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Yachi

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ちょうど良い時分に訪れた。ツツジが満開だ。
それは山門をくぐった時にわかった。

三尊石の後ろの垣のツツジは満開で目に鮮やか。
庭を囲む楓の葉擦れの音が耳に優しい。
年々早くなる暑気が来るまでの短い間、初夏の爽やかさを存分に楽しもう。

とは言いながら、昨年夏に来た時は本堂のお釈迦さんはじっくり見なかった。お庭が目的だったからというのも理由かもしれない。

お釈迦さんというのは後で知った。仏像を見た時にはよくわからなかったのだ。厨子も光背もない簡素な像で、高さは1メートルほど。
装束や顔立ちは日本の雰囲気とは違って異国の雰囲気が強い。右手を下ろし、左手は膝の上で印を結んでいる。
やや煤けているものの、金色がよく残っている。
かすかに開けられた眼は、庭から差し込む陽光の眩しさのせいと考えるのは気の回し過ぎか。
明るい雰囲気の中に置かれた仏像は、構えることなく見ることができて良い。

2025/4/29#寺 #京都 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい #写真好きな人と繋がりたい
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小さな本堂には20人ほどが座って居る。
京都学生ガイド協会の学生が滑らかに寺の説明を聞きながら本尊を見る。
アフロ、いや五劫思惟阿弥陀如来だ。金戒光明寺と同じく、デフォルメされたかのような姿だ。ふっくらとした頬、むちっとした首筋となで肩。五劫という時間がそうさせるのか?

説明の最後は観音堂の十一面観音だった。筋肉質なのだという。
本堂と観音堂は中で繋がっていたので、そのまま移動。
仏像を目の前にして少々驚いた。市中の像にしては、珍しく優美さがない。ちょっと芋くさい顔立ち。
そして確かに筋肉質、細身だが余分な肉がなくがっしりした体躯。少し短い腕。しかも、意識高い系の目鼻立ちがはっきりした男顔、身長1.8メートル。明らかにマウント取ってきてる。

これは文句なしにかっこいい。

衣文は彫りは浅く、対照的な部分が多い。それらは時代相応なのだろう。
しかし肌の色が何となく明王みたいに赤っぽく見えるのは気のせいか?
ガイドの方も同意見だが、その理由はわからなかった。
それに対して裙は木の素地が経年で黒くなった良い風合いを醸し出して居る。
むしろドヤ顔兄さんなので、少しチャラくレザーのパンツを履いて居るように見えないこともない。
いかん、どうやっても自意識強すぎ兄ちゃんに見える。
そこまでの自信はどこから来るのか。
うらやましい。

2025/2/16

#仏像 #京都 #仏像好きな人と繋がりたい #寺 #京の冬の旅
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アプリは夕方に豪雨の可能性ありと言っていた。その通り東山近くは真っ赤。
京都が近づくにつれ視野いっぱいに積乱雲が迫ってくる。間違いなくこいつだ。
運の良いことに、清水五条に着いた時は雨は上がっていた。少し暑さはマシだ。
しかし清水寺までは思ったよりも遠く、登り切ったときには汗だくだった。ぽつりぽつりと雨粒が当たる。そそくさと券を買って本堂に逃げ込む。感心するのは、毎年券面のデザインが変わる事。来る甲斐があるというものだ。

今年は燭台の位置が違う。内陣にその熱がこもっている。ちと暑い。
古札を返し、新しいものをもらう。
さて、内々陣から千手観音を仰ぎ見る。薄暗い中に浮かび上がる金色の姿は神秘的とも言える。全身金色なのだけど、蝋燭の炎で揺れる影が派手さや安っぽさを感じさせない。
その印象は二十八部衆にも当てはまる。よく見るといくつか違う顔が混じっていて、同時代のものだけでないことがうかがえる。
狭いない内陣で通り抜けるように人が流れる中を、壁に張り付いてじっくり見ていると邪魔になるのはわかっているが、年に一度なのだから大目に見てください。
じっくり堪能した後は、内陣から見ることを忘れない。千日詣りという行事の雰囲気を感じることができる。
賑わっているけれども、暗い中を進む人の頭の影の向こうに観音さんほかが居並ぶ。
厳かに、親近感を持って参拝できる、一年に一回の貴重な機会をしばらくは楽しもう。

2025/8/16

#京都 #寺 #仏像 #盆 #仏像好きな人と繋がりたい
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禅定寺は集落を見下ろす高見にあった。
本堂の前の庭には、様々な草木が植えられ、四季それぞれに楽しめる。
軒下に入ると風が涼しく感じられ、ツクツクボウシの合唱を聞くと、晩夏であること何実感できる。が、日向は勘違いしたかのように暑い。
目当ての十一面観音は宝物庫の中にある。
中は期待通りに快適な温度湿度。
失礼だが床に座って見ることができる。しかも貸切。
像高約3メートル。太くはないがふくよかな肉づきで、ふっくらとした顔の表情はやわらかく、少し女性的な印象を受ける。目はしっかりしており、視線を合わせると自信を与えてくれる感じだ。
全体に動きは少ない。それが安定感を出しているのかもしれない。
衣文は単調で、立体感もやや乏しい。一方存在感は大きい。それはサイズのためではなく、造形がしっかりしているからだろう。

ここは仏像の背面に回ることができる。光背はもちろん、像の背中も見ることができ、きちんと作り込まれている様子を確認できる。

寺の由緒や仏像の説明は、ボタンを押せば何度でも聞くことができる。
3回ぐらいは聞いたでしょうか…

そのほかの像も含めて、涼しい中で好きなだけ見ることができるのはなんと素晴らしい。

2025/9/6

#京都 #寺 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい #
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35年ぶりの開帳と聞けば行かないわけには行かない。
正福寺という寺は正直知らなかったし、こんなにご近所にあることも知らなかった。

上り坂の参道を上がると旗が掛かった山門をくぐる。
今回の開帳は本堂の落慶を記念してのことなのだ。
記念行事の最中で、それほど広くない堂内は30人ほどの正装した檀家さんたちで埋め尽くされていた。
やや場違いに感じつつ、本尊の胎蔵界の大日如来を見る。
周りの喧騒を意に介することなく厨子の中に座す1メートルほどの姿はまさに安穏。
やや角張った面持ちの、それでも目鼻立ちはすっきりしている。装飾はよく残り、箔もよく残りまだ金色が確認できる。
静かに瞑想するが、スマホのシャッター音はひっきりなしだ。

厳かな儀式が執り行われているのだが、なんか和やか。

2025/5/5

#寺 #滋賀 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい
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前にも来たことがある。
その時は単に五大虚空蔵菩薩としか思わなかった。ふと、もう一度しっかり見ようと思い立ち、観智院を訪れた。
山門をくぐる前からその向こうに百日紅が見える。夏らしい。つまり暑い。
汗が引かないまま客殿を抜けていく。廊下はときおり心地よい風が通る。しかし庭に面した側に来ると日向で風が吹いても気休めにならない。
そして本堂に入り、座って一息つく。扇子を止めることなく五大虚空蔵菩薩を見る。
1メートルほどの像が、こちらも1メートルほどの鳥獣の上に座っている。
シンプルで素朴な造形だが、雰囲気が明らかに日本のものではない。
鈍く黒く光る細身の体躯に、面長の顔で、玉眼。しかし、真っ直ぐに前を凝視する小さな瞳が放つ光が、像を超然たる印象に引き締めて、凛々しさを与えている。表情はあまりないが、賢さをたたえている、というのは失礼だろうか。一方、デフォルメされた鳥獣との対比がシュール。
5体が居並ぶ様は堂々たるもので、像高以上に大きく感じられる。内陣に入ることはできないので、造形の詳細を確かめることはできない。
だが、おそらくこの距離で、一視野に5体を入れて見ることが大事なのだろう。

1対5では、分が悪すぎる…

2025/8/24

#京都 #寺 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい #写真好きな人と繋がりたい
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偶然見つけた八幡市文化財特別公開。
石清水八幡宮のすぐ近くに紅葉の寺があるとは知らなかった。
善法律寺は街道沿いにあり、駅から歩いてゆくと紅葉が見えるので迷うことはない。
境内は広くないが、十数本の紅葉が密度高く植えられている。山門から奥を見るも良し、本堂へ続く飛び石から見上げるも良し、本堂から庭を見るのも良い。
本堂の本尊地蔵菩薩は平安のもので、高御座に鎮座している。由緒を聞いて納得したが初めて見た。
彩色はなく、木の肌が素朴に見えるもので表情も捉えにくい。やや痩せ気味のスタイルであるが、しっかりとした彫りを見せる。
そのほかにも鎌倉仏の愛染明王や不動明王を間近に見ることができる。それぞれ1メートルほどの坐像で見応えがある。
さらには廃仏毀釈で預かることになったということ平安仏の千手観音もあり、どれも比較的保存がよく、一見の価値がある。

盛りの紅葉と良い仏像でお腹いっぱいと言いたいところだが、2日しか販売されないという亥の子餅を食べ損ねたのが悔しい。

2025/11/30
#京都 #紅葉 #寺 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい
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住職についてお堂に入り、焼香を済ませると、厨子が開扉された。
それを内陣の真近から観音様を見る。

1.8メートルの像は堂々たるもので、質感、風格、造型のどれをとっても美しい。
ところどころに箔が残り、あとは漆が鈍く黒光りしている。
ふくよかなな肉づきではっきりした顔立ちは、表情に迷いがなく、まっすぐ前を見据えている。
どことなく女性的な印象を受ける。
それは,しっかりと先端まで作り込まれた手指のせいかもしれない。水瓶を持つ左手、すらりと伸びた右手。どちらの指もとても細く長くしなやかに、自然に曲げられ、その様にはうっとりする。
少し離れて見ると、目が合う。憂いが感じられるその雰囲気もまだ良い。

ところが住職はじっくりと見る時間を与えてくれず、厨子が閉められてしまった。
あ、というまもなく。
しかし、新たに参拝の方何やってきて、扉は再び開かれた。

もちらん、居座ったさ。

2025/9/6#京都 #寺 ##仏像 #仏像好きな人と繋がりたい #写真好きな人と繋がりたい
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たかつきは滋賀にある。
英検が終わった午後、その駅から近くの向源寺へ行った。しばらく仏像を見に行ってなかったし。

建物がまばらな開けた境内はすでに青紅葉で、時折梅雨の走りのような弱い雨が降る。
本堂を抜けて収蔵庫へ。
扉が開く途中から、正面やや左手の十一面観音が目に入る。
一瞥して、像高195センチの八頭身のモデルのような見事な均整のとれたプロポーションにはっとさせられる。
ほとんど木の素地だが、脚の衣文にわずかに箔が残る。全体が黒ずみ、経年を感じさせるのだが、表面に虫食いなどはなく、とてもきれいな肌を見せる。
眉からすっと通る鼻筋は雅で、固く結ばれた唇は気高さを感じさせる。
首元から垂れる髪は淀みなく手首、そして足元へと伸び、動きのある表情はとても自然だ。
背面、二の腕の臂釧 (ひせん、もちろん調べて書きました)。衣文、衣の裾など細かいところに至るまで造形は精緻で丁寧だ。
360°どこから見ても破綻がない。どこから見ても美しい。

どれだけ見ていても飽きることはない。
しかし、電車は1時間に1、2本である現実は変わらない。駅に急がなくては。
また来る!

2025/6/1
#滋賀 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい #寺
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本堂の隣の観音堂にも見るべき仏像がある。

戸が開け放たれて、十分な光が入り、六体の仏像全てが明るく見える。
その中でも目を引くのが中央の、県内最大とされる十一面観音だ。像高は2メートルと少し。確かに大きい。

衣文は平面さを感じるものの、全体の造形は指の表情に至るまでとても繊細だ。
明らかに一木造りとわかる木目がとても美しい。
ややのっぺり顔で、薄目に厚い唇がしっかりした表情をつくり,ずらりと流れるように全身のフォルムへつづく。
ガイドの山口さんによれば、初めは彩色が施されていたとのこと。
見慣れているからというのは確かにある。けど、素地の風合いはなんとも言えない味わいがある。この方が好みだ。

2025/5/5

#仏像 #滋賀 #寺 #仏像好きな人と繋がりたい
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禅宗の土間のような空間の奥に阿弥陀如来立像があり、手前の人天蓋がステンドグラスになっている。
模様は蓮のようなので和ではある。
壁面はキャンパス地で、一部は仏の坐像の図がびっしりと貼られている。
ご住職に話をたっぷりとうかがい、とりあえず納得。

不思議な空間だが、阿弥陀さんはそれと見てすぐわかる鎌倉仏。
像高は1メートルほど。脇侍はあったかどうかわからないらしい。
スタイルが良く、彫はシャープでしっかりとした造形だ。
しゅっとした顔立ち、細かい表情を持たせた指先など、品の良さが目立つ。
全身の箔がよく残っていて、少しすすけた金色がなかなか風格と趣きを感じさせる。
また、衣の袖の薄さは、丁寧に作られたことがよくわかる点だろう。

寺を建築という観点から見れば、ここにその風情を求めることはできない。
しかし、広い空間の中で、見上げればステンドグラス、目の前には作りが確かな仏像がある。
それも悪くない。

ご住職、書道の先生から、是非とも御朱印直書きのお手前を習ってください。
来年を楽しみにしていますよ。

2025/10/11
#京都 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい #寺
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壇の上の阿弥陀三尊を至近から仰ぎ見る。
像高は1メートルくらい。すっきりとした造形で、彫りはシャープ。
3体とも箔がよく残り、煤けた色合いに金属光沢が重厚感を出している。
阿弥陀如来は、簡素な衣文の表現ながらていねいに仕上げられていて、なかなかの存在感。
両観音は,相対して衣文は細かく柔らかさが伝わり、質感の表現がとても良い。
しかしながら、と言ってはなんだが、3体とも顔の表情が異なっているのが不思議に思える。特に勢至菩薩は、他よりも顔がふっくらしているのが面白い。

市中に大和座りをしている脇侍を伴った阿弥陀三尊があるとは知らなかった。
他の参拝者がおらず、気を張らずに見ることができるのが良かった。

2025/9/28

#京都 #寺 #仏像 #仏像好きな人と繋がりたい
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暑い暑いと言っても仕方がないのだが、やはり暑い。

聞けば仁和寺の観音堂が久しぶりに公開されているという。
仁和寺ということは、山門をくぐって中門まで距離がある。そして影がない。
とはいえ…仕方がないなあ。日傘だけではしのぐことはできないけど。

前回の公開時も来た。その時は内陣裏の壁画も見ることができた記憶がある。その時は仏像に特に興味は無かったのだけど。
あらためて千手観音と二十八部衆プラスを見た。勢揃いしている様は圧巻だ。
千手観音は全身金色で、表情からして古いものではないのだろう。仏像というより、フィギュアの雰囲気がある。どうも固定観念的に箔が落ちて古さを感じさせるものというイメージが自分の中にあるようだ。
ただ、眷属についてもそれは言えることで、平安,鎌倉のものではないだろう。
壇の後ろの壁に目を向けると、白衣観音と観音様の絵が、そして銅の壁にも三十三観音が描かれている。
三十三の観音づくし、そんな空間を共有する気持ちで向き合えるところだ。
それはそれで良し。なかなか贅沢。

よく見ると、千手観音の脇侍の不動明王と降三世明王の方が、小さいながら味があるかも、と言っては失礼か?

日が傾き始めて、少し日差しが和らいできたかな。よさ、歩いて帰ろう。

2025/8/3
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