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本と映画と独り言の備忘録。超 ゆるーく活動してます。 投稿・コメント・メッセージ と 返信 は "緩慢" であると同時に "フィクション" です。Somewhere in internet. ⇱
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岸見一郎 古賀史健 (2013)
『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)

 本書の原案を担当した岸見一郎は、京都大学院文化研究科博士課程満期退学後、西洋古代哲学・プラトン哲学・アドラー心理学の研究や、精神科医院で数多くの青年のカウンセリングを行った日本アドラー心理学会顧問兼認定カウンセラーである。ライターの古賀史健は、20代の終わりにアドラー心理学と出会い、その後、京都の岸見一郎を訪ね、アドラー心理学の本質について聞き出し、本書ではギリシャ哲学の古典的手法である「対話篇」へと落とし込んだ人物である。
 本書は、Amazonレビュー4.5/26921の評価を誇り、世界的にはフロイト・ユングと並ぶ心理学会の三大巨匠とされながらも日本国内では無名に近い存在アドラーの教えを哲学者と青年の対話篇形式によって解き明かしていく古典作品である。また、世界40以上の国と地域で翻訳され、累計1,000万部を超えた世界的ベストセラーである。
 過去にトラウマなりの原因となる出来事があって、その結果、外に出られなくなってしまったという「原因論」的な考え方ではなく、外に出ないという目的が先にあって、その目的を達成する手段として不安や恐怖をこしらえているという「目的論」的な考え方は、現在の私は過去の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定できると解釈することが可能である。20代半ばを迎え、キャリア・交友・恋愛・家族・趣味に対し反芻する機会が増えたため、30代を迎えた際に20代の私に意味を与えようと吟味することは、意味のない人生を生きる上で僅かに心を軽くする。
 アドラーは、「対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされるため、我々は"これは誰の課題なのか"という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していく必要がある。」と述べている。他者の課題と自分の課題を混同しない、他者の課題には介入せず自分の課題にも誰一人として介入させないと考えることは、私の人生は私が選択しているという自己決定感の意識を促す手助けをしてくれるのではないだろうか。
 約300ページと内容は浅く読みやすい印象を受けた。誰にでも薦めたい一冊である。

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河合隼雄 (1998)
『こころの処方箋』(新潮文庫)

 著者の河合隼雄は、臨床心理学者・文化功労者・文化庁長官・京都大学教授を務めた人物である。
 本著はAmazonレビュー 4.2/1117の評価を誇る、疲弊した心に真の勇気を起こし秘策を生み出す必携のロングセラーエッセイ集である。「心の常識」があまり知られていない時代だからこそ、腹の底では分かっているのだが言葉にすることが難しい「心の常識」を55章に分けて説明している。「16章 心のなかの勝負は51対49のことが多い」「32章 うそは常備薬 真実は劇薬」「37章 一人でも二人、二人でも一人で生きるつもり」の三章が特に印象に残っている。
 物事をAかBどちらかに決める場合は、その相反する気持ちの間で勝負が決まり、Aが勝つと、それだけが前面に現れ主張されるが、その実はその反対の傾向が存在しており、それは、51対49と言いたいほどの際どい差であることが多いという心の捉え方は、人間の言葉と行動の不一致に関する否定・懐疑的な捉え方に対し、肯定・柔軟的に捉え直すことを促すと考える。
 真実を語るのは良いことだと単純に確信している人や、適当な嘘を上手に交えて人間関係を円滑にすることが大切だと唱える人もいるが、嘘でも真実でもない表現をすることも大切である。また、終始この表現ばかりでは面白くないため、時には嘘を交え、そして、ここぞという時のみ真実を語る、その匙加減こそが重要であると述べている。言ってはならぬ真実を口にしたため、人間関係が壊れてしまった経験をお持ちの方は、多く居られることと思うが、この匙加減は人間関係を維持する上で役立つと考える。
 一人で楽しく生きている人は、心のなかに何らかのパートナーを持っている可能性があり、一人で生きてゆくためには、そのような意味で二人で生きてゆくことができねばならず、二人で生きている人は、一人でも生きられる強さを前提とし、二人で生きてゆくことが必要であり、一人でも生きてゆける人間が二人で生き、お互いに助け合ってゆくところに楽しみが見出せるという考え方は、特に人生100年時代を生きる私たちの結婚・恋愛の在り方を考え直す上で重要な視点だと考える。
 約248ページと内容は浅く読みやすい印象を受けた。誰にでも薦めたい一冊である。
 
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松下幸之助 (1968)
『道をひらく』PHP研究所
 
NHK教育テレビジョン「100分de名著」(2024) で紹介され、サッカー日本代表田中碧選手が「人生において大切にしている一冊」として紹介した本である。2023年、東京大学入学式の祝辞で本文が引用された。発刊以来、累計530万部を超えたロングセラーである。著者の松下幸之助はPanasonic (旧松下電器産業) グループ、PHP研究所の創立者である。本書は、94歳まで生きた松下幸之助が、人生や経験に対する深い洞察をもとに綴った短編随想集である。「運命をきりひらくために」「日々を新鮮な心で迎えるために」「ともによりよく生きるために」「みずから決断を下すときに」「困難にぶつかったときに」「自信を失ったときに」「仕事をより向上させるために」「事業をよりよく伸ばすために」「自主独立の信念をもつために」「生きがいある人生のために」「国の道をひらくために」の全11項で論じられる。なかでも、「人間というものはまことに勝手なもので、他人をうらやみ、そねむことがあっても、自分がどんなに恵まれた境遇にあるか、ということには案外、気のつかないことが多い。古来の聖賢が、恵みを知れ、と幾万言を費やしてきても、実感としてこれを受け取る人はどれだけあるのだろう。頭では理解していても、心に直接ひびかないのである。そこに人間の弱さがある。」という思索に心を打たれた。約270ページと内容は浅く読みやすい印象を受けた。生徒や学生に薦めたい一冊だと感じた。社会人は無論である。
 
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ダニエル・キイス (1959)?
『アルジャーノンに花束を』早川書房

 1959年にヒューゴー賞を獲得し、1966年にネビュラ賞を獲得したSF小説である。その後、1968年にハリウッドで映画化されるほどの人気作品となった。この小説の著者は、1927年にニューヨークのブルックリンで生まれた。彼は船乗り、国語教師、そして Marvel Comics で編集者や原作者として働いていた。Marvel Comics で働いていた当時の上司は、あのスタン・リーであった。この本を出版する際、編集者から「結末が暗すぎるのでハッピーエンドに書き直せ」と言われたが、親友の助言もあったため、結末を変えずに世に送り出された。
 物語の主人公は、知的障害を持つ青年チャーリー。彼は誰にでも親切で、友達のように賢くなりたいと願いながらパン屋で働き、知的障害者の専門クラスに在籍していた。ある日、担任のアリス先生が新しく開発された脳手術を受けるように提案する。この手術をすでに受けたハツカネズミのアルジャーノンは驚異的な記憶力と思考力を得ることに成功していた。チャーリーも手術を受け、知能指数が60から185まで上昇した。しかし、賢くなるにしたがって、友達だと思っていた人々が実は彼を笑っていたこと、実の両親に捨てられていたことなど、知りたくなかった事実を次々と知ってしまう。そして、次第に正義感を振りかざし、他人を見下すような態度をとるようになり、孤独に苛まれることになる。そんなある日、賢くなったチャーリーが世話をしていたアルジャーノンに異変が生じる。そして、チャーリーは、とある事実に気がついてしまう…。というのが、大雑把なあらすじである。
この小説は約500ページで構成されており、最初の約50ページは稚拙な平仮名で書かれているため、読むのに一苦労する。しかし、それを乗り越えた先は非常に面白く読み進めることができる。生涯にぜひ読んでおきたい一冊であり、どんな人にも薦めたい一冊である。

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おとといの夜、狂気に満ちるほどの胸の激痛・呼吸困難・食事困難に襲われた。翌朝、クリニックで推薦状を受け取り総合病院の耳鼻咽喉内科を死に物狂いで訪問した。レントゲンやCTスキャン、血液や小型カメラなどを用いて検査を受けた。結果、急性喉頭蓋炎と診断された。食事も水も飲み込めないので即入院することになった。約二十五年間生きて、死を意識させられたのは二回目だった。当日、身体の痛みに集中するのが精一杯で、人生の悩みや人間関係、仕事や学問、趣味、未来に対するストレスなど全てを忘れた。というより考える余裕が一切なかった。そう感じた刹那、「どんな悩みや不安も身体の痛みや苦痛には優らない」ということを強く感じた。夜、隣接するベッドからは「痛い。苦しい。つらい。早く迎えにきてほしい。」とほそぼそとしたお婆さんの声が聞こえた。死に際を疑似体験したような気分だった。また、明らかに自分より若いであろう人工呼吸器を付けた少女を見かけた。院内を一生懸命歩く少年も見かけた。彼らの目は希望に満ちていたとは言えないが死んでいなかった。彼らに同情や憐れみは一切感じなかったが、時折見せる人間の不平等さだけはひしひしと感じた。この時、世間ではオーロラが見えたそうだが、私の心にはどっしりとした闇のヴェールと鉄のカーテンがかけられていた。約一週間は通院することになるが、幸いにも翌日に退院できた。細菌やヴイルスの怖さに比べたら人間の怖さがかわいらしく思えた。もし、病院から遠く離れた過疎地に住んでいたら今頃は死んでいたのではないか、と思うと全神経系が萎縮した。病院を出る時、自分の信念が少しだけ強くなった気がした。健康に対する幸せをしみじみと感じたそんな週末。というエピソードを語りながら友達と食べる飯と飲む酒は格別!笑
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