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かもしれない

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2さいになったイヌ ᐡ- ·̫ •ᐡฅ🍰
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天月 兎

天月 兎

サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
【おまけ】ある日の騎士談 2

私が幼かった頃は、両親を殺した魔族への怨みや憎しみで胸がいっぱいになっていました。
妹を守りたくて、村の人々を守りたくて、ただひたすら魔族を殺した。
小さなものばかりでしたがな。
やがて、怪物と呼ばれる女が騎士団に所属しているという噂を聞きました。
貴女が村に来た時、一目で分かった。
羨望の眼差しを向けられる筈の騎士団なのに、誰一人貴女にだけは騎士すらも近寄っておりませんでしたから。
あの頃は私も血気盛んで、騎士団に入れば思う存分魔族を殺せる、強くなれると、軽い考えで貴女に勝負を挑み……意外にも条件を達成してしまったのですな。
それが、後に妹まで巻き込むことになるとは知らずに。
実はずっと、ずっと後悔しておりました。
妹が剣を習いたいと言ったあの日から。
騎士団に入ったことを。
村を守れなかったこと、妹が騎士団に入り命を失ったこと、全て私の責任だと思っておりました。
ですが貴女の背がそれを否定してくれた。
死ぬためではなく、生きるために戦えと仰った貴女の背中が何よりも尊くて。
生きるためには戦う道を選ぶしかなかったのだと自分を許せるようになったのです。
そして私は貴女の背を支えたいと思った。
不老不死の体を持つ貴女は他の誰よりも重たいものを背負わされていたからです。
騎士団のみならず、国の未来まで、全てを背負った。
それと、小さくて大きな約束を交わしましたからな。
停戦の日、慰霊碑の前で貴女を見た。
あの日から、いえ、それよりもっと昔から、私の心は貴女への愛情で溢れておりました。
もしかしたら、正気に戻れと貴女に殴られた時からかもしれませんな。
はっはっは。
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天月 兎

天月 兎

サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
【おまけ】ある日の▓▓▓▓ 15

荒れ果てた魔界の中で最も荒んでいると言われている魔界の下層。
その最下層から、二人の人間が歩いてきた。
「あー、あー…この地図はどう見れば…」
男の方がいいながら紙切れをくるくる回している隣で、女が首を横に振っている。
「あのなぁ、地図くらい見れるようになってから旅に出ることを決めろよ……ほら貸せ。いいか、この印が北を指してて、私たちが今いるのはここ、元いた場所がここだから………ん?なんか変だな」
二人揃ってまともに地図も読めないらしい。
そういえば、昔はよく道に迷った人間を導いていたっけか。
困ってる奴が居るなら、助けてやらねぇとだよな。話しかけよう。
「よぉ、地図読めねぇのか?」
顔をあげるとそこには、真っ黒な肌に真っ黒な翼、ボロい布切れを被った、よくわからん人型の何かが立っていた。
「いや地図は読めるが、地図と現在地が合わない」
「地図くらい読めるし!僕を馬鹿にするなよな!」
女の方は素直だな…男の方は……なんでこいつ食ってかかってくるんだよ…
半分呆れながら、自分も地図を見ていいかと聞いてみる。
女は快く地図を見せてくれた、が。
「おいこれ、この周辺地図じゃねえぞ。しかも、大分古い…南方の地図だよなこれ」
俺が助言すると二人とも顔を見合わせて、通りでよく分からないわけだと笑っていた。
「お前、詳しいのか?」
女の方が尋ねてきた。
「まあ、ざっと300年はこの付近にいるし、魔界のあちこち行ってたから詳しいっちゃ詳し…」
「あちこち!?」
紫色の瞳をキラキラさせて食いついてくる女にたじろいでしまう。
「まぁ、あちこち、だな?」
「よし、決めた。お前、私たちの案内人になれ」
答えるや否や女が上から目線でものを言ってくる。
なんなら自己紹介までしてきた。
いや確定事項かよ!?
しかも拒否権ねぇのかよ!?
イレディア「私はイレディア、こっちは友達のノクスだ」
案内人になるつもりはなかったが、どこを目指してるのかは気になった。
見た限り二人は人間で、魔界で人間といえば奴隷だ。
その奴隷が自由にほっつき歩いているということは、抜け出してきたに違いない。
「案内人になるかどうかはさておき、行き先はどこなんだよ」
イレディア「空席の玉座だ」
耳を疑った。
堕天して300年余り魔界に居たが、確かに数十年前から魔王の玉座は空席となっている。
「おいおい、お前ら人間だろ!?あの付近は他の奴らも玉座を狙ってとんでもねえ戦い繰り広げてんだぞ!?」
イレディア「関係ないな、私はそこに行かなければいけないんだ。私がそう決めて、私がそうしなくてはならないと判断したからな」
既に魔王気取りじゃねぇか……仕方ない。
か弱い人間を"じゃあ頑張ってね"なんて言って見捨てておくなんて俺には出来ない。
それに、堕天使になってしまった自分でも、また迷える人々を救いたいという神の意を遂行できるなら、これ以上嬉しいことはない。
レイヴ「いいぜ、案内人になってやるよ。俺はレイヴ…」
イレディア「なってやるもなにも、もう案内人だろう」
ノクス「イレディアはこういう奴なんだよ…諦めてね」
そういえば確定事項だった…。
イレディア「で?レイヴ、お前種族なんだ?吸血鬼ってわけじゃないだろ?」
何百年も前の出来事なのに、それを聞かれるといつも胸が痛む。
レイヴ「…堕天使。何も悪いことしてねえのに、なんか堕天させられたただの堕天使だよ」
そう答えると、二人の表情が凍りついた。
イレディア「お前も、迫害を受けたのか」
ノクス「傷つけられた側、なんだな」
まるで自分ごとのように傷ついたような顔をする二人を不思議に思った。
イレディア「レイヴ、私もノクスも人間だ。長くここに生きたお前なら、人間がどういう扱いを受けるのか知っているだろう」
私は、私たちは、そんな魔界を変えたくて玉座を目指しているんだ。
その言葉に心を打たれた。
そうか、少しでも悲しみが減るように。
少しでも争いが無くなるように。
この場所を変えんとして動いているのか。
なんて立派なんだろう。
そんな風に考えていると、俺の心の中には二人を導きたいという気持ちが自然と芽生えていた。
イレディア「なあレイヴ、堕天する前はなんて名前だったんだ?」
レイヴ「え?あ……ラビリエル。迷宮の導き手って意味だ」
そうしたら、イレディアがノクスと顔を見合わせて一つ約束をしてくれた。
玉座まで導いてくれたら、一緒に人間界へ行って、青空の下をあてもなく歩こうと。
イレディア「道がわからなくなっても、ラビリエル、お前がいれば帰れるだろう?」

俺は嬉し涙を堪えて、ただ頷くのが精一杯だった。
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天月 兎

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サフランのおまけ出そ…
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やは

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またもトリミングされてしまったイヌ
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カワウソ

カワウソ

うちのイヌ舌出しながら寝るんだぜ
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サナ缶

サナ缶

この時間にピンポン鳴るとイヌがはしゃぎだす!!!困る!!!
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