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臼井優
――つまり予備校でばっちり対策している子と学校の勉強だけしている子では、格差が開いてきているのではないでしょうか?
【越田】たしかに、共通テストになってからより専門的な対策が必要になっているとは思います。それができる、できないという格差のみを考えると、センター試験の方が良かったという意見も理解できます。
【横田】ただ、高校によっては授業で共通テストの過去問を解かせるなどの対策もしていると思います。教員の方の負担軽減などのために、外部委託で予備校講師の授業を実施している学校も少なくないと思うので、何かしらそうしたものを活用して、学校でも共通テスト対策ができればそれにこしたことはないとは思いますね。
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横田 和彦(よこた・かずひこ)
代々木ゼミナール・(授業運営管理本部)教材研究センター本部長
専門教科は公民。大学入学共通テストや各大学の個別入試問題の分析等を通して、大学受験生にとってより学習効果の高いコンテンツのご提供を目標に各種教材の作成に取り組んでいる。
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越田 大二郎(こしだ・だいじろう)
代々木ゼミナール・(授業運営管理本部)教材研究センター副部長兼地歴公民研究室室長
世界史を中心に、地歴公民の模試やテキスト、大学入試の解答速報等に従事している。近年はとりわけ東京大学の世界史の入試問題分析に取り組んでいる。

臼井優
――予備校としてはどのように指導方法を変更されましたか?
【横田】高校の探究学習ではよく「グループになって話し合ってみましょう」という学習方法を実践していますが、予備校ではそういったグループワークはできません。ですので、共通テストの過去問や試作として公表されている問題を教材スタッフで分析し、それに効率よく対策できるようなテキストや模擬試験などの各種コンテンツを作成し、受験生に提供させていただいております。
――親からすると、子どもが共通テスト模試を受けてみたら成績が40点や50点、またはそれ以下なのでビックリして心配になるということも起きているようです。
【横田】模試ではむしろ得点を気にせず、出題形式に慣れて、その後の復習に比重を置いた方がいいと思いますので、模試で50点だったから志望校がどうこうというよりは、「本番に向けて逆算してこういうことをやっていく必要がある」と考えるきっかけ作りに使っていただくのがよいかなと思います。
センターの感覚でいると間に合わない
――対策はいつ頃から始めるのがいいのでしょうか? 例えば、高3の夏に部活が終わって「さぁ受験だ」と共テ対策を始めたりすると、とても間に合わないという感じがします。
【横田】そうですね。できれば高1の段階で、どんな問題なのかは把握しておいたほうがいい。つまり、共テではわりと解答の上でのスピードが求められている、ある程度の読解力が必要だという現実を知った方がいいですね。
実際の過去問にはそこまで早期から取りかかる必要はありませんが、共通テスト型の模試は遅くとも本番の1年前、つまり3年生になるまでには経験しておいたほうがよいでしょう。その段階でまだ目標点を取る必要はないですが、私たちの模擬試験においては「こういう出題形式で、こういった読解ができるようになる必要があるんだ」という意識を持ってもらう上で出題しています。
なお、代ゼミでは今年も、受験生と同じ「大学入学共通テスト」本試験の問題にチャレンジし、今の実力でどれくらい得点できるのか、受験本番までにあとどれだけ実力をつければよいのか、これまでの学習成果を確認し、新たな課題を発見するための機会として、「共通テストチャレンジ」というイベントを実施いたしました。

臼井優
――ITの能力を問う「情報」は導入されて2年目でしたが……。
【横田】情報も、昨年の平均点が高めだったので今年は下がると私たちも予想はしておりました。平均点が最終的に56点台ぐらいに収まると思うので、平均点としては理想的で、むしろこれが標準とも言える。昨年は初年度ということもあり、大学入試センターとしても手探りの中で易しめの出題となった側面もあると思われますが、その平均点69点から10点強下がったことを受けて、難しいと言われている意味合いが強いと思いますね。
――センター試験を受けた親世代からすると、得意科目なら90点、100点も、わりとあり得たので、共通テスト世代の子どもとはギャップがあるような気がします。
【横田】先ほどお話ししたように、平均点はそれほど落ちていないのですが、センター試験の時代は、センター試験対策の勉強がそのまま私立大学や国公立大の2次試験とつながっている部分が多くあったと言えると思います。しかし、今は「共テは共テ対策」「2次は2次」とほとんど別物の対策が必要になるので、受験生の負担は増えています。そういった意味で、センター試験に比べれば、なかなか満点が取りづらくなっているのかもしれません。

臼井優
――今回で共通テストは6回目ですが、これからの日本のインテリジェンス向上につながっていくのでしょうか?
【横田】つながっていってほしいですし、具体的に成果となって表れてくるのはこれから先だと思います。大学に進んだ後、ゼミなどでもそういう思考力は生きてくる部分もあると思いますので、期待したいところですね。
――今年、難しかったと言われたのが「数学I,数学A」(中間集計その2の平均点100点中47.26点)、「情報」(同・平均点56.66点)でした。
【横田】「数学I,数学A」がすごく難しかったという受験生の感想は散見されますが、過去にも、たとえば2022年度の「数学I,数学A」では37.96点という衝撃的な低い得点になったこともありました。その年に比べれば、言われるほど難しいというレベルではないかと。いくら「数学I,数学A」が難しいと言われても、難関国立大学の2次試験の問題と並ぶような難しさではありません。

臼井優
――つまり、受験生はこういったフィクションを交えたような問題が出ても耐えて、冷静さを保つ必要があるわけですね。
【横田】いや「受験生を耐えさせている」と思われたら、大学入試センターとしては心外だと思いますよ。
【越田】ちょっと脅かすように言うとしたら、「共テでは、どんな問題が出てくるかわからないので心しておいて」ということ。ただ、一見、突飛な設定でも、最終的に“変”な問題は出ないという前提で解いてもらった方がいいです。
【横田】共通テストに関して言えば、変な問題だと感じたら、おそらく読み方が間違っているので、「問題をちゃんと読もうね」とアドバイスしたいですね。
――こういった問題になったことで、実際に高校生・大学生の学力向上にはつながっているのでしょうか?
【横田】センター試験にはセンター試験の良さがありました。しかし、これからの社会を見据えたとき、単純に答えが一つ、パッと出てくるような問題よりは、共通テストのように、さまざまな情報をもとに答えを導き出していくという思考プロセスの方が、AIに代替されないような人材になっていく上で必要なものではないでしょうか。
【越田】そうですね。もう丸暗記だけができる人材は要らないというメッセージは感じます。そのために、例えば世界史なら「世界史半分、国語の読解が半分」というテストになってしまってはいますが……。
【横田 】高校の定期考査などで共通テスト型の問題を採り入れるようになった学校もあるので、普段からそういう思考で授業に取り組んでいる生徒さんが増えているのではないかなとは思います。

臼井優
――また、理科の選択科目「地学」でタイムマシンが出てきて、現代の研究者が1000年前の平安時代へタイムトリップし、陰陽寮の天文博士と語らって「自分は未来人なんです」と告白するといった問題もありました。
【横田】そういったユニークな設定にして、できるだけ受験生に興味を持ってもらえるような形の工夫がされていると思います。地学の担当者も「この問題自体はとても良問」という分析でした。「タイムマシン」という仮想的な要素を盛り込むことで、過去の追試験でも出題された「時間・空間スケール」というテーマに新たに「現在の地球との比較」という観点を加えた問題です。こうしたサイエンスフィクションに慣れ親しんでいない受験生に読解しにくかったとしても、問題設定による得点(平均点)への影響はごく小さいと考えています。
タイムマシンが出たことは、かなり話題になりましたね。それによって、地学の問題をちょっと見てみようかな、といった人が増えると思うんです。そして、たとえば高校1・2年生が「地学が面白そうだから選択してみよう」と思ってくれれば、将来的に徐々に科目の裾野が広がっていく効果もあるのではないかと思います。

臼井優
――設問の形式も変わりましたが、単純に問題の量が増えてはいませんか?
【越田】マークシートを塗る解答欄の数はそれほど増えてないんですよ。ただ、1問を解くに当たって読まなくてはいけない文字量が圧倒的に増えました。
【横田】センター試験の時は、地歴公民など、リード文は読み飛ばしてもいい場合もあったのですが、共通テストだと読み飛ばすことができない作りになっていて、そういったところでも時間が取られてしまいますね。
漫画を読まなくても解けた世界史
――「歴史総合,世界史探究」で少女漫画の名作『ベルサイユのばら』(通称ベルばら、池田理代子作)を題材にした問題が出て、世間的にも話題になりました。1972〜73年発表の作品なので、2007〜08年生まれが多い今年の受験生は、読んだことがある人は少なかったようです。
【越田】実は、これは漫画を読まなくても解ける問題なんです。「なんだ、これは?」とビビったら負けですね。これは歴史上のフランス革命についての出題であり、漫画の設定としてオスカルが実は女性で、男装し軍人として生きているということは、解答に影響しない。そこで混乱してしまった人は、上手い具合に共通テストのトラップに引っかかっているとも言えます。漫画が出てきた場合でも、作中のフィクション部分の設定や物語は解答に影響しない。共通テストがそういう出題をするわけがないですから、そこは信用していいと思います。なので、解答に関係しそうな部分だけを拾い読む。今回の漫画で言えば「バスティーユ」という語が一応解答のヒントになっています。そういった出題のパターンをつかむことが重要ですね。

臼井優
1/31(土) 9:15 Yahooニュース
全体でみると2025年より平均点が下がり、今年は難化したといわれる大学入学共通テスト(共テ)。代々木ゼミナール教材研究センター本部長の横田和彦さんは「受験生は早い段階でどのような問題がどのくらいの分量で出題されているのかを把握しておいたほうがいい」という――。
【画像をみる】漫画『ベルサイユのばら』が題材として登場した大学入学共通テストの歴史科目
■センター試験より難易度はアップ
――2021年にセンター試験から大学入学共通テストに変わって6年目、出題傾向はどのように変わりましたか?
【横田和彦、以下、横田】センター試験時代は単純な知識が問われ、教科書を勉強してその内容を押さえていれば一問一答的な形で答えが出る問題も多く見受けられました。しかし、共通テストになって、高校の授業で必修になった「探究学習」のように、複数の図や資料を読み解いて比較しながら答えを導き出していく問題や、読解力が試される問題が増えています。そういった意味では、パッと見てすぐに答えが出るような問題は、共通テストになって“激減”している状態です。
――それは難易度が上がったということでしょうか?
【横田】共通テストは試験時間の枠を外してゆっくり考えれば答えが出るような問題もそれなりに出題されてはいますが、限られた試験時間の中で複数の図やグラフを見比べながら答えを導き出していかなければならない。その点では難易度は上がりました。ただ、過去問演習や模擬試験を通してこの形式の対策をきちんとしてきた受験生であれば、解答に必要なプロセスを理解した上で本番に臨んでいるので、そこまで戸惑うことなく解けています。
【越田大二郎、以下、越田】センター試験に比べてみると、実は平均点はそこまで下がっていないというのが現状。つまり、問題の性質は変わりましたが、受験生がよく頑張っているということですね

かずき
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臼井優
国立大学法学部卒 法律系国家資格3種保有 就職氷河期世代 元僧侶 趣味・特技 サッカー、バスケ、ボクシング、テコンドー、茶道、書道、華道、サックス、ドラム、読書、カフェ巡り、音楽鑑賞、ストレッチ、筋膜リリース、他人のデートコースを考えること 家庭教師、予備校講師、各大学でのエクステンション講座担当 担当科目・領域 小~高、文系科目全て、公務員試験全領域、面接、ES添削、マナー、論文添削等々
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応用物理学科
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