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江口江一くんは、母を亡くした後、妹と弟を親戚に預け、自身は祖母と二人で暮らしながら家計を支える立場になる。借金を返し、お金をため、田んぼを買い、他人に頼らず不自由のない暮らしを送ることを思い描く。しかし、一年の生活費を計算してみると、貯金をして安定した生活を実現することは到底不可能だと分かる。貧乏から抜け出すことはできないのではないかという不安を抱えるようになる。
そんな江一くんのもとに先生が訪ねてきて、明日の仕事の計画を立てて学校に来るよう促す。生活を支えるため、学校に通うことがほとんどできないほど厳しい計画を見たクラスメイトたちは、「何とかならないのか」と考え、皆で江一くんを助けようと動き出す。最終的に江一くんは、先生やクラスメイト、地域の人々に支えられ、学校に通えるようになる。そして将来を夢見られるようになり、同じように困難な状況に置かれている敏雄くんを、今度は自分たちが支えたいと考えるまでになる。
前半では、亡くなった母の代わりに長男として責任を背負う江一くんの姿を見て、自分にはとてもできないことだと感じ、尊敬の念を抱くと同時に、胸が締めつけられる思いがした。とうてい実現できないと思われたことが、皆の力によって可能になった場面では、世界が大きく広がったように感じた。私はプライドが高い性格なので、一人ではできないことがあるという事実を、きちんと自覚したいと思った。
江一くんは生活を支える立場に置かれ、貧乏から抜け出し、暮らしをよりよくするという明確な目標を持っている。一方で私は、何不自由のない暮らしをしているため、明確な目標を持てずにいる。江一くんが敏雄くんを助けたいと願ったように、私も誰かの幸せの力になれる存在でありたいという思いはある。しかし、何不自由ない環境が当たり前にある私たちは、戦前を生きた人々よりも、「幸せとは何か」が分からなくなっているのではないかと感じる。これは、現代を生きる私の贅沢な悩みなのかもしれない。
最終的に学校に通えるようになった江一くんは、まだ貧困から抜け出したわけではない。それでも、将来を夢見ることができ、幸せそうに見える。自分の困難を共有できる人との関係があり、未来に希望を持てることこそが、今も昔も「幸せとは何か」を考えるうえで大切なのではないだろうか。軽率な発言だと自覚しているが、アイデンティティを形作り、何のために生きるのか探している段階にある私から見ると、明確な目標を持ち、まっすぐに進む江一くんの姿を、少しうらやましく感じてしまう。


TRGNスタンピード
(Instrumental 8〜12小節)
[Verse 1]
夜明け前の静かな部屋で
昨日の自分を思い返す
強がる癖も 逃げた言葉も
まだ胸の奥に残ってる
正解ばかり探して
間違いを怖がって
立ち止まるたびに
心だけが先を行く
[Pre-Chorus]
信じることに理由はいらない
そう言い聞かせてきたけど
君の前じゃ うまく笑えない
そんな日もあるんだ
[Chorus]
君を笑顔にする幸せ
それだけで 今日を生きていける
不器用なこの心でも
そばにいられたら それでいい
君を想うほど弱くなって
弱さが強さに変わっていく
名前を呼ぶ それだけで
世界が少し 優しくなる
[Interlude]
(Guitar riff + band)
[Verse 2]
雨上がりのアスファルト
滲んだ空を見上げてた
期待しすぎて 傷つくことも
もう慣れたふりをして
誰かと比べるたび
自分を見失って
それでも君の声が
僕を現実に戻す
[Pre-Chorus 2]
守れない約束より
今ここにいる温度を
嘘のない言葉で
抱きしめたかった
[Chorus 2]
君を笑顔にする幸せ
それが夢だと気づいた日
何も持たないこの手でも
確かな想いが 残ってる
遠回りばかりの毎日で
それでも辿り着いた場所
振り向けば いつだって
君がそこに 立っていた
[Bridge / Cメロ]
もしも明日が怖くなって
すべてを投げ出しそうでも
君の涙の理由くらい
最後まで 知っていたい
言葉にならない願いを
音にして 叫ぶから
消えそうな光でも
信じ続けていたい
[Final Chorus]
君を笑顔にする幸せ
それが僕の生きる意味
何度迷って 立ち止まっても
君へ続く 道を選ぶ
君と描いたこの未来が
完璧じゃなくてもいい
今日という一瞬を
確かに 生きていたい
[Outro]
君を笑顔にする幸せ
そのために 僕は歌う
答えのない世界でも
この想いだけは 消えない

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