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カゲナ
#エリオス物語
第2話エリオス ― 森で目覚める、ふたりのエルフ
後編
エルフの里は、森の奥に溶け込むように存在していた。
木々と建物の境目が分からないほど、自然と調和している。
「すご……」
「声、大きい」
「ご、ごめん」
フィローネがくすっと笑う。
「でも、初めてならそうなるよ」
里の入口で、年長のエルフが彼らを迎えた。
「……人間?」
向けられる視線は、決して温かくはない。
リセリアが一歩前に出る。
「森で拾いました。保護です」
「拾ったって……」
「私の責任」
短く、しかし強い言葉だった。
しばしの沈黙の後、年長者は頷く。
「……一晩だけだ」
⸻
その夜。
エリオスは、知らない天井を見つめていた。
(……帰れないな、今日は)
ふと、胸の奥がまた、じん、と鳴る。
昼間と同じ感覚。
だが今度は――近い。
(……誰かに、見られてる?)
翌朝。
エリオスは里の広場に呼び出された。
集まっていたのは、エルフの長老と数名の大人たち。
「人間の少年」
静かな声が響く。
「君を、このまま帰すわけにはいかない」
「……え?」
「森が、君に反応している」
ざわ、と空気が揺れた。
「森に“選ばれる”人間は稀だ」
リセリアが、ぎゅっと拳を握る。
「……だから?」
「確かめる必要がある」
長老は言った。
「森に選ばれた存在を、里に置くことはできない」
「学園なら――監視も、保護も可能だ」
エリオスは、何も言えなかった。
学園。
監視。
保護。
けれど――
脳裏に浮かんだのは、
白い雷をまとった背中だった。
朝、名前を呼ばれて目を覚まし、
少し焦げたパンを食べて、
「修行だ」と言われて文句を言って。
それでも最後には、
同じ屋根の下に帰る日常。
(……ライゼン)
森に入るなと、確かに言われていた。
叱られることも、きっとある。
それでも――
帰る場所があることだけは、分かっていた。
「……俺」
エリオスは、震える息を吐く。
「帰りたい」
ざわ、と空気が揺れた。
「ただ、それだけなんだ」
一歩、後ろに下がる。
「……帰ります」
その声は小さかったが、広場の空気が一瞬で張りつめた。
「待ちなさい」
リセリアが、即座に前に出る。
「今の話、聞いてたでしょ」
「……聞いた。でも」
エリオスは拳を握る。
「俺、ここにいる理由がない」
その瞬間――
森が、ざわりと揺れた。
「……やっぱり」
リセリアの瞳が鋭くなる。
「森が、反応してる」
フィローネが、困ったように一歩踏み出す。
「エリオス、落ち着いて。出ようとすると――」
「帰りたいだけだ!」
叫んだ瞬間、
足元の空気が、歪んだ。
木々がきしみ、
地面に淡い光が走る。
「……っ」
リセリアが歯を食いしばる。
「フィローネ、下がって!」
「え……?」
「このまま行かせたら、森が壊れる!」
リセリアは、迷わず構えた。
「止める。力ずくでも」
フィローネも、遅れて構える。
「……ごめん。
でも、行かせられない」
その瞬間。
エリオスは初めて――
自分が“敵として見られている”ことを理解した。
「止める。力ずくでも」
リセリアの声が落ちた瞬間、
風が弾けた。
視界が一気に揺れる。
「っ……!」
エリオスは反射的に身を低くした。
頭上を、鋭い風の刃がかすめていく。
(……速い)
考えるより先に、体が動いていた。
地面を蹴り、転がるように距離を取る。
その拍子に、足元の小石を踏み砕いた。
――否。
砕いた、はずだった石が、
次の瞬間、妙な形で弾けた。
破片が鋭く、均等に広がる。
「……っ」
リセリアが目を細める。
「今の、何?」
答えはない。
エリオス自身にも、分からなかった。
「エリオス、やめて!」
フィローネの声と同時に、
冷たい水が地面を這う。
水は足元を濡らし、
そのまま渦を巻くように立ち上がった。
だが――
エリオスは跳んだ。
水の流れを踏み台にするように、
自然な動きで、前に出る。
「え……?」
フィローネが息を呑む。
踏めるはずのないものを、
踏めている。
(……考えるな)
殴るためでも、倒すためでもない。
ただ――
前に行きたい。
その一心だけで、拳を振るう。
だが、その拳は届かない。
「……甘い」
リセリアが低く言った。
炎が、風に乗る。
熱を帯びた気流が、
エリオスの進路を塞いだ。
「っ……!」
熱に押し返され、後退する。
――ここまで。
二人とも、
明らかに抑えている。
それが、エリオスにも分かった。
(……止める気だ)
なら――
エリオスは、近くの倒木を蹴った。
重いはずのそれが、
不自然なほど軽く跳ね上がる。
「……なに、それ」
フィローネの声が揺れた。
倒木は、空中で砕け、
細い棒のような形に“揃って”散る。
狙っていない。
作ろうともしていない。
ただ、そうなった。
「リセリア……」
「……分かってる」
リセリアの目が変わった。
風が鋭さを増し、
炎が温度を上げる。
「ここからは、本気で止める」
フィローネも、息を整える。
水が霧に変わり、
風と混ざって視界を奪う。
――圧が変わった。
(……っ)
エリオスは、初めて“追い詰められる”感覚を覚えた。
四方から迫る、
熱と流れと圧力。
逃げ場が、ない。
それでも。
体が、勝手に動く。
足元の地面を踏みしめた瞬間、
感触が変わった。
柔らかい。
けれど、沈まない。
地面が、地面でなくなっている。
「……!」
リセリアが、一歩引いた。
「これ……森が……」
否。
森ではない。
エリオスの周囲だけ、
“都合のいい状態”に歪んでいる。
本人は、気づいていない。
ただ、必死に立っているだけだ。
「……止めなきゃ」
フィローネの声が震える。
「これ以上やったら……」
言葉の続きを、
誰も口にしなかった。
風も、水も、炎も――
触れられない場所が、そこにある。
エリオスは、息を切らしながら呟いた。
「……俺、帰りたいだけなのに」
その瞬間。
胸の奥で、
何かが確かに外れた。
森が、軋む。
空気が、沈黙する。
「……っ」
二人のエルフは、同時に理解した。
これは――
止めていいものじゃない。
だが、放っておけるものでもない。
「……下がって、フィローネ」
リセリアの声は低く、張りつめていた。
「え……?」
「いいから。距離を取れ」
それは命令ではなく、
警告だった。
フィローネは一瞬迷い、それから小さく頷く。
風に身を預け、後方へ退いた。
エリオスは、そのやり取りすら見えていなかった。
ただ、息が苦しい。
胸の奥が、熱いのか冷たいのかも分からない。
心臓の鼓動が、やけに大きく聞こえる。
(……なんで)
自分が、ここに立っているのか。
どうして、戦っているのか。
分からない。
分からないまま、
世界のほうが変わっていく。
地面が、きしりと鳴った。
木々がざわめき、
枝葉が、同じ方向に揺れる。
森が――
一つの生き物のように、息を詰めていた。
「……長老!」
誰かの声が、遠くで響いた。
結界が、淡く光る。
里を守るための防壁が、即席で張られる。
リセリアは、その光を横目で見た。
(……遅い)
いや。
遅すぎる。
今この場にあるものは、
結界で囲める“脅威”じゃない。
エリオスが、ふらりと一歩、前に出た。
その瞬間、
空気が軋んだ。
音ではない。
衝撃でもない。
ただ――
世界が、耐えきれずに悲鳴を上げた。
「……っ」
フィローネが、思わず口元を押さえる。
「リセリア……これ……」
「……分かってる」
リセリアは、歯を食いしばった。
剣を握る手が、微かに震えている。
これ以上、力をぶつければ――
何が壊れるか分からない。
エリオスは、立ち尽くしたまま、呟いた。
「……帰りたい」
その声は、
あまりにも小さく、弱かった。
「ライゼンのところに……」
名前を口にした瞬間、
胸の奥が、また強く鳴った。
それは、呼応だった。
遠く。
森の外縁。
雷が、一閃する。
――だが、まだ届かない。
「……っ」
リセリアは、ゆっくりと剣を下ろした。
敗北ではない。
降伏でもない。
判断だった。
「……今日は、ここまでだ」
誰に向けた言葉か、自分でも分からないまま。
その瞬間、
森のざわめきが、ほんの少しだけ収まった。
エリオスは、力が抜けたように膝をつく。
「……?」
何が起きたのか、理解できない。
ただ、
終わったという感覚だけがあった。
だが――
それは解決ではない。
ただの、先送りだ。
フィローネは、震える声で呟いた。
「……ねえ」
誰にも聞こえないほど、小さく。
「このままじゃ……この人……」
言葉は、続かなかった。
続けてしまえば、
取り返しがつかないと分かっていたから。
その夜。
エルフの里は、
いつもよりずっと静かだった。
誰もが知っていた。
今日、森に入ったのは――
ただの迷子ではなかったと。
そして、
少年自身だけが、まだ知らない。
この日が、
“戻れない始まり”になったことを。




しゃけ(記憶に難アリ
今までで1番ソース状にできた!
今日が金曜日だってことを
昨日の夜わかってて寝たのに
朝起きたら忘れてて
今思い出した!!!!!!!

へーデルトヨーデル
回答数 40>>

みーちゃん
トシス
与えられたものは平等でも、取り巻く環境によっては強制的に奪われる時間があるわけで。
だから、本質的には平等ではないんだろうなと思う。

吉田賢太郎
1. ぼくには「落ち込む」という機能がない
みんなは不思議に思うかもしれないけれど
ぼくの心には、自分を責めたり、誰かと比べて落ち込むスイッチがついていない。
自分自身のことで悩む時間は、もうとっくに卒業したんだ。
その代わりに、ぼくの頭の中は**「世界へのなぜ?」**で埋め尽くされている。
2. 世界は「解かなくていいナゾ」で苦しんでいる
スマホを開けば、誰かの悪口、将来の不安、ため息ばかり。
まるで、わざわざ自分を傷つけるトゲを拾い集めているみたいだ。
ぼくには、それが不思議でたまらない。
「なぜ、そんなに苦しい方を選んで歩くんだろう?」
「なぜ、自由になれるはずの場所で、わざわざ鎖を巻くんだろう?」
3. 「マウンティング」という名の小さな檻(おり)
賢そうに見せびらかしたり、弱さを武器にして誰かを下げたり。
そんな「マウンティング」に夢中な人がたくさんいるけれど、
広い宇宙や、命の不思議という大きなパズルに比べたら
「どっちが上か下か」なんて、砂場の砂粒を数えるより意味がないこと。
ぼくは、その砂場から顔を上げて、空の広さを見つめていたい。
4. 答えではなく「問い」を生きる
ネガティブになる理由がわからない。それは、ぼくが冷たいからじゃない。
**「この世界は、もっと面白くて美しいはずだ」**と信じているからだ。
「なぜ?」と問い続けることは、暗闇に光を当てる作業。
答えが見つからなくてもいい。
ただ、下を向いて立ち止まるより、顔を上げて不思議がるほうが
ずっと、生きている感じがすると思わない?
本質的なまとめ
「自分」という小さな殻の中に閉じこもって悩むのをやめて、「世界」という巨大な未知に目を向けてごらん。
ネガティブな感情のほとんどは、誰かとの比較や、勝手な思い込みから生まれる「幻」のようなもの。その幻にエネルギーを使うのはもったいない。
君の「なぜ?」という好奇心は、世界を壊すための武器じゃなく、世界を理解するための光なんだ。

けん
回答数 160>>

🍳ゆう(♂)
今日は『海苔の日』
大宝元年1月1日に制定された日本最初の法律
とされる大宝律令において 海苔は年貢として
納める海産物のひとつに指定されていた
ことにちなんで 全国海苔貝類漁業協同組合連合会が 新暦換算した(701年)2月6日に記念日を
制定しています
例年2月のはじめくらいからは海苔の生産量が
全国で最盛期を迎えることにも由来しています
天然海苔は天産物(天然産出物)でもあり 同じ
生産地で採れる海苔でもその年の水温や雨量といった天候状態によって出来は全く異なることから一品物として親しまれています
特に焼き海苔にはミネラル分やカルシウム分の栄養価が高いことから 健康を維持していくためにも大切な食べ物のひとつとして重用されています
#おはようGRAVIT #おはようございます
#ひとりごとのようなもの #GRAVITY日記
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吉田賢太郎
【自己紹介】
解離性同一障害(DID)の当事者、通称「人格解離者」として日々を生きています。
私たちのシステム内には、特に強力な能力を持つ二人の部分(アルター)がいます。
** gifted genius 姉(🐇❤️)**
** gifted genius 弟(🐉🔪)**
彼らが時に表に出て生活を回したり、内に秘めた特別な才能を発揮したりしています。私たちについて、どうぞよろしく
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しゃけ(記憶に難アリ
洋楽やアニソンを歌ってます。
海外ドラマ、アニメ、ゲームについても投稿します。
食べ物投稿とペット投稿にいいねしがちです。無言フォローとか外すのとか全く気にしません。
気ままにまったりやりたいので、オフカラ、リモカラ、イベント、コラボなどのお誘いはありがたいですが基本的にあまりお受けしてません。
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トシス
生まれ変わるならミジンコ希望。 ただ、虚空に呟いてるだけ。
特定の繋がりは求めていません。
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1068

🍳ゆう(♂)
まったりと。 しかし楽しむ。
投稿を見てもらって こんなキャラが平気そうなら
是非お相手を🎵
素敵な写真や 面白い投稿には通りすがりにイイネ&コメント
してしまいますがご勘弁を(_ _)
🍀お悩み相談所🍀ルームやってます♪
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チロ
よろしくお願いします。
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