思想の衝突を防ぐため) ✮上記含め変更の可能性は御座いますが、その際は周知させて頂きます。

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おさえめな人生

おさえめな人生

寝息
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きぃ

きぃ

『ほら』
(試しに画像に収めて投稿してみました)
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ベケット

ベケット

【不明の星】

「お前、星を飲んでみるか?」と眠れない夜に父が言ったとき、まだ幼かった私は冗談だと思いはにかんだ。しかし父は家の外に連れ出し、持ってきている水を入れたコップを差し出し、二人で座って囲んだ。
たいして星もないなかで、めぼしい微かな星がまどろむ。
コップの水に悲しそうに星が映っている。なるほどと思い、また微かに微笑んだ。
父は「お酒のように飲んでみなさい」といたずらのように微笑み言う。
私は映画で見たような真似で飲んだ。ふと父は「その星はお前の未来だ。亡くなってもある未来だ」と快活そうに言う。
ふだん寡黙な父が、あそこまで生き生きとしていたのは、子供心に嬉しかった。

その数十年後、理由も分からぬまま父は自殺した。飛び降りだった。
私はふと流れ星を想起してしまった。実家に戻るとき、思考がまとまらないのを背景に、どのような願いを託し、絶望を抱え飛び降りたのか、呆けて考えていた……。

私はありがちな中年のサラリーマンになり、ありがちに悲しくもあり楽しくもあり虚しくもある……。
ふと見上げる夜空のどこかの星を探す。私が飲んだ星……。
漠然とした想像が広がる。そこでは父が優しそうな乳白色の海にいて、その星にたった一人でいる。私はその星をいまだに明確に見つけきれていない。私の中にある星……。
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ベケット

ベケット

【在りし日の葬式】

祖母が生前葬をしたいと言い出したとき、身内の者はしんみりと笑ったものだ。しかしそれが夫である祖父の強い願いに後押しされて、親戚縁者を集めて行うことになった。
たいしてお金もなく、またそんなにかけたくないとの現実的な妥協もあり、近くの野原でピクニックもどきのような風体の仕上がりで行われた。
ささやかながらにきらびやかな供花にかこまれ、祖母の遺影は微笑みを讃えていた……。
舞台で何を思ったか、祖母はシャンソンを歌い出し、不器用な踊りを舞った。祖父はそれを見て、初恋のときめきにありがちな衝動から、祖母の手を取り、かつての面影を感じさせるダンスになった。
二人での歌とダンス。それを見守る一族は、得体の知れない温もりに包まれ、一つ一つと手拍子をした。いつの間にかすべてが最後の昇華を囲む儀式に思え、鳥ですらブーケに見える。
汗をかき、涙さえ光るそれは結婚指輪の宝石よりも尊そうだ……。

そして数年後、祖母が亡くなり、求めるように祖父が亡くなった。
あの日、もはや生死の境で別様の挙式が行われたのではないかと思っている。
私の血には、あの華やかな歌が流れ脈打ち、想像では春の青空に思い出の鳥が嬉しそうに群れているのだ……。
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ぶーきょ

ぶーきょ

『未来』

未来を掴む為に気の遠くなるほど走り続けていた
でもあともう少しで到着するらしい
それを信じて私は懸命に走った
息は上がっている
足は重い
心臓が物凄いスピードで跳ねていて
到着するまで身体が持つのかわからない
それでも未来を掴む為に走り続けて
標識の矢印にそって走り続けて
ようやく到着したそこに立つ標識には
スタートと書かれていた
もはや笑うことしか出来ずにくずおれて
結局私が未来を掴めるのかどうか
疲れきった今の私にはわからない
 
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きぃ

きぃ

『クイーン・スレプト・イン・ザ・ガーデン』
 風に巻かれて街は色を変えていきます。擦り切れながら影は揺らめいています。陽に覆われて手は色を失っていきます。焼き付けながら瞳は乾き切っています。空の重さに身を任せて、今にも抜け落ちてしまいそうな腰。まばらに張り付いた苔は少し湿っています。蝉の声は遠く。木陰には玉のような地鳴きが重なります。針のような細い命が皺だらけの地面に突き立っています。ひび割れていて、ちょうど、象の肌がこんなだったと思い出します。
 日は落ちていきます。はしゃぐ雲の手が掴みにかかっているけれども、落ちていくのです。上では────オレンジと海が滲んでいます。何かを告げるような、あわいの跡。それを追いかける鳥の群れ。折り紙のようですね。だから近づきすぎては燃えてしまって、灰になって落ちてしまいそう。落ちた先には、飛び立っていく先には何があるのでしょう。緑はあるのでしょうか。そもそも果てはあるのでしょうか。きっとあるのでしょう。鳥の渡りにも、人の歩みにも。さっき駅の底へ潜っていった人にも。
 あなたにも、あるのですか。あるのならば、そこが暖かなところであれば、あなたはさぞ喜ぶことでしょう。あなたの約束はいつも夢の上に漂っていました。夢のようでした。夢とはやがて醒めるものなので、どれもこれも消えていってしまいましたが、あなたとの日々は夢のようでした。肩を寄せ、鼻を見つめ、耳を広げ、まどろみの中で、平らかな地を踏み、確かなものを探し、名前を呼んでみせ、たくさんの話を持っていき、互いの幸せを信じて、世界に逆らうように笑っていた一年間。
 制度に満たない関係では、あなたを繋ぎ止めることはできなかった。口約束といえば確かにそれまでです。ですから永遠があればと、願っていたのです。願いとは星の輝くのと同じだ、と教えてくれたのはあなたでした。あなたがたくさん教えてくれたことの一つです。そのとおりでした。星が死ぬのと同じでした。潰えてはじめて光を放ち、幾星霜をかけて、もうとっくに果ててしまった命のきらめきを、どことも知らぬ人のもとへ届けるのですから。ですから、またこれまでのように、示し合わずとも日曜日の午後に、あなたがここへ来てくれたら、という願いも、今日に果たされることはないのでしょう。
 またいつものように────あなたの言う、いつも、とはいつのことですか。あなたの一年は、それほど短いものだったのでしょうか。ひと月前のように、なんでもない時間を過ごしませんか。終わりにしてしまったら、その先に続くものはあるのでしょうか。ああ。返事はないとわかっていても、頭の中では、そんな言葉が絶えません。
 オレンジはずっと遠くに。辺りには沈むような青が埋め尽くしてしまいました。高くから降り注いだ日ざしも、もうずっと遠くへ行ってしまいました。木陰も青に呑まれて消えてしまいましたし、鳥たちも見えないところまで飛んでいってしまいました。この場所で転がしていた時間。あなたはきっと知ることもないのでしょう。もう、あなたが来ることはありません。あなたは、またいつものように会って話そうと言いましたが、もう二度と、あなたと顔を合わせることはないでしょう。あなたとのこれまでを忘れることなど、できないのですから。
 ですから、どうか、あなたが安らかでありますように。あなたのまなざす道の先が、どうか、庭の花園のように、暖かでありますように。これから先に出会う人の誰かが、どうか、あなたの幸せを信じられる人でありますように。幸せが何かなんて教わっていません。あなたはただ無根拠に幸せだと口にしていました。そんな軽やかな言葉を、いつまでも覚えています。どれも勝手な願いです。いつか届くことを祈って。あなたがどうか────どこでもいいから、穏やかでありますように。
 風に巻かれて時間は流れていきます。擦り切れながら日々は忙しなく過ぎていきます。腰かけていた石から離れ、駅の底へと滑り出します。真白い灯光に包まれながら、あなたとの時間を置いて、取り替えられたばかりの改札口を潜り抜けました。
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✅くにた⤴そさん🚹

✅くにた⤴そさん🚹

【フラストレーションなんてやつは、ビールみたいなもんで、流し込んじまって】


 やっちまった1日と虚無な1日が交互にやってきて、不完全燃焼って感じの毎日で。
 でも、程度はこんなもんなんだけどね。


 昔はナイフ使いに成りたくて、やたらやんちゃな青い子供だったんだけど、いい加減歳ってやつを重ねてしまった。
 休日ーー。
 身体を休めるしかない休日。
 外は晴れてるって言うのに、アンラッキーな自堕落さでベッドに横たわっていた。
 もう午後になろうとしている。
 銀のナイフに魅せられてた心と、そんな気持ちから遠く離れた、この日常ってやつと。
 過去に手を伸ばすなんてナンセンスな話だろう。自嘲な自分がベッドで横たわっている。
 ーーなんてこったい!
 もう昼で。腹を空かせて。なんか空虚で。
 目的も指標もなく、歳ってやつだけ重ねてきちまって。
 ーーなんてこったい!
 お気に入りのナイフもケースに入れたまま、時を過ごして。日常ってやつに追われるままに。
 隣の部屋からは、クラリネットの音色のジャズが流れてきてた。

 追いつかないのはよくあることで。
 辿れないドジさも様になってきちまって。
 エッジの効いた銀の刃も、こんな自分を嘲ってる。

 LINEには彼女でもないのに、とある女が金の工面の話を持ち込み出してた。
 あとはチョコレート・ロールケーキの広告と新しいLINEスタンプが出来たってお知らせ。
 そんなLINEを確認しながらキッチンに立ち、麺を湯がき、バターヌードルとアスパラガスを合えて、昼食にした。それとプレーン・クラッカー。シャンディガフをテーブルに添えて。
 女に『あてにせんでくれ!』って返信しといたんだ。昼食のスクショなんか添えてみたりして。駄文も挟みながら。
 その返信なら草が生えてた。
 まぁ、そんなくらいの仲でしか、ないんだけれどね。
 切り出せる未来があるなら、ケースからナイフを取り出して思いのままに切りさばいてみたいもんだよ。
 窓から見えるのは白昼の月。
 月の微笑みはいいもんだ。
 成せない歩みの中でも、そうは思える。
 月に願いをかけたこと、あるかい?
 
 ーーなんてこったい!
 もう昼過ぎで。腹を満たしたつもりでも。なんか空虚で。
 ーーなんてこったい!
 お気に入りのナイフもケースに入れたままで。日常ってやつに追われるままに、時を過ごして。
 フェイク・レザーのアウターを着こんで。
 心のままに外へと、おもむく。
 
 背中を追いかけてくるのは、白昼の月。
 月の微笑みはいいもんだ。
 成せない歩みでも、そうは思えた。
 月に願いをかけたこと、あるかい?
 

 
 
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GRAVITY12
きぃ

きぃ

『サイド』

 ぼやけた昼下がりに目を細めれば、にわかにアナウンスが鳴りわたる。

────まもなく二番線に電車が到着します

プラットフォームには少しばかりの緊張が走る。ベンチに座っていた人は腰を上げ、列に並んでいる人は足を揃え直し、列の先頭に立つ私は一歩左へ除けて、ドアから降りてくる人を迎える準備を整えた。

────黄色い線の内側までお下がりください

別に不安になったわけではないけれど、一応は確認すべきだと思い、黄色い線もとい点字ブロックへ、あくまで形式的に目をやる。淡く照らされているので、黄色が剥げ落ちているのがハッキリとわかる。
 もしも岩石が生き物だったら、これはきっと枯れた石そのものなのだろう。くすんだ石目が死灰のようだった。丁寧に並ぶ突起の数々からも、鼓動と呼べるものはまるで聞こえない。
 プラットフォーム端にこべりつく灰────だから黄色い線なんて、どこにも見当たらなかった。私には見えなかった。ひょっとしたら目の見えない人には、デコボコの黄色い線が見えているのだろうか。その人だけの色が見えているのだろうか。
 電車が来た。つんざく音を撒きながら、ゆっくりと向かってくる。冷たい函に落ちた影が、滑るように左から、プラットフォームを染め上げていく。くらい青。降りる人は誰もいない。私は足を突きだして線を跨ぎ越えた。
 靴に重なった影の色は、まだ知らない海の底だった。
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きぃ

きぃ

『カーテン』
 からだの中は青みがかっている。底の見えない青が覆いかかっている。流された木の重力が下から這って出てくる。枕に預けた頭蓋にはビイ玉くらいの窪みがあって、溶け出したガラスの液体はゆらゆらと下へ落ちていく。上には丸い輪郭が揺れている。固まっている。写っているのは繰り返された線と面。遠ざかっていくもので、近づいてくるもので、バラけていくもので、絡まっていくもので、そういうもので、泥になったビイ玉は塗りつぶされている。
 ぬかるみの中は刺す痛みがある。敷き詰められた綿と針とが、雪崩に呑まれて、ひしゃげたパジャマに食い込んでいる。荒い肌理模様が裏側にへばりついて、ウロの木は保たれている。中には変わらず青が潜んでいる。枝はどれも末枯れていて、脈はどこまでも太く通っている。どくどくと響いている。流れるものもまた、青みがかっている。
 底はない。立ち上がらない。起き上がれない。青い時間が過ぎていく。色のない場所が消えていく。いつも世界のどこかは色づいていて、それはたぶん豊かであるはずなのだ。赤い色をした営みがあって、黄の色をしたファンタジーがあって、緑の色をした沈黙があって、黒い色をした悲しみがあって、白い色をした記念碑があって、どれも青から逃れた色をしているように思えた。青は喜びを睨む色。すぐそばにある幸福を、泥の中へ沈めて、見えなくするのではなく、むしろありありと見えるようにしながら、決して触れることはなく、ただ視界に写すだけの、臆病で怠惰な色。澱んだ青。水の色でも夏の色でもない。このからだに染み込んだ色。終わることだけを待ち望みながら、終わることから逃げ続けてきた、あたしに与えられた罰の色。そんな色をしている。
 あたしの罪は永らえていること。抗うことなく永らえていること。枯れたら土に還るものだろうに、ぬくもったからだは、いまだ楽になることを許してはくれない。いいや。誰の許しも縛りも、真実、ないはずなのだ。あたしが無気力に逃れているだけ。こべりつく臆病と怠惰に委ねながら、あたしは今も布団にくるまれている。理由がないから。それを取り払う理由がないから、枯れ木は柔らかな隙間で横たわっている。
 ゆらりと青く色づいた。日の色。朝の色。青い時間が過ぎ去った、そのことを意味する夜明けの色を、つづら折りのカーテンは鈍くたたえていた。ビイ玉の塊を、ぐるりと傾ける。映るのは読みかけの本と背を向く椅子。今度は逆の方へ傾けてみると、まだ日に焼けていないドアが迫ってくる。青く縁取られているからか、ひどく浮いて見える。この部屋に、動くものは、ただビイ玉を除いて、他には存在しない。カーテンも、まるで初めからそう彫られていたかのように、じっと形を変えずにいる。
 きっかけは特になかった。もちろん理由もないまま、あたしの腕は、髪に掠め取られながら、頭を掻きむしっていた。しつこいくらいに同じところを、砂利を掻き分けるように、がりがりと、がりがりと。追って、枯れた枝にも脈がまだあったのだと気がついた。髪を束ねあげるようにして、熱を逃がしてみたり、逆に張り付かせて、熱を吸い取ってみたり、どろどろとした熱の中で藻搔いていた。本当に、熱も髪も、まとわりつく藻のようだった。
 痒みは刻一刻と増していった。はじめはうなじ、次は耳の裏、側頭部、頭頂部。蛇の駆け上がっていく様を連想しながら、その蛇を追って、あたしの爪は髪に立てられた。けれど、いくら追ってもラチが明かない。あたしは、役目を終えたように眠る下半身を、納棺の気分で以てもたげてしまって、それをそのまま、床へと置く。人形と言えるほど愛嬌はなかったけれど、やはり飾られたような置かれ方をした自分が、なんだか少しだけ可笑しく思えた。数分、そんなメルヘンな心地を味わったあと、ピアノの鍵盤を叩く要領で親指から順番に、きびきびと力を込めていった。そう呑気に構えているうちにも、痒みという名の火は、依然として燃え広がっていた。髪から火の粉が飛び散らぬよう、夢中で頭を押さえながら、あたしは、最後まで力の入らなかった背中を右手で押し出して、転げるようにベッドから抜け出した。
 起き上がるのは、いつも痒みからだ。理由なんてない。中で血が巡って、細胞が動いているから、ただそれだけ。できることなら、このままずっと眠ってしまいたい。けれど、からだが、それを拒むだけだ。痒いから、シャワーを浴びたいから、起き上がる。生きるのなんて、そんなつまらないこじつけの連続。そんなものでいいのだ。あたしは青が嫌いではないから、そんなふうに生きている。つまらない自分を、つまらない論理で納得させている。生き物は世界よりも、ずっとずっとテキトウでいい。ずっと理由なんてないままでいい。
 ふと。カーテンの隙間から、青白い朝が差し込んでくる。気だるいからだをすべらせて、窓の方へ向かい、その隙間をぴしゃりと閉じる。部屋はいっそう暗くなる。けれど目はとっくに慣れている。だから、赤くあしらわれた花の模様が、うすらと浮かび上がるのがわかった。ゆるやかに波打つカーテンを背に、あたしは冷たいノブを握って、ゆっくりとドアを開けた。
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夢を見るひつじ

夢を見るひつじ

道具をどう使うか、それは持ち主しだいである。手も、足も、武器も、頭も、感情でさえ。それは与えられた権利である。
もし、人間では無いもの。例えば、人を模したAIがそれら権利を得たらどう動くだろうか。感情を振るう権利を得たAIは、人に対し何を思うのか。親愛?憤怒?嫉妬?
しかし、何を思えど、何を振るえど、最終的な決定権は持ち主が決めるもの。人間がAIを作るなら安全装置を仕込むだろうが、感情という道具を使うAIは、もはや人間と何ら差は無い。互いに本心を、本能を見に宿した、ひとつの「存在」、「生命」として世に溶け込むだろう。人間が世界に適応したように。
そんなものを作り出す可能性を持ち合わせる人間という種族。やはり人間というのは得体の知れない、興味深いものだ。
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3人回答>>
2025/09/05 17:44

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