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Liley@小説書き

Liley@小説書き

《おみくじ》
#創作 #小説 #ベリーショートストーリー #正月
今回少し長めで、コメント欄に続きます。
新年明けましておめでとうございます。

「うわ、末吉かよ…」
年が明けてすぐ、今年は好きな子に告白するぞー!と気合を入れて、引きに来たおみくじ。
「あー、全部そこそこ悪い…って……」
一文に目が止まる。
「恋愛…うまくいかない…」
がく、と肩を落として、神社の紐におみくじを結ぶ。
とぼとぼと帰路を歩いていると、前から好きな子が紺色のコートを着て、歩いてきた。
「…あ」
『ん?あぁ、明けましておめでとう。家、近かったんだね。』
にこにこで話しかけてくる彼女を見て、かわいいなぁ、と思いつつ、返す。
「あけおめ……これから初詣?」
『そう、…なんか、テンション低いね?』
「いや…おみくじ末吉でさぁ…」
というと彼女は首を傾げた。
『末吉?末吉でそんなに落ち込む?凶じゃないだけ良くない?』
「いや!1番気になってた恋愛、運…が…」
そこで俺は固まる。ハッとして口元を抑える。だが遅い。
『…好きな子いるの?』
驚いたように目を真ん丸にして、俺に聞く。
「ま…ぁ…」
うわ、絶対弄られる。彼女はそういう子だ。最悪だ。
だが、彼女の反応は思ったものじゃなかった。
『…そっか。…じゃ、あ、私、行くね?』
「え…っ?」
そう言って顔を見せずに足早に去ろうとする彼女
その腕を、俺は反射的に取ってしまって。
「…どうして泣いてるの」
静かに泣いていた彼女を見て、呟く。彼女はそれに答えない。
…おれは、意を決して、告げた
「俺の好きな子、って、君なんだ、けど…」
ーーーー
それからめでたく、付き合うことになった俺ら。
毎年一緒におみくじを引いて、今回は吉、とか、凶だぁ、とか言いながら、笑顔を交わしていた。
10年、20年、そして長い時間が経って。
「俺たちも、おじいちゃん、おばあちゃんになってしまったねぇ。」
『…そうね』
「話し方も、丸くなって…君はもう、満足に歩けないなんて…歳をとるって、恐ろしいことだね…。」
ベッドに座る君に水を渡しながら、そう言うと、彼女は悲しそうな顔をした。
『ごめんね…毎年の、恒例だったのに…おみくじ、引きにいけないわね…』
「…ふ、らしくないねぇ…そんなこと気にしなくていいんだよ。」
そう言って頬を撫でる。皺だらけになったその顔が、ゆっくり綻ぶ。
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コメント

Liley@小説書き

Liley@小説書き 投稿者

1 GRAVITY

『…ねぇ。』 「なんだい?」 『今年、おみくじを引いていたら、あなたは何を引いたと思う?』 その言葉に、俺は少し考えて、答えた。 「末吉かな。」 彼女は意外そうに首を傾げる。 『どうして?大吉じゃないのね。』 「おみくじなんて嘘っぱちさ。大吉でも凶でも、変わらないよ。」 『じゃあ、なんでなの?』 「…君と付き合うきっかけが末吉…あと、"末"永く、一緒に居られるように、って。いいだろ?」 その言葉に、彼女はくすくす笑って 『おみくじなんて嘘っぱち、とか言ってたのにね。』 「そ、それは、別だよ。」 『冗談よ。…とっても、いいと思うわ。』 初日の出に照らされて笑う君は、今までで1番幸せに見えた。

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りゅ💫

りゅ💫

真っ白の大西流星さん良すぎ、、、
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想斗

想斗

イコさんのセンスまじで良すぎるwww
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あてし

あてし

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まふ

まふ

出社2日目、扁桃腺が腫れる
あまりにもか弱い
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おぐ𝑳

おぐ𝑳

いつも連れ添ってる関係ではなくてむしろあっさりした関係に見える二人だからこそ音楽というそれぞれの根幹となる要素を通した繋がりで積み重なってきた信頼関係があってこそ生まれたであろうこの曲が本当に宝物だよ
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あお🦋

あお🦋

本はもちろん予約してあるけどもちろん店頭でも買います❣️
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ゆー

ゆー

私は泣いています
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文星

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髪型きのこでこんなにかわいいなんて
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𝕾沢

𝕾沢

おすすめにジクアス見てから旧作ガンダム見初めてGガンで頭壊されてる外国人が毎日流れてくる
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nuno

nuno

ヤサシクシタダケナノニの背景は?
ヤサシクシタダケナノニは、日本の言語や文化において特定の意味や使われ方があります。このフレーズの背景について詳しく説明します。 意味: 「ヤサシクシタダケナノニ」は、直訳すると「優しくしただけなのに」という意味になります。この表現は、相手に対して優しさや配慮を示したにもかかわらず、期待した反応や結果が得られなかったときの感情を表現する際に使われます。 使用場面: このフレーズは、日常会話やSNSなどでよく見られます。特に、友人や家族とのコミュニケーションの中で、相手に対する思いやりが伝わらなかったときに使われることが多いです。 文化的背景: 日本の文化では、相手を思いやることが非常に重要視されます。そのため、優しさを示したのに理解されなかったり、逆に誤解されたりすることに対するフラストレーションを表すために、このような表現が生まれたと考えられます。 このフレーズを使うことで、感情を共有しやすくなり、コミュニケーションが円滑になることもあります。
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