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Liley@小説書き
《人を救うということ》
例えば、の話です。
目の前に、大怪我をした人がいます。
あなたの手元には
・針と糸・絆創膏・万能薬・スマートフォンがあり、どれがひとつの選択肢のみを取れます。
貴方がこれらを使って試みたことは成功するものとします。
あなたは、どうやってその人を救いますか?
針と糸で傷口を縫い付けて塞ぎますか?
絆創膏で傷口を塞ぐ応急処置をしますか?
万能薬を飲ませて回復を待ちますか?
救急車や、助けを呼びますか?
それとも何もしませんか?
別の方法もあるでしょう。
しかし、
その方法、相手にとって、本当に救い、なのでしょうか。
肌に穴を空けられ、糸を通されて。
怪我の規模によっては舐めた処置をされて。
得体の知れないものを飲まされて。
助ける方法を持っているのに他の助けまで待たされて。
見て見ぬふりをされて。
何が正解なのでしょう。
これは短なる例え話です。
人を救う、というのは、漠然とした言葉であり、救う、というのがどのような行動なのか、真の意味での正解は、ハッキリしないことが圧倒的なのではないでしょうか。
状況、個人の価値観、正義、悪。難しいものですね。
なのに人は、自分の「救い」を他人に押し付けて指摘したり非難したりしてしまいます。
結果的に、非難されるのが、指摘されるのが怖くなり
それぞれ干渉することを避け始め
結果真に救わなければならない人、物、こと、が、救われなくなってしまう。
なんだか暗い話になってしまってすみません。
私が思っていることは、そんなのやだな、ってことです。
「救う」という行動には勇気が要ります。
価値観の相違から非難されることもあるでしょう。
相手があなたの「救い」を望んでいないかもしれません。
しかし行動しなければ何も変わらない。
長々と語りましたが、勇気出してみよう、ということでこのお話は締めさせていただきます。
正直書きたかったのは1番最初の例え話です。まとまり悪くてすみません。
Liley@小説書き
暗いです。
言葉引用元はコメ欄にて。
【溺星】
足まで、沈む。
夜闇につつまれ、人気のない海にいると、この世界には私独りぼっちなのだとさえ、思えてしまう。
胸元まで、沈む。
呼吸がしにくくなってくる。着古した服は、私を責めるかのようにぴたりと体に張り付き、私をいざなうかのように、重みを増していく。
首まで沈む。
波の音と、私の呼吸音以外聞こえないこの場所で、どこまでも広がる、美しい星空と、どこまでも広がる、真っ黒な海だけが、私の視界に反射する。
頭まで沈む。
なぜ私はここに来たのか、フラッシュバックし、これが走馬灯かと、感じる。
こうして海に身を任せると、どうやって呼吸をしていたのか、どうやって生きてきたのか、分からなくなる。
沈む、沈む、沈む。
でもそんなこと、きっと、どうでもいい、私はもう、苦しまなくていい。
薄れゆく意識の中、私の口から出た最後のあぶくは、海面越しに見える星々の光と重なって、キラキラと輝いていた。
溺星ーおぼれぼしー
何もかもを諦めた際に出た最後の息のこと。
Liley@小説書き
小道に花が咲いた
それは人々に踏みつけられた
毎日水をやっていた子供がいると知られずに
作品が生まれた
それは価値を理解されず、壊された
人生を賭けて作られたものだと知られずに
命が生まれた
それは虐げられて消えていった
愛する人が居た事も知らずに
星があった
それは住人の身勝手な行動で破滅していった
長く、大切な記憶があったと知っていたのにも関わらず
#小説 #創作 #ベリーショートストーリー #小説が読めるハッシュタグ
Liley@小説書き
#創作 #小説 #ベリーショートストーリー #正月
今回少し長めで、コメント欄に続きます。
新年明けましておめでとうございます。
「うわ、末吉かよ…」
年が明けてすぐ、今年は好きな子に告白するぞー!と気合を入れて、引きに来たおみくじ。
「あー、全部そこそこ悪い…って……」
一文に目が止まる。
「恋愛…うまくいかない…」
がく、と肩を落として、神社の紐におみくじを結ぶ。
とぼとぼと帰路を歩いていると、前から好きな子が紺色のコートを着て、歩いてきた。
「…あ」
『ん?あぁ、明けましておめでとう。家、近かったんだね。』
にこにこで話しかけてくる彼女を見て、かわいいなぁ、と思いつつ、返す。
「あけおめ……これから初詣?」
『そう、…なんか、テンション低いね?』
「いや…おみくじ末吉でさぁ…」
というと彼女は首を傾げた。
『末吉?末吉でそんなに落ち込む?凶じゃないだけ良くない?』
「いや!1番気になってた恋愛、運…が…」
そこで俺は固まる。ハッとして口元を抑える。だが遅い。
『…好きな子いるの?』
驚いたように目を真ん丸にして、俺に聞く。
「ま…ぁ…」
うわ、絶対弄られる。彼女はそういう子だ。最悪だ。
だが、彼女の反応は思ったものじゃなかった。
『…そっか。…じゃ、あ、私、行くね?』
「え…っ?」
そう言って顔を見せずに足早に去ろうとする彼女
その腕を、俺は反射的に取ってしまって。
「…どうして泣いてるの」
静かに泣いていた彼女を見て、呟く。彼女はそれに答えない。
…おれは、意を決して、告げた
「俺の好きな子、って、君なんだ、けど…」
ーーーー
それからめでたく、付き合うことになった俺ら。
毎年一緒におみくじを引いて、今回は吉、とか、凶だぁ、とか言いながら、笑顔を交わしていた。
10年、20年、そして長い時間が経って。
「俺たちも、おじいちゃん、おばあちゃんになってしまったねぇ。」
『…そうね』
「話し方も、丸くなって…君はもう、満足に歩けないなんて…歳をとるって、恐ろしいことだね…。」
ベッドに座る君に水を渡しながら、そう言うと、彼女は悲しそうな顔をした。
『ごめんね…毎年の、恒例だったのに…おみくじ、引きにいけないわね…』
「…ふ、らしくないねぇ…そんなこと気にしなくていいんだよ。」
そう言って頬を撫でる。皺だらけになったその顔が、ゆっくり綻ぶ。
Liley@小説書き
短編シリーズ物、挑戦。
【目印】
初恋は、12の時だった。
覚えているわ。一目惚れだったの。
相手は旅人さんだった、こんな田舎に、ただ1人で来て、村人たちの手伝いをしたり、子供たちに旅の話を聞かせてくれた。
美しい人だったわ。
容姿が美しい人、という訳ではなくて、纏う雰囲気が、物腰の柔らかさ、それでいて、子供達には明るく振る舞う……ひとつひとつの、内面的なものが、美しかったのよ。
だけれど、時折見える表情は、どこか寂しそうで、…彼の本質っていうものは、全然見えてこなかった。不思議な人だったわ。
一目惚れ、なんて言ったけど相手は青年、年齢ははっきりとは分からなかったけれど、私が付き合える相手ではないなんてことは分かっていたわ。
だからせめて、この村を離れてしまう前に、その寂しさを、無くしたかったの。
「どうして寂しそうにするの」
「…僕は、1人だからだよ。」
「故郷に家族やお友達がいるんじゃないの?」
そう聞くと、少し困ったように眉を下げられた。
「…この世界の中で、僕は1人だよ。」
その言葉の意味は、真には理解できなかった。
何か事件があって、親しい人たちを亡くしてしまったのだわ、と思ったの。
だからね。
「じゃあ、私が1人にしないわ。」
「、旅は1人でいいんだよ」
「違うわ」
手を取って、目を見て言ったの。
「あなたのこと、ずっと覚えておく。だから、…いつか戻って来て。旅の話を聞かせて。そうしたら、あなたはこの世界に一人ぼっちじゃないでしょう?」
私がそう言うと、彼は面食らった顔してから、困ったように笑って、
「私に花の種を渡したのよ」
「お花?」
病床で、窓辺に飾ってある花を指さす。
「綺麗でしょう、ここよりずっと東で咲いている花なんですって。真っ白で、……まるで彼みたいだと思ったわ。」
彼は、私に種を渡すと
「これを目印に、また、君に会いに行く。君が僕を、忘れない限り。…そして君が、幸せである限りね。」
開いた窓から入る風が、花を揺らす。なんだか儚くて、彼みたいだ。
「おばあちゃんはまだその人のこと好きなの?」
「、ふふ、好きだけど、おじいちゃんの方が好きよ。…旅人さんは…結局来なかったし、彼の抱えているものは分からなかった。今は彼に恋愛的なことは思っていないわ…ただ、私が彼の支えになっているなら、いいな、と思っているだけよ。」
微笑む。結局私は、凄く長く生きたわ、幸せな人生だった。
彼との約束通り幸せなのに、彼は会いに来てくれないのね。私がこの年齢でこんななのだから、彼はここにくることなんて…
少し残念だわ。子供の頃のように、旅の話を聞かせて欲しかったのに。
カラン
ドアベルがなる。孫が出て、少ししてワー!とはしゃいで帰ってきた。
その後ろを着いてきたのは
「…、会いに、来てくれたのね」
子供の頃に見た彼と、ちっとも姿の変わらない、旅人さんだった。
「窓辺に目印の花が咲いているのを見つけてね。」
あなたは何者なの、どうして容姿が変わってない?
色々聞きたいことはあったけれど
「…遅いわよ」
「旅の話、聞きたいんだろう?」
「……えぇ、そうね。……聞かせて。子供の頃みたいに。」
Liley@小説書き
#ベリーショートストーリー #創作
この世で1番美しいものって、なんだと思う?
…朝露の輝く花?
水平線から昇る太陽?
1000年に1人の美女?
有名画家が描いた絵?
…僕はね…
君が世界で1番、美しいと思うよ。
キザって難しい
月がきれいですね〜キザな台詞イベント~
参加
Liley@小説書き
※曲の雰囲気や歌詞から妄想した二次創作的なお話であることをご承知の上、お楽しみください。
満天の星空。
でも、孤独感は拭えない。
あなたが明かりになった、あの日から。私は夜空を眺めるのが日課になった。
美しい、無数の星々の中から、どうしても、あなたの明かりを探してしまう。
人は亡くなると星になると言うけれど、この無数の星が仮に亡くなった命の輝きだとしたら、なんて儚くて、それでいて力強くて、…美しいものなのだろう。
あなたが明かりになった、あの日から。夜空の下、目を閉じ、風を読むのが日課になった。
風に身を任せていれば、あなたを近くに感じられる気がしたから。
目を開く。
煌々と輝く、1番明るい、あの星は、…貴方だったりしないだろうか。
……私に何かを、伝えようと。1番明るく光ってくれているのではないだろうか。
口を開く。
「…らら、らるーらら、るーるーるー、らららるー、ら、るーらるーるー、るーるーるー、ららるー」
歌を歌うのは、寂しくて、哀しいから。
私の想いを、あなたに届けたいと願ってしまうから。
…明かりになった貴方へ。
どうか私がそらを飛べるまで。
…せめて、私の声が宇宙に届くまで。
いつか宇宙で会えるまで、貴方は煌々と明るく輝いて、待っていて。
#ベリーショートストーリー #小説 #曲パロ
シリウスの心臓
Liley@小説書き
これは必要な犠牲だった。
…そうでしょう?
だってそうだよね?彼を、犠牲にしないと、みんなこの場に居られなかった。これは、必要な犠牲だったんだ。
…そうだよね?…俺は、俺たちは、間違ってないでしょう?
じゃあさ。教えてよ。
この手の震えは何?この心臓の鼓動は何?この涙は何?
…なんで、誰も、答えてくれないの?
なんで誰も、答えられないの?
誰一人として、これが正解だったって言えないなら。
本当に、本当に彼は、必要な犠牲だったの?
#ベリーショートストーリー #テーマから広げる創作
Liley@小説書き
物凄く、疲れ果ててしまった。
ベッドの上で、着替えもせずに、宙を見る。
成人して、仕事をしてからというもの、生きた心地がしなかった。娯楽をする余裕はなく、毎日のように、朝起きて、出勤し、退勤し、疲れて倒れるように眠る。
今日はいっそう酷くて、着替える余裕すらなくて、そのまま、意識を落とした。
…
…不思議な、夢を見た。
子供の頃の夢だ。無邪気な、あの頃の、思い出が、映画のように流れていって。私はそれを、第三者視点で眺めていた。
目が覚めて私は、何か、無くしていたものを取り戻したような気分になって。普段よりも、明るい気分になった。
身体が軽い。心が跳ねるようだ、とても清々しい!
まるで私のものでは無いようだった。
…そういえば、夢は、不思議、というか、不可解な点があった。
心当たりがない思い出が、沢山あったのだ。
半分以上はふっと思い出せるのだが、残りは、どれだけ思い返しても思い出せない。その大半が、私とは思えない行動を取っている。
まるで「私」ではないようで…
『』
「…?」
ふと、声が聞こえた。
幼い子供…いや、幼い私の声だった。
でも、とっても明るい声色…ちょうど、思い返せない夢の時の、私のような声で…
『ただいま』
と。
#ベリーショートストーリー
#テーマから広げる創作
#お題箱より
Liley@小説書き
《鈍感なのは》
好いている彼女に、想いが伝わらない。
彼女の優しさに惚れて、声に惚れて、姿に惚れて、気づけば全てに惚れていた。
だから、よく話しかけたり、優しさ見せてみたり、冗談っぽく匂わせ発言したりした。
でも、鈍感な彼女は、全然こちらを向いてくれない。
気づいているなら、振ってもらった方が、こちらとしてもやりやすい。ずーっと、焦らされているような気分なのだ。
俺や彼女の周りには、俺の気持ちに気づいている人もおそらくいる。
だけれど、彼女には気づかれていない。
好きだなぁ〜なんて、伝えて見た事もあるけれど。
冗談だと流されてしまって。
それでも諦めきれなくて、でも、しっかり伝える勇気もなくて。
ある日、彼女の隣は別の人に取られてしまった。
彼女はとても幸せそうで、彼女は隣に立つあの人の事がずっと好きだったみたいで。
彼女のことを祝福しながら、思った。
あぁ、鈍感なのは俺の方だったんだな、って。
#小説 #創作 #ベリーショートストーリー
#失恋
#テーマから広げる創作
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Liley@小説書き
《星夜一縷》
遠く離れた地にいる、大切な人に会いたい。
私は、ずっと、ずっと、そう願い続けていた。
小高い丘の、寂れた家の窓から、星空を見上げる。
誰もいなくなってしまった家で、震える身体を縮めて。
吐く息が白い。
寒風が吹き込む音以外、何も聞こえないこの空間を見回す。
どうしてこうなってしまったのか
…いやそんなことは、もうどうでもいい。
私は、きっと。…ほぼ、確実に、大切の人には、二度と会えない。
分かっている。…分かっていた。ずっと前から。あの人に、別れを告げるその時から。
『また会おう』なんて、言ったけれど。
また会える確証なんてなくて、…もう会えない可能性の方が高くて。
それから何年経っただろう。あの人ももう、どこで何をしているのかは愚か、生きているのかすら分からないのに。
何も無くなった私に生きる理由なんて、もう無いのに。
…なのにしぶとく、生き長らえてしまっている私は、きっと。
星空を見つめる。煌々と輝くあの星々は、何を想い、何を見るのだろうか。
…馬鹿な考えだ。だけれど。
あの人に会いたい、という願いを、星々に託したら、私は、この願いを諦められるのだろうか。
…星々は、私を、あの人に、会わせてくれるだろうか。
星夜一縷 ーせいやいちるー
願いを僅かに思い続けること
また、消えそうな願いや想いを星に託すこと。
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Liley@小説書き
あなたの為に、したことなんだ。
手錠をつけられ、証言台に立ち、真っ直ぐ、前を見つめて。
夢だった裁判官になった彼女は、とても苦しそうな顔をしていて、ガベルを持つ手が震えているのがよく見える。
泣かないで、ほら、君が夢に見た事だろう?
罪人を裁く。悪を、裁くのが、君の夢だったはずだ。
彼女の凛とした声が法廷に響く。
死刑宣告。知っていた。
あぁ。やっと、やっと夢を、叶えられたね。
俺は柔らかい、笑みを浮かべて、言う。
「その罰を、受け入れましょう。」
手が震える。皆が、こちらを向いている。私の言葉を待っている。
嫌だ、私は、彼に…彼を、裁くことなんてできない。
夢だった裁判官になって、出世して、初めて、判決を下すことになって。
悪をこの手で裁くのが、私の夢だった。
彼もその夢を応援してくれたのに。
どうして、あなたが、そこに居るの…?どうして、どうしてあんなことをしてしまったの…?
涙が溢れかける。罪人に情を持ってはいけない。でも。
私には、無理だよ…っ。
彼が、こちらを、すっと見ている。
死への恐怖も、私への訴えも感じない。ただ、こちらを真っ直ぐ向いて。
息が詰まりそうだ、でも。彼がしたことは、許されていいことじゃない。
震える声を、苦しい心を、殺して。
「判決を言い渡す!…被告人を…っ」
息を吸い込む。
「死刑とする!」
言ってしまった。彼が、柔らかく笑う。
嫌だ、なぜ、そんな顔をするのだ。
なぜ、そんなに、幸せそうなのだ。
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