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志孝村嶋

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体調不良な事が多い為、返信等の反応ができない場合がありますので何卒ご容赦ください。何かありましたら是非お気軽にお声掛け下さい。誠心誠意お話しさせていただきます。たとえ一瞬だったとしても楽しかったと思えるような時間を共に過ごしていけるように努めてまいりますのでよろしくお願い致します。 どうか皆様の毎日がより楽しく素敵なものになっていきますように🙏 ※最低限の礼儀を持っていない方とは話せないです🙇‍♀️
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志孝村嶋

志孝村嶋

〜いたずら書き?〜
 今日もどこかで、誰かが安っぽい愛や、軽薄な平和を語っている。
 いつからだろう。そういう声を耳にすると、胸の奥の方で小さな溜息が生まれるようになったのは。
 まるで架空の理想を擦り切れるまで撫で回して、形だけの温もりを手に入れて満足しているかのようだ。
 それを否定する気持ちはない。ただ、どうしてだろう、そこに自分の居場所はないように思えてしまう。

 駅前の雑踏の中に立ちながら、僕はふと自分の指先を見る。
 何を掴んでいるわけでもない。けれど、何かを掴もうとしていたはずなのだ。
 言葉だったのか、想いだったのか、あるいは誰かの未来だったのか。
 分からない。ただ、自分の言葉が誰かに届くほど強くも鋭くもないことだけは分かっている。
 その事実が、冬を前にした空の色のように静かに胸を冷やしていく。

 ――それでも助けたいと思う人がいる。
 その矛盾だけが、僕をまだ人間らしく繋ぎ止めているようだった。

 彼女のことを思う。
 不思議な人だ。笑う時はよく喋るくせに、悲しむ時はまるで世界の音がすべて止まったように黙り込む。
 あの沈黙を初めて見たとき、胸の奥で何かがひどく軋んだのを覚えている。
 救えるのなら救いたい。掬えるのなら掬いたい。
 ただの自己満足だと言われれば、その通りかもしれない。
 それでも、彼女がひとりで抱える夜の重さに、自分の灯りを差し出せるのなら、それだけで生きている意味を見つけられるような気がした。

 僕の言葉なんて、きっと誰の胸にも爪痕を残せない。
 けれど、爪痕なんて残せなくていい。ただ、彼女の手を少しでも温められるなら、それでいいと思った。

 夜風が頬を撫でていく。
 空はどこまでも薄く、色を失いかけた絵具のようだ。
 世界は今日も、誰かの軽い言葉で満たされていく。
 その反対側で、僕の言葉はどこにも届かず、静かに影を落としている。

 ――それでもいい。
 彼女の耳元にだけ、そっと落ちるのなら。

 そう気づいた瞬間、胸の奥でゆっくりと何かがほどけた気がした。
 世界は変わらない。けれど、僕は少しだけ変われるのかもしれない。
 誰にも届かないと思っていた言葉が、ひとりだけに届くのだとしたら……
 それは、案外悪くない役目なのかもしれなかった。
GRAVITY

新星

yama

GRAVITY
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志孝村嶋

志孝村嶋

〜いたずら書き?〜
仕事を休んで、もうどれくらい経ったのだろう。
数字では数えられるはずなのに、
心の中では全部がひと塊になって沈んでいるようで、
正確な日数なんて分からなくなってしまった。

朝、目を開けると天井がある。
昨日と同じ天井。
違うのは、私のほうだ。
起き上がろうとするたび、身体の中のどこかが軋んで、
心まで引きずられてしまう。

昔は、こんなんじゃなかった。
会社に行く自分が好きで、
未来に向かって何かを積み上げる自分が誇らしかった。
もっと遠くまで行けると信じていた。

でも身体の不調は、
そんな私の速度をあっさりと追い越して、
前に進む力をどんどん奪っていった。
立っているだけで息が切れる日もある。
眠ったのに疲れが取れない朝もある。

休職して、
家の中に閉じこもるようになってから、
私の世界はとても静かになった。
窓の外の生活音が、遠い国の出来事みたいに聞こえる。

それでも、
私は完全に止まったわけじゃない。

誰にも見えていないだけで、
私は毎日、小さく戦っている。
起き上がれた日は勝ち。
ご飯を作れた日は大勝利。
涙が出るほどしんどい日でも、
ちゃんと呼吸を続けている限り、
私は生きている。

未来を考えると不安で震えることもある。
社会に戻れるのか、
また働けるのか、
あの頃みたいに笑えるのか。
答えはまだ分からない。

でも最近、
ほんの少しだけ変わったことがある。

ある朝、
カーテンを開けたら、陽の光が思ったより暖かかった。
それだけのことなのに、
胸のどこかで小さな音がした。
“まだ、終わっていないよ”って言われたような、
そんな音だった。

その日から私は、
朝にカーテンを開けることだけは続けている。
できない日もあるけど、
できた日は、自分を少しだけ褒めてみる。

たしかに未来はまだ霧の中で、
怖さは消えない。
けれど――

霧の向こうに何もないと
決めつけるには、
生きている時間がまだ残っている。

だから私は今日も、
ゆっくりでも、立ち止まってでも、
進まないように見えても生きる。

窓の外の光は、
毎日少しずつ形を変えて訪れる。
その変化が、
いつか私の変化にもつながっていくような気がしている。

いつかまた、
この部屋を出て、
胸を張って歩ける日が来るかもしれない。

そんな日が来る保証はない。
でも——

“その日が来てもいいように、今日を生きておこう”

今はそれだけで十分だと思えた。
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ウシロマエ

みきなつみ

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志孝村嶋

志孝村嶋

〜いたずら書き?〜
夜の底に沈んだ街は、まるで息を潜めていた。
一度だけ鳴ったスマホの通知が、部屋の静けさを細く裂く。

「今夜、会える?」

それだけ。
名前も、挨拶も、気遣いもない。
それなのに彼のメッセージを見るたび、胸の奥で微かな灯りが揺れる。
期待なんてしなければ楽なのに、身体が先に反応してしまう。

彼の部屋に行くと、照明はいつも半端に暗い。
互いの顔をちゃんと見るほどでもなく、隠すほどでもない光。
触れられると、簡単に心がほどけていく。
まるで、愛されているように錯覚できるから。

でも彼は、終わったあとに何も言わない。
髪を撫でるでもなく、腕を引き寄せるでもなく、
「そろそろ帰る?」と、淡々と聞くだけ。
その声の中に、好きの欠片を探す。
いつも見つからないのに、諦めきれない。

帰り道、夜風が首筋に触れた瞬間、温度差がこたえる。
さっきまで傍にいたはずの誰かが、急に遠い。
まるで彼ごと、夢から覚めてしまったようで。

本当に愛されているなら、
こんなに帰り道が寒いはずがないのに。

でも、彼に会えるとなれば、また行ってしまう。
呼ばれたら嬉しいし、抱かれたら愛だと思ってしまう。
自分でも分かっている。
身体を求められているだけだと。
それでも心が追いつけない。

「好きって言ってよ」と言えないまま、
彼の手の中で温もりだけを繋ぎ止める。

愛されている証が欲しい。
でも、差し出されるのはいつも、
温度だけで、言葉ではない。

その小さな温度にすがってしまう自分が、
いちばん嫌いで、いちばん哀しい。

それでも次の通知が来たら、
きっとまた心が揺れるのだろう。

まるで彼に、
“愛の存在しない場所に咲く花”みたいに扱われていると知りながら。
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センチメンタル・キス

汐れいら

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志孝村嶋

志孝村嶋

夜のすき間に、雨の音が降り積もっていた。
 静かで、遠く、まるで世界が眠っているような雨だった。

 傘を持たずに歩く彼女の肩に、雨粒がひとつ、またひとつ落ちる。
 それは冷たかったが、不思議と痛くはなかった。
 心の奥の方が、もうすでに凍りついていたからだ。

 耳の奥で、彼の声がまだ消えずに残っている。

 ——「ごめん。なんか無理だわ。
    ネチネチしてるやつ、俺ほんと苦手なんだよね。」

 声は軽く、ため息より軽く、
 まるでゴミ袋を足で押しのけるような雑さで放たれた言葉だった。

 ある夜、彼女はふと気づいてしまった。
 通知音。
 隠しきれていないサブ画面。
 見慣れないアプリ。
 そこに映る見知らぬ女性たちとのメッセージ。

 ——「会ってみたいね」
 ——「君かわいいね」
 ——「彼女?まあ一応いるけど気にしなくていいよ」

 スクリーン越しの文字は、
 彼女と向き合ったときの彼の声と寸分違わない優しさで紡がれていた。

 その優しさが、自分だけのものではなかったこと。
 その気づきが胸の真ん中で音を立てて崩れた瞬間、
 彼女は息の仕方を忘れた。

 彼は言った。
 「重いんだよ、そういうの。
  もっと軽く生きられないの?」

 軽く生きられたら、
 誰かを失う恐怖なんて知らずにすんだのだろうか。

 軽く生きられるのなら、
 誰かに拒まれただけで心が軋むこともなかったのだろうか。

 でも——彼女は、
 軽く生きる方法を、生まれた日から知らなかった。

 ひとりでご飯を食べ、
 ひとりで帰り、
ひとりで眠り、
 愛されることがどういうことなのか、
 知らないまま大人になった。

 だから、あの言葉は世界だった。

 ——「一緒に暮らそう」

 その瞬間、
 彼女は初めて「帰る場所」というものを持った気がした。
 未来という言葉が、自分の手の中にあると思えた。
 
 信じたかった。
 信じることで救われると思った。

 でも、彼は簡単に切り捨てた。
 まるで、ちぎれた糸くずのように。

 雨の夜道。
 街灯が濡れた舗道で揺れている。
 笑い声、鍵の音、温かな光。
 それらすべてが、自分とは関係のない世界のものに見えた。

 彼女は胸の奥をそっと撫でるように思った。

 ——「私が重かったんじゃない。
   私が間違っていたんじゃない。」

 心は確かに傷ついた。
 呼吸は今も少し痛む。
 涙は雨に紛れて落ちる。

 けれど、

 裏切られたのは、彼女の価値じゃない。
 壊れたのは、相手の誠実さだ。

 雨はやがて弱まり、空に微かな光が滲む。
 夜明けだ。

 凍えていた心に、ほんの少しだけ温度が戻ってくる。

 ゆっくり息を吸い、
 彼女は前を向いた。

 ——「私はまだ生きている。」

 その言葉は静かだったが、確かだった。

 誰にも奪われない命を、
 誰かに使い捨てられない心を、
 もう一度、自分のために抱きしめるように。

 そして歩き出す。
 いや、戻るのではなく、進む。

 この世界に、まだ自分の居場所があると信じるために。
 もう一度、自分のために灯りをともすために。
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恋をしたのは

aiko

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志孝村嶋

志孝村嶋

〜いたずら書き〜
街の灯りはいつも通りだった。
信号は瞬きを繰り返し、コンビニの白い光は眠る気配すらない。
だけど、その景色の中で、あなただけが世界から切り離されていた。

誰にも気づかれない影のように、
声を上げても返ってくるのは空気の振動だけ。
「頑張ってるね」なんて言葉は、とうに聞こえなくなっていた。

学校では笑われた。
SNSでは嘲られ、
知らない誰かが勝手にあなたの痛みを測り、評価し、消費した。

「大したことない」
「甘えるな」
「もっと辛い人はいる」

まるで他人の痛みが、点数で競われる競技みたいに。
人は、どうして誰かの苦しみを軽く扱えるのだろう。

友人は言った。
「気にすんなよ」
——気にしないで済むなら、とっくにそうしている。

家族は言った。
「もっと強くなりなさい」
——その強さを求めて、どれだけ泣き崩れてきたかを、誰も知らない。

そしてある夜、
あなたは静かに出口を探した。

生きるためではなく、
苦しまないための出口を。

涙も枯れ果て、思考は重く沈み、
世界はあなたに囁いた。

——もういい。終わらせても。

その瞬間、まるで風が止まったかのようだった。
部屋の空気は凍りつき、時計の針の音だけが異様に響いた。

あなたは立ち上がり、静かに歩いた。
この世界から降りる、最後の階段へ。

けれど。

その時だった。

画面の隅で点滅する、小さな通知。
取るに足らない、ありふれた言葉のように見えた。

「生きていてくれてありがとう。
 あなたの存在で、救われた人が確かにいる。」

たったそれだけの言葉。
だけど、あなたの足は止まった。

胸の奥でしずくのように落ちた何かが、かすかに震えた。
涙でも、怒りでもなく——温度。

あなたは気づく。

世界は残酷だ。
人は簡単に他人を傷つける。
でも、だからこそ。
たった一言が、命を繋ぐことがある。

生きる理由は立派でなくていい。
夢なんてなくていい。
ただ、「もう少しだけ」という小さな逃げ道でいい。

その夜、あなたは死ななかった。

うまく笑えなくても、
声が震えても、
心が壊れたままでも、
それでも——

あなたは、生き延びた。

それだけで十分だ。
誰が何を言おうと。

今日、生きたあなたは、誰より強い。
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生きていたんだよな

あいみょん

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志孝村嶋

志孝村嶋

Dear Sir or Madam,

もしかしたら貴方は「自分には価値なんて無い。」と仰るのかもしれません。
きっと自分を否定されるようなことを言われ続ける日々を過ごしていたのだろうと思います。
いつしか自分のことを認められず自分を罵倒することに安心感を覚えるようになっていたのかもしれません。
貴方の価値は誰に何を言われても貴方自身にしか決められないことだと私は思います。
自分自身のことをどうか許してあげてほしいと思います。

もしかしたら貴方は「自分は優しいんじゃない。ただ、自分が傷つきたくないだけだ。」と仰るのかもしれません。
今まで自分が受けた痛みから他人の痛みを人一倍想像し理解して言葉を選び行動することが出来る。それは誰にでもできることではなく貴方自身の強さであり美しさでもあると思います。自分の為であったはずのものが他人の為にも繋がっていて一つの優しさとして形になっているのだと思います。貴方の言葉が誰かの糧になっていることを私は信じています。

もしかしたら貴方は「自分には他人に同情されるような悲しい背景は無いし自分よりも辛く苦しんでいる他人がいる。」と仰るのかもしれません。
自分の身の心配よりも他人の痛みを自分の痛みのように想い、自分のことのように泣くことが出来る貴方はなんて綺麗で魅力的な存在なのだろうと思います。貴方がこれから創り出していくものは沢山の人を癒していくのだろうと思います。

もしかしたら貴方は「他人の心配をしている余裕は無い、自分のことだけで手一杯だ。」と仰るのかもしれません。
それでも人の温かさに触れた時、同じように貴方も温かさで返そうとするはずです。
どんなに心が荒んだ状態であったとしても隣で躓いて転んで泣いている人が居たら貴方は無視出来ずに手を差し伸べるはずです。
貴方は心の奥の方で他人の幸せを願うことが出来る人だっていう事、私はちゃんと知っています。

もしかしたら貴方は「自分には何の取り柄も無い。こんな自分を愛してくれる人なんていない。」と仰るのかもしれません。
貴方が望むものでは無かったとしても貴方を愛しているのは私だけではありません。
そしてそれは
貴方が何かに長けているから愛しているのではありません。
貴方が何かが出来るから愛しているのではありません。
貴方が何かをしてくれるから愛しているのではありません。
貴方が何かをくれるから愛しているのではありません。
貴方だから愛しています。

周りからの心無い言葉でも誠実に真正面から受け止める貴方だからこそ、一つ一つの出来事に真摯に向き合うがゆえ自分はダメな奴なんだと自分は生きている意味が無いんだと、時には自分は死んだ方がいいんだと傷付き、落ち込む日々を過ごしながらもそれでも今まで生きることを選んでくださったそんな貴方を私はこの世界の誇りに思います。
何度打ちのめされても、それでも人を信じようとするその貴方の姿勢が私に勇気をくれました。

ありがとう。

T.S
GRAVITY

想いを巡らす100の事象

EGOIST

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志孝村嶋

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今日の言葉2

スティグマ【stigma】

社会における多数者の側が、自分たちとは異なる特徴をもつ個人や集団に押しつける否定的な評価。身体・性別・人種に関わるものなど。
ー広辞苑より引用ー

〔ギリシャ語で、奴隷や犯罪者の身体に刻印された徴(しるし)の意〕個人に非常な不名誉や屈辱を引き起こすもの。アメリカの社会学者ゴフマンが用いた。
ー大辞林より引用ー

恥辱。汚名。負の印。
ー大辞泉より引用ー



〜いたずら書き?〜
朝起きるたび、私は失敗した生き物みたいに感じる。
まるで欠陥品のように社会に噛み合わなくて、呼吸ひとつにすら努力が必要だ。

診断名はいくつもある。
発達障害、境界性人格、双極性、不安障害。
気づけば私は、病名の集合体になっていた。

薬も増えた。
どれが私で、どれが薬による感情なのか、もう分からない。
夜になると心が暴れるから、眠るためにまた錠剤を増やす。
オーバードーズなんて言葉は、嫌というほど知っている。

 

会社では笑っていた。
「大丈夫です」「問題ありません」「気にしません」
そう言えば好かれると思っていた。

でも上司は私の沈黙を「従順」と解釈し、
冗談のようなセクハラも、人格を傷つけるパワハラも、
全部、“耐えられそうな相手”にしかしない種類の暴力だった。

笑いながら触れられる肩。
耳元で囁かれる意味のない褒め言葉。
「みんなやられてるんだよ」と言う先輩の目は、すでに諦めていた。

私はそれを“普通の世界で生きるための代償”だと思い込もうとした。

 

でも、夜になると世界は静かで正直だ。
心の中の声は、誰にも遠慮しない。

「生きる意味なんてないよ」
「誰もあなたを必要としていない」

携帯の通知は鳴らない。
SNSで流れる笑顔の写真たちは、まるで別の星の住人だ。
私はそこに混ざれない。
私が書く言葉はどれも、暗すぎるか重すぎると言われる。

 

でも、それでも、私はまだここにいる。
壊れているくせに、なぜか死ねない。

理由は単純だ。

“痛みがあるうちは、生きている証拠だから。”

私の心はたしかに醜いし、弱いし、壊れてる。
でも、苦しいという感情があるということは──
まだ、何かを望んでいるということだ。

たとえば、
誰かに抱きしめられること。
今日より少しだけ楽に息ができる明日。
理解でも、同情でもなく、ただ寄り添う沈黙。

そういうものを、本当は諦めきれていない。

 

外の世界はまだ私には冷たいままだけど、
この痛みが完全に消えるその日まで、私は歩こうと思う。

ゆっくりでいい。
みっともなくてもいい。
理解されなくても、生きていていい。

 

そしていつか胸を張って言いたい。

「私は壊れていたけど、壊れたまま、ちゃんと生きた。」

その言葉が、
まだ見ぬ未来の私への祈りみたいに胸に残った。
GRAVITY

unknown

ReoNa

GRAVITY
GRAVITY12
志孝村嶋

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今日の言葉

ネグレクト【neglect】

①無視。否定。②児童虐待の一形態。子供の食事や衣服の世話を怠ったり、長時間放置したりするなど養育を放棄すること。育児放棄。
ー広辞苑より引用ー

①無視すること。放置すること。怠ること。②養育者による、子供に対する不適切な保護や養育。衣食住を十分に世話しない場合や、精神的・医療的なケアを十分に行わない場合など。栄養不良や発達障害などを引き起こすほか、人格形成に多大な影響を与える可能性がある。育児放棄。養育放棄。→児童虐待
ー大辞林より引用ー

①無視すること。ないがしろにすること。「住民の要望がーされる」②乳幼児に対する適切な養育を親が放棄すること。例えば、子供に食事を与えない、乳児が泣いていても無視する、病気なのに治療を受けさせない、いつも強く叱って子供の情緒を不安にさせるなどの行為のことで、これによって、子供の精神的な発達が阻害され、人格形成に悪影響を与えるといわれる。養育放棄。
ー大辞泉より引用ー



〜いたずら書き?〜
教室の窓ガラスは、世界でいちばん残酷な鏡だと思う。
光が反射すると、私の顔も、あの子の顔も、
同じ教室にいるのにまるで別の世界の住人みたいに映る。

あの子は可愛い。
誰もが振り向くような、作り物みたいに整った顔。
笑うだけで許されて、
黙っていても愛されて、
何もしなくても価値がある。

それを見ているだけで胸の奥がざわつく。
ねじれる。
焼けただれる。
あれが嫉妬なんだってこと、分かってる。
でも止められない。

ある日の休み時間、
あの子に近づいた女子たちが、
わざと聞こえるように言った。

「可愛いって楽でいいよね〜。」
「人生イージーモードじゃん。羨まし〜。」

その声は嫌味だったけど、
私にはそれが真実に聞こえた。

私はずっと「努力で何とかなる」って信じてた。
でも鏡の中の私は、どんなに髪を伸ばしても、
流行りの化粧を試しても、
写真アプリで輪郭を削っても、
全然変わらない。

もっと綺麗だったら。
もっと痩せてたら。
もっと愛される顔だったら。

いつからか、そう思う時間が人生の大半になった。

夜になると、
スマホの光だけが私を照らす。
SNSには「幸せです」と言わんばかりの笑顔が溢れていて、
みんな自分の存在を証明するように
写真と言葉を並べている。

「いいね」が欲しいんじゃない。
誰かに必要とされてるって思いたいだけ。

でもその気持ちはいつだって邪魔者扱いされる。

優しくしてくれた大人に触れられた夜、
胸の奥が空っぽになるのに、
なぜか救われた気がした。

「お前は綺麗だ」と言われる代わりに、
私は身体を差し出した。
価値があるふりをするために。

その後、帰り道のコンビニで買った
絆創膏と消毒液が、
なんだか滑稽だった。

優しく傷を洗いながら、ふと思う。

——人間って、こんなにも生きるのが下手なんだ。

ベッドの上で横になると、
胸の奥で小さな声がした。

「本当はただ、愛されたかっただけでしょ?」

私は答えられなかった。
だってその声が、
いちばん私を理解していたから。

明日の私はまた鏡を見るだろう。
また比べて、また落ち込んで、
また誰かの言葉に救われたふりをするだろう。

そして、そんな自分が嫌いなのに、
それでもまだ終わりたいとは思わない。

だって——

いつか誰かが、
私の痛みを「醜い」じゃなくて
「生きてる証だ」って言ってくれるかもしれないから。

その希望ひとつで、
私はまだここにいる。
GRAVITY

くらべられっ子

ツユ

GRAVITY
GRAVITY11
志孝村嶋

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今日の言葉

し【死】

①しぬこと。命がなくなること。「事故ー」②律の五刑の一つ。絞 (こう)・斬 (ざん)の二種があり、斬は絞より重い。③野球で、アウトのこと。「ニー満塁」
ー一等を減ずる
死罪を免れて一段階低い刑に減刑する。
ーは或いは泰山 (たいざん)より重く或いは鴻毛 (こうもう)より軽し
[司馬遷、任少卿に報ずる書]人の生命はある場合にはみだりにすてるべきではないが、ある場合には惜しまず捨てなければならない。それは義にかなうか否かの判断によるものである。泰山鴻毛。→命は鴻毛よりも軽し (「命」成句)
ーを致す
死ぬ。命を投げ出す。
ーを決す
死ぬ覚悟をする。「死を決して事にのぞむ」
ーを賜る
自殺を命ぜられる。切腹を許される。
ーを賭 (と)す
命がけで事にあたる。
ー視ること帰するが如し
[大戴礼曽子制言上]死ぬことを自分の家に帰ることのように考える。従容 (しょうよう)として死を恐れないことにいう。
ー広辞苑より引用ー

①死ぬこと。生物の生命活動が終止すること。←→生。「父のー」「ーに臨む」「ーに瀕(ひん)す」②死罪。
死一等 (いっとう)いうを減・ずる
死罪になるはずのところを、減刑して死罪の次の刑とする。
死は或(あるい)は泰山 (たいざん)より重く、或は鴻毛(こうもう)より軽し
〔司馬遷「報二任少卿一書」)死はある時は重んずべく、ある時は軽んずべく、その価値は義にかなっているかどうかによって決すべきである。
死を軽 (かろ)く・す
死を恐れず事に当たる。死を軽んずる。
死を決・する
死ぬ覚悟をする。「ー・して事に当たる」
死を鴻毛(こうもう)の軽きに比す
〔「鴻毛」は鴻 (おおおり)の羽毛で、きわめて軽いもののたとえ〕(国家や君主のために)身をささげていさぎよく死ぬことは少しも惜しくない。命は鴻毛よりも軽し。
死を賜(たまわ)・る
自殺を命ぜられる。
死を賭(と)・す
命を投げ出して事に当たる。
死を視(み)ること帰するが如し
〔大戴礼曽子制言上〕死ぬこ
とを我が家に帰るように思う。従容として死を恐れぬ。
ー大辞林より引用ー

①生命がなくなること。死ぬこと。また、生命が存在しないこと。「一に至る病 (やまい)」「一の谷」←→生 (せい)。②律の五刑の一。絞 (こう)と斬 (ざん)の2種があった。→漢「し (死)」
死一等を減・ずる
死罪にすべきところを許して、一段階低い刑にする。
死は或(ある)いは泰山 (たいざん)より重く或いは鴻毛 (こうもう)より軽し
《司馬遷「報任少卿書」から》命は重んじて惜しむべき場合と、潔く捨てるべき場合とがある。その判断は義にかなうか否かによるべきである。
死を決・する
死ぬ覚悟を決める。「一・して戦いに臨む」
死を賜・る
主君から死ぬことを命じられる。死罪になる。
死を賭(と)・す
死ぬことを覚悟して物事にあたる。命がけで物事を行う。「一・して主君をいさめる」
死を視(み)ること帰(き)するが如(ごと)し
《「大戴礼」曽子制言上から》死ぬことを、家に帰ることと同じように思う。
死に臨んで、恐れないようすをいう。
ー大辞泉より引用ー



〜いたずら書き?〜
生きることは、時々よくわからない拷問みたいだった。
息をしているだけで胸が痛くなる朝がある。
何も失っていないのに、何かが欠けている気がして、
空っぽのまま歩き続ける日もある。

駅までの道を歩きながら、
無機質な街灯と灰色の空を見上げた。
ふと、世界が薄い膜の向こう側で続いている気がした。
自分だけがそこに触れられず、
ただ眺めているだけのような感覚。

けれど突然、
誰かの笑い声が風に乗って耳に触れると、
胸の奥で何かが小さく、微かに温度を持つ。
それは嬉しさなのか羨望なのか、
自分でも判別できない曖昧な感情。

生きるということは、
苦しみと喜びの境界線を
何度も行き来することなのだと、
最近ようやく理解し始めた。

人間は勝手だ。
壊れたかと思えば、
次の日には理由もなく笑っている。
全てを諦めた夜の翌朝に、
焼きたてのパンの匂いだけで
世界をもう一度許してしまうことだってある。

矛盾だらけだ。
汚い部分ほど隠したがるくせに、
綺麗な言葉で救われたいと願う。
愛を求めるくせに、
本当に近づかれると怖くなる。

そんな自分が嫌いで、
そんな自分がどうしようもなく人間らしい。

もし神様がいるのだとしたら、
私たちの愚かさを笑っているだろうか。
それとも、
こんな矛盾に満ちた生き物を
それでも愛そうとして作ったのだろうか。

答えはわからない。
けれど、ひとつだけ確かに思うことがある。

それは、世界がどう見えようと、
たった一瞬だけ心が震えた瞬間があるなら、
生きることはきっと無価値ではなかったということだ。

汚れても、間違えても、
傷だらけになっても、
それでも前へ進む。

苦しくても。
疲れていても。
理由なんてなくても。

私は今日も、生きている。

その事実だけが、
少しだけ胸を温める。
GRAVITY

生きるよすが (Acoustic ver.)

月詠み

GRAVITY
GRAVITY17
志孝村嶋

志孝村嶋

今日の言葉

マッチ【和match+pomp (オランダ)】ーポンプ

(和製語。マッチで火を付ける一方、ポンプで消火する意)意図的に自分で問題を起こしておいて自分でもみ消すこと。また、そうした不当な利益を得る人。一九六六年の政界の不祥事件で広まる。
ー広辞苑より引用ー

〔マッチを擦ってつけた火を自分で消火ポンプで消す意〕自分で起こしたもめごとを鎮めてやると関係者にもちかけて報酬を得ること。
ー大辞林より引用ー

自分で問題やもめごとを起こしておいてから収拾を持ちかけ、何らかの報酬を受け取ろうとすること。また、その人。マッチで火を付けてポンプで消火するという二役を一人でこなす意。
ー大辞泉より引用ー



〜いたずら書き?〜
平等なんて、たぶん最初から存在しなかった。
誰かは祝福の名前を与えられ、
誰かは汚れたラベルを貼られたまま、
始まりさえ選べなかった。

差別は拳より冷たく、
ときどき優しさの仮面をつけて触れてくる。
「理解してるよ」「大丈夫」
そう囁く声ほど、距離が遠い。

苦しみは、言葉にならない。
声にした瞬間、軽くなると思ったのに、
逆に重くなることもある。
だって世界は、
痛みより理由を求めるから。

それでも私は、愛を信じたかった。
愚かだと言われても、幻想だと笑われても。
愛は唯一、誰かを“同じ場所”へ連れてこようとする力だから。

たとえそれが、
不平等な世界への反抗だとしても。

欺瞞は今日も、
白い手袋をはめたまま微笑んでいる。
見ないふりをする人ほど、
綺麗な顔で残酷だ。

それでも私は祈ってしまう。
いつか世界が、
生まれた傷ではなく
生きた証で人を見られる日が来ることを。

叶わない夢なら、
せめて美しい祈りであってほしい。

私は今日も胸の奥で静かに呟く。

──「同じでなくていい。
  ただ、孤立したままでは終わりたくない。」
GRAVITY

邂逅

花譜

GRAVITY
GRAVITY1
志孝村嶋

志孝村嶋

今日の言葉

すき【好き】(名・形動)[文]ナリ〔動詞「好く」の連用形から〕

①好くこと。〔ア〕気に入って心がそれに向かうこと。その気持。「ーな人でも居るのか」「酒がーだ」〔イ〕ものずき。「ーも度が過ぎる」〔ウ〕好色。色ごのみ。源薄曇「いにしへのーは思ひやり少なきほどのあやまちに」〔エ〕風流の道に深く心を寄せること。数奇。趣味。源明石「君は、ーのさまや、とおぼせど」。戴恩記「昔はーといへば歌の事に人の心え侍り」〔オ〕特に、茶の湯。②気まま。勝手。「ーな事を言う」「ーにしろ」
ーこそ物の上手(じょうず)なれ
好きなればこそ、飽きずに努力するから、遂にその道の上手となる。
ー広辞苑より引用ー

①心がひきつけられること。気持ちにぴったり合うさま。←→嫌い。「ーな音楽」「明るい色がーだ」「ーになる」②かたよった好み。また、物好きなさま。「ーも度が過ぎる」「ーだなあ、この寒空に釣りとは」③色好みであること。「ー者」④思いのままであること。気ままなこと。また、そのさま。「ーなことを言う」⑤(「…ずき」の形で)名詞の下に付いて複合語をつくる。〔ア〕それが好きであること、またその人を表す。「文学ーの少女」「酒ーの人」〔イ〕それに好かれる性質をもっていることを表す。「人ーのする性質」「女ーのする容貌」⑥「すき(数奇)」に同じ。「歌枕ども見んとて、ーに事寄せてあづまの方へ行きけり/無名抄」
好きこそ物の上手(じょうず)なれ
何事によらず、好きであれば自然それに熱中するので、上達する。
好きに。する
気に入るようにする。思い通りにする。勝手にする。「いやなら、ー。しなさい」
ー大辞林より引用ー

①心がひかれること。気に入ること。また、そのさま。「ーな人」「ーな道に進む」←→嫌い。②片寄ってそのことを好むさま。物好き。また、特に、好色。色好み。「幹事を買って出るなんて、君もーだねえ」「ー者」③自分の思うままに振る舞うこと。また、そのさま。「ーなだけ遊ぶ」「どうともーにしなさい」④▶️すき(数奇)
[類語](①)好み・気に入り・贔屓(ひいき)・目がない/(③)意のまま・思いのまま・ほしいまま・自由・勝手
[…語]大(だい)好き・不(ぶ)好き(ずき)遊び好き・男好き・女好き・客好き・綺麗(きれい)好き・子供好き・酒好き・好き好き・世話好き・出好き・派手好き・話好き・人好き・物好き・横好き・侘(わ)び好き
好きこそ物の上手(じょうず)なれ
好きな事にはおのずと熱中できるから、上達が早いものだ。
ー大辞泉より引用ー



〜いたずら書き?〜
選ばなかった未来に、私は今でもときどき触れようとしてしまう。
まるでそこに、まだ開けることのできる扉が残っているかのように。

「正しさ」を基準に選んだあの日。
周りの期待と空気が、私の背中を押した。
私はその圧に逆らうことなく微笑んで、
無難で平和で、崩れにくそうな道を歩くことにした。

間違っているとは思わない。
むしろ、人から見ればきっと“正解”なのだろう。

けれど夜になると、胸の奥が静かに疼く。
眠りかけの意識の隙間から、
別の人生を歩んでいるはずだった私が顔を出す。

「こっちはどうだったと思う?」
「怖かったけどさ、呼吸が生きてたよ。」
「失敗も、傷も、全部私だった。」

そんな声が、触れない距離から囁く。

私は聞こえないふりをする。
でも、本当はずっと知っている。
あの道に、私は心のどこかを置いてきた。

選んだ道には責任がある。
選ばなかった道には後悔がある。
その両方を抱えて生きていくことが、
大人になるということなのだと思う。

いつか振り返ったとき、
「あれで良かった」と笑えるかもしれないし、
「違った」と泣くかもしれない。

でもどちらだとしても、
それが私の人生であることだけは確かだ。

未練も期待も、正しさも迷いも、
全部抱えたまま、それでも前へ。

今日も私は歩く。
GRAVITY

ぜんぶオーライ!

カネヨリマサル

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志孝村嶋

志孝村嶋

今日の言葉

ハルシネーション(hallucination)
1 幻覚。幻影。
2 生成AIによる対話型AIサービスなどで、質問に対して、いかにも事実のような虚偽の回答がなされる現象。学習データが不足していたり誤りが含まれていたりする、小説をはじめフィクションの情報を取り込んでいるなどの原因で起こる。
ーデジタル大辞泉より引用ー
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志孝村嶋

志孝村嶋

今日の言葉

ぞくっ-ぽ・い【俗っぽい】〔形〕

世間一般にありふれていて品がない。「ー・いせりふ」
ー広辞苑から引用ー

通俗的である。俗気がある。上品でない。「ー・い言い方」[派生]ーさ(名)
ー大辞林から引用ー

いかにもありふれていて、品位に欠ける。通俗的だ。「ー・い趣味」[派生]ぞくっぽさ〔名〕[類語]下劣・低俗・俗悪・卑俗・野卑・通俗・俗・くだらない・げす
ー大辞泉から引用ー



〜いたずら書き〜
夕方の図書館のラウンジには、人の気配がほとんどなかった。
大きな窓から差し込むオレンジ色の光が、テーブルの上のカードゲームの箱を照らしている。
その光の中で、彼がふとつぶやいた。

「トランプカードって有って無いようなものじゃない?」
私は一瞬、言葉の意図を掴めず、首をかしげた。

「あのポーカーとかするゲームのやつ?」
「そう。」
「どういうこと?」

彼はカードの箱を指先で軽く叩きながら続ける。

「ルールという概念があって初めて面白さが成り立つっていうこと。」

彼の目はどこか遠くを見ていた。
思考が、目の前のカードを超えて、もっと大きな世界へ飛んでいっているみたいだった。

「物理空間で用意する物が別にトランプカードじゃなくてもいい気がするんだよね。お互いに正確に同期されていて共通のランダム性が確保されていれば情報空間の中でも出来る気がしてさ。チラシとかメモ帳でもいいし紙に限定しなくたって別にそこら辺にあるものでも代用可能だなって思うんだ。」

彼の言葉は理屈っぽくもあるのに、不思議と感情のある熱を帯びていた。

「トランプカード自体に価値を見出している人だっているでしょ。」
そう返すと、彼は少し眉を寄せた。

「そうかなぁ。」
「そうだよ。そもそも当たり前の話じゃん。コンピュータ上でゲームをしてるのが正にそれでしょ。」

「あぁ確かに。」

テーブルの上に光が揺れ、彼の表情がふっと柔らかくなる。
私はその瞬間、なんとなく言葉を続けたくなった。

「全てのものは数式で表せられるのかもね。」

「数学は…苦手だな。」
彼は苦笑しながら頭を掻いた。

「それぞれの人の頭の中だけでも出来るかな?」
彼の声は、問いかけというより独り言に近かった。

私は少し考えてから、そっと言葉を重ねる。

「それが物理空間の中でトランプカードを用意してやるっていうことなんじゃない?同じスペースを共有しているわけだからさ。」

そして、ためらいなく続けた。

「物理空間だって情報空間の一部なんだから一緒だよ。」

彼はぽかんとして私を見つめ、しばらく沈黙したあとで言った。

「うーん、なんか分からなくなってきた。」

私は笑った。
光はすでに夕陽から夜の色へ変わり始めている。

「頭の中で想像したことでも同じことだと思うけど。要はそこにリアリティがあれば人は現実と認識するんだと思うよ。」

「なんか悟ってるね。まるでお釈迦さまみたい。」

からかうような声にも、どこか楽しそうな響きがあった。
私は肩をすくめて微笑む。

「そんな大したこと言ってないよ。」

ラウンジには静けさが戻り、カードの箱の影だけがテーブルの上で伸びて、ゆっくり形を変えていた。
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GRAVITY3
志孝村嶋

志孝村嶋

今回は小説を書いてみました‼️
地の文が少なく、会話劇が中心になっているので読むのに体力がいるかもしれないので余裕があってお暇な時に是非読んでみて下さい🤲
時間をかけて考えて作ったものなので自分なりに満足できるものが出来たと思ってます💪
それぞれの読み手の方の人生の経験によって受け取り方が変わるものになったかなと思います✨
読後になにか日々過ごす日常の中での新しい気付きや良い変化を促すものになっていたら良いなと考えてます。
なんとなく好きな音楽も一緒に付けてみました笑
皆様の毎日が豊かで楽しく幸せに溢れた世界でありますように🙏



「相手の為にっていったってどうせ結局は自分の為じゃん?」

くすんだ桜色が混ざった髪を揺らしへんてこな踊りをしながらひょうひょうとした態度でそう言った。

そんな事ない。私は本当に相手の為を思って言ってるし相手の為を思って行動してる。何も知らないくせにこの人はなんて偉そうなんだろう。

「そんなことないです。」

「それって相手があんたにああしてほしいこうしてほしいって頼んできたことなの?」

「違います。」

「頼まれてもないのにやるなんてただのお節介じゃねぇ〜?」

相変わらずくねくねと身体を変に動かしている。まるでタコみたい。こんなことせずに大人しく清楚に振る舞っていれば、顔も整ってるし身長も高くてスタイルも良いのだから美人としてもっと周りからもてはやされるだろうに。

「相手が一人で悲しそうに、苦しそうにしてたから可哀想だと思って何か力になりたくてしたんです…!!なのに、相手はこっちの言うこと全然聞いてくれないし、私が傷つくようなこともしてきたりして…。」

「それってさぁ、あんたがしたくてやってることっしょ〜。嫌なら辞めればよくね。」

なにそれ。そんなの分かってるけど出来ないから苦しんでるんじゃん。私は相手が可哀想だからしてあげてるのに。

「でも、私がやんなかったら相手は独りぼっちだから誰にも助けてもらえなくて辛いだろうなと思うから。」

動いていた身体がぴたりと止まって向こうの空を仰ぎ伸びをし始めた。

「だからさぁ。それがお節介なんじゃないの?相手はあんたに助けてほしいなんて言ってないんだからさ。解決策なんか求めてなくてただ自分の意見に共感して寄り添ってその相手が言われて嬉しい優しい言葉が欲しい〜ってだけなんじゃないの。自分の欲求を発散させる為に勝手に人間を使って満足したらはいさよならで自分に都合の悪い事言われたら攻撃してきて…。ろくなもんじゃなくねぇ〜。自分は優しくされて当たり前だなんて独りよがりな考え方してるのに自分自身で気付けてない状態なんじゃん?。そういうことを求めてるならそれなりの礼儀が必要だと思うけどね。お互い対等な立場なんだからさ。ま、それじゃ現状維持してるだけだから一時的に楽になってもいつまで経っても変わらないだろうからまたすぐに不満になるだろうけどね〜。それをずっと繰り返してるんでしょ。」

自前のバイクに寄りかかりながらいつものようにギャルみたいな声を出して偉そうな態度でそう言った。

「何も知らないくせに勝手な事言わないでください!相手は親に愛されてなかったり周りの友達からも酷い事言われたりしてて、色んな人からずっと認めてもらえずに生きてきて厳しい環境で育ったからきっとそこまでのこと考えれなくて不憫で可哀想な人なんです。大体礼儀がどうのこうのとか言ってますけど先生だって好き勝手言いたいように言って失礼じゃないですか?!」

「いや、あたしはあんたが聞いてほしいって言ったからこうやって話してるんだけどさ。あたしはあんたに好かれようなんて思ってないからね。それにあたしはあんたの言ってることややってることを否定はしてないよ。ただ疑問をぶつけてるだけ。あんたの気持ちは分かった。じゃあ堂々と文句言わずにその可哀想な相手とやらとずっと関わってたらいいんじゃね〜。」

「でも、それじゃ私も辛くて嫌で…」

「んじゃ、辞めればいいんじゃん。」

「でも、相手が可哀想で…」

「え、どっちなん。やりたくてやってるんじゃないの?」

「私はただ、どうしたら良いか分からなくて何か方法があるかを聞きたかったんです。」

「やりたいこと、叶えたい願い、つまり夢なんてものはさぁ〜本来自動的に叶うようになってるんだよ。変な意味で誤解して受け取ってほしくないからこういう言い方するけどあんたが信じ込んでるオカルトでもスピリチュアルでも何でも無く人間には本来それだけの力があるよ。ま、時間かかりはするだろうけど。叶ってないんだとしたらそれは本当に自分の心の奥底から思ってないってこと。それまで生きてきた記憶の中でモーダルチャンネルから受け取った情報で自分はダメな奴だ、自分には出来ないって自分を固定化して制限しちゃってんのかもね。別にそれがその人自身のせいだなんて言うつもりは無いし同情するところもあるけどさ。そんなブリーフシステムすぐに変えちゃえばいいよ。周りが幸せだと思う評価基準を自分にも当てはめて他人を見て羨ましく感じて自分はこうなったらああなったら幸せなんだと勘違いしている事だって多いと思うんだよねぇ〜。そもそも自分にとって何が幸せなのか分からないんだからそりゃ何やっても満たされる事は無いし虚しいだろうね。そういう人はまず自分はどうなりたいか何をしたいのかどうなったら人生に満足するのかっていうのを自分自信に徹底的に問いて自分自信のことを信じて肯定してあげることから始まるんじゃん?自分のことなんて自分で解決するしかないし自分がやろうと決めてやらないと何も意味ないっしょ〜。相手だって心の奥の方じゃ分かってるんじゃない。」

何処から出てきたか分からない猫をいつの間にか抱いてあやしながらふざけたような顔をして先生はそう言った。

「言ってる事はなんとなく分かりますけどそんなことで解決したら誰も苦労してないしそんなのひどくないですか?相手が困っていたら助けてあげるべきじゃないんですか。」

「話少しもどるようだけどさ〜、それって本当に相手の為なん?自分の利益ちょっと入ってるくない。相手に嫌われたくないだとか相手にこうしてほしいとかこう言ってほしいとかこう思ってほしいとかさ。本当に相手のこと想ってるならどんな事言われたって何されたって文句言わずに言葉をかけ続けて相手の手を引っ張ってやっていくもんだとあたしは思うけど。そのくらいの覚悟がないと相手にも失礼だし。でもそれって、結局あんたの理想に誘導していってるだけだと思うけどね。しなきゃいけないっていう思考だと何かと言い訳をつけて何かのせいにするものだからさぁ〜。したいことを自己責任でやっていけばいいんじゃね。今のあんたは相手にただ都合の良いようにカウンセリングとして使われてるようにあたしには見えるけどねー。」

なに?色々と好き勝手に言っちゃって凄いムカつく。どうせ私のことなんてどうでもいいと思ってるくせに。

「私のこと何にも知らないくせに、私の気持ちなんてなんにも考えてないくせに勝手なこと言わないで!!」

先生が抱いていた猫が私の声に驚き向こう側に逃げていく。

「んじゃ、あんたは今のあたしの気持ち考えてくれてんのー。どっちつかずの気持ちで憂さ晴らしみたいにあんたのぼやき聞かされて迷惑だしそんなに強く怒鳴られたら嫌なんだけどぉ〜。」

「それは………」

「だからさぁ〜、お互い人と人として対等なんだってばさ〜。相手のことを尊重して最低限の思いやりを持って話すのなんて当たり前の話でそれが出来てないと相手にされないのなんて自然なことでしょ。多分その相手ってのはさ、日々追い詰められてる状況で精神的にも肉体的にも疲弊してて無意識で相手に対して失礼になってることに気付けてないんじゃない?それにあんたがその相手に対して優しくする義務なんて無いし他の人がなんとかしてくれるっしょ〜。自分のこともままならないのに相手のこと助けるだなんてあたしなら烏滸がましくて出来ないけどねー。自分が持ってない物を相手に分け与えるなんてできっこないのと一緒。それを可哀想だと思ってあんたが助けたいって思ったんならこうやってあたしに愚痴言ったりせずに堂々とやってたらいいんじゃん。だってあんたがやりたくてやってんだからさ〜。嫌だったら辞めればいいしそれだけのことっしょ。誰に強制されてる訳でも無いあんたの人生なんだからあんたが考えてあんたが決めてあんたの意志であんた自身が行動しなよ。せっかく自分で考えられる頭と自分で動かせる手と足を持って五体満足で恵まれて健康に産まれてこれたんだからさ。」

「私は…好きで産まれてきたわけじゃない…、本当は…こんな世界に産まれてきたくなんかなかった!!」

なんでだろう。自分でもなんでこんなやつとこんなこと話してるのか分かんない。

私、なんで泣いてるんだろう。

「私だってあんなやつ大っ嫌い!!こっちが良かれと思ってやってることでも何のお礼も言わないし、気を遣ってあいつが傷つかないように言葉選んでるのに全然伝わってないしそのくせ私にはバカにするようなこと言ってくるし、この前なんかグループを作ってやる授業で周りの同級生からハブられてて可哀想だから一緒にやってやったのに後で皆んなと一緒になって私の悪口言ってたし、皆んながいじめるから怖くて学校いけないんだってなにそれ悲劇のヒロイン気取り?周りがどれだけあんたの態度で迷惑してるか何も分かってないくせに勝手に被害者ぶってんじゃねぇよ!!!」

「………………………。」

「でも……私も同じだった…。私も…人と関わるのとかすっごい苦手で…何話していいのかとか分かんなくて…。思ったように気持ち伝えること出来なくて相手のこと怒らせちゃったりして…。この学校に来るまでは私もいじめられてて…独りぼっちなのとかすごい寂しくて、どうせ誰も分かってくれない…何処にも私の居場所なんか無いんだって…毎日死にたいって思ってた…。だから…今度の学校では相手が喜ぶことをしようって……相手がされて嫌なことは絶対しないようにして…相手に嫌われないように本当は嫌だったけど頼まれごととかも断らないようにしたりして…思ってないお世辞も沢山言ったりして…自分なりに考えて…努力して…皆んなとそれなりに上手くやってきた。だからあの人も頑張れば変われるんだって……独りぼっちが辛いのは私も分かるから…何とかしてあげたいって思った…。それの何がいけないの?!!自分には何でもお見通しみたいな態度で興味無いからみたいな澄ました顔で大人ぶって人のこと見下して馬鹿にしてんじゃねぇよ!!!」

「………はははっ、上出来じゃん。」

「え……?」

「これだけ何回も聞かれても なんとかしてあげたいだなんて言うってことはさ〜。どうしても叶えたい願いなんじゃん?その相手のところまで連れて行ってやんからさ、あんたが思ってる本音全部真正面からぶつけてきなよ。それで相手が態度変えるなら良し、ダメだったとしたら相手にとってあんたの助けは不必要ってことできっぱり縁を切ればいいんじゃんね。」

そう言うと先生は私の頭に無理やりヘルメットをねじ込むように被せ、バイクの後ろに乗せて走り始めた。

「先生の言ってる事、よく分かんないです。先生って、なんか…なんなんですか…。」

私がそう言うと先生は振り返って意地悪そうな顔で微笑みながら私に言った。

「ん?あたし?宇宙人。」
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有心論

ずっと真夜中でいいのに。

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GRAVITY4
志孝村嶋

志孝村嶋

今日の言葉

セレンディピティー【serendipity】

(お伽話「セレンディプ(セイロン)の三王子」の主人公が持っていたところから)思わぬものを偶然に発見する能力。幸運を招きよせる力。
ー広辞苑から引用ー

思いがけないものを発見する能力。特に、科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときなどに使われる。セレンディピティ。〔おとぎ話The Three Princes of Serendipの主人公たちがこの能力をもっていることから。イギリスの作家H=ウォルポールの造語〕
ー大辞林から引用ー

求めずして思わぬ発見をする能力。思いがけないものの発見。運よく発見したもの。偶然の発見。イギリスの作家ホレス=ウォルポール(1717〜1797)の造語。ウォルポール作の寓話The Three Princes of Serendip (1754)の主人公にこのような発見の能力があったことによる。Serendipはセイロン (現、スリランカ)の旧称。
ー大辞泉から引用ー


〜いたずら書き〜
「一人一宇宙なんだよ。」
多分、先生はそう言った。
教卓に両の手をつきながら偉そうに話すその態度がいつも私は気に食わなかった。
机の上で足を組み行儀悪く座りながらスマホをいじっている私の元に気持ちの悪い顔が近づいてくる。
「一人一人別の宇宙の中に生きていて次元が違うから決して交わる事は無いんだ。」
そう言いながら私の肩に手を置きそのまま滑るように下に落としていく。
それに応えるように私も先生の腰に手を伸ばす。
特にお金に困っている訳でも無いのにこうしてバイトをするようになったのは一体いつからだっただろう。
放課後からずっと音楽室の方で楽器の練習をしている吹奏楽部の演奏の音が聴こえる。
二人だけの教室で罪悪感と卑しさに塗れたこの歪な音を華やかに彩っている。
窓からはオレンジ色の眩しい夕陽がカーテンの隙間から差し込んでいる。
人間の色に染まったこの汚い景色を煌びやかに照らしている。
いつも通りの生活。いつもと変わらない日常。それがずっと続いていくものだと思っていた。
GRAVITY
GRAVITY10
志孝村嶋

志孝村嶋

前前回、前回と続き今回は昔書いたエッセイ的なものに触発されて今の自分が書いてみたのを投稿してみます‼️
思想感強めなところは引き継ぎ書いてみましたので怖いのは相変わらずです笑
でも、嘘偽りの無い想いを正面からぶつけてみたので一読していただけたら嬉しいです🙌
何かの考えのきっかけになったら良いなと思ってます。


言葉や文字というのは強い影響力を持ち人間を支配している。
言葉や文字の持つ力にあまり関心の無い人々が多いような気がしてならない。
目に見えないものから言葉や文字になった瞬間に力を持ち人間がそれの存在を思想や概念、物質の情報として認識することができ、人から人へと感染していく。まるでウイルスのやうに。これはもはや一種の魔術的な兵器といってもいいのではないかとさえ思う。
言葉や文字というのは軽はずみに使っていい代物ではないのだと思う。
時に人を傷つけたり時に人を助けたりする諸刃の剣であることに違いはない。
例えば言葉や文字を使わずに''空(そら)''を相手に理解させることは出来るだろうか。
簡単だ。相手の手を取りその場所まで連れて行って指をさしてやればいい。
どこからどこまでだとか雲も含めるのかだとか朝や夜に見えるものの違いなど厳密に言うとそれでは十分な理解とは言えないが自身の身体で体感できることとしてはこれくらいが限界だろう。
では、''空(から)''を相手に理解させることは出来るだろうか。
こうなると途端に難しいと感じるのではないだろうか。実際に目で見える物質があるわけではない概念の一つだからだろう。
水の入ったコップを見せて、中の水を飲み干してから相手に見せれば理解するのだろうか。
相手はコップを理解することになりそうな気がする。
言葉や文字のあるところには必ず人がいる。
自然的にひとりでに発生した言葉や文字などきっと無いだろう。
それほどまでに人間と言葉と文字とは密接な関係にあると思う。
そして、それを十分に意識して理解して使いこなしている人間はどのくらいいるのだろうか。
周囲の人間やテレビやSNSなどのメディアによって意図して作られた言葉や文字に踊らされてはいないだろうか。
人種差別という長年解決しない問題がある。
センシティブな内容なのであまり深くは踏み込まないようにするが、私は理論上はこれを無くすことは可能だと思っている。
私なりの答えはこうだ。
''人種''という概念自体を無くしてしまえばいい。
その為に''人種''という言葉や文字が邪魔になる。
前述した通り言葉や文字になることによって目に見える形になり力を持って人々に認識されて広まってしまうことになるからである。
空いた辞書の欄には''人間''と入れればいい。
今更作り上げられた歴史である言葉や文字を消すなんてことは一個人の力ではどうすることもできないだろう。
それをどうやってやるんだとか実際にして証明してくれだなんて言われたら無理ですと断るが私の考えを言うくらいは自由にさせて欲しい。だから''理論上は''という前提で書き出したのだから。
ここまで聞いてくれた人は理解してくれると思うが要するに言葉や文字というのは''世界の標準である共通認識''であると言えるのではないかと思う。
もちろん言葉や文字にはまだまだ私の知り得ない用途や歴史、力があるのでは無いかとも思うが…
話は少しずれるが、人に好かれるかどうかというのを強く悩んで気にする人がいる。
私は苦しんでまでそこに執着する必要はないんじゃないかと思う。
何故なら相手に好かれるかどうかなんてものは完全にその時の相手次第だからだ。
変な言い回しになるが絶えず人というのは瞬間瞬間に生まれ変わって生きている。
昨日と全く同じ人間なんていない。
ある日出逢って意気投合した人と、後日話したらなにか話が噛み合わなかったり逆に嫌な印象になったなんて経験はないだろうか。
その時の相手の一側面しか見えていないので今度は相手の別の側面が見れてそれが嫌だと感じたんだと思うかもしれないが、それだけだろうか。
お互いが置かれている環境などの現状によって、その時その時に共感してくれる優しい言葉が響いたり、ちょっと素っ気ないけど気軽な態度に安心したり、厳しい言葉だけど率直な意見に奮い立ったりと変わっていくものじゃないだろうか。
つまるところ人間とは瞬間瞬間に自由で自分勝手な行動や考え、判断をしているものではないかと思う。
それはとても人間的で私は素敵なことだと思う。
GRAVITY
GRAVITY22
志孝村嶋

志孝村嶋

前回の投稿と同じでまだ昔のエッセイ的なものがあるので投稿してみます。
これまた今では変わった部分があれど根本は変わらないなぁなんて思いました笑
またまた、例によって思想感強めなので怖がらせてしまったらごめんなさい〜🙏


皆、さも自分の物かのように喋る。
誰かから盗んだもののくせに。
その言葉は一体誰から盗んだ物だろう。
新しい知恵、言葉を手に入れたと思い無意識的に喜んでいて使ってしまうのだろうか。
誰かから盗んだ物のくせに。
さも自分の思想だと言わんばかりに喋る。
自分なんてないくせに。
人は五感で感じたものに大きく影響される物だと思う。
当たり前の事を言っているようだが、誰もその事を深く考えようともしないんじゃないだろうか。
何かに(を)見聞きした物に影響されていると自覚せずに、自分が話している言葉の意味すらあやふやなまま相手に理解してもらえるという前提であわよくば共感や同調を求めて相手より上に立とうとする者もいる気がする。
私はそのような人間がきっと苦手なんだと思う。
私は自身の思考を自分で否定したり肯定したりという事を頭の中で満足するまで続ける。
頭の中でTVによく出ている人なんかを何人か思い浮かべてそれぞれに自分の意見を言わせて討論させる。
そうして、自分の頭の中で考えを整理せずには何故かいられない。
どうしてそんな事をするかと言えば、私の考えについて話せる人がいないからだ。
孤独であるという事以外に、私よりもこうしたトピックについてはもちろんのこと、あらゆる物事に思慮深く考える人がいないだろうと思うからだ。
いたとしても数は少ないだろうし会える確率も低いだろう。
話せたとしても良き理解者になるかどうかも分からない。
衝突を嫌うからだ。
私もそうだが、やはり人間は自分の考えについて何か意見を言われたりするのを嫌う傾向にあると思う。
相手に自分の思考、感情の全てを伝える為に「言葉」を使っているのだが、その「言葉」では不十分過ぎて逆にそれが邪魔くさく感じたりもする。
いつも私は相手に自分の気持ちが上手く伝わらない。
表情を指摘される事がある。
確かにそうかもしれない。
笑うことは苦手だ。
言い方を指摘される事がある。
確かにそうかもしれない。
だから言葉が邪魔なんだ。
だけど、私よりも話し方、表情、仕草、タイミング、影響力、言葉の種類を考えて話している人なんて多くはいないんじゃないかと思っている。
思い上がりではない自信がある程にだ。
これを書いている時点でどうなんだと思われるだろうが。
私は知識が乏しく頭は悪いが何かについて深く考える事については他の誰にも引けを取らない自信がある。
こういうテーマについて、特に対面で話すと大抵の人が嫌悪する気がする。
あまり考えたくないのだろう。
だから私は何も話さない事を決めたのだ。
何も言わない。
何も話さない。
何も喋らない。
これこそが私の見つけた一つの究極の答えだ。
そうすれば何も生まれない。
何もなくていい。
何も。
誰も私を理解しようとする事もないし出来るわけもない。
私は理解されたいと“思って“はいるが、「理解されたい」と“言って“はいない。
だから貴方が読んでる途中に感じた事は的外れな意見だ。
私も自分が面倒くさい人間だなと思う。
書くことは気持ちが良い。
どんどんと書きたい事が頭に浮かんできて手が頭に追いつかない。
書いている途中に忘れてしまう程に。
私はどこかこの世界を他人事だと思っている節がある。
自分も人間というこの世界で生きる当事者なのに。
GRAVITY
GRAVITY17
志孝村嶋

志孝村嶋

昔書いた、エッセイ的なものを見つけたので投稿してみます。
今はちょっと違う考え方のところもあるけど基本的なものは変わってないんだなぁと思いました🤔
サイトに投稿していたものなので思想感強めで怖かったらごめんなさい🙏


著作権とは何だろうか。

"著作権[1](ちょさくけん、英語: copyright、コピーライト)は、作品を創作した者が有する権利である。また、作品がどう使われるか決めることができる権利である[2]。作者の思想や感情が表現された文芸・学術・美術・音楽などを著作物といい[3]、創作した者を著作者という。知的財産権の一種[4]。
一般的に、著作物を他人が無断で無制限に利用できないように法的に保護する必要がある。著作物を創造した人物は、その著作物を他人が無断で利用しても、自己の利用を妨げられることはない。しかし、他人が無制限に著作物を利用できると、著作者はその知的財産から利益を得ることが困難となる。著作物の創造には費用・時間がかかるため、無断利用を許すと、知的財産の創造意欲を後退させ、その創造活動が活発に行われないようになるといった結果を招くためである[5]。
著作者の権利は、著作物を活用して収益や名声などを得ることができる財産的権利(著作財産権)と、著作物の内容と著作者を紐づけることで、著作者の人間性を正確に表現する人格的権利(著作者人格権)に分類される[6][7]。狭義に解する場合、著作権はとりわけ著作財産権と同義とされる[8]。反対に、最も広義に解する場合、実演家、レコード製作者、放送事業者など著作物を伝達する者に付与される権利(著作隣接権)[9]も、著作権の概念に含めることがある[8]。
知的財産権には著作権のほか、特許権や商標権などの産業財産権があるが[10][11]、保護の対象や権利の強さが違う。産業財産権は産業の発達を目的とする技術的思想(アイデア)を保護の対象とし、権利者に強い独占性を与える性質のため、所管官庁による厳しい審査を経て登録されなければ権利が発生しない[註釈 1]。一方の著作権は、創造的な文化の発展を目的とする表現を保護の対象としていることから、産業財産権と比べて独占性は低く、日本を含む多くの国・地域では登録しなくても創作した時点で権利が発生する[10][11][註釈 2]。
著作物の定義・範囲、著作物の保護期間、著作物の管理手続や著作侵害の罰則規定などは、時代や国・地域によって異なるものの、国際条約を通じて著作権の基本的な考え方は共通化する方向にある。しかし、著作物のデジタル化やインターネットの社会普及に伴い、著作権侵害やフェアユース(無断利用が著作権侵害にあたらないケース)をめぐる事案が複雑化している時代趨勢もある。
学術的な目的で、研究者や教授が著作権で保護された作品を使用することにはいくつかの例外がある[13]。"
-Wikipediaから引用-

引用元が一つだけで申し訳ないが、色々と難しそうなことを言っているが要は「自分のもの」という主張のことだろう。
昨今、AIの発達により人々の仕事が奪われる懸念をしている人も多いかもしれない。
レジの無人化や配膳ロボット、ドローン配送、農業の無人化、スマホが無いと注文が出来ない料理店もあるぐらいだ。
少子高齢化と人口減少という問題は置いておいてそれ程までにAIが作るものは人が作ったものと遜色のない品質にまで上がってきているということだろう。
イラストレーター、作曲家、小説家、デザイナー、プログラマー、アニメーター、彫刻家等上げればキリがないがクリエイターと呼ばれる人達の価値は無くなってしまうのだろうか。
いや、そこまでにとどまらず人間の価値とは一体何だろうかという問題に直面している気がするのだ。
よく、自分の作ったものというのを躍起になって主張する人がいるのを見る。
何故そこまで「自分のもの」ということに固執するのだろうか。
それがないと収益が無くなってしまうからだろうか。
それともそこに自分のアイデンティティを確立しているから無くなるのが嫌だということだろうか。
では、作ったこの本は一体何語なのだろうか。
日本語だとしてそれは自分で作った言語なのだろうか。
誰かが作った言語を借りたただの文字の羅列ではないだろうか。
本が、自分の思想を文字を媒介にして相手に伝えるツールなのだとしたらその本自体に価値を見出すことはできるだろうか。
紙と印刷にかかるコストが値段なのだろうか。
音楽や絵なども今までに無いそれぞれの組み合わせというだけで一から作ったなんてものはあるのだろうか。
音は誰のものだろうか。
ドレミファソラシは「自分のもの」と言える人がいるだろうか。
色は誰のものだろうか。
赤、青、黄、緑は「自分のもの」と言える人がいるだろうか。
最初に全てを創った神様なのだろうか。
神様がいなければどうなるのだろうか。
AIが全てを再現できるのだとしたらそれは価値があるのだろうか。
世界中の人類の中で一番足が速いのは価値があるのだろうか。
車に乗れば皆超えてしまうことができる速度でもだろうか。
きっと"世界中の人類の中で"というところに価値があるのだろう。
つまり制限の中の唯一無二性というものに価値が付いているように思う。
そもそも誰が価値というものを決めているのだろうか。
私は大衆だろうと思う。
私は誰かや何かを批判したいつもりなどない。
ただ、単純に疑問なのだ。
「自分のもの」とは一体なんなのだろうか。
私は「自分のもの」なんて無いと思っている。
そして、価値とは人間だと思っている。
本当の意味で「自分のもの」があった時、価値は人間では無くなっているのだろうと思う。
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