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わんわん
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第20話
ーー先輩は札束を見て固まった。
しばらく口をパクパクしていたが、やがて膝を叩いた。
「明人くんの気持ちはわかった! 新品の『彼女』をあげよう!」
先輩は隣の部屋から、黒い袋を持ってきて明人に渡した。
明人は礼を言って受け取る。
部屋を出るとき、先輩は「あのな」と明人を呼び止めた。
「その『貴方の彼女』だけど……、あんまりハマらない方がいいぞ」
先輩はまん丸な目で明人を見た。
「俺、最近ずっと考えてるんだけど、制作会社がモニターしてるのは……、ホントは商品の満足度なんかじゃなく、定期的に大切なものを失い続ける俺の心なんじゃないかって……」
明人は頭を下げて、先輩の部屋を後にした。
すぐに冬陰にメールを送る。
『新品が手に入りました。どこにうかがえばいいですか?』
しばらくして返信があった。
『今夜21時に、呉服町の山岡ビル503号室に持って来い』
ーーーーーー
明人は、ヒビだらけのビルを見上げた。
「テナント募集」の看板が目立つ。
どうやら過疎化と老朽化が同時に進んでいるようだ。
古いエレベーターに乗り込み、『5F』のボタンを押す。
エレベーターのカゴはガタガタと揺れながら、ゆっくりと上階へ引っ張り上げられた。
503号室の鉄の扉の前に立つ。
周囲はしんとして、人の気配を全く感じない。
明人は、インターフォンを押した。
『……入ってこい』
冷たいドアノブを回し、薄暗い室内へ入る。
床には様々な太さのコードが這いずっていた。
そのコード先にモニターが5台、青白い光を放っている。
その光に照らされて、夏希はいた。
手と足をロープで縛られ、床に転がっている。
「夏希!!」
明人が駆け寄ろうとすると、突然、明人の視界が真っ白に染まった。
思わず目の前に手をかざす。
モニターの両横にある強烈な2台のライトが、明人を照らしたのだ。
「お前ら、待たせたなー! スペシャルゲストの登場だー」
夏希の後ろに立つ男が、ビデオカメラを明人へ向けていた。
「今日のLIVEは、伝説になるぞー」
モニターに、次々と文字が現れる。
『さすが、悪のカリスマ!』
『あら? 意外といいオトコ♡』
『なつきっ! だってwww』
『今夜はなにをしてくれるのかな〜』
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