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エッセイの星

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惑星主: ぽやぽや
エッセイ好きの為の惑星です。エッセイ風の投稿をするもよし、あなたの好きなエッセイを語るのもよし、長文の投稿歓迎です。読むだけの方ももちろん大歓迎です。

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すべては見えない。そして、すべてを言葉にはできない。すべてをわかることも、わかってもらうことも永遠にはない。言葉はただの手段で、行動はただの演出で、表情だけが本物だ。その表情を絶え間なく他者がみつめることは不可能で、そのときのことを伝える術もどこにもない。その証拠に、いまこの投稿をしているわたしの顔を、この世界のだれひとりしらない。真実は在る、でも眼差しは不在だったり、他者の解釈を通らずして表現は成立しないことを、さみしさで思い知る。生きるとは、他者の目にじぶんをゆだねることだ。でもその目はいつも、わたしを正しくは見てくれない。
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恋をしていなければ、好きとは言わないのだろうか。愛していなければ、一緒にいてはいけないのだろうか。もしもその関係に、名前や形がなくても、きみとずっと世界をのぞきあっていたい、そういう人のことをなんと呼ぶのか、考えている。熱が冷めても、そこにいてほしい。欲を交換できなくても、ただ手を握りたい。なんともいえない、温かな存在について。
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ぽやぽや

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大きな公園でぼんやり読む本はエッセイが良い。爽やかな風が吹いている。蝉たちが騒がしく鳴いている。秋だけどまだ夏が終わり切っていない感じがする。
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正しい愛とか、きれいな恋とか、そういうものがゴールにある関係に、どれくらいの深さがあるのだろうか。わたしはじぶんの感情を、ほんとうは泣き喚きながら伝えたいし、もう嫌いっていいながら抱きしめてほしいし、愛してるって言葉が本物なのかいつまでも疑っていたい。恋のよさは苦しさにあって、愛のよさはいつかなくなるかもしれない恐怖から生まれる。そういう不完全なじぶんが作り上げた、ふたりだけの関係を"気に入ってる"とでも言えたら、わたしは満足だ。
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とも

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【推し店員さんがいた日】#25

半年後に店を訪ねても、もう彼はいなかった。
祖父母を見送り、母の病が癒えて、私が3人の介護から解放されたあと、何度も通ったけれど、彼には会えなかった。
「彼はどうしたのか」と他の店員に尋ねる勇気もなく、
私は最新曲の感想を胸にしまった。

季節がいくつも過ぎた。
それでも、今もあの店の前を通ると、

「おねえさん、久しぶりですね」

と背後から呼ばれた気がしてしまう。

振り返っても、そこには誰もいない。



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マスクマンのブローチ

天気がいいので、久しぶりに街をぶらぶらした。少し汗ばむくらいの陽気で、道行く人たちの服装も軽やかだ。

アンティークショップの前を通ると、軒先で作家らしき人たちが手作りの作品を並べていた。何気なく覗いていると、小さなリングの上に立つマスクマンの姿が目に入る。

「マスクマン、可愛いですね」

思わず声をかけると、店番をしていた作家さんが顔を上げた。

「これ、ブローチなんです。使わないときは、こうしてリングに立たせられるんですよ」

オブジェかと思っていたが、それはピンのついたブローチだった。リングまで作り込まれていて、プロレスファンの心をくすぐるデザインだ。

「リングもよくできてますね」

「プロレスが好きなんです」

なるほど、そういうことか。

「私も好きです」

「全日本を見に行きます」

「ああ、全日なんですね」

「新日も見ますよ」

どうやら、私が新日本プロレスのファンだと思ったらしい。確かに、プロレスといえばまず新日本を思い浮かべる人が多い。でも、私はというと──。

「私は大日です」

「大日!?」

作家さんが意外そうな声を出した。

「あと、みちのくとかも見ます」

「そっち方面なんですね」

「普通のプロレスでは物足りなくなってきてしまって」

そう答えると、作家さんは軽く頷いた。

「そういえば、さっきのお客さんもみちのくが好きだって言ってました。みちのく、人気なんですね」

みちのくファンに日常で出会ったことがなかったので、少し驚いた。

インディープロレスの話にすんなり乗ってくるあたり、本当にプロレスが好きなのだろう。

「ノアとかも見てたんですけど、小さくて、まるめ込みばかりで……」

どうやら作家さんは、大きなレスラーが好きらしい。分かる、分かる。あの迫力は確かに魅力だ。

その後も少しプロレスの話をして、気に入ったマスクマンのブローチを購入することにした。

知らない人とプロレスの話ができる、そんな日も悪くない。

#プロレス #エッセイ #日記
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3.11のこと

久しぶりに寝付けない。

今日が3.11だからか、それとも月末の旅行が楽しみすぎて興奮しているのか、自分でもよくわからない。ただ、寝付けないのだ。仕方がないので、14年前の今日のことを思い出してみる。

当時の私はすでに会社を辞めてフリーになっていた。買ったばかりの42インチのテレビで『ミヤネ屋』を見ていたら、地震が来た。ゴゴゴゴ、と地鳴りがして、まず小さく揺れる。おさまったかと思ったら、今度は大きく揺れた。緊急地震速報は、揺れてから鳴るという意味のなさ。固定していなかったテレビが倒れそうになるのを必死で押さえながら、「大阪も揺れてます!」と興奮気味な宮根の声を聞いた。でも、こっちはそんなレベルの話じゃない。そう思いながら、揺れが収まるのをじっと待った。

その後は、テレビに映し出される各地の被害や津波の映像を、言葉もなく見続けた。現実とは思えなかった。

そんななか、出張で空港にいた友人から連絡が来た。「地震で飛行機が飛ばないんだけど、どうなってる? 出張先に行く方法ないかな?」とのこと。いや、そんな場合じゃないだろう、と思いながら「可能なら家に帰ったほうがいいよ」と伝えた。でも友人は、「お客さんはもう出張先に行ってて、自分が行かないと仕事に支障が出るから、なんとか行きたい」と言う。その後、どうしたのかは覚えていない。

日が暮れてから、都内で働く妹から「電車が止まって帰れない。迎えに来てほしい」と連絡があった。パートナーには「危ないからやめたほうがいい」と言われたが、非日常の興奮で気持ちが高ぶっていた私は、迎えに行く気満々で家を出た。でも、普段はそんなに混まない家の前の道路が、両車線とも渋滞でまったく動かないのを見て、すぐに諦めた。結局、妹は同僚を迎えに来た車に乗せてもらい、深夜になんとか帰宅できた。ほっとした。

その夜は、普通に眠った気がする。

翌日、家具屋さんが注文していたテレビボードを届けに来た。テレビの中では大変なことになっている地域が映し出されているのに、ここは日常なんだな、と妙に冷静に思ったのを覚えている。

今でもあのときの津波の映像を見ると、胸がギュッと締めつけられる。たぶん、これから先もずっと忘れることはないだろう。
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「イメージと現実のあいだで」

いつもは外からガラス越しに眺めるだけの金子眼鏡店。
今日はお客さんがそこそこ入っていたので、便乗して中へ入ってみた。

店内をくるくる見て回っていると、気になるデザインがいくつも目に入る。
「いや、これは絶対似合わないでしょ。というか、この眼鏡が似合う人ってどんな人?」
そんな一本に目が留まった。

せっかくだからと試しにかけてみると――思いのほか、悪くない。
いや、むしろ好きかも。うん、好き。もうこれ、欲しいです。

……となったものの、フレームだけで四万四千円。さて、どうしたものか。
つい最近、新しい眼鏡を買ったばかりなのだ。
あれはJINSで、フレームは一万円ちょっと。
でもレンズを少し良いものにしたので、結局五万円ほどかかった。
今回のものは、フレームとレンズで六万円弱というところだろうか。

一旦ここは持ち帰らせていただき、家でじっくり考えます。
たぶん、買うけど。

しばらく外食を控えて、“眼鏡貯金”でも始めようか。
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村上春樹風日記(ChatGTP作)

久しぶりにIKEAに行った。何か特別な用事があったわけじゃない。ただ、実物を見て確かめたいものがひとつだけあったのだ。
ネットでクリックするのも悪くないけれど、ときには自分の足で歩いて、物と向き合ってみたくなることがある。

店内を歩いていると、あいかわらず無駄に広いスペースと、人を迷わせる導線に軽くめまいがした。でもそれも含めてIKEAなんだと思う。そういうふうに設計されているのだ。きっと。

レストランのことは最初から頭にあった。IKEAに行くなら、あそこで何か食べよう、というのがほとんど半分くらいの目的だった。もちろん期待もしていた。あそこはけっこう僕のツボを突いてくる。

そして案の定、カウンターの前に立った僕は、少しばかりテンションが上がってしまった。トレイを片手に、あれこれ選んでいくうちに、気がつけばフルコースまがいのラインナップになっていた。少しやりすぎたかな、とも思ったが、後悔はしていない。たぶん。

「春のチキンレッグのコンフィ ガーリックソース」は、文字どおり驚くほどおいしかった。こういうところで出てくる料理としては、ちょっと異常なくらい完成度が高い。正直、うっかり感動しかけた。

「春のサーモンフィレ レモンディルソース 雑穀添え」も気にはなったが、胃袋には限界というものがある。たぶん次回にまわすのが正しい判断だったと思う。

食事を終えてから、なんとなく椅子にもたれかかり、しばらくぼんやりと天井を眺めていた。周りにはほとんど人がいない。平日の午後のIKEAは、驚くほど静かで、少し拍子抜けするくらい快適だった。

それはなんというか、世界の音量がひとつ下がったみたいな感覚だった。しばらくそこに身を置いていたら、いろんなことが、ほんの少しだけどうでもよくなってきた。いい意味で。
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夏休みなので読書でもするかと本屋に行き、あれこれ見て回り、結局エッセイを買ってしまった。小川洋子さんは小説とエッセイで雰囲気が全く違うのが面白い。
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2025/04/21 20:28

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