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Liley@小説書き
暗いです。
言葉引用元はコメ欄にて。
【溺星】
足まで、沈む。
夜闇につつまれ、人気のない海にいると、この世界には私独りぼっちなのだとさえ、思えてしまう。
胸元まで、沈む。
呼吸がしにくくなってくる。着古した服は、私を責めるかのようにぴたりと体に張り付き、私をいざなうかのように、重みを増していく。
首まで沈む。
波の音と、私の呼吸音以外聞こえないこの場所で、どこまでも広がる、美しい星空と、どこまでも広がる、真っ黒な海だけが、私の視界に反射する。
頭まで沈む。
なぜ私はここに来たのか、フラッシュバックし、これが走馬灯かと、感じる。
こうして海に身を任せると、どうやって呼吸をしていたのか、どうやって生きてきたのか、分からなくなる。
沈む、沈む、沈む。
でもそんなこと、きっと、どうでもいい、私はもう、苦しまなくていい。
薄れゆく意識の中、私の口から出た最後のあぶくは、海面越しに見える星々の光と重なって、キラキラと輝いていた。
溺星ーおぼれぼしー
何もかもを諦めた際に出た最後の息のこと。
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