
樹下蜜
恋つづ妄想小説私の頭の中の浬と七瀬は待ってくれません。もう10作以上をお付き合いくださってる。二人が演じる変幻自在なキャラ設定をお楽しみください。もう最初のお話はここに載せられなくてインスタに置きました。情報載せておきます。

樹下蜜
へぇ!カイリ様って意外に甘いところがお有りで?
だってペッパーの…
あー確か、ペッパー伯爵の娘の嫁ぎ先でしたっけ?
まぁだから王妃側は、ドリアンに目をつけた?
実は、ドリアンには事業失敗の為の多数の借金が…

樹下蜜
そこは…
南十時方向だけは、進まぬ方が弱いかと!
見事な女性の声でその言葉を告げる。
へぇ…!凄いな。
その見事な声帯模写ぶりに、カイリは軽く手を叩き褒めながら、質問する。

樹下蜜
案内されて現れた少女に、ラズベリーとツバサは吹き出す。
スグリ!こうも上手く女の子に化けるとは…
まぁ偵察するには、女の子の方が油断を誘うし、可愛い女の子だったら、尚更兵士達の口は軽くなる。
その可愛い姿から予期せぬ、声がわりした男の声が発せられる。

樹下蜜
見張りが、困った様な顔で、もうすぐ出発しようとするツバサの元に来客を告げる。
申し訳ございません。ツバサ様。
薄紫の髪を持つ少女?がツバサ様を訪ねて見えてるのですが?
門前払いをしたら、妙な技を使いまして…
ここへ通せ!多分その子は…
ラズベリーとツバサは顔を…

樹下蜜
今頃はきっと…
私は…私は……
何も言うことがないのでテマリはしょんぼりと下を向く。
良いんですよ!テマリちゃんは、
にっこり微笑んでみんな頑張って!って言えばそれだけで!
そのナナセの言葉にテマリは安心した様に微笑んだ!

樹下蜜
ナナセ!明日から王都攻めと言うのに、少しは僕の身を案じてはくれないのかい?
心配はございません。
カイリ様の策略の元、このハナフブ鬼がカイリ様の身を全力でお護りする事に決めておりますから!
わたくしも、眠気の増す薬草を城の井戸水に忍ばせる手筈を!
ラズベリー

樹下蜜
なんと緊張感のない!
そんな事では、成功するものも失敗に終わる可能性も出てきます。
ここは…
ナナセのその言葉に、みんなは気を引き締める。
しかしその言葉の続きを聞いて、カイリ爆笑するしかなかった。
お任せください。私達が明日のお昼にカツサンドとビーフシチューを

樹下蜜
明日から王都に攻め込もうという話なのに、まるで緊張感のない会話が続く。
あ!じゃあ明日の朝食は、ステーキとトンカツ?
突然のテマリの問いにみんな何故?と言う様に首を傾げる。
だって…テキにカツ!
あー!なるほど。
いや朝からそれはなぁ…
いやはや…

樹下蜜
ツバサ様がそれをおっしゃるのですか?
ナナセが突っ込む。
いやツバサ兄とはタイプが違うよ!まるで……
風の妖精?
まぁ自由人だしな!
それをカイリ様がおっしゃる?
カイリ様は私から見ると…
頭の中が自由人?
又もやナナセが突っ込んだ!

樹下蜜
アカデミーでも、歴代七番目の早期卒業生で!
ちなみに六番目はラズベリーね!
今幾つだっけ?
あー!確か14…いや15になったのかな?
私と同じ歳でアカデミー卒業ですか?なんと…
テマリは目をウルウルさせる。
しかも、かなりの美少年ときてる。

樹下蜜
まぁ怪我の功名って奴ですね!
まさか、うちの弟が薬草を探しに行って、渓谷に落ちたのに、無傷で、魔石洞窟を掘り当ててくるとは…ギリギリツバサ様の領土でよかった。
ラズベリーの末の弟君!スグリ君だっけ?
この子やたら運の良い子で…
やたら宝物を掘り当てる。
万能薬の…

樹下蜜
ナナセ!ご苦労様。
ナナセが到着したから、そろそろ動くか?
こっちは準備万端だし!
母上側の貴族達も、交渉により
随分とこちらを支持する側に回ったし!
何よりラズベリーの実家が、魔石の鉱山を掘り当てた事は大きかったな!まぁこれもアフレコだけど!

樹下蜜
実権はアキトの訳だから、父は関係がない。
まぁ暴走する母を何とかするにはこの方法が良いと、そう僕たちは考えた。

樹下蜜
流石ラズベリーよく知っているな!
全くカイリはどこでそんな知識まで…
まぁそう言うことで、幻の戦場が作られたわけだ!
戦いに駆り出されたのは、僕なわけだから、一生懸命働かせてもらったよ!
そして、その境目に元々あった、別荘はそのまま、僕達の宿泊施設?

樹下蜜
森も畑も、焼き払い!
灰と炭と化して数年放置!そしてその土を蘇られる目的で!
全く…カイリに取っちゃ戦争も、俺たちも、土地活用のコマにしか過ぎないからなぁ!
ああ…その方法は本で読んだことがあります。
痩せた土地は、焼畑という方法が、それに、炭と灰は…

樹下蜜
だからこの作戦。
元々カイリの領地の隣は、痩せた土地と腐敗の森。
しかもここの領主はここに手をつけるつもりはない。
そこでこの土地をピーチが買い取った。その情報はオフレコにするという条件で!知っているのは、父上と、僕とカイリだけ!

樹下蜜
あれは母上が、取り巻きの貴族達を使って、でっち上げた策略。
なぜ父上が、静養と称して、アキト兄に政権を委ねたのか?
母は、カイリとそれを慕う勢力を、兄とナナセのスキャンダルをでっち上げ、それに怒ったカイリのクーデターということにして、一気に潰すおつもりだろ?

樹下蜜
ラズベリーがツバサに駆け寄る。
ツバサ様!これは一体…
ラズベリーには予想がついていただろ?
僕がカイリを攻撃する側に回る筈がないことを!
そうですね!
でも、王命なれば…
心を痛めておりました。

樹下蜜
一つのミスも、結果が予測と違ったり、終結しなかったり。秒速5…を聴いてそれを思う。
永遠の愛は、そんな緻密な、気の遠くなるミスのない作業の繰り返しでしか、成り立たないと思い知る。そしてタイミング!これは奇跡!見せてくれ誰か!

樹下蜜
どんな美しく、儚い思い出も、望み通りにならないというリアル。故に、あの物語のリベンジが、君の名はではないかと思えてくる。君の名はも、これから始まるであろう、瀧くんと三葉の恋も、未定である事を思い知らされる。どうか、五葉が誕生出来ます様にと願う。

樹下蜜
ナナセはそう言うと、部屋を出て行った。
代わりに入ってきたのは、ラズベリーが王都のマスカット邸を訪れた時にも見知った、侍女達!
それぞれ、軽食やら、ティーセットを抱えている。
ようこそおいでくださいました。
さぁさぁ!お嬢様方!暖かくして、お寛ぎくださいまし!

樹下蜜
さて、カイリ様は何処?
テマリ様、ラズベリーさん。
少しここでお待ちいただけますか?
ラズベリーは、目を丸くしている。
なぜ?カイリ様の領地は戦争真っ只中ではないの?
その話は、ツバサ様に直にお聞きになるとよろしいですよ?

樹下蜜
そう言って、花吹雪を散らす。
まぁたっぷり運動したし、今日はこれくらいで…
ナナセは花吹雪に、護衛が目を奪われている間に、テマリ達を包む、結界に裂け目を作り、仲に入り、異次元空間へと道を続けた。
そして、そこから出るとそれは、マスカット大公の屋敷の大広間に出た。

樹下蜜
ナナセがハナフブ鬼?
うそだろ!
構わん!殺せ!
カイリ共々地獄に送ってやる。
あら?天国の間違いじゃなくて?
ナナセは、軽口を叩きながら、護衛達の攻撃をヒラリ、ヒラリとかわす。
剣とレイピアのぶつかる音がはげしくなる。
流石王宮の護衛隊ね!
でも、魔法が使える分私の方が

樹下蜜
これなら、護衛に決壊を破るものがいても、テマリ様達のところまで攻撃も効かないし、手を出すことすらできないでしょ?
では遠慮なく参る。
そう言ってハナフブキに変身する。
それと同時に、廊下、天井、隣部屋から護衛が…

樹下蜜
ナナセは笑みを浮かべたままで、
怖い事をさらっと言う!
天井に2人、隣の部屋に3人、廊下に5人!
このくらいの護衛でしたら、楽勝ですが?
その言葉にアキトはギョッとする。こんなに護衛を待機させると言うのは、私はアキト様に…

樹下蜜
一体どうお考えなのですか?
いつも穏やかなテマリがテーブルをドスンと叩く!
思わずアキトは、テーブルの上に置かれたティーカップのお茶を飲んだ!
心に、探りを入れても、テマリの怒りは凄まじい。

樹下蜜
アキト様!どう言うおつもりでしょうか?
だからだな!第一夫人は予定通りテマリ!そして第二婦人にナナセ!ところでなぜラズベリーまでいるのだ?
それは、ラズベリーに証人になってもらう為です。
しかし、ラズベリーも又、アキト様から

樹下蜜
アキト様!話し合いをいたしましょうか?
あなたは私と言うものがありながら、何人もの女性に手を出して…
先ずはお茶でも飲みながら、
ちょうど、二日酔いに効くと言うお茶が手に入りました。
皆様でお茶にいたしましょう。
そう言って、アキトと向かい側に、3人は座る。

樹下蜜
どうか、ナナセの命だけは助けてほしいと、懇願してきた。
お前が俺の第二婦人となるのなら、条件は呑んだと返事を返した。
承諾しました。しかし、お二人の意見も聞きとうございます。
そして、寝室に、テマリと、ラズベリーが入ってきた。
テマリ様どういたしますか?

樹下蜜
その日に、ナナセは王宮に入った。
アキトは前祝いとばかりに、その夜はかなり酔っていた。
そして、寝室に七瀬を呼ぶ。
ナナセは、夜色のドレスを着てアキトの寝室へと
ナナセ、お前の夫は…

樹下蜜
そこに、ペッパーも、カイリピーチ軍に参戦。
いくら猛者達の集まりとは言っても、やはり王国軍には敵わない。
ツバサにまでカイリ討伐の要請が出た。
戦況は、ツバサによって刻々と伝えられる。王国軍有利だと。
流石のペッパー将軍も老には勝てないと

樹下蜜
その為に、アキトはナナセに疑いを持つ事はなかった。
わかりました。しかし、わたくしも、色々準備がございます。
アキト様の元へは、10日後とさせていただきます。
その間にも、アキトは

樹下蜜
アキトは、今や自分の魅力に落ちたと、ナナセの好意を疑わなかった。
アキトは、オンパスだ!なのでそれ故の過信もあった。
しかし、ナナセの方が一枚上手だった。
オレンジ家の養子であるバレンシアの発明品

樹下蜜
そして、突然それは起こった。
カイリが謀反を起こした。との情報が王都を駆け巡る。
カイリに同調したのは、何とナナセの実家、ピーチ公爵家!
直ちに王都から、カイリ、ピーチを叩くために、応援要請がアキトから出される。
そして、ナナセには、蜜書が届けられた。
もし…

樹下蜜
そんな怪しい雲行きのその時に、突然皇帝が体調を崩して、静養と称し、地方で、療養生活を始める。
代行は、皇太子であるアキトに任された。
アキトは何度もナナセに応援要請をする。
流石に、アキトの要請に応じる事はないものの、はぐらかし、匂わせて、満更でもない…

樹下蜜
だの、チェリー侯爵の末娘の縁談が取り下げられただの!
しかし、マスカット大公家の使用人達は、その噂を信じようとはしなかった。
きっと何かカイリ様には考えがあっての事。
何があっても、ナナセを信じろ!
と言い放って、カイリ様は…

樹下蜜
いつも通りカイリとナナセに使え続けた。
そして、その噂が経って三ヶ月後、カイリは…
何があっても、ナナセに支えてくれ!
と言い残して、王都の屋敷を出て行った。領地を視察する為と言い残して!
その後はなぜか、ナナセのひどい噂が王都を吹き荒れる。

樹下蜜
善行は1日にしてならず!
そう言う良い関係は、一つずつ積み上げて、主従関係を確固たるものにしないと出来上がらない。
カイリもナナセも模範的な主人だった。
なので…
ナナセ様とアキト様が恋愛関係?
そんな噂が世間を騒がせても…

樹下蜜
世界中探しても、うちの旦那様と奥様ほど、仲の良いご夫婦はいらっしゃらないわ!
こんなご夫婦に支えることが出来る私は、なんて幸せなの?
その侍女は常々そう自慢していた

樹下蜜
そよ風が頬を撫でたくらいの感覚でしかありません。
カイリ様のお役に立てる喜びの方が何倍にも勝るので!
眼をうるうるとさせて、カイリの顔を頬を染めて見つめるナナセを、カイリは、熱い眼差しで見つめ返す。
たまたま、お風呂の…

樹下蜜
ナナセだったら、今まで王家のバラバラだった心をまとめる事もできるかもしれないな!
その元凶だった、お義母には、早期に退散して頂こう。
ではそろそろ始めますか?
ナナセに多少辛い思いをさせると思うと、忍びないが耐えてくれるか?
根も葉もない噂など…

樹下蜜
そこで決心して頂きました。
アキト様をギャフンと言わせる為の計画に協力して頂く事を!
カイリ様!出過ぎた真似をいたしました。
しかし、これ以上悲しむテマリちゃんを見ていられなかったのです。
よく頑張ったなナナセ!流石
俺の…

樹下蜜
しかしチェリー侯爵は、密偵からの報告により、テマリちゃんの心情を思いやって、悩んでおられたようです。
なので、テマリちゃんに今の現象を打ち明けました。
私も…

樹下蜜
私も、アキト様とテマリの縁談を元に、あの王妃からは、人質を取られたようなもので…
ナナセに、察してくれと言わんばかりの表情を向ける。
その時の様子をカイリに詳しく伝えた。

樹下蜜
テマリはそれでも良いと!
しかし、あんなに手当たり次第気に入れば手を出すという、アキト様には…
その心内をナナセに吐露したのだった。

樹下蜜
なんと!チェリーまでコンタクトを図ったと?
私は、チェリー侯爵は、王妃側の人間で、テマリ様を自分の権力維持のために、差し出したのだと思ってました。
しかし、それは間違いだったと、推測しました。
チェリー侯爵は仰った。
第一皇太子にあまり良い感情は点

樹下蜜
王宮の門番も買収したしました。
そして、護衛には、ピーチ家の護衛をくけております。
まぁその辺は、ハナフブキを敵に回して勝てるものなど…
まぁそうですね!
そのおかげで、アキト様の情報はテマリ様が知る程度は…
それと、この度チェリー侯爵も、テマリ様を通じて

樹下蜜
そう言いました。
大丈夫か?
テマリちゃんが、アキトにそれを言う事はないか?
テマリちゃんは、確かに見た目は幼いですが、なかなかに賢く、育てがいがある子です。
時々、ラズベリーと変装しては、王都で、女子会をやっております。

樹下蜜
あんな素直で可愛い子を泣かすなんて私、許せません!
それでテマリちゃんに、私がいかにカイリ様に夢中か、王妃様の手前、アキト様をじゃけんするわけにはいかない事。
少し待っていれば、アキト様の浮気癖を私とラズベリー様が