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黙れ小僧! お前に3が救えるか!?
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小学3年バスケット小僧
普段の教室でおだってるから親子との自主練でバレちゃうんですよ笑
はんはんはん言いながら走るの面白いからずっとそれで走ってね笑
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遅くなりましたが参加させていただきます!











十二月八日、「事八日」。

人間界では正月の準備を前に道具を休ませるこの日、天界の別邸では八百万の神々が集う忘年会が最高潮を迎えていた。
「自分のような者が、本当にここにいて良いのだろうか……」
​新米の付喪神である私は、柱の陰でビクビクと怯えながら、きらびやかな宴の会場に足を踏み入れた。
かつて老舗旅館で数万人の名を記してきた宿帳用の「筆」だった私。
役目を終えて神の端くれとなったばかりの私を知る高名な神など、この場にはほとんどいないだろう。
周囲を見渡せば、人間達は生きている間に一度はその名を聞いたことのある神から、この国を支える高名な神々が、御神酒を煽り、お事汁を啜っている。

​しかし、その光景は厳かな想像とは少し違っていた。

「嘘だ! 儂の運勢が『凶』!? 正月の初詣客に『山崩れに注意』なんて予言、出せるわけなかろう!」
山神が地響きを立てて絶望し、その場に崩れ落ちて絶叫した。
芸能の女神は「中吉」の結果に
「私が『中』!? 私の舞は常に『特大吉』よ!」
とショックのあまり後光がピカピカと点滅させた。会場が人間界でいつぞやに流行ったディスコのように明滅し、他の神々から「眩しい!」「目が痛い!」と苦情が飛んでいる。
今日の忘年会​のメインイベントは、大神様が授ける特製おみくじ。
正月という最大の繁忙期を前に、神々はその「予言」に文字通り命を懸けていた。
「ヒッ、ヒヒヒ……! 見ろよ、俺様は『大吉』だ!」
突然、宴会場の隅から不吉な笑い声が上がった。ボロ布を纏った貧乏神様が、黄金色に輝くおみくじを掲げて踊り狂っている。
「【金運:空前絶後の大恐慌。財布の紐が腐り落ちる】……。最高だ! 正月早々、景気良くみんなの懐を空っぽにしてやるぜ!」
「……ふふ、私も『大吉』です。正月休みをまるごと寝正月に変えてあげましょう」
疫病神様も、毒々しいオーラを放ちながら恍惚とおみくじを頬ずりした。
​その瞬間、会場の空気が一変した。
「ええい、不吉な! 寄るな、近寄るな!」
「塩だ! 盛り塩を持ってこい! 樽ごとぶっかけろ!」
​商売繁盛の神や厄除けの神たちが、お清め用の塩をドバドバと二柱に浴びせ始める。会場はたちまち、吹雪が舞ったように真っ白な塩の海となった。
「あだだだだ! 熱い、塩が染みる! おい、やめろ! 俺は今『大吉』なんだぞ! 最も運が強い俺を敬えよ!」
「無礼ですよ! 大吉を引いた神に対してこの仕打ちは……ゴホッ、ゴホッ! 塩が喉に……!」
​塩まみれで喚き散らす二柱と、必死で塩を投げ続ける神々。その大乱闘を、上座に座る大神様だけが「かっかっか、賑やかなことだ」と楽しそうに眺めている。​私は、飛んできた塩の粒を避けながら、あまりのカオスな現状に呆然としてしまった。
乱闘が落ち着いた頃、今度は縁結びを司る大国主命様が悲鳴を上げた。
「【凶】……? 『縁:結び目が固結びになり、二度と解けぬ。あるいは絡まって千切れる』。……な、何ということを! 正月の境内は、新しい恋に胸を膨らませた若者たちで溢れかえるのだぞ!
もし私がうっかり結び方を間違えて、あべこべな縁を固結びにしてみろ……人間界は大パニックだ。あっちで痴話喧嘩、こっちで修羅場。縁結びの社が、縁切りの修羅場と化してしまう!
大神様、お願いです、せめて『普通』に……せめて『縦結び』くらいで勘弁してください!」
​どうやらおみくじは凶だったようであまりのショックに、手に持っていた「良縁の糸」が絡まって巨大な毛玉のようになり、自分自身が糸に巻かれて身動きが取れなくなっている。
​するとその隣では恵比寿様が「ひぃいっ!」と声を裏返し悲鳴を上げた。
「【大凶】……『金運:底が抜ける。福笹を振るたびに小銭がこぼれ落ちる』。……はは、ははは。笑う門には福来ると言うが、これは笑えん、笑えんぞ!
福袋を買いに来るお母さんも、初売りを狙うサラリーマンも、みんな私のこの笹を頼りにしているんだ。それなのに、私が笹を振るたびに景気が悪くなって、おまけに自分の懐から小銭までこぼすなんて……。
これじゃあ『商売繁盛の神』じゃなくて『散財の神』じゃないか! 大神様、今年の私は、門松の陰でずっと隠れていろということですか!」
ショックのあまり、抱えていた鯛が「こんな不吉な神様とはやってられねえ!」と言わんばかりに暴れ出し、恵比寿様の顔を尾びれでパシパシと叩きながら生け簀へ帰ろうとしている。
パッと見ると、神様達は皆、与えられた運勢に一喜一憂している。けれど、その根底には人間への深い愛があるのだ。愛しているからこそ、自分が授ける運勢にこれほどまでに怯え、責任を感じ、そして……。
「……さて。塩も尽きたようだし、締めの一枚といこうか」
​大神様の柔らかな声が響くと、嘘のように喧騒が止んだ。塩まみれの貧乏神も、肩で息をする恵比寿様も、全員の視線が一柱の新米へと注がれる。
「筆の小僧よ。お前はこれまで、多くの言葉を記してきた。……今夜の最後、お前自身の『これから』を、その目で見届けるが良い」
​私は、震える手で最後の一枚を受け取った。
神々をあれほど翻弄した、小さな白い紙。指先に触れるその感触は、かつて仕えてきたどの高級な和紙よりも重く感じられた。
​静まり返った会場。窓の外には、正月を控えた下界の街灯りが優しく揺れている。
私は覚悟を決め、筆先を整えるように指先に力を込めた。
​パサリ、と乾いた音がして、白い紙が左右に開かれる。
その中央に刻まれた、一筋の墨の色が目に飛び込んできた。
​私は――。
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