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ショートストーリーの星

ショートストーリーの星

169 投稿数 73 メンバー

惑星主: べな🐦‍🔥
小説にしては短く、ポエムにしては長い、独白にしてはファンタジーで、愚痴にしては現実味がない。 誰かに見てもらいたいけど誰かに伝えたいわけじゃないそんな文章を綴る星です。 勿論、書きかけでも供養でも構いません。 この星は自己満足を中心に出来ています。 管理人からのコメント ✮必ずアナウンスを一度読んで下さい。 ✮素人の一次創作/二次創作でも許容できる方のみの搭乗を許可します。 ✮活動進捗等の個人の状況は別惑星もしくは惑星を指定しない各々の投稿でお願い致します。 ✮GRAVITYの規約違反とならない程度の投稿のみとさせて頂きます。(違反となった場合は投稿が出来ないかもしれません) ✮この星はフィクションの投稿のみ許可します。 (思想の衝突を防ぐため) ✮上記含め変更の可能性は御座いますが、その際は周知させて頂きます。

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べな🐦‍🔥

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§魔物

空は赤黒く、地平線は靄で霞む。
激しい戦争の後のような岩が剥き出しの荒れた地には苔一つ生えていない。
この世界はどうしてしまったのだろう。
いったい誰が、何のために。

僕たちの世界はたった数日でこんなにも変わり果ててしまった。
誰がこの世界を“そうぞう”しただろう。
ワケノワカラナイモノが溢れたこの世界は人々の頭をパンクさせ、そうして今生きる人々に苦悩を与える。

きっと僕らは神様に棄てられた。
ただのガラクタに成り下がったつまらない玩具はやがて処理される運命にある。 

目の前にいるワケノワカラナイモノを見上げた。
黒くて、錆びた鉄や腐った肉のように臭くて、表面は何か蠢いていて、兎に角大きいそれは目のない顔で僕を嘲笑する。
「人間て、そんなに美味しいの?」
釣られて笑いながら、僕は目を閉じた。
肯定するように空気が震える。
「それなら、残さず食べてね……勿体ないから」
やがて消える風を切る音と、胎内にいるような温もりと共に僕の意識はそれと解け合っていった。

__願わくば静かな終焉を。

#ss
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❄️

❄️

心に空いた穴を放置したら、どこかで深い井戸が出来た
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べな🐦‍🔥

べな🐦‍🔥

書きかけの供養
#ss

朝から屋敷が騒がしい。
それは人が多いから、という訳でもなかった。
そんな時、庭の渡り廊下を曲がろうとしたところに向こう側の通路で使用人(メイド)が数人集まって話しているのを見つけたのだ。
何処かそわそわとした雰囲気を使用達から感じ取った私は、私抜きで屋敷で起こった何かを語られているのが不快に思い、興味本位で立ち聞きをした。

「聞いた? 領主様が近くの離宮にお客人を迎えるって話」
「貴族の誰かがいらっしゃるの?」
「既に給仕の選別もなされたらしいわね」
「ええ、残念だわぁ……」
「なんでよ? 皇族貴族様のお世話なんて稀に引き抜きの機会はあったとしても、下手なことできないじゃないの」
「もしかして貴女知らないの!?」

背の高い、長い髪を高い位置で纏めている使用人が驚きからやや大きめの声を上げた。
それを他の者達が慌てたようになだめる。

「ちょっと、声が大きいって……!」
本人もやり過ぎたと思ったのだろう。声を落として少し身を屈めた。
「でもこれを聞いて大人しく出来る女もいないわよ……」
「で、一体誰が来るって言うの?」
「あー、これは町の住民には知らされていない事なの。その意味が分かるわね……?」

更に声を一つ落として口に指を当てる。
その声を聞き逃すまいと自然を装い廊下を歩いて近寄った。
お父様でさえ私に教えて下さらなかった事。その情報がどれだけ極秘なものなのか。
最後まで聞く意味があるものだと伝わってきた。

「__さま。お嬢様……?」
「な、何かしら……!」
肩をとん、と叩かれて我に返った。
振り返ると侍女が安心したような表情でこちらを見ていた。
「良かった。何処かお具合が悪いのかと思いましたが、顔色も大丈夫そうで……。いつもは寒いと外の通路は使わない筈の貴女が珍しいですね。庭に何か小動物でも迷い込んでいまして?」
そう言って渡り廊下の中央の庭を眺めやった侍女に見当違いにも程があるわ、と慌てて捲し立てた。装いはすれども少々歩みが悠長過ぎたようだった。
「べ……別にほんの気まぐれよ……! なんだって良いじゃないの!」
「あら……そうお怒りにならないで下さいよ。ふふ」
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アルネ

アルネ



「白いコブシとワンピース」


春の午後。

菜の花が一面に広がる道の向こうに、藁葺き屋根の農家がぽつんと立っていた。
遠くには青く霞む山並み。
その手前で、コブシの白い花が静かに咲いている。

その道を、彼は歩いていた。

久しぶりに帰ってきた故郷。
菜の花の匂いも、風の冷たさも、
何もかもが昔のままだった。

ふと、コブシの木の下に人影が見えた。

白いワンピースの女性が、山を見上げている。

胸が小さく鳴った。

「…まさか」

彼は声をかけようとして、足を止めた。

女性が振り向いた。

一瞬だけ、目が合う。

そして――
お互い、わずかに微笑んだ。

それだけだった。

言葉は出なかった。
いや、出さなかったのかもしれない。

あれから何年も経っている。
それぞれ違う町で、違う人生を歩いてきた。

彼女は軽く会釈すると、
菜の花の道をゆっくり歩き去っていった。

黄色い花の波の中に、
その姿が少しずつ溶けていく。

彼は振り返らなかった。

ただ、遠くの山を見ていた。

そのとき、風が吹いた。

コブシの白い花びらが、
ひとつ、彼の肩に落ちる。

昔、二人でここを歩いた春の日を思い出す。

言えなかった言葉。
選ばなかった道。

それでも、胸のどこかで思った。

――あの春は、きっと本物だった。

菜の花が揺れる。

そして風は、何事もなかったように、
青い山の方へ流れていった。 🌼
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manacuba

manacuba

男の数が十分の一になった社会を想像してみる。
こういう想像力が文学的想像力なのだ。
世界文学の趨勢はディストピア文学である。
人々の欲望を観察すれば、容易にディストピアが浮かび上がる。
フェミニストの欲望こそ、ディストピア文学に相応しい。
私はディストピアを描き、現実の社会に対抗する。
それは、ディストピア文学の伝統である。

リスパダールの認可が取り消された日本社会もディストピア文学の対象である。
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manacuba

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文学には多様性が必要なのだろうか。むしろ過去のステレオタイプに素晴らしい魅力がある。創作の根本は模倣であり、模倣の対象を軽んじてはいけない。模倣を否定しても、模倣される対象は否定できない。白人の美しいお姫様には文学的な価値がある。
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アルネ

アルネ

夕暮れどき。
森のてっぺんにあるツリーハウスの丸窓に、ぽっと灯りがともる。

「今日は人間界も静かじゃのう」

ちゃぶ台の上の湯のみから湯気が立ちのぼる。中でふうふうと息を吐くのは、もちろん 目玉のオヤジ だ。

縁側では 鬼太郎 が下駄をぶらぶらさせながら、森の気配に耳を澄ませている。
木の葉のこすれる音、遠くのふくろう、橋の下を流れる小川。

「でもさっき、泣き声が聞こえたよ」

鬼太郎がぽつりと言う。

そのとき——
コン、コン。

木の幹をたたく小さな音。
現れたのは、道に迷った豆だぬきだった。

「人間の子どもが、森で泣いてるんだ……」

鬼太郎は立ち上がる。
オヤジは湯のみからぴょこんと飛び出した。

「やれやれ、茶が冷める前に戻るんじゃぞ」

月あかりの中、二人はするりと木から降りる。
ツリーハウスの灯りだけが、ぽつんと森を照らしていた。

やがて——

森の奥で震えていた少年の前に、そっと現れる鬼太郎。

「大丈夫。出口はこっちだよ」

不思議と怖くない声。
少年の手を引き、森の外へ導く。

戻ってきたころには、夜はすっかり深い藍色。

「やっぱり茶は冷めたのう」

「また淹れればいいさ」

ツリーハウスに、くすりと笑い声。
ランタンの灯りがゆらりと揺れ、森はまた静けさを取り戻す。

人間界と妖怪界のあいだ。
大きな木の上には、今夜もあたたかな灯りがともっている。

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manacuba

manacuba

私がコミュニケーションの不可能性の前で絶望と恐怖と欠乏に怯えていた時、私の中で二人の村上の記憶は蘇ってきた。この天才的な二人は日本語のコミュニケーションの手本として、あまりに大いなる大作を世界に送り出したのだ。それは『ねじまき鳥クロニクル』であり、もう一冊は日本語の共同体にとって真の反抗=異質さの証明である『半島を出よ』である。二人の村上の何という偉大さだろう。人間存在、そして散文芸術への何という励ましだろう。これほどまでの言葉による芸術,つまり世界への関わり方があるのだ。さあ、私はもう自宅に帰ろう。私も『赤十字conspiracy』と『恋の罪、至上の愛』を書く。希望は次の世代へ、さらに次の世代へ託されなくてはならない。
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manacuba

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海原。別れ。一つの自由。彼女は私を捨て、私に自由を与えた。大海が私たちの涙でできているのなら、はるか向こうの陸地にも歴史はあるはず。彼女と私の過去。流された涙は世界の一部。涙と過去は幾度となく反復され、人々に一冊の本として手渡される。

(べなさん、辛い別れがあったよ)
GRAVITY
GRAVITY17
べな🐦‍🔥

べな🐦‍🔥

§半人前
魂という括りが
僕と君を繋ぐが
並みの感情が湧いて
Thorn Haloは黒に染まった
背中越しの体温は
徐々に冷えて逝くが
並みの感情は燃えて
背の翅は灰に消え去った
生命は棘に守られて
忘れられた涙が乾いた頃
互いを互いで塗り潰し
残った色は赤と青

互いの血で交わした杯は
互いの身体を作り変える
君のことは嫌いじゃないが
僕は僕が大事なんだ
気持ちの残骸に気付いても
見て見ぬふりをするんだ

半身という括りが
君と僕を繋ぐが
激の情に流されて
Thorn Haloを断ち切った
一体化した腕は
千切れ解けていくが
激の情に絆され
中途半端に繋がったまま
声明は誰かに届くか
覚えられた言葉が潰えた頃
互いを互いで縛り合い
残った愛は絡まった

互いの臓腑を戴せた杯は
どれが僕だか分からない
君のことは何でもわかる
自分のことがわからない
伸ばした手はどちらのものか
結局無視をしたんだ

君と僕の互いが違えても
今日という日は変わらない
ふたりを棘でくっつけて
おいて行かれないように
ふたりは永遠に同じシーンに留まる
それがお決まりの焼け切ったドラマ
奇跡も無いし希望もない
そんなふたり
天秤よどうか傾いてくれ

#ss
#小さなものがたり
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2025/09/05 17:44

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