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【婚活パーティーに友人と行く８】#まる婚活

2人の立ち話はなかなか終わらなかった。
良い雰囲気じゃねぇか…と一人ニヤニヤしていたが、ひとつの不安がよぎった。

『もしかしてこの二人、私の事を待ってる？』

男の方は「女性を一人で置いて行けない、待ち人が来るまで一緒にいてあげよう」とか思ってない！？
そういう紳士な気持ちを持ってたりするんじゃない！？
私が合流するまで友人の相手をしてあげるつもりだったりしない！？

ってことは、私はこの二人に合流した方がいいのかな！？

いやいや！
ただ話が盛り上がってる可能性だってまだある！　私が合流した時に、良い感じになっていたら申し訳ない！
私のせいで盛り上りを切っちゃうことになる！

あ～！　私の馬鹿馬鹿！！
どうやって合流するか何にも決めてなかった！
こういう時、どうしたらいいんだろう！

今度は私の方が葛藤で涙目になりそうだった。

このままトイレから出られなかったらどうしよう。私、夜中もトイレで過ごすことになったらどうしよう。

友人の「良い雰囲気」のためにどこまで犠牲になるべきか本気で悩むアホだった。

『いやもう本当にどうしたらいいの…』
ついに便器に語りかけてしまう私がいた。

便器は何も返事をしなかった。

しかし便器の横には「忘れ物注意」という貼り紙があった。

『あああ！！』

便器は語らないが、無言で教えてくれた。

『ラインしたらいいんだ！』

便器の横の「忘れ物注意」の貼り紙には、忘れ物の代表格…スマホのイラストが描かれていた。
今までずっとそれに気づかないとは…やっぱり本当にアホだった。
便器、ありがとう！

急いで友人にラインを送る。
男性と良い感じに話し込んでいる姿を横目に見ながら『そろそろ終わった？』と、白々しいメッセージを送った。

すぐにメッセージに気付く友人。
男は友人に手を振り、その場を後にする。
「どこにいるの？」
友人は周りを見渡している。
『便所』
「…便所！？」

ようやく友人と合流した。
二人で車に乗り込む。

『どうだった？』
「ラインを交換したよ！」
『そうかそうか』
「それでね～…あっ」

友人がスマホを凝視している。
「さっそくメッセージが来たんだけど、何て返したら良いんだろう…」

またすぐ涙目になる友人。
今日はお互い、交互に涙目になってる気がする。

おはようございます。