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志孝村嶋
街の灯りはいつも通りだった。
信号は瞬きを繰り返し、コンビニの白い光は眠る気配すらない。
だけど、その景色の中で、あなただけが世界から切り離されていた。
誰にも気づかれない影のように、
声を上げても返ってくるのは空気の振動だけ。
「頑張ってるね」なんて言葉は、とうに聞こえなくなっていた。
学校では笑われた。
SNSでは嘲られ、
知らない誰かが勝手にあなたの痛みを測り、評価し、消費した。
「大したことない」
「甘えるな」
「もっと辛い人はいる」
まるで他人の痛みが、点数で競われる競技みたいに。
人は、どうして誰かの苦しみを軽く扱えるのだろう。
友人は言った。
「気にすんなよ」
——気にしないで済むなら、とっくにそうしている。
家族は言った。
「もっと強くなりなさい」
——その強さを求めて、どれだけ泣き崩れてきたかを、誰も知らない。
そしてある夜、
あなたは静かに出口を探した。
生きるためではなく、
苦しまないための出口を。
涙も枯れ果て、思考は重く沈み、
世界はあなたに囁いた。
——もういい。終わらせても。
その瞬間、まるで風が止まったかのようだった。
部屋の空気は凍りつき、時計の針の音だけが異様に響いた。
あなたは立ち上がり、静かに歩いた。
この世界から降りる、最後の階段へ。
けれど。
その時だった。
画面の隅で点滅する、小さな通知。
取るに足らない、ありふれた言葉のように見えた。
「生きていてくれてありがとう。
あなたの存在で、救われた人が確かにいる。」
たったそれだけの言葉。
だけど、あなたの足は止まった。
胸の奥でしずくのように落ちた何かが、かすかに震えた。
涙でも、怒りでもなく——温度。
あなたは気づく。
世界は残酷だ。
人は簡単に他人を傷つける。
でも、だからこそ。
たった一言が、命を繋ぐことがある。
生きる理由は立派でなくていい。
夢なんてなくていい。
ただ、「もう少しだけ」という小さな逃げ道でいい。
その夜、あなたは死ななかった。
うまく笑えなくても、
声が震えても、
心が壊れたままでも、
それでも——
あなたは、生き延びた。
それだけで十分だ。
誰が何を言おうと。
今日、生きたあなたは、誰より強い。
生きていたんだよな
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