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第6章 封禅の地(01)

冷厳で寂寥とした宇宙空間において、九柱の巨龍の死体が横たわり、古びた青銅の巨棺は古朴かつ大らかで、まるで宇宙の始まりと共に古来よりそこに在り続けているかのようだった。

数日が過ぎたが、依然として青銅の模様が発する謎の信号を解読することはできず、それを地上へ「回収」する確実な手段も見つかっていなかった。

「動いた!」
「軌道から逸脱し、沈降している!」

その瞬間、国際宇宙ステーション内で、数名の宇宙飛行士エリートたちの瞳孔が一気に収縮した。九龍拉棺(きゅうりゅうらかん)が軌道から逸脱し、ゆっくりと沈降を始めようとしていたのだ。

泰山(たいざん)は、威風堂々として重厚沈着、気宇壮大で、五岳の筆頭に数えられ、「天下第一の山」と称される。

古来より泰山は神聖な象徴であり、古代中原地域の最も東の端に位置し、黄河と汶河に囲まれ、太陽が昇り万物が育つ地と見なされていた。

山に泰山よりも大いなるものなく、史に泰山よりも古きものなし!

泰山は雄大壮阔で、その重厚な歴史的積層は上古の三皇五帝の時代にまで遡り、神霊に近づこうとする地であった。

「天は高くて及ぶべからず、泰山に立てば封禅(ほうぜん)の祭をなして、神霊に近づかんことを冀う(こいねがう)。」

六合を席巻した秦の始皇帝、雄才大略な漢武帝も、かつて泰山で世に類を見ない封禅の大典を斎行した。

そしてそれ以前、上古の時代にはさらに七十二人の帝王が泰山で封禅を行っていた。

先秦の古書『管子(かんし)・封禅篇(ほうぜんへん)』にはかつてこう記されている。
「昔、無懐氏(むかいし)泰山に封禅し、雲雲に禅(せん)す。伏羲(ふぎ)泰山に封禅し、雲雲に禅す。神農(しんのう)泰山に封禅し、雲雲に禅す。黄帝(こうてい)泰山に封禅し、雲雲に禅す。堯(ぎょう)泰山に封禅し、雲雲に禅す。禹(う)泰山に封禅……」

上古の時代、多くの聖皇と古帝が例外なくここを封禅の地に選んだため、泰山は重重たる霧に包まれ、限りない神秘的な気配を放っている。

春秋時代、孔子もかつて泰山を往復し、上古の封禅の礼の痕跡を熱心に探し求めたが、空しくも遺憾の念だけを残し、弟子たちに問われても答えることができなかったという。

後世の人々もいくつかの発見をした。

民国20年、馬鴻逵(ばこうかい)将軍が軍を率いて泰山のふもとに駐屯した際、偶然五色の土壇を発見。中に二套の玉冊(ぎょくさつ)があり、「石泥金縄(せきでいきんじょう)」で封印され、地下に埋蔵されていた。

先秦上古の時代、諸々の古皇たちがなぜ皆ここを封禅の地に選んだのか。今なおそれは謎であり、永遠に解き明かされない可能性すらある。

葉凡たちはホテルで一夜を明かした後、翌日、泰山登頂に臨んだ。

一行の中には、泰山を訪れるのが初めての者も多く、実際にこの地に足を踏み入れてこそ、その壮闊さと雄大さを実感することができる。

山体は三段階の階段状地質構造を成しており、天へと続く階段のようで、南に向かって山体全体が開かれ、10キロメートルに及ぶ「登天路」が壮大な山肌を貫き、頂上へと延びている。

遠くから望んでも、近くで見上げても、その大らかな気宇は人の心を高鳴らせた。

壮大な泰山の前では、奇妙な錯覚に陥る。自らが蝼蟻(ろうぎ)のように微々たるものに感じられ、空の日月星辰さえも些細なものに思えてくる。

これは心を震わせる、圧倒的な感覚だった。

ガイドが古代の封禅について語り出すと、さらに思いを馳せずにはいられず、人類は常に未知と神秘に憧れてきたのだと痛感した。

李小曼とケイドは肩を並べて歩き、彼女は絶えず彼に通訳と解説をしていた。このアメリカ青年は泰山にますます驚き、次々と質問を投げかけていた。

劉雲志は、皮肉めいた表情で葉凡を見てから、前方の二人に視線を向けた。しかし、彼のその明らかな態度は、葉凡に完全に無視され、何の反応も示さなかったため、彼は非常にがっかりした。

実は葉凡は彼の存在に気づいてさえおらず、自然体で平静だった。

葉凡是すでに『黄帝内経』を読み終えていた。上古の聖君たちが皆ここに集ったことを考え、彼は突然荒唐無稽な連想をした。もしかして、本当に消え去った上古文明が存在したのだろうか? もしそうなら、その時代の泰山は間違いなく聖地に違いない。

しかしすぐに首を振った。最近暇を持て余しているせいだと、このような荒谬な連想をしてしまうのだと。

泰山の古松は青々と茂り、多くは流泉と飛瀑がある。荘厳雄大さの中に秀麗さを兼ね備え、缥渺(びょうみょう)とした雲霧が加わることで、自然と幾分かの神秘と深遠さが増した。

一路登りながら、道中には数え切れない名勝古跡、摩崖碑碣(まがいひこう)があり、皆が感嘆の声を上げずにはいられない。

地に祭る所から始まり、帝王の行宮である岱廟(たいびょう)を経て、天に封ずる玉皇頂(ぎょくこうちょう)に至る。この10キロメートルに及ぶ「地府……人間……天国」という一本の軸線を成す。

夕暮れ時、皆はついに泰山の頂点――玉皇頂に登り詰めた。足元の諸山を俯瞰し、遥かに黄河を望む。その時になって、孔子の「泰山に登って天下を小さく見る」の真意を深く理解した。

「会当(えとう)に凌(しの)ぶ絶頂(ぜっちょう)に、一挙に覧(らん)ぜん衆山(しゅうざん)小(ちい)さなるを!」
詩聖もまた、この千古の絶唱を残した。

今、夕日は西に傾き、雲峰の上には皆、金燦燦(きんさんさん)とした光の縁取りが施され、奇珍異宝のような輝きを放っていた。

このような絶景に、思わず見とれずにはいられなかった。
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第4章 荒古の銅像(02)
暗黒で冷厳な宇宙空間において、九柱の巨龍の死体はあたかも古来よりそこに横たわっているかのようだった。椀の口径ほどの太さの鉄鎖が虚空を切り、一口の青銅の巨棺へと繋がっている。それは無尽蔵の荒涼とした感覚と遠古の響きを人々に感じさせた。

地上の意思決定層はすでに議定していた。もし重大な変事が発生した場合、即座にその九柱の龍の死体と謎めいた青銅の古棺を破壊するようになっていた。

しかし、誰一人としてそのような事態を望む者はいなかった。

九龍拉棺(きゅうりゅうらかん)。それは暗黒と寂寥とした宇宙の深淵から来たものであり、その価値と意義はあまりにも大きく、計り知れないものだった!

突然、国際宇宙ステーション内のメイン監視室は一組の謎めいた信号を捕捉した。それは尋常ならざる波動であった。目標源は目の前、九柱の龍が引く青銅の巨棺にあった。その上に刻まれた古くも曖昧な模様から、謎めいた波動が発せられていたのだ。

「解読不能……」

信号は地上へと送信され、最も精密なスーパーコンピュータを用いて解読を試みたが、依然として何の手がかりも得られなかった。

青銅の巨棺に刻まれた古の模様は、銅錆(あか)に覆われ、完全に視認することは困難だった。

「初步的な分析によれば、それらの青銅刻図(せいどうこくず)は中国古代の伝説に関係している。」

各国の監視室は一致して、似たような結論を出した。

「青銅の巨棺に刻まれた獣形の刻図は、中国の『山海経』に記載されているある種の荒古の凶獣に類似している。そして、青銅模様に描かれた人物は、神々(神祇)ではないかと疑われる……」

青銅刻図の出自の一部を判別できたものの、その極めて微弱な謎めいた信号は依然として解読不能であり、まったく手がかりが得られなかった。
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ホヨトホー

ホヨトホー

やっぱ地獄楽めちゃくちゃ面白いな。古来より創作の真髄はエログロまで描ききってこそだと思うんすよ…
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ぼー

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『宮本武蔵』

山や川の、岩がごろごろしてるところを歩いていると、感じることがあります。

舗装された道だと、特に注意しなくても歩けるけど、それが当たり前じゃないことを。

スマホ歩きが問題になってるけど、
とてもじゃないけど、そんなことはできないです。

特に河原で足を出して踏んだ石や岩が、ゴロッと動かない保証はない。
どこにも見た目だけでパッと分かることはない。
自然と緊張感を持って慎重に歩くことになります。

舗装された道だと、無意識に足元よりも先の方を見て歩けるんだけど、
河原だとまずは足元を見ます。それからほぼ同時に次の一歩のところの石や岩を見ます。

言葉にするとややこしいけど、
怖いから誰でも自然にそうなると思います。
そんなときに思い出す言葉があります。

宮本武蔵が言った「見るでもなく見る」だったかな。
いつもどおりうろ覚えなんですが。

山河を歩いていると、その意味がわかる気がするんです。

うわの空や、一点に集中しすぎるのは、
どちらも怪我をする。

足元の、今ここの一点を見ているんだけど、
それだけじゃない。
そのほんの少しだけ先の未来も視界や意識には入ってる。

そして、ほんとに次の一歩はそこでいいのか?
という疑念も常にあります。

その周囲の石や岩はどうか?
足元の注意は中心ではあるけれど、
そこらへんまでちゃんと視界に入ってます。

瞬時に計算して、次の一歩に賭けてます。

仏教の空は、一点に執われることを戒めてるとも言えるでしょう。

理由はこれだけじゃないはずですが、
古来、山河が修行の場になって来た意味を感じます。

「見るでもなく見る」という話でした。
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吉田賢太郎

吉田賢太郎

題名:【カタチ】と【ナガレ】 ―― セルとブウ、そして鬼の話
​1. セルは「完成」という名の仏
​セルは、人間が夢見た「最高の自分」だ
あらゆる細胞をかき集め、磨き上げ、
たどり着いた【完璧】という名のクリスタル
​彼は自分という「カタチ」を持っている
だからルールを作り、対話を求め、誇り高く笑う
それは、厳しい修行の末に光り輝く「仏」の姿
完璧すぎて、もうどこにも行けない
「個」としての美しさが、そこにある
​2. ブウは「現象」という名の鬼
​一方で、ブウに「カタチ」はない
彼は嵐であり、津波であり、吹き抜ける風そのもの
ピンク色の可愛らしい見た目は、ただの仮の姿だ
​彼は「お腹が空いた」と世界を飲み込む
そこに悪意はない、ただ「そうなる」だけの理不尽
理由のない破壊、言葉の通じない恐怖
それは古来、人が「鬼」と呼んで畏れた
抗うことのできない「自然災害(現象)」の姿
​3. ピンクの悪魔、カービィの鏡
​あの丸いカービィも、実は同じ「現象」だ
吸い込み、塗り替え、全てを自分と混ぜ合わせる
境界線のない、純粋で無垢なブラックホール
​無惨が「私を災害だと思え」と言ったように
鬼とは、意志を持った敵ではなく
ただそこに降り注ぐ、避けられない運命のこと
​4. 君はどう向き合うか
​完成された「仏」の美しさに憧れ、自分を磨くのか
吹き荒れる「鬼」の猛威を、畏れ、受け入れるのか
​「存在」と「現象」
この二つの強さが、今日も世界のどこかで
ぶつかり合い、混ざり合って、歴史を作っている
​この解釈の「本質」
​セルの本質(存在): 自分の限界を極め、一つの「答え」になろうとする意志。
​ブウの本質(現象): 自分と世界の区別をなくし、全てを「流れ」の中に飲み込むエネルギー。
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