

📖✨ 創作小説の星のご案内 ✨📖
はじめまして。
ここは、各々が書いた ✍️創作小説をそっと置いておける本棚📚 として新設した星です。
完成度を競う場所ではありません。
評価や反応を集める場所でもありません。
書きたいときに書いた物語を、
🚫 急かされず
🚫 流されず
📦 ここに置いておく。
この星は、そのための保管場所です。
ーーー
🔎 創作小説の星を作った理由
① 創作活動には
🎨 イラスト
🎶 音楽
📸 写真
など多様な表現がある一方で、
📖 創作小説が安全に扱われる場が、ほとんど無かったこと。
② 物語を書く行為が、
🫧 感情の解放
🧩 思考の整理
🌙 区切りや納得
といったカタルシスを、書き手自身にもたらすと知り、
その力に惹かれたこと。
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💭 この星の考え方
小説は、必ずしも誰かに評価されるためのものではありません。
🖋️ 書くことで
内側にあったものが言葉になり、
外に置かれる。
その行為そのものに価値があると考えています。
👀 ROM専参加も歓迎です。
読むだけ、静かに見守るだけでも構いません。
感想や交流は強制しません。
反応の多さで作品の価値が変わることもありません。
ーーー
🛠️ 活動内容について
✅ オール自分書き
✅ アイディア+AI処理
✅ AI依存度が高い作品
すべて可です。
未完成・習作・途中経過・断片の投稿も歓迎します。
ーーー
📚 運営スタンス
管理者は編集者や指導者ではなく、
この場を整え、守る司書的な立場に留まります。
作風や思想への介入は行いません。
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⚠️ お願い・ルール
小説の形を借りた誹謗中傷や、
特定の個人・集団を傷つける表現は禁止です。
内容が際どい場合はDMで作成意図を確認することがあります。
二次創作の際は、著作権への配慮をお願いします。
投稿後の削除・非公開・撤回は自由です。
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🎯 この星の目的
上手くなることでも、
残すことでも、
治すことでもありません。
✍️ 書くという行為を、無理なく楽しむこと。
それだけを大切にしています。
ーーー
✍️ 書く人
👀 読む人
それぞれの距離感で、
物語と向き合えますように🌙
📚 この本棚を、どうぞ自由に使ってください✨

ハッシュタグ
僕を助けたのは妖精でした。
20xx年 大震災が起きた。
木の焼けた匂いがする。周りは家の瓦礫で塞がっており、足は動かない。
微かに聞こえる声。
人の声がする。
それに目を向けると、妖精が居た。
男の声だ。
「大丈夫ですか?」
そして、その妖精は僕に近づき、機械音がする。
「バイタルチェック、脈拍〜」
と聞こえる。
全ての声が妖精の声に聞こえた。
いつ間にか、僕は大病院の病床で寝ていた。
まるであの大震災が嘘かのように。
それから、3年が経ち今でも思い出す。
妖精の姿、声、大震災のことを思い出す。
「大輝さん」
と看護師の明るく高い声がした。
そこには女性が居た。
「点滴の交換しますね。」
そして、僕はある写真を見る。
写真に映った蒼穹満ちる砂浜で海水が混ざる湖の松原湖岸。それは大震災の前のことだった。
それは、鳥人間コンテストの写真であった。
僕はあの時、五体満足でパイロットとして空を飛んだ。
水面が広がる景色に空を飛び、夏の潮の匂いが蒼穹に降り注ぐ日だった。
僕の体は滝のように汗が体全体に染みわたり、蒼穹な空間に蒸発する。
七夕に願った。
鳥人間コンテスト優勝。
という記憶を思い出し、僕は28日、蒼穹と天の海に飛び出した。
ぼくは空を飛んでる。
その飛行時間は2時間半を超えている。
記録は70kmで優勝したのだ。
まさか、そんな飛ぶとは思わなかった。
飛んだ達成感と言ったら、凄かった。
人類最大の記録だった。そんな瞬間を記録した写真だった。
そんな記憶から現実に戻り、僕は体を確かめる。
足は膝までしか無く、左手は上手く動かない。
こんな体で空を飛べるのだろうか?
ぼくは病床で1週間たつ頃には僕の夢が叶わないことを確信した。
その時の空は夏から秋に変わる行合いの空だった。
画像
そして、僕は病床の退屈の時間に写真集を見ている。
ぼくは空を飛ぶ夢は終わった。
まるでそれはイーカロスの神話のようだと思った。
それから、僕は、細々とスマホで病院の庭から見える空を撮っていた。
そんな写真を看護師に自慢した。
心の空白を埋めるように。
空を撮影し続けると、あることに気づく。
空は心を映す鏡だということに。
そして、今日の夜空の月は新月であった。
次の日、朝、病院で写真の展覧会の開催されることになった。
ある写真家の空の写真展であった。
勝人こと、カツの写真展だった。
カツは初めて見た写真集の人だ。
そして、本人にも会うことができた。
僕は緊張し、でもその緊張は不思議と心地よかった。
勝人さんに話しかける。
「勝人さんの写真は空の美しさに感動した。」
「僕も写真集を読んでから、写真を撮ることが趣味になりました。」
勝人は「それは嬉しいことだ。」
「写真集を見てくれてありがとう」
僕は写真家になったきっかけが気になり、質問をした。
勝人はきっかけを話す。
「それはある小説から始まったのだ。」
そうして、勝人はElytronと書かれた小説を僕に見せたのだ。
「だが、この小説だけが導いた結果ではない。」と勝人は言った。
「心理カウンセラー拓也に会ったことが僕は写真家になったきっかけだよ。」
勝人は言った。相棒のドローンを見せ、続けて、こう言ったのだ。
「ドローンで拓也さんと未来を語ったことが僕の写真を撮ることになったきっかけで、大事な思い出なんだ。」
「写真を撮る理由は僕が空を飛んでいること。それを表現したいから 」
「僕たちは空を飛べることを知って欲しい」
と。
僕はその話を聞いて、感動したのだ。
なぜかと言うと、僕はあの日、空を飛べなくなった日を慰めるように思えたからだ。
そして、ある希望を見せてくれたからだ。
見せてくれたドローンにある運命感を感じたのだ。
それは何故だろう。
その時はまだ知らなかった。
その理由に。
そして、時は過ぎ、一週間経つ。
病院で写真展を開いた意味を聞くことになった。
いわゆる講演会が行われるようになった。
それで僕は聞いたんだ。
大震災の思いを。
そして、そのとき、勝人がボランティアとして救急活動していたこと。
僕の中で運命の予感は的中したのだ。
僕はドローンに助けられたと。
妖精はドローンだってことに気づいたのだ。
再会に涙を流した。
あの時の妖精は、勝人さんだったんだ。
僕は心の中で深く感謝をする。
助けてくれたこと、また、再会できたこと。
講演会の終わりにある事を伝える。
僕は勝人にこの想いを勝人に伝える。
「助けてくれてありがとうございます。」
「そして、再会をさせてありがとうございます。」
「当然のことをしただけだよ。」と勝人は言った。
「僕は恩返しがしたいです」と僕は言った。
勝人は「写真を撮り続けることが恩返しになるよ」
と一言を言い、スタッフに呼ばれ、勝人さんは僕の前から立ち去った。
その講演会は終わり、2年の時が立ち、ぼくは退院する。義足で歩き始めた。
貯金ではたいて買った一眼レフでのちに義足の写真家として有名になった。
そして、僕はまた空を飛んだ。イーカロスと違う方法で。
翼を失ったイーカロスはまた、翼を授かり、飛んだのだ。


紫苑/しおん🐈⬛
⑥自分の好きを大切にする街。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
桃太郎は、
おにこを見て言いました。
『俺たちは叩かない。炎上させるほどの価値もない。TLにも載せないし、オフ会も行かないし、金も落とさない。オタクがいなくなった市場は、自然に死ぬ。お前たちは、ここでサ終。』
島から、
人が消え、
金が止まり、
作る者が去りました。
おにこも島を出ていきました。
「歯ラ歯ラさせないで〜???」
街に戻ると、
こどもたちは
こんなふうに聞くようになりました。
「これ?本当に僕の欲しいものかな?」
「私はあれを買いたいから我慢しよ〜っと。」
推し活は残り、
理由のない消費は、
少しずつ消えていきました。
全身ピンクの桃太郎は、
今日も犬山に教わった作法を守り、
自分で稼いだ団子を、
自分の推しに渡しています。
『メイドは尊い...、デュフ…。』
#創作小説 #紫苑 #推し活とゆめかわの島

桃太郞

紫苑/しおん🐈⬛
① 出逢い
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
春の匂いは、春の終わりが近いことを告げている。
柔らかさの中に、どこか乾いた気配が混じっていた。
骨格のはっきりとした体躯に、全身を黒い布で包んだ、長い髪の男。私は、その輪郭から目を離すことができなかった。
『彼は誰ですか?』
助手にそう聞いたのは、確認のためではない。
時間を稼ぐためだった。
「今年、洋画コースに入った王宇英ですよ。昨日も教室にいました。」
助手はいつも通り、こちらの聞いていないことまで教えてくれた。
王宇英(おう・ゆうえい)。
名前を口にした瞬間、胸の奥で、何かが決まってしまった。
人物を描くとき、私は近しい人間しか描いてこなかった
金がなかった頃からの習慣でもあり、他人を借り物のように扱いたくなかったからでもある。だが今回は違った。
夏の暑い日も、冬の冷たい日も、
私は彼を見ていた。
彼は決まって、あの渡り廊下を歩く。
どこから来て、どこへ行くのかは分からない。
だが、通る場所だけは変わらなかった。
教室では、窓際の席に座ることが多い。
彼が立ち去ったあと、同じ場所に立ってみる。
光の当たり方が、ほかと明らかに違う。
そのことが、私を強く惹きつけていた。
#創作小説 #紫苑 #Lineage


紫苑/しおん🐈⬛
④気持ちが繋がる場所。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
おばあさんは、
犬山と、全身ピンクのお客さんに、この話をしました。
すべてを聞いたあと、犬山は言いました。
「推し活を知らないやつがァー、値段を決めてるなッ!」
ピンクのお客さんは、言いました。
『ポは、つまらないと感じるゾ〜これ。』
その時から、
人はピンクのお客さんを
桃太郎と呼ぶようになりました。
桃太郎は言いました。
『団子は推しに使うナリ!流行に使わないナリよ!』
桃太郎は、仲間とともに、
原宿の奥、ゆめかわの島へ向かいました。
#創作小説 #紫苑 #推し活とゆめかわの島


かほ
小学生の頃だったと思う。
交換日記や手紙交換が流行っていた。
しかし私と友達(Aちゃん)は少し違い、何かのきっかけで雑誌や新聞の文字を切り抜いて貼り付けた手紙交換をすることになった。
ドラマなどで犯人が送る脅迫文のようなものである。
当然、ただの手紙交換なので内容はたわいもないことであり、物騒なものではなかった。
しかしその当時、私とAちゃんは歴史的な連続殺人鬼や未解決事件などに興味があるという共通点があった。
小学生の趣味としてはなかなか理解し難いものであるが、犯罪者の心理に何となく興味があったのだ。
そんな流れで手紙交換は始まった。
始めるにあたって、まず苦戦したのが文字の収集である。
手紙の文章に使いたい文字を探さなければならない。が、そう都合よく見つからないのである。
こんなに苦労して脅迫文を作る犯人が果たして実在するのか?
Wordで文書を作り、送る方が効率的ではないか?
ここまで苦労し送るという執念により恐怖心を与える効果があるのか?
などと色々考えたものである。
それから時は経ち、Aちゃんとも疎遠になった。
しかし、小学生の頃のあの脅迫文手紙交換を思い出すきっかけとなる出来事が起きる。
ひかり
【この惑星で楽しみたいこと】
創作は得意ではないのでみなさんの作品を読んで楽しみたいです!
【最近のマイブーム】
あつ森🐷

紫苑/しおん🐈⬛
⑤ 公判
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「以上をもって、薪田被告人の罪状説明といたします。」
法廷は静かだった。
音がないというより、感情の置き場が消えていた。
検察官は資料を閉じる。
そこに書かれているのは、行為だけだ。
罠。
同居。
労働。
窃視。
助けた理由は載っていない。
迷った時間も、躊躇も、恐れも載っていない。
紙の上では、すべてが一直線だった。
「被告人、間違いありませんね?」
検察官が薪田を見下ろす。
「検察官、被告人への直接の問いは控えてください。」
裁判官が制す。
「……では。」
裁判官は薪田に向き直る。
「事実関係に誤りはありませんでしたか。」
「あ、でも……私は……」
言葉が出かけて、止まる。
善意は、証拠にならない。
動機は、ここでは余計なものだった。
次に、鶴子の供述が読み上げられる。
・恐怖を感じた
・拒否の意思を示した
・尊厳を侵害された
それは、確かに彼女の言葉だった。
けれど、彼女の声ではなかった。
鶴子は、胸の奥が冷えるのを感じていた。
怖かった。
それは事実だ。
でも、それだけじゃない。
感謝もあった。
守られた時間もあった。
それらは、どこにも記されていない。
「鶴子さん。」
裁判官が問いかける。
「内容に、間違いはありませんか。」
「……言ったことは、事実です。」
「でも……薪田さんは……」
声が震える。
「それは、どういう意味でしょうか。」
「……。」
頭が真っ白になる。
言葉にしようとした瞬間、
全部、違う形になる気がした。
「分かりますよ、その気持ち。」
検察官が口を挟む。
「ですが、これは感情の問題ではありません。」
「法の問題です。」
検察官は、机に指先をそろえた。
崩れない形だった。
法廷は、納得したように静まった。
正しさが、整ってしまった。
その沈黙を破ったのは、軽い声だった。
「はいはいはい、ちょっと待ってください!!」
場違いなほど軽い。
「今の説明、めちゃくちゃ分かりやすかったです。」
「でも、分かりやす過ぎて、大事なもん、全部落ちてます。」
裁判官が眉をひそめる。
「被告人の感情論は——」
「感情論っすよ!」
即答だった。
「でも、人が生きてるのって、感情論の連続じゃないです?」
傍聴席がざわつく。
「『見ないでください』って言われた側の気持ち。」
「それ、ここでちゃんと扱われてました?」
男性弁護士は薪田を見る。
「助けたかった。」
「休ませたかった。」
「怖がらせたくなかった。」
薪田は必死に首を縦に振る。
「これ、犯罪の動機として最低ですか?」
「それとも、人として最低ですか?」
「結果はアウトです。」
「でも、気持ちまで切り捨てたら、ここは裁判じゃなくて、仕分け作業っす。」
検察官の眉が厳しくなる。
「争点、そこじゃないっす。」
「この事件の核は、覗いたかどうかじゃなくて」
「言葉を守るより、気持ちを解釈してしまったことでしょ。」
次に、女性弁護士が立ち上がる。
動きは静かで、声も低い。
「次は、『見ないでください』という言葉についてです。」
鶴子を見る。
目が合う。
「彼女は、拒絶したかったのではありません。」
「関係を、壊したくなかった。」
書類を一枚、机に置く。
「理由を言えば、踏み込まれる。」
「説明すれば、手伝われる。」
「だから、あの言葉しか残らなかった。」
法廷の空気が、少しだけ張る。
「『見ないでください』は、命令ではありません。」
「脅しでも、試しでもない。」
「関係を続けるための、最後の約束でした。」
鶴子の肩が、わずかに揺れる。
「彼女は、嫌われる可能性を選ばざるを得ませんでした。」
「それでも、一緒にいようとした。」
男性弁護士が続ける。
「で、その約束を前にした側も、必死だったんすよ。」
「どうにかしたくて。」
「放っておけなくて。」
裁判官は、槌に触れず、
視線だけを上げた。
二人の声が、重なる。
「これは、悪意の事件ではありません。」
「理解が、届かなかった事件です。」
「法は、行為を裁けます。」
「でも、分からないまま選んだ行動までは、裁けない。」
法廷は、静まり返った。
#創作小説 #紫苑 #鶴の恩返し


紫苑/しおん🐈⬛
⑦うるさい所は、ちょっと無理~。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺、また異動になった。
平成の会社、
別に嫌いじゃなかった。
人も多いし、
夜も長いし、
話はだいたい途中で終わる。
でも、
あの部長の顔だけは、
ちょっと残った。
いつも笑ってて、
いつも間に入ってて、
いつも最後まで残っとる。
俺は断る。
合わんかったら、
次に行く。
それだけや。
スマホを見る。
次の配属先。
在宅可。
評価は数値。
会議は最小限。
チャットが基本。
「人の顔、あんまり見んで済みそうや。」
スマホをポケットに入れて、
俺はまた、
知らん会社に向かった。
#創作小説 #紫苑 #鳴らぬなら


紫苑/しおん🐈⬛
⑥ こわいのに
※本作は家庭内の困難な描写が含まれます。
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今日は、ママと、
パパと呼ばなきゃいけない人と、お出かけ。
真っ黒の車に乗る。
ドアが閉まる音が大きくて、びくっとする。
ブロロロローン。
車の音が、耳の奥で跳ねる。
叶愛は、ぬいぐるみのさだきちを胸に押しつける。
(さだきち...わたしを、まもって...。)
前の席で、ママが笑っている。
知らない話をしている。
早く、着かないかな。
着いたのは、遊園地。
テレビで見たことのある、大きな公園。
色が多くて、音も多くて、
目が追いつかない。
最初は、少し楽しい。
見たことのない遊具。
高いところ。
でも、すぐ隣に、いつもいる。
パパと呼ばなきゃいけない人が、手を引く。
力が強い。離れない。
『叶愛!楽しいだろー!』
声が大きい。近い。
「とあちゃん、パパが優しくて良かったね🎶」
ママも笑っている。
「とあ、ママといっしょがいい…。」
言えたのは、そこまで。
次も、その次も、
気づくと隣にいる。
もう効かない呪文を、何度も言う。
(だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶ)
『顔色わるいな!ジェットコースター、初めてか?』
『ん!?ホントに大丈夫か?』
顔が近づく。
大きな手が、ほっぺたに触れる。
熱い。
知らない。
ママにしか触られたことのないところ。
少し離れた場所で、
カシャ、という音がする。
ママは、スマホを向けている。
仲良しの、三人みたいに。
叶愛は、声を出さない。
出したら、壊れそうな気がした。
#創作小説 #紫苑 #だいじょうぶ


紫苑/しおん🐈⬛
②邂逅
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「あなたも、そんな質問をするのですね。」
彼は静かにこう言った。
私が彼を見つけてから、月日は流れ、三度目の春が来ていた。画家が本業で、美大では非常勤として教壇に立っている。学生たちにデッサンを教え、制作を見守る日々の中で、私が知り得た彼の情報は、驚くほど少なかった。
中国とドイツにルーツを持つこと。
それだけだった。
私は、衝動で人物を描かない。モデルが、こちらの前に「立ち上がってくる」まで待つ。待つというより、見続ける。描くに値するかどうかを判断するというより、描いてしまう側の準備が整うのを待つ。
その日、彼は足早に教室を出ようとしていた。
私は、声をかけるべきかどうかを一瞬迷い、
それでも、呼び止めていた。
『王くん、少し時間はあるかな。』
「はい。渋谷先生、ですよね。」
こちらが名乗る前に、役割を当てられた。
『今度の公募展の作品で、王くんを起用したいと思っている。』
「どんな作品を描けばいいですか。」
『いや、描くのは私だ。王くんを描く。』
彼は、一瞬だけ黙った。
「……。そんな気がしていました。」
思っていたよりも、あっさりとした返答だった。彼は、すでに私の視線に気づいていたのだろう。見る側と見られる側の関係は、ずっと前から始まっていた。
私は、会話の入口として、最も安易な問いを選んでしまった。
『王くんは、中国から来たの? それともドイツ?』
「あなたも、そんな質問をするのですね。」
彼は静かにこう言った。
#創作小説 #紫苑 #Lineage

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声遊びの星
491人が搭乗中
参加
みんなで楽しく声遊びが出来たらいいな〜っていう星です。楽しんでいってくださいましっ!
※注意※
・アカウントの消えている方は定期的に整理させていただいております。ご了承ください。
・明らかに出会い目的と見受けられる行動をした方に関しても無言で追放する場合がございます。
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参加
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3382人が搭乗中
参加
皆様の日常に当たり前のようにある文房具。
そんな文房具で日々に彩りを与えてみませんか?
この星ではそんな文房具の素敵な部分を発信していけたら嬉しいです!!可愛かったり綺麗だったり、素敵だったり、オシャレだったり!!皆さまが見たこともない文房具もたくさん投稿していけたらと思います!!
そして文房具好きの皆さまが自分の推し文房具を布教できる場所になったら嬉しいです!!
文房具好きの皆さま、またあまり文房具に興味がなかった方!!
ぜひこれを機会に文房具の世界に足を踏み入れてみませんか?
申請していただければどなたでも星の住民になれます✨✨✨
どうぞよろしくお願いします!!
特撮の星
2568人が搭乗中
参加
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