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『わんわん再放送』完了のお知らせ

過去に投稿した、連載小説の全ての話にハッシュダグ付けが終わりました〜!!(;´∀`)
これで、一気読みできるようになった〜✨←自己満

#紅血龍と香水
#ペルセウス座流星群の夏
#メモリーローン
#Y氏の憂鬱
#秋のカブトムシ
#一片の雪  (なぜ、これだけ青くならない!?)

長々といっぱい連投しちゃってごめんね〜!💦
これからは慎ましく、ホタルイカの投稿メインでやっていこうと思います!笑

もし、時間があったら、小説を読んでやって下さい。読みやすいと思いますので……。

ではでは。🦑
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※連載小説のあとがきです。
小説を読んでから、どうぞ。

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『秋のカブトムシ』

あとがき


今回の話を書くきっかけは、夏祭りでした。
その祭りで、(色々あって)俺はカブトムシを5匹、クワガタを2匹もらいました。
くれたおっちゃんはこう言いました。

「8月中には、みんな死んじゃうけどね!」

帰り道、ホームセンターで昆虫飼育セットを買いました。
長生きさせてやろうと、毎日昆虫ゼリーをあげたり、霧吹きで水をあげたり。

しかし、盆を過ぎたあたりから、虫たちは判を押したように次々と死んでいきます。
まるで予め決まっていたかのように……。

だから、この話のタイトルは『秋のカブトムシ』にしました。
秋にカブトムシは生きていられないから……。


……さて、明人の物語は終わりました。
しかし、実は続きのアイデアがあったりもします……。

夏希を失った明人は、ゴールデン金子にお金を返せないことを伝える。
ゴールデン金子はコネクションを駆使して、人形の制作会社を探り当てる。
明人はそこへ単身突撃。
巨大ビルにいた会社の社長は、なんと晴子だった。
「DL9011、貴方は失敗作よ!」
人形は某国に依頼された、極秘の試作品だった。死んでも誰も悲しまない人間(クローン)。
突然、明人のポケットからカメラ部が出たスマホが震える。
「よく撮れてるぞ」
なんと、冬陰がこのやり取りを全世界にライブ配信していた。
会社は大混乱。慌てる晴子をよそに奥の部屋へ。
そこには、記憶を抜き取られた人間たちが保存されていた。
明人はその中から自分と夏希を見つけ出す。
そして明人は、完全な記憶をもった自分と夏希を取り戻したのだった……。

エンドロールは、明人と夏希と冬陰と晴子が手を取り合ってダンスだな!笑

♪🕺💃🕺💃♪  ✨🕺✨←ゴールデンカネコ 

……とか、よく分からない中二病全開な妄想したりしてました!笑


いやしかし、悪役が出る話を書いてると、自分の性格の悪さにびっくりしますね!💦

さて、長いお話にお付き合いくださった方には、ほんとうに感謝です!!

何か思うことがありましたら、コメント戴けると嬉しいです。

2023 3/18
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#秋のカブトムシ
#連載小説
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連載小説です。1話からどうぞ。

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最終話


明人は、そっとスマホを見た。

『9月10日 0:08』

夏希のDLの日付。

「ねえ、私が消えた後……。もう一人の私を探して欲しいな」

夏希は、真剣な目で明人を見上げた。

「もし、もう一人の私が悲しそうだったら、明人くん、ピアノを聴いてあげて……?」

明人は少しの間、黒い波が白い砂をさらっていくのを見ていた。

そして、嘘をついた。

「……うん。約束するよ。必ずもう一人の君を見つける」

夏希はそっと、明人の肩に頭をあずけた。

「良かった……。安心したら、なんだか眠くなってきちゃった……」

明人は、夏希の頭をそっと撫でた。

「ゆっくり寝るといいよ。もし怖い夢を見ても、目が覚めたときに、僕は隣りにいる。夏希の最後まで、必ず一緒にいるから……!」

夏希が少しふわっとした声で言う。

「私、明人くんと過ごした1週間、本当に幸せだったよ……。怖い事もあったけど、楽しい事もたくさんあった……」

夏希のまぶたが、震えながら閉じられた。

「……きっと、……このための、過去だったん……だ……」

満月はやがて、波にきらめく光の道を伸ばした。

それは二人を静かな世界へ誘うような、ひそやかな祈りのように……。


『秋のカブトムシ』 完

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連載小説です。1話からどうぞ。

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第24話


「とにかくここを出よう!」

明人は夏希の手をとり、冬陰の部屋をあとにした。

ゆっくりと下るエレベーターで、明人は「何もされてない? 大丈夫?」 と聞いた。
夏希は大きな目で明人を見つめて、首を横に振った。
安心した明人に、夏希は言った。

「あの人、落ちちゃった……」

「下には大きな用水路が流れていたよ。姿は見えなかったから、どうなったかは分からないけど……」

夏希の瞳孔が少し開いた。

「良かった! 探しに行こう!」

明人は夏希の両肩を握った。

「……夏希。あの説明書を見たんだよね? 今日は、9月9日。明日、君は……」

夏希は下唇をぎゅっと噛んだ。そして、呟くように言った。

「私がいなくなっても、明人くんの人生は続くから……。悲しい思い出は、減らさなきゃ……」

その後、二人は用水路を下流に向かって歩いた。
しかしどれだけ注意深く観察しても、冬陰の痕跡を見つけることはできなかった。

探し始めてから2時間が経過した頃、唐突に夏希は言った。

「私の思い出って、全部ニセモノなんだよね……? 改めて思い出すと、なんだか起伏がないのっぺりとしたものに感じるなぁ」

明人には、夏希が無理をして明るく振る舞っているような気がして、胸がズキズキした。

「そんなもんだよ、思い出なんて。僕だってそうだよ」

明人は自分の言葉の白々しさに、自責の念にとらわれた。
夏希は立ち止まると、うつむく明人の顔を見上げた。

「ねえ、海が見たいな。思い出じゃなくて、はじめて見る海を……」


二人が乗った電車は、海へ向かう最終電車だった。
窓の外を流れていくビルや看板照明は、やがて背の低い家々の明かりへと変わった。
人がほとんど乗っていない車両で、二人は頭を寄せ合って少しだけ眠った。

真っ暗な駅を降りると、潮の香りがした。
駅前のコンビニでおにぎりと飲み物を買う。

『海水浴場まで400m→』

看板の通りに進んだ。
やがて二人の目の前に、満月に照らされた、不自然なほど白い砂浜が現れた。

#秋のカブトムシ
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秋23連載小説です。1話からどうぞ。
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23話


明人は素早く、逆立ちする『それ』の横をすり抜けた。
そして夏希を抱きかかえ、部屋の入口まで戻る。
夏希の口の布を外し、拾ったナイフで手と足を縛るロープを切った。

「……明人くん!!」

開放された夏希は、大きな目から涙をボロボロと流して明人に抱きついた。
そして明人の胸に顔を埋めたまま『それ』を指差す。

「……あ、あれは何なの!?」

明人は眉をしかめて言った。

「 ここに来る前に、僕の息を少し入れておいたんだ……」

モニターには、逆立ちしたままふらふら揺れる『それ』の足と、逃げ場をなくして窓ガラスに張り付く冬陰が写っていた。
その顔は恐怖で歪んでいる。
冬陰の眼球が、救いを求めるようにモニターのコメントへ動いた。

『はいはい、ヤラセ乙〜』
『冬陰、意外と演技派だなwww』
『盛大に吹いた』
『今までの投稿もヤラセっぽかったしなー』

冬陰の顔から、ストンと表情が抜け落ちた。
それは、生きるための重要な何かを失ったように見えた。
眼鏡の奥の空洞のような瞳が、震えながら、にじり寄る『それ』の方を向いた。

『それ』は、ガチガチと歯を鳴らした。

「……ど、どかげぇーー! ゔぉれだちにわぁーー、じ、じんけんなどぉーー!」

……ピシッ。
冬陰が背中を押し付ける窓ガラスにヒビが入った。
正円の月が2つに割れる。
明人は立ち上がった。
しかし次の瞬間、大きな音をたてて窓ガラスは割れた。
冬陰は夜空にもたれかかるように、外の闇と同化していった。

夏希が短い悲鳴をあげた。
明人は、細いナイフを手に取った。そして『それ』に歩み寄る。

逆立ちする『それ』の足が、ゆらゆらと目の前で揺れている。

「……ごめんね」

明人は、赤黒く濡れたバーコードにナイフを突き立てた。

プシューー!!
空気が抜ける音とともに、『それ』はみるみるしぼんでいく。
くしゃくしゃの肌色のビニールの塊は、眠る猫のように床にへばりついた。

部屋に静寂が訪れる。
明人は、ビデオカメラのコードを引き抜いた。
そして割れた窓から下を覗く。

ビルの下には、大きな用水路が黒々と流れていた。
しかしその黒い水のどこを見ても浮かんでいるものはなく、ただ油のようにねっとりと月の光を反射しているだけだった……。

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連載小説です。1話からどうぞ。
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第22話


冬陰は弁を咥えた。

[視聴者数・2,854人]

明人は、夏希を取り返すスキをうかがう。
しかし冬陰の持つナイフは、夏希の首筋に固定されていた。

画面には次々とコメントが流れる。

『一体何を見せられてる』
『ウォーキングドールに期待www』
『はじめてきたけどアホすぎだろ』

肌色の物体が半分程膨らんだところで、冬陰は口を離した。

「これを一人で膨らますのは、しんどいなー」

[視聴者数・5,310人]

冬陰は、再び息を込め始めた。
その間、コメント欄は「ウォーキングドールは実在するか?」で荒れていた。

……やがて、それはパンパンに膨らんだ。
冬陰は口を離すと、素早くモニターを見た。

[視聴者数・10,579人]

その時だ。
膨れ上がった無機物がくねくねと動いた。
そして、徐々に裸の人間へと変化していく。

冬陰が血走った目で叫んだ。

「観てるか、1万人以上のバカどもっ! これが、ウォーキングドールだっ!!」

出来上がった『それ』は、うつむいてじっとしゃがみ込んでいた。

明人の全身に、悪寒が走った。

……『それ』の首は不自然に曲がっており、見える手足の指が何本か欠損している。
背中は筋肉質で、髪が短い。何故か頭から赤い塗料を被ったように、身体がぬめっている。
そして時々、全身に電気が走ったようにビクビクと震えた。

やがて『それ』は、ゆらりと立ち上がり、冬陰に土下座をするように両手をついた。
そして、そのままぐるりと逆立ちをした。

……ぐいと顔を持ち上げて、冬陰の方を向く。

冬陰は、眼鏡の奥の目を剝いた。

「あ……、え……?」

『それ』は逆立ちをしたまま、ペタリと右手を前に出した。床には指の足りない赤い手形が残った。
明人から見る『それ』のヒジは、左右がおかしな方向へ曲がっている。
……そして、顔は半分しかないように見えるのだ。
ボトッ、と赤い固まりが床に落ちた。

冬陰は持っていたナイフを投げ出し、尻餅をついた。

「ひっ……! あ、相棒……! お、お前は屋上から落ちて……!!」

『それ』は歯をかちかちと合わせながら、妙な音を発した。

「が、あがががが……!!」

……コメントは沈黙した。

[視聴者数・15,749人]

#秋のカブトムシ
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連載小説です。1話からどうぞ。
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第20話


ーー先輩は札束を見て固まった。

しばらく口をパクパクしていたが、やがて膝を叩いた。

「明人くんの気持ちはわかった! 新品の『彼女』をあげよう!」

先輩は隣の部屋から、黒い袋を持ってきて明人に渡した。
明人は礼を言って受け取る。

部屋を出るとき、先輩は「あのな」と明人を呼び止めた。

「その『貴方の彼女』だけど……、あんまりハマらない方がいいぞ」

先輩はまん丸な目で明人を見た。

「俺、最近ずっと考えてるんだけど、制作会社がモニターしてるのは……、ホントは商品の満足度なんかじゃなく、定期的に大切なものを失い続ける俺の心なんじゃないかって……」

明人は頭を下げて、先輩の部屋を後にした。
すぐに冬陰にメールを送る。

『新品が手に入りました。どこにうかがえばいいですか?』

しばらくして返信があった。

『今夜21時に、呉服町の山岡ビル503号室に持って来い』

ーーーーーー

明人は、ヒビだらけのビルを見上げた。
「テナント募集」の看板が目立つ。
どうやら過疎化と老朽化が同時に進んでいるようだ。

古いエレベーターに乗り込み、『5F』のボタンを押す。
エレベーターのカゴはガタガタと揺れながら、ゆっくりと上階へ引っ張り上げられた。

503号室の鉄の扉の前に立つ。
周囲はしんとして、人の気配を全く感じない。
明人は、インターフォンを押した。

『……入ってこい』

冷たいドアノブを回し、薄暗い室内へ入る。
床には様々な太さのコードが這いずっていた。
そのコード先にモニターが5台、青白い光を放っている。
その光に照らされて、夏希はいた。

手と足をロープで縛られ、床に転がっている。

「夏希!!」

明人が駆け寄ろうとすると、突然、明人の視界が真っ白に染まった。
思わず目の前に手をかざす。

モニターの両横にある強烈な2台のライトが、明人を照らしたのだ。

「お前ら、待たせたなー! スペシャルゲストの登場だー」

夏希の後ろに立つ男が、ビデオカメラを明人へ向けていた。

「今日のLIVEは、伝説になるぞー」

モニターに、次々と文字が現れる。

『さすが、悪のカリスマ!』
『あら? 意外といいオトコ♡』
『なつきっ! だってwww』
『今夜はなにをしてくれるのかな〜』

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