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私には一つの思案がある。
それは思考は基本的に感情を正当化したりあるいは感情を認めるために利用される社会上の道具なのではないだろうか?ということである。
ゆえにこれに従えば人間は理性によって感情を大幅に克服することができたとする仮定は、それは思考というベールに潜むプロセスを見つめることができていないのかもしれない。

(なお本文は要約を多用しているため、多少の読み飛ばしを行うことを推奨する)

以下に詳細を示す。
まず人間の感情と思考の分類というのは、困難なものであるが仮に以下の二つに分けておく。
- 思考…説明可能な処理プロセス
- 感情…説明不可能な処理プロセス

なお説明というのは自認するということであり、説明不可能であればなぜそのような結論になったのかを知らないということを意味する。

つまり簡単に言えば前提として思考とは何かを考えるプロセス、感情とは何かを思うこと(自発) として考えておく。すると何かを考えるプロセスということはなんらかの原因が存在し、そして結論が与えられると言い換えることができるはずだ。
であれば単純な話として思考に対しては必ず提題として何らかの初期原因が存在するはずである。この初期原因が外部であるか内部であるかは双方考えられるため、ここでは詳細に語らないが、これにより思考は感情によって自発した原因を元に考えているあるいは考えることができるということが言える。

そして言い換えるならば思考には目的を伴った原動力が必要であるということになる。そして、この原動力が過去、感情が主役として担ってきたことは歴史上そう違和感のあることではないかと思われる。

もちろんここで私は思考は感情に支配されていると説明しているわけではない。
確かに、思考が他種族に比べて特異的な成長をしてきたことや思考それ自体が存在するということはその通りである。数学などの客観性の高い学問などは最たる例であろう。
しかし、わたしが指事する重要な要素というのは思考は感情と共に存在してきたあるいは多分に影響を受けてきた存在でもあるということであって、社会において理性(思考)と感性(感情)を極端に分離する あるいは絶対視するというのは困難なことでありおよそ早計であるといえようということである。

そもそも思考が発達した一つの理由というのは自身の主張である感情を他者に説明可能な形で共有することであり、そして同時に自身の感情の不合理を思考による共有不能という形によって明らかにすることであった。であるから思考が感情に対して一つ離れた位置を獲得しているにしても、感情を必ず対象としていることを忘れると錯誤に陥りやすくなるだろう。

そして次に機能について着目すると思考のみの独立した運用には制約があることも分かる。
実際に使用される思考の過程というのは必ず先行して人間があり、思考だけが存在していてもそれは我々が想定するような思考という意味では機能しない。それは例えて言うならば入力を与えられない反応式の計算機に近しいものになる。
先に数学を例にあげていたのでこれに合わせて書いておくと数学が発達するのは、数学者の好奇心であり実人間の楽をしたいと望む思いが初期原因として存在するからと言えよう。

そして、この思案に従えば、人間中心主義というのが科学の発展の後に歴史的に再評価されるようになったことは当然であるかもしれない。先ほど指し示したように、科学も例外なく先行した思考のみで成り立つものではないと考えられるからだ。

ゆえに、思考と言うものに対しては感情とは隔絶したまたは完全に分離した印象と言うのを抱く人もいると思うのだが、最近私は実はそうでもない可能性があると思っているということを書いておく。


以上、御精読いただき大変ありがとうございます。
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