

投稿で載せている小説のみをあげる予定です。

🏡*ana⸊ဂဗ◒
を作りましたー✨⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝✨
是非、お入りください!!
ここに小説を1話〜あげなおしていきます。
小説家になろう、にストックしているものをあげるので、投稿した1話と若干変わってます。(内容ではなく表現とか)
10人入らないと消えるとか、怖すぎ:(´ºдº:;`):ヒィ-



🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第3話最初の分岐
「君が推してたあのルームの主さん――普通の配信者じゃないんだよね」
グラちゃんの衝撃的な発言の後、黒い霧が晴れるように薄れていく。
その向こうには、無数の光が瞬く巨大な街が広がっていた。
空へ伸びるビル群。
宙を走る光の線。
そして街の中心には、雲を突き抜けるほど高い一本の塔。
「あれが……」
「そ。ゴール」
グラちゃんが指差した。
「あの塔のてっぺん」
「本当にあそこに行けば帰れるの?」
「さぁね」
「さぁね!?」
「でも、みんな目指してるよ」
軽い。軽すぎる!
だけど他に手掛かりもない。
改めて塔を見上げた。
遠い。遠すぎる……。
歩いて何日かかるのかも想像できない。
「……とりあえず行くしかないか」
塔から視線を外し、周囲を見回す。
街へ続く大通り。
薄暗い路地。
そして少し離れた場所はみんなが遊べる広場みたいな場所も見えた。
「どうする?」
グラちゃんが肩をすくめる。
「どうするって言われても……」
情報はない。 土地勘もない。
「じゃボク忙しいからさ、暇になったら見に来るかもね」
そう言ってグラちゃんはクルッと回るとふっと消えていた。
「えっ、ちょっ」
本当にいなくなっちゃった。
それでも、最初の一歩を決めなければ始まらない。
じっと街を見つめた。
さて、どこへ向かうべきだろうか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
☝投票の結果で次回の行動が決まります‼️

住民に話しかける7
塔へ向かう11
街案内ドローンについて行く5投票終了 23人が参加中

🏡*ana⸊ဂဗ◒
第2話 【門番】
漆黒の無重力空間。
宇宙服を着た三等身の奇妙な生物が、ぷかぷかと浮いていた。
「グラちゃん!?」
「やぁ、いらっしゃい。グラビティの世界に入りたかったんでしょ?」
「はぁ!?」
思わず叫んでしまった。
いや待て。
何だここは。
さっきまでスマホを見ていたはずだ。
部屋のベッドに腰掛けて、Gravityのルームに入って、無言配信の近未来都市を眺めていて――。
そして主が挨拶(いや、挨拶だったか?)をした瞬間、画面が光って。
気づいたら漆黒だった。
「夢?」
「よく言われる」
「じゃあ夢か」
「残念ながら違う」
グラちゃんは腕を組みながら、くるりと一回転した。
その姿はマスコットキャラクターのようで可愛いのだが、置かれている状況が全く可愛くない。
「まず確認だけど」
グラちゃんが指を一本立てる。
「君の名前は?」
「え?」
「名前」
「……ミズキだけど」
「よし。記憶は正常」
「正常じゃないだろ!?」
周囲はどこまでも続く黒。
星の光すら見えない。
上下も左右も分からない空間。
なのに息はできるし、会話もできる。
意味が分からない。
「ここどこ?」
「グラビティの世界」
「そのまんまじゃん」
説明になっていない。
グラちゃんは無視して話を続けた。
「君たち人間は面白いよね」
「何が」
「寂しいからアプリを開く」
「……」
「誰かと話したいからルームに入る」
「……」
「でも本当に欲しいのは会話じゃなくて、誰かがいるっていう実感だったりする」
少しだけ言葉に詰まった。
それは、図星だったからだ。
今日だってそうだ。
仕事では散々人と話した。
会議もした。
取引先とも話した。
それなのに家へ帰ると、妙に静かだった。
だからGravityを開いた。
誰かと繋がっている気になれるから。
「ここはね」
グラちゃんが指を鳴らした。
途端に漆黒の空間へ光が走る。
無数の線が広がり、星座のような模様を描いた。
よく見ると、一つ一つが小さな光の球だった。
「なんだこれ……」
「人」
「人?」
「正確には人の居場所かな」
光の球が脈打つ。
近づくもの。
離れていくもの。
複数集まって輝くもの。
ぽつんと一つだけ漂うもの。
「君たちが見ているGravityはアプリの画面だけど」
グラちゃんは胸を張った。
「本当はこういう世界なんだよ」
「……本当って何だ」
「感情が集まる場所」
「感情?」
「寂しい、楽しい、嬉しい、暇、誰か来ないかな、話したいな」
グラちゃんは一つの光をつつく。
その光がぽわっと明るくなった。
「そういう気持ちが重力になる」
「重力?」
「似た気持ちは引き寄せ合う」
俺は光の群れを見つめた。
確かに。
ルームだってそうだった。
雑談好きが集まる場所。
ゲーム好きが集まる場所。
夜更かしする人たち。
恋バナする人たち。
誰かの声を聞きたい人たち。
みんな何かに引っ張られて集まっている。
「だからグラビティ」
「……なるほど」
「分かった?」
「三割くらい」
「十分」
グラちゃんは満足そうに頷いた。
そして突然、真面目な顔になる。
「ところで君」
「なに」
「家に帰りたい?」
「そりゃ、当たり前でしょ?!」
「会いたいんでしょ?」
「だ、誰に?」
「毎日待ってるのに?」
「……」
「通知確認してるのに?」
「……」
「声聞きたいなぁって思ってるのに?」
「うるさい!」
グラちゃんはケラケラ笑った。
宇宙服越しでも分かるくらい楽しそうだった。
「安心して」
「何にだよ」
「君だけじゃないから」
そう言うと、周囲の光の球が一斉に輝いた。
誰かを待つ人。
誰かの声に救われる人。
誰かと笑いたい人。
その数は想像を超えていた。
「ここはそういう場所だから」
グラちゃんは手を差し出した。
「ようこそ、グラビティの世界へ」
その瞬間。
まるで新しい星に生まれたみたいに。
嫌な予感を覚える。
「……なぁ」
「うん?」
「あれ何?」
グラちゃんの顔から笑みが消えた。
「見た事あるでしょ?行きたかったんでしょ??」
「……」
「あの塔のテッペンに行ってみて」
グラちゃんは遠くの光を見つめながら呟いた。
「君が推してたあのルームの主さん――」
一拍置いて。
「普通の配信者じゃないんだよね」
#グラゲームブック


🏡*ana⸊ဂဗ◒
【第1話】Gravity
「ただいま。」
仕事でたくさんの人と話してきたはずなのに、家に入ると寂しさが込み上げてくる。
そんな時に出会ったのがGravity。
好き勝手話して笑っている。いろんな人がいて。それぞれに楽しみを見つけている。
「今日はルームしていないか。」
何気ない会話をして。手を叩いて笑う。そんな彼女の声を聞きたかったのに……。今日はまだルームを開いてなかったみたい。
いわゆる「推し」というものをこのアプリで見つけていた。
他に自分に合ったルームはないかと、今日は珍しくルームを探してみようと思った。
【グラビティの世界に入ってみよう!!】
という初心者向けなのか初歩的なルームタイトルを見つけた。
気になったが入っているのは一人。これは配信者一人ということだ。少し怖気付きそうになるが、超未来感が溢れる背景に興味を惹かれた。
そして、背景見たさにルームに入るという初めての行動を起こした。
ルームには案の定、主一人。しかも無言だ。入ったのは失敗だったと思いながら。気になっていた背景の超未来感溢れるサイバーシティを、じっくり見る。無言は無言でこういう時にじっくり見れていいなと思った。
すると、動かないはずの背景なのに、空に浮かぶ車が動いているように見えた。そんなまさかなと思いつつ、画面をタップしてみた。当たり前だが空飛ぶ車は動いていない。そんな訳ないか……
子供の頃に読んだ漫画の影響なのか、ネオンブルーとエメラルドグリーンの光が街を包み込む超未来感が溢れる背景を穴が空く勢いで食い入るように見た。
無数の摩天楼が天に向かって伸びる超未来都市。
その摩天楼を覆うようにバカでかい惑星が存在感を放ちながら浮かんでいる。
街の中心には巨大な尖塔がそびえ立ち、その高さは月を思わせるような、もう一つの惑星に届きそうな高さだった。
「あ、こんにちは!!」
そんな主の声がして
「いってらっしゃいませ〜」
の言葉と共に携帯の画面が異様な光を放つ、直視できないほどの光に思わず顔を逸らした。
#グラゲームブック


🏡*ana⸊ဂဗ◒
……前書いてたものは忘れてください🙇♀️笑
Gravityのこの投稿だけで楽しむ為の新しい物語を書いてみました。
でも、選択制、アンケート方式で話が進む物語は同じです。
✨皆さんの投票で物語が動きます!!✨
ゴールは簡単!!
元の世界に帰りたくば塔のテッペンに行ってください!!
⚠️私が設定を考え、それをChatGPTと一緒に文章にしています。補助的な意味でChatGPTを取り入れ、共同作業をさせていただいています。
⚠️画像などは、今までのイベントの背景だったり、フレームからヒントをもらっています。画像もそれらを使い、ChatGPTに作ってもらっています。もしダメなら早めに言って欲しい…。


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第6話最初の夜
腹ごしらえを終え、今夜泊まる宿を探すことにした。
気がつけば、空はゆっくりと茜色へ染まり始めている。昼間は眩しかった見慣れる形のビルの窓ガラスも、夕日を反射して黄金色に輝き、その隙間からは無数のネオンが少しずつ目を覚まし始めていた。昼と夜が入れ替わる境目で、この街はようやく本当の姿を見せようとしている。
さすがに今日は疲れた。
突然異世界へ飛ばされ、言葉も分からないまま街を歩き回り、ようやく翻訳機を手に入れた。見たこともない不思議なゼリーを口にし、常識の違う世界に驚かされ続けた一日だった。
体よりも頭のほうが疲れている。
これ以上何か起きる前に、安心して眠れる場所を見つけたかった。
宿らしき看板を探しながら大通りを歩いていると、不意に後ろから声が掛かった。
「そこの可愛い子」
思わず振り向く。
そこに立っていたのは、派手な装飾のついた服を身にまとった一人の女性だった。
すらりとした長身に、思わず目を引く整った顔立ち。身体つきも抜群で、どこか妖しく人を惹きつける雰囲気がある。口元には意味深な笑みが浮かんでいた。
「宿を探してるでしょ?」
「え?」
「分かるのよ。初めて来た人よね?」
女性は楽しそうに肩をすくめる。
「安くて良い宿、知ってるわよ」
「本当ですか?」
「もちろん。ついてきなさい」
疑う間もなく歩き始める女性のあとを追う。
最初は大通りだった。
だが、一つ路地へ入り、さらにもう一つ角を曲がる。
気づけば人通りはほとんどなくなり、さっきまで賑やかだった街の喧騒も遠ざかっていた。
建物の壁には古い汚れが目立ち、照明もまばらだ。
胸の奥が少しだけざわつく。
(……なんか、嫌な予感がする)
そして案内された建物を見た瞬間、その予感は確信へ変わった。
ボロい。
とにかくボロい。
外壁は大きく剥がれ落ち、窓ガラスは何枚も割れたまま放置されている。入口のドアは蝶番が歪んでいるのか、今にも外れそうに傾いていた。
「ここよ」
「え?」
「おすすめの宿」
おすすめとは。
建物全体を見上げる。
風が少し強く吹いただけで崩れてしまいそうだった。
「一泊30」
「30!?」
思わず声が裏返る。
今の所持金は72
たった一泊で、その半分近くが消えてしまう。
「安いわよ?」
「そ、そうなんですか……?」
「安い安い」
女性は満面の笑みを浮かべている。
だが、その笑顔がどうにも信用できない。
周囲を見回しても宿泊客らしい姿は見当たら ず、人の気配すら薄い。
嫌な予感しかしなかった。
「あの、やっぱり自分で探します」
「えー?」
「すみません」
軽く頭を下げると、そのまま足早に来た道を戻る。
背中のほうから舌打ちが聞こえた気がしたが、振り返らなかった。
しばらく歩き、大通りへ戻る。
今度は人通りの多い場所だけを選びながら宿を探した。
何軒か見て回った末、一枚の看板が目に留まる。
【簡易宿泊施設 一泊10】
建物は決して豪華ではない。
それでも外壁はきちんと手入れされ、入口は明るく、受付には宿泊客らしい人たちが何人も並んでいた。
この宿がそもそも安いのかもう分からない。
でも、先程の宿に泊まるよりはマシだと思う。
怪しくない。
たったそれだけのことが、今は何よりも安心できた。
「一泊お願いします」
受付の男性は静かに頷き、板へ手をかざす。
ピリッ。
手首の数字が変わる。
72。
↓
62。
代わりに、薄いカード状の鍵を受け取った。
案内された部屋は質素だった。
小さなベッドが一つ。
机と椅子。
隅には簡素な洗面台。
それだけしかない。
それでも十分すぎるほどだった。
「……助かった」
ベッドへ腰を下ろすと、張りつめていた肩の力が一気に抜けていく。
窓の外では未来都市の夜景が広がっていた。
空を滑る車のライトが光の帯を描き、巨大な立体広告が色鮮やかに街を照らしている。聞いたこともない機械音が遠くから絶え間なく響き、この世界が地球ではないことを改めて思い出させた。
本当に別の世界なんだ。
それでも、不思議と最初ほどの恐怖はなかった。
長い一日だった。
ふと、宿が10……翻訳機は23……
いや、でも買って後悔は全くしてない。
これがなければさっきの、お姉さんの言うまま30をあんな宿に払って泊まっていたんだろうと考えると、決して高いとは言えない。
翻訳機のおかげで宿も見つかった。
なんだかんだで、まだ六十二残っている。
きっと明日も何とかなる。
そんな小さな安心が胸の中に灯る。
ゆっくりとベッドへ横になる。
瞼は鉛のように重く、意識は静かな眠りへと沈んでいく。
窓の外で輝く無数のネオンも、やがてぼんやりと滲み、暗闇の中へ溶けていった。
こうして、異世界で最初の夜は静かに幕を開けた。


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第5話読める世界
耳に付けたイヤーカフに触れる。
本当に翻訳されているのだろうか。
半信半疑のまま街を歩く。
すると、前方から歩いてきた二人組の会話が耳に入った。
「今日もこの前の店に食いに行くか」
「いや、今混んでるって」
思わず振り返る。
聞こえた言葉は確かに日本語だった。
だが、口の動きと音が微妙に合っていない気がする。
実際には別の言語を話しているのだろう。
イヤーカフが意味だけを拾い、自分の理解できる言葉へ置き換えている……のだろう。
試しに周囲へ意識を向ける。
道端で話す人々の声。
空を飛ぶ配送ドローンの案内音声。
遠くの広告放送。
全部が自然に意味を持って耳へ届いていた。
「本当に翻訳されてるんだ……」
すると、今までただの模様にしか見えなかった看板が目に飛び込んできた。
【冷却ドリンク】
【人工重力調整】
【短期記憶バックアップ】
「読める……」
思わず立ち止まる。
さっきまで意味不明だった世界が、一気に色付き始めた気がした。
街を歩く人々を眺める。
人間もいれば、機械の身体を持つ者もいる。
空中を泳ぐ魚のような生物までいる。
それなのに誰も気にしていない。
それがこの街の日常らしかった。
ふと、屋台のような店の前に人が並んでいるのが見えた。
透明な球体の中に浮かぶ色とりどりのゼリー。
美味しそうだ。
近くで様子を見る。
店員は手のひらサイズの板を客へ向ける。
ピッ。
それだけだった。
商品を受け取って去っていく。
「あれ……」
見覚えがある。
翻訳機を買った時だ。自分も同じことをした。
そういえばその時に手首に違和感を感じた事を思い出した。
「77」
右手首には77という数字があった。そして、その下には細い線が手首をぐるりと一周している。
まるで腕輪のようだった。
線の途中には小さな図形が並んでいる。
輪を持つ星。 花びらのような模様。 欠けた月。 意味の分からない記号。
タトゥーにも見えたが違う。
光っている。
しかも皮膚の上ではなく、もっと奥。 肉の中から滲み出しているみたいだった。
指で触れてみる。感触はない。
ただ数字と紋様だけが静かに青く輝いている。
77。
それが何を表しているのかは分からなかった。
ただ一つ分かるのは、翻訳機を買った時に気付きその時には既に77の数字だったことだった。
もしかして、お金と同じ意味合いかな?
そう思った瞬間、屋台の前に並ぶ人たちの行動が妙に気になった。
客は商品を受け取り、手首を軽く見てる。
数字の書いてるあの板の上に手をかざしている。
すると数字が変化しているように見えた。
「やっぱりお金なのかな……」
確かめてみるのが一番早い。
意を決して列の最後尾へ並んだ。
順番が回ってくる。
透明な球体の中には、宝石みたいなゼリーがぷかぷか浮いていた。
赤、青、緑、紫
色んな色のゼリーの粒が入って綺麗だ。
「一つください」
翻訳機のおかげで言葉は通じた。
店員は笑顔で頷き、ゼリーを渡してくる。
球体の浮かんでいるゼリーを直接握って、そのままほらよと言わんばかりに渡してきた。
日本人の性だろうかちょっとイヤだ……。
板には【3】の文字
恐る恐る手をかざした。
青い光が一瞬だけ走った。
ピリッ。
数字が変わる。
77。
↓
74。
「減った……」
本当にお金らしい。
ゼリーを受け取り、人通りの少ない場所へ移動した。
ぷるぷる揺れるそれを口へ運ぶ。
お皿やスプーンなどは無いのでガブリといく。
丸いゼリーだがドロっと中身が出てくることはなく不思議だ。
「ん?」
一口目で違和感があった。
甘い。だが甘いだけではない。
肉の旨味。スパイス。
焼き魚みたいな香ばしさ。
なぜか全部入っている。
「なにこれ」
もう一口。
味が濃い。とにかく濃い。
ご飯が欲しい。凄く食欲いや白米欲をそそるゼリーだった。
「意味分かんない……」
そして半分ほど食べたところで異変が起きた。
お腹が苦しい。
「重っ……」
大食いでも食べたあとのようだ。
とてもゼリー1個とは思えない。
だが周囲の人々は普通に食べている。
どうやらこの世界では一般的な食べ物らしい。
「これで3か……」
思ったより高くない。
とりあえず飲み物も試してみよう。
少し歩くと自動販売機のようなものを見つけた。
透明な小瓶が並んでいる。
【2】
と書かれていた。
一本購入する。
74。
↓
72。
減った。
やはりこの数字がお金だ。
蓋を開ける。
中身は銀色だった。
液体なのに金属みたいに光っている。
「大丈夫かな……」
恐る恐る飲む。
「……?」
最初は炭酸。次にミント。
その後に果物。
最後に何故か雨の匂い。
何故か案外イケると思ってしまった。
「不思議……」
もう一口飲む。減っていない。
気のせいかと思った。
さらに飲む。やっぱり減らない。
「え?」
蓋をして瓶をひっくり返して確認する。
中身は満タンのままだ。
「怖っ」
便利なのか恐ろしいのか分からない。
とりあえず体に異変は無さそうだったので、その不思議な飲み物で喉を潤したのだった。


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第4話翻訳機
早速塔に向かって歩き出す。
遥か遠くに見える尖塔に向かうも、道は幾つも分かれている。
まだ、脇に逸れた路地に一人で入る勇気はなく一番人通りが多い、大通りを歩く。
道路には空飛ぶ車や空飛ぶバイク。歩く人も人もいれば人間と言っていいのか怪しいロボットの様な見た目の人もいる。
そして、大通りに大きなディスプレイから流れる音声は何一つ聞き取れなかった……。
(これはもしかして結構まずい状況なのでは!?)
言葉が分からないと、道を聞くのも看板を読んで歩いて行くのにも苦労するはずだ……。
どうしたもんかも思いながら、とぼとぼと仕方なく塔に向かって少しでも近づこうと歩いていると、どこからか規則性のある言葉が聞こえてきた。
「…………□▼□。⊂☆♪Σ★!
︽◆︾。⊂☆♪Σ★!
■◇■。※※※。
⊂☆♪Σ★!」
「言葉が分からない? それなら翻訳機!
会話したい? それなら翻訳機!
友達がほしい? それなら翻訳機!
人生の意味が知りたい? エラー。
翻訳機販売店!」
「……日本語?」
思わず振り返った。
この街に来てから初めて聞く、まともな言葉だった。
聞き間違いかと思ったが、機械音声は構わず続ける。
「言葉が分からない? それなら翻訳機!」
間違いない。
日本語だ。
思わずその店へ近づく。
そして。
「人生の意味が知りたい? エラー。」
「いや最後なんなの……」
思わずツッコんでしまった。
なぜ人生の意味まで翻訳機に求めたのか。
しかも答えはエラーらしい。
そりゃ人生の意味なんて誰にも分からないよ。
だが、そんな妙な宣伝文句すら今はありがたかった。
少なくとも、この街で初めて意味の分かる言葉だったのだから。
その少しおかしな宣伝文句は奇妙な機械から流れていた。
ラジオにも見えるし、スピーカーにも見える。
だが今の自分にはそんなことはどうでもよかった。
日本語だ。
意味の分かる言葉だ。
砂漠で水を見つけた旅人のように、吸い寄せられるように店へ近づく。
その様子を見ていた店員の眉が、ぴくりと動いた。
言葉が通じていない。
街の常識も知らなそうだ。
しかも、翻訳機の宣伝にここまで食いついている。
店員は店の奥へ向かって小さく手を振った。
同僚がこちらを見て、何かを察したように笑う。
そして店員は満面の笑みで店の外へ出てきた。
「⊂☆♪Σ★。;ゝ?」
店の中から店員らしき人が出てきて何か言っている。
分からないという困惑した顔を隠せずにいたのか、一度中に戻った店員がなにかアクセサリーのような物を持ってきた。
その店員は、自分の耳を指さし、その先には黒色のイヤーカフが嵌められていた。
(なるほど、これをつけるってことかな)
店員の差し出された青白い結晶が着いたイヤーカフを同じように耳にはめた。
途端に店員の話している言葉が分かった。
「聞こえる?」
店員の声が、突然意味のある言葉として耳に飛び込んできた。
「え……」
思わず耳に触れる。
聞こえる。
本当に聞こえる。
さっきまで意味不明な音の羅列だったのに、今はちゃんと会話になっている。
「すごい……!」
店員は満足そうに頷いた。
「翻訳機だよ。試供品モードだけどね。」
「試供品?」
「そう。だからもうすぐ聞こえないようになる。購入するなら正式登録が必要さ。」
店員はカウンターの上に薄い板を置いた。
そこには23という数字が並んでいる。
「ここに手を置いて。」
「これでいいの?」
主人公が右手を置くと、板が淡く発光した。
その瞬間。
ピリッ。
手首の内側に妙な違和感が走った。
まるで肌の下を小さな針で刺されたような感覚。
「うわっ」
反射的に手を引っ込める。
「正常だよ。」
店員は何事もないように言った。
「登録完了っと。」
***
右耳に真新しいイヤーカフを付けた姿が人混みの中へ消えていく。
それを見送った店員は、小さく笑みをこぼした。
「売れたな」
店の奥から別の店員が顔を出す。
「いくらだった?」
「二十三」
「おお」
感心したような声が返ってきた。
「結構いったな」
「翻訳機がなかったら何もできない顔してたからな」
肩をすくめる。
別に嘘はついていない。
商品も本物だ。
ちゃんと動く。
値段が少し高かっただけだ。
「まあ、外から来たばっかりっぽかったし」
「だろうな」
二人は店先へ視線を向ける。
今日も人々が行き交い、機械音声が流れ続けている。
「言葉が分からない? それなら翻訳機! 会話したい? それなら翻訳機! 友達がほしい? それなら翻訳機!」
店員は苦笑した。
「最初の買い物が翻訳機ってのは、みんな同じだな」
「違いない」


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第7話もう一人の異世界人
翌朝。
宿を出て大通りを歩いていると、不意に人だかりが目に入った。
「だから駄目だって!」
店員の大きな声が響く。
何事だろうと近づくと、屋台の前でこの世界では見慣れない格好の子が店員と向かい合っていた。
額には黒い角。
背中には煤けた黒い羽。
服は汚れ、髪も乱れ、何日もまともに眠っていないような顔をしている。
角は鬼を、羽は天狗を思わせる。その姿は、日本の昔話から抜け出してきたような、不思議な雰囲気をまとっていた。
その不思議な子は店先に並ぶ料理を指差しながら言った。
「これをください!」
必死な声だった。
しかし店員は首を横に振る。
「だから、お金がないなら売れない!」
「……?」
その子はきょとんと目を丸くする。
言われた意味が分からない。
もう一度料理を指差した。
「これです! 食べたいんです!」
「いや、食べたいのは分かった!」
店員は頭を抱える。
「お金ですよね!分かってます。でも、無いんです。でも……お腹が空いてるんです。後で返します!お願いです!」
周囲から苦笑が漏れた。
「また翻訳機を持ってない人か」
「珍しいな」
その子はそんな周囲の声にも反応できない。
聞こえているはずなのに、意味だけが届いていない。
代わりに自分のお腹を押さえた。
「お腹が空いてるんです!」
ぐぅぅぅ……。
ちょうどその瞬間、お腹が大きく鳴った。
その子は少しだけ恥ずかしそうに羽を縮める。
それでも諦めず、もう一度料理を指差した。
「お願いします!」
店員は困ったように息をつく。
「だから、売りたいのは山々なんだけど……」
説明しても伝わらない。
その子も悪気はない。
それは誰の目にも分かった。
その様子を見ていたミズキは、思わず耳のイヤーカフへ触れる。
(昨日までの……私だ)
もし翻訳機を買えていなければ。
もしお金が足りなければ。
今あそこに立っていたのは、自分だったかもしれない。
視線は自然とその鬼の子の腕へ向く。
手首の数字は、ゼロ。
もう、一つも残っていなかった。

助ける
間に入る
見守る意見を選択しよう|2026/07/01まで

🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第7話もう一人の異世界人
翌朝。
宿を出て大通りを歩いていると、不意に人だかりが目に入った。
「だから駄目だって!」
店員の大きな声が響く。
何事だろうと近づくと、屋台の前でこの世界では見慣れない格好の子が店員と向かい合っていた。
額には黒い角。
背中には煤けた黒い羽。
服は汚れ、髪も乱れ、何日もまともに眠っていないような顔をしている。
角は鬼を、羽は天狗を思わせる。その姿は、日本の昔話から抜け出してきたような、不思議な雰囲気をまとっていた。
その不思議な子は店先に並ぶ料理を指差しながら言った。
「これをください!」
必死な声だった。
しかし店員は首を横に振る。
「だから、お金がないなら売れない!」
「……?」
その子はきょとんと目を丸くする。
言われた意味が分からない。
もう一度料理を指差した。
「これです! 食べたいんです!」
「いや、食べたいのは分かった!」
店員は頭を抱える。
「お金ですよね!分かってます。でも、無いんです。でも……お腹が空いてるんです。後で返します!お願いです!」
周囲から苦笑が漏れた。
「また翻訳機を持ってない人か」
「珍しいな」
その子はそんな周囲の声にも反応できない。
聞こえているはずなのに、意味だけが届いていない。
代わりに自分のお腹を押さえた。
「お腹が空いてるんです!」
ぐぅぅぅ……。
ちょうどその瞬間、お腹が大きく鳴った。
その子は少しだけ恥ずかしそうに羽を縮める。
それでも諦めず、もう一度料理を指差した。
「お願いします!」
店員は困ったように息をつく。
「だから、売りたいのは山々なんだけど……」
説明しても伝わらない。
その子も悪気はない。
それは誰の目にも分かった。
その様子を見ていたミズキは、思わず耳のイヤーカフへ触れる。
(昨日までの……私だ)
もし翻訳機を買えていなければ。
もしお金が足りなければ。
今あそこに立っていたのは、自分だったかもしれない。
視線は自然とその鬼の子の腕へ向く。
手首の数字は、ゼロ。
もう、一つも残っていなかった。

助ける
間に入る
見守る意見を選択しよう|2026/07/01まで

🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第6話最初の夜
腹ごしらえを終え、今夜泊まる宿を探すことにした。
気がつけば、空はゆっくりと茜色へ染まり始めている。昼間は眩しかった見慣れる形のビルの窓ガラスも、夕日を反射して黄金色に輝き、その隙間からは無数のネオンが少しずつ目を覚まし始めていた。昼と夜が入れ替わる境目で、この街はようやく本当の姿を見せようとしている。
さすがに今日は疲れた。
突然異世界へ飛ばされ、言葉も分からないまま街を歩き回り、ようやく翻訳機を手に入れた。見たこともない不思議なゼリーを口にし、常識の違う世界に驚かされ続けた一日だった。
体よりも頭のほうが疲れている。
これ以上何か起きる前に、安心して眠れる場所を見つけたかった。
宿らしき看板を探しながら大通りを歩いていると、不意に後ろから声が掛かった。
「そこの可愛い子」
思わず振り向く。
そこに立っていたのは、派手な装飾のついた服を身にまとった一人の女性だった。
すらりとした長身に、思わず目を引く整った顔立ち。身体つきも抜群で、どこか妖しく人を惹きつける雰囲気がある。口元には意味深な笑みが浮かんでいた。
「宿を探してるでしょ?」
「え?」
「分かるのよ。初めて来た人よね?」
女性は楽しそうに肩をすくめる。
「安くて良い宿、知ってるわよ」
「本当ですか?」
「もちろん。ついてきなさい」
疑う間もなく歩き始める女性のあとを追う。
最初は大通りだった。
だが、一つ路地へ入り、さらにもう一つ角を曲がる。
気づけば人通りはほとんどなくなり、さっきまで賑やかだった街の喧騒も遠ざかっていた。
建物の壁には古い汚れが目立ち、照明もまばらだ。
胸の奥が少しだけざわつく。
(……なんか、嫌な予感がする)
そして案内された建物を見た瞬間、その予感は確信へ変わった。
ボロい。
とにかくボロい。
外壁は大きく剥がれ落ち、窓ガラスは何枚も割れたまま放置されている。入口のドアは蝶番が歪んでいるのか、今にも外れそうに傾いていた。
「ここよ」
「え?」
「おすすめの宿」
おすすめとは。
建物全体を見上げる。
風が少し強く吹いただけで崩れてしまいそうだった。
「一泊30」
「30!?」
思わず声が裏返る。
今の所持金は72
たった一泊で、その半分近くが消えてしまう。
「安いわよ?」
「そ、そうなんですか……?」
「安い安い」
女性は満面の笑みを浮かべている。
だが、その笑顔がどうにも信用できない。
周囲を見回しても宿泊客らしい姿は見当たら ず、人の気配すら薄い。
嫌な予感しかしなかった。
「あの、やっぱり自分で探します」
「えー?」
「すみません」
軽く頭を下げると、そのまま足早に来た道を戻る。
背中のほうから舌打ちが聞こえた気がしたが、振り返らなかった。
しばらく歩き、大通りへ戻る。
今度は人通りの多い場所だけを選びながら宿を探した。
何軒か見て回った末、一枚の看板が目に留まる。
【簡易宿泊施設 一泊10】
建物は決して豪華ではない。
それでも外壁はきちんと手入れされ、入口は明るく、受付には宿泊客らしい人たちが何人も並んでいた。
この宿がそもそも安いのかもう分からない。
でも、先程の宿に泊まるよりはマシだと思う。
怪しくない。
たったそれだけのことが、今は何よりも安心できた。
「一泊お願いします」
受付の男性は静かに頷き、板へ手をかざす。
ピリッ。
手首の数字が変わる。
72。
↓
62。
代わりに、薄いカード状の鍵を受け取った。
案内された部屋は質素だった。
小さなベッドが一つ。
机と椅子。
隅には簡素な洗面台。
それだけしかない。
それでも十分すぎるほどだった。
「……助かった」
ベッドへ腰を下ろすと、張りつめていた肩の力が一気に抜けていく。
窓の外では未来都市の夜景が広がっていた。
空を滑る車のライトが光の帯を描き、巨大な立体広告が色鮮やかに街を照らしている。聞いたこともない機械音が遠くから絶え間なく響き、この世界が地球ではないことを改めて思い出させた。
本当に別の世界なんだ。
それでも、不思議と最初ほどの恐怖はなかった。
長い一日だった。
ふと、宿が10……翻訳機は23……
いや、でも買って後悔は全くしてない。
これがなければさっきの、お姉さんの言うまま30をあんな宿に払って泊まっていたんだろうと考えると、決して高いとは言えない。
翻訳機のおかげで宿も見つかった。
なんだかんだで、まだ六十二残っている。
きっと明日も何とかなる。
そんな小さな安心が胸の中に灯る。
ゆっくりとベッドへ横になる。
瞼は鉛のように重く、意識は静かな眠りへと沈んでいく。
窓の外で輝く無数のネオンも、やがてぼんやりと滲み、暗闇の中へ溶けていった。
こうして、異世界で最初の夜は静かに幕を開けた。


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第5話読める世界
耳に付けたイヤーカフに触れる。
本当に翻訳されているのだろうか。
半信半疑のまま街を歩く。
すると、前方から歩いてきた二人組の会話が耳に入った。
「今日もこの前の店に食いに行くか」
「いや、今混んでるって」
思わず振り返る。
聞こえた言葉は確かに日本語だった。
だが、口の動きと音が微妙に合っていない気がする。
実際には別の言語を話しているのだろう。
イヤーカフが意味だけを拾い、自分の理解できる言葉へ置き換えている……のだろう。
試しに周囲へ意識を向ける。
道端で話す人々の声。
空を飛ぶ配送ドローンの案内音声。
遠くの広告放送。
全部が自然に意味を持って耳へ届いていた。
「本当に翻訳されてるんだ……」
すると、今までただの模様にしか見えなかった看板が目に飛び込んできた。
【冷却ドリンク】
【人工重力調整】
【短期記憶バックアップ】
「読める……」
思わず立ち止まる。
さっきまで意味不明だった世界が、一気に色付き始めた気がした。
街を歩く人々を眺める。
人間もいれば、機械の身体を持つ者もいる。
空中を泳ぐ魚のような生物までいる。
それなのに誰も気にしていない。
それがこの街の日常らしかった。
ふと、屋台のような店の前に人が並んでいるのが見えた。
透明な球体の中に浮かぶ色とりどりのゼリー。
美味しそうだ。
近くで様子を見る。
店員は手のひらサイズの板を客へ向ける。
ピッ。
それだけだった。
商品を受け取って去っていく。
「あれ……」
見覚えがある。
翻訳機を買った時だ。自分も同じことをした。
そういえばその時に手首に違和感を感じた事を思い出した。
「77」
右手首には77という数字があった。そして、その下には細い線が手首をぐるりと一周している。
まるで腕輪のようだった。
線の途中には小さな図形が並んでいる。
輪を持つ星。 花びらのような模様。 欠けた月。 意味の分からない記号。
タトゥーにも見えたが違う。
光っている。
しかも皮膚の上ではなく、もっと奥。 肉の中から滲み出しているみたいだった。
指で触れてみる。感触はない。
ただ数字と紋様だけが静かに青く輝いている。
77。
それが何を表しているのかは分からなかった。
ただ一つ分かるのは、翻訳機を買った時に気付きその時には既に77の数字だったことだった。
もしかして、お金と同じ意味合いかな?
そう思った瞬間、屋台の前に並ぶ人たちの行動が妙に気になった。
客は商品を受け取り、手首を軽く見てる。
数字の書いてるあの板の上に手をかざしている。
すると数字が変化しているように見えた。
「やっぱりお金なのかな……」
確かめてみるのが一番早い。
意を決して列の最後尾へ並んだ。
順番が回ってくる。
透明な球体の中には、宝石みたいなゼリーがぷかぷか浮いていた。
赤、青、緑、紫
色んな色のゼリーの粒が入って綺麗だ。
「一つください」
翻訳機のおかげで言葉は通じた。
店員は笑顔で頷き、ゼリーを渡してくる。
球体の浮かんでいるゼリーを直接握って、そのままほらよと言わんばかりに渡してきた。
日本人の性だろうかちょっとイヤだ……。
板には【3】の文字
恐る恐る手をかざした。
青い光が一瞬だけ走った。
ピリッ。
数字が変わる。
77。
↓
74。
「減った……」
本当にお金らしい。
ゼリーを受け取り、人通りの少ない場所へ移動した。
ぷるぷる揺れるそれを口へ運ぶ。
お皿やスプーンなどは無いのでガブリといく。
丸いゼリーだがドロっと中身が出てくることはなく不思議だ。
「ん?」
一口目で違和感があった。
甘い。だが甘いだけではない。
肉の旨味。スパイス。
焼き魚みたいな香ばしさ。
なぜか全部入っている。
「なにこれ」
もう一口。
味が濃い。とにかく濃い。
ご飯が欲しい。凄く食欲いや白米欲をそそるゼリーだった。
「意味分かんない……」
そして半分ほど食べたところで異変が起きた。
お腹が苦しい。
「重っ……」
大食いでも食べたあとのようだ。
とてもゼリー1個とは思えない。
だが周囲の人々は普通に食べている。
どうやらこの世界では一般的な食べ物らしい。
「これで3か……」
思ったより高くない。
とりあえず飲み物も試してみよう。
少し歩くと自動販売機のようなものを見つけた。
透明な小瓶が並んでいる。
【2】
と書かれていた。
一本購入する。
74。
↓
72。
減った。
やはりこの数字がお金だ。
蓋を開ける。
中身は銀色だった。
液体なのに金属みたいに光っている。
「大丈夫かな……」
恐る恐る飲む。
「……?」
最初は炭酸。次にミント。
その後に果物。
最後に何故か雨の匂い。
何故か案外イケると思ってしまった。
「不思議……」
もう一口飲む。減っていない。
気のせいかと思った。
さらに飲む。やっぱり減らない。
「え?」
蓋をして瓶をひっくり返して確認する。
中身は満タンのままだ。
「怖っ」
便利なのか恐ろしいのか分からない。
とりあえず体に異変は無さそうだったので、その不思議な飲み物で喉を潤したのだった。


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第4話翻訳機
早速塔に向かって歩き出す。
遥か遠くに見える尖塔に向かうも、道は幾つも分かれている。
まだ、脇に逸れた路地に一人で入る勇気はなく一番人通りが多い、大通りを歩く。
道路には空飛ぶ車や空飛ぶバイク。歩く人も人もいれば人間と言っていいのか怪しいロボットの様な見た目の人もいる。
そして、大通りに大きなディスプレイから流れる音声は何一つ聞き取れなかった……。
(これはもしかして結構まずい状況なのでは!?)
言葉が分からないと、道を聞くのも看板を読んで歩いて行くのにも苦労するはずだ……。
どうしたもんかも思いながら、とぼとぼと仕方なく塔に向かって少しでも近づこうと歩いていると、どこからか規則性のある言葉が聞こえてきた。
「…………□▼□。⊂☆♪Σ★!
︽◆︾。⊂☆♪Σ★!
■◇■。※※※。
⊂☆♪Σ★!」
「言葉が分からない? それなら翻訳機!
会話したい? それなら翻訳機!
友達がほしい? それなら翻訳機!
人生の意味が知りたい? エラー。
翻訳機販売店!」
「……日本語?」
思わず振り返った。
この街に来てから初めて聞く、まともな言葉だった。
聞き間違いかと思ったが、機械音声は構わず続ける。
「言葉が分からない? それなら翻訳機!」
間違いない。
日本語だ。
思わずその店へ近づく。
そして。
「人生の意味が知りたい? エラー。」
「いや最後なんなの……」
思わずツッコんでしまった。
なぜ人生の意味まで翻訳機に求めたのか。
しかも答えはエラーらしい。
そりゃ人生の意味なんて誰にも分からないよ。
だが、そんな妙な宣伝文句すら今はありがたかった。
少なくとも、この街で初めて意味の分かる言葉だったのだから。
その少しおかしな宣伝文句は奇妙な機械から流れていた。
ラジオにも見えるし、スピーカーにも見える。
だが今の自分にはそんなことはどうでもよかった。
日本語だ。
意味の分かる言葉だ。
砂漠で水を見つけた旅人のように、吸い寄せられるように店へ近づく。
その様子を見ていた店員の眉が、ぴくりと動いた。
言葉が通じていない。
街の常識も知らなそうだ。
しかも、翻訳機の宣伝にここまで食いついている。
店員は店の奥へ向かって小さく手を振った。
同僚がこちらを見て、何かを察したように笑う。
そして店員は満面の笑みで店の外へ出てきた。
「⊂☆♪Σ★。;ゝ?」
店の中から店員らしき人が出てきて何か言っている。
分からないという困惑した顔を隠せずにいたのか、一度中に戻った店員がなにかアクセサリーのような物を持ってきた。
その店員は、自分の耳を指さし、その先には黒色のイヤーカフが嵌められていた。
(なるほど、これをつけるってことかな)
店員の差し出された青白い結晶が着いたイヤーカフを同じように耳にはめた。
途端に店員の話している言葉が分かった。
「聞こえる?」
店員の声が、突然意味のある言葉として耳に飛び込んできた。
「え……」
思わず耳に触れる。
聞こえる。
本当に聞こえる。
さっきまで意味不明な音の羅列だったのに、今はちゃんと会話になっている。
「すごい……!」
店員は満足そうに頷いた。
「翻訳機だよ。試供品モードだけどね。」
「試供品?」
「そう。だからもうすぐ聞こえないようになる。購入するなら正式登録が必要さ。」
店員はカウンターの上に薄い板を置いた。
そこには23という数字が並んでいる。
「ここに手を置いて。」
「これでいいの?」
主人公が右手を置くと、板が淡く発光した。
その瞬間。
ピリッ。
手首の内側に妙な違和感が走った。
まるで肌の下を小さな針で刺されたような感覚。
「うわっ」
反射的に手を引っ込める。
「正常だよ。」
店員は何事もないように言った。
「登録完了っと。」
***
右耳に真新しいイヤーカフを付けた姿が人混みの中へ消えていく。
それを見送った店員は、小さく笑みをこぼした。
「売れたな」
店の奥から別の店員が顔を出す。
「いくらだった?」
「二十三」
「おお」
感心したような声が返ってきた。
「結構いったな」
「翻訳機がなかったら何もできない顔してたからな」
肩をすくめる。
別に嘘はついていない。
商品も本物だ。
ちゃんと動く。
値段が少し高かっただけだ。
「まあ、外から来たばっかりっぽかったし」
「だろうな」
二人は店先へ視線を向ける。
今日も人々が行き交い、機械音声が流れ続けている。
「言葉が分からない? それなら翻訳機! 会話したい? それなら翻訳機! 友達がほしい? それなら翻訳機!」
店員は苦笑した。
「最初の買い物が翻訳機ってのは、みんな同じだな」
「違いない」


🏡*ana⸊ဂဗ◒
#第3話最初の分岐
「君が推してたあのルームの主さん――普通の配信者じゃないんだよね」
グラちゃんの衝撃的な発言の後、黒い霧が晴れるように薄れていく。
その向こうには、無数の光が瞬く巨大な街が広がっていた。
空へ伸びるビル群。
宙を走る光の線。
そして街の中心には、雲を突き抜けるほど高い一本の塔。
「あれが……」
「そ。ゴール」
グラちゃんが指差した。
「あの塔のてっぺん」
「本当にあそこに行けば帰れるの?」
「さぁね」
「さぁね!?」
「でも、みんな目指してるよ」
軽い。軽すぎる!
だけど他に手掛かりもない。
改めて塔を見上げた。
遠い。遠すぎる……。
歩いて何日かかるのかも想像できない。
「……とりあえず行くしかないか」
塔から視線を外し、周囲を見回す。
街へ続く大通り。
薄暗い路地。
そして少し離れた場所はみんなが遊べる広場みたいな場所も見えた。
「どうする?」
グラちゃんが肩をすくめる。
「どうするって言われても……」
情報はない。 土地勘もない。
「じゃボク忙しいからさ、暇になったら見に来るかもね」
そう言ってグラちゃんはクルッと回るとふっと消えていた。
「えっ、ちょっ」
本当にいなくなっちゃった。
それでも、最初の一歩を決めなければ始まらない。
じっと街を見つめた。
さて、どこへ向かうべきだろうか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
☝投票の結果で次回の行動が決まります‼️

住民に話しかける7
塔へ向かう11
街案内ドローンについて行く5投票終了 23人が参加中

🏡*ana⸊ဂဗ◒
第2話 【門番】
漆黒の無重力空間。
宇宙服を着た三等身の奇妙な生物が、ぷかぷかと浮いていた。
「グラちゃん!?」
「やぁ、いらっしゃい。グラビティの世界に入りたかったんでしょ?」
「はぁ!?」
思わず叫んでしまった。
いや待て。
何だここは。
さっきまでスマホを見ていたはずだ。
部屋のベッドに腰掛けて、Gravityのルームに入って、無言配信の近未来都市を眺めていて――。
そして主が挨拶(いや、挨拶だったか?)をした瞬間、画面が光って。
気づいたら漆黒だった。
「夢?」
「よく言われる」
「じゃあ夢か」
「残念ながら違う」
グラちゃんは腕を組みながら、くるりと一回転した。
その姿はマスコットキャラクターのようで可愛いのだが、置かれている状況が全く可愛くない。
「まず確認だけど」
グラちゃんが指を一本立てる。
「君の名前は?」
「え?」
「名前」
「……ミズキだけど」
「よし。記憶は正常」
「正常じゃないだろ!?」
周囲はどこまでも続く黒。
星の光すら見えない。
上下も左右も分からない空間。
なのに息はできるし、会話もできる。
意味が分からない。
「ここどこ?」
「グラビティの世界」
「そのまんまじゃん」
説明になっていない。
グラちゃんは無視して話を続けた。
「君たち人間は面白いよね」
「何が」
「寂しいからアプリを開く」
「……」
「誰かと話したいからルームに入る」
「……」
「でも本当に欲しいのは会話じゃなくて、誰かがいるっていう実感だったりする」
少しだけ言葉に詰まった。
それは、図星だったからだ。
今日だってそうだ。
仕事では散々人と話した。
会議もした。
取引先とも話した。
それなのに家へ帰ると、妙に静かだった。
だからGravityを開いた。
誰かと繋がっている気になれるから。
「ここはね」
グラちゃんが指を鳴らした。
途端に漆黒の空間へ光が走る。
無数の線が広がり、星座のような模様を描いた。
よく見ると、一つ一つが小さな光の球だった。
「なんだこれ……」
「人」
「人?」
「正確には人の居場所かな」
光の球が脈打つ。
近づくもの。
離れていくもの。
複数集まって輝くもの。
ぽつんと一つだけ漂うもの。
「君たちが見ているGravityはアプリの画面だけど」
グラちゃんは胸を張った。
「本当はこういう世界なんだよ」
「……本当って何だ」
「感情が集まる場所」
「感情?」
「寂しい、楽しい、嬉しい、暇、誰か来ないかな、話したいな」
グラちゃんは一つの光をつつく。
その光がぽわっと明るくなった。
「そういう気持ちが重力になる」
「重力?」
「似た気持ちは引き寄せ合う」
俺は光の群れを見つめた。
確かに。
ルームだってそうだった。
雑談好きが集まる場所。
ゲーム好きが集まる場所。
夜更かしする人たち。
恋バナする人たち。
誰かの声を聞きたい人たち。
みんな何かに引っ張られて集まっている。
「だからグラビティ」
「……なるほど」
「分かった?」
「三割くらい」
「十分」
グラちゃんは満足そうに頷いた。
そして突然、真面目な顔になる。
「ところで君」
「なに」
「家に帰りたい?」
「そりゃ、当たり前でしょ?!」
「会いたいんでしょ?」
「だ、誰に?」
「毎日待ってるのに?」
「……」
「通知確認してるのに?」
「……」
「声聞きたいなぁって思ってるのに?」
「うるさい!」
グラちゃんはケラケラ笑った。
宇宙服越しでも分かるくらい楽しそうだった。
「安心して」
「何にだよ」
「君だけじゃないから」
そう言うと、周囲の光の球が一斉に輝いた。
誰かを待つ人。
誰かの声に救われる人。
誰かと笑いたい人。
その数は想像を超えていた。
「ここはそういう場所だから」
グラちゃんは手を差し出した。
「ようこそ、グラビティの世界へ」
その瞬間。
まるで新しい星に生まれたみたいに。
嫌な予感を覚える。
「……なぁ」
「うん?」
「あれ何?」
グラちゃんの顔から笑みが消えた。
「見た事あるでしょ?行きたかったんでしょ??」
「……」
「あの塔のテッペンに行ってみて」
グラちゃんは遠くの光を見つめながら呟いた。
「君が推してたあのルームの主さん――」
一拍置いて。
「普通の配信者じゃないんだよね」
#グラゲームブック


🏡*ana⸊ဂဗ◒
【第1話】Gravity
「ただいま。」
仕事でたくさんの人と話してきたはずなのに、家に入ると寂しさが込み上げてくる。
そんな時に出会ったのがGravity。
好き勝手話して笑っている。いろんな人がいて。それぞれに楽しみを見つけている。
「今日はルームしていないか。」
何気ない会話をして。手を叩いて笑う。そんな彼女の声を聞きたかったのに……。今日はまだルームを開いてなかったみたい。
いわゆる「推し」というものをこのアプリで見つけていた。
他に自分に合ったルームはないかと、今日は珍しくルームを探してみようと思った。
【グラビティの世界に入ってみよう!!】
という初心者向けなのか初歩的なルームタイトルを見つけた。
気になったが入っているのは一人。これは配信者一人ということだ。少し怖気付きそうになるが、超未来感が溢れる背景に興味を惹かれた。
そして、背景見たさにルームに入るという初めての行動を起こした。
ルームには案の定、主一人。しかも無言だ。入ったのは失敗だったと思いながら。気になっていた背景の超未来感溢れるサイバーシティを、じっくり見る。無言は無言でこういう時にじっくり見れていいなと思った。
すると、動かないはずの背景なのに、空に浮かぶ車が動いているように見えた。そんなまさかなと思いつつ、画面をタップしてみた。当たり前だが空飛ぶ車は動いていない。そんな訳ないか……
子供の頃に読んだ漫画の影響なのか、ネオンブルーとエメラルドグリーンの光が街を包み込む超未来感が溢れる背景を穴が空く勢いで食い入るように見た。
無数の摩天楼が天に向かって伸びる超未来都市。
その摩天楼を覆うようにバカでかい惑星が存在感を放ちながら浮かんでいる。
街の中心には巨大な尖塔がそびえ立ち、その高さは月を思わせるような、もう一つの惑星に届きそうな高さだった。
「あ、こんにちは!!」
そんな主の声がして
「いってらっしゃいませ〜」
の言葉と共に携帯の画面が異様な光を放つ、直視できないほどの光に思わず顔を逸らした。
#グラゲームブック


🏡*ana⸊ဂဗ◒
……前書いてたものは忘れてください🙇♀️笑
Gravityのこの投稿だけで楽しむ為の新しい物語を書いてみました。
でも、選択制、アンケート方式で話が進む物語は同じです。
✨皆さんの投票で物語が動きます!!✨
ゴールは簡単!!
元の世界に帰りたくば塔のテッペンに行ってください!!
⚠️私が設定を考え、それをChatGPTと一緒に文章にしています。補助的な意味でChatGPTを取り入れ、共同作業をさせていただいています。
⚠️画像などは、今までのイベントの背景だったり、フレームからヒントをもらっています。画像もそれらを使い、ChatGPTに作ってもらっています。もしダメなら早めに言って欲しい…。


🏡*ana⸊ဂဗ◒
を作りましたー✨⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝✨
是非、お入りください!!
ここに小説を1話〜あげなおしていきます。
小説家になろう、にストックしているものをあげるので、投稿した1話と若干変わってます。(内容ではなく表現とか)
10人入らないと消えるとか、怖すぎ:(´ºдº:;`):ヒィ-



内容はありません

内容はありません
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パチスロの星
1958人が搭乗中
参加
ようこそパチ ンコ・スロットの星へ!!
勝ちもあれば負けもある!
輝かしい思い出も苦い思い出も残していってください!

空好きの星
14745人が搭乗中
参加
空を見上げた時のこの感情を共有したい、そんな空好きが集まる星です。

釣りの星
1096人が搭乗中
参加
釣り好き集合‼️
海、川、渓流、エサ、ルアー、サビキ、etc
ジャンル問いません!
釣りの投稿をジャンジャンしてください!
ボウズの報告も待ってます(笑)

コスプレの星
1388人が搭乗中
参加

花とグリーンの星
987人が搭乗中
参加
ふと道端の花に癒される瞬間など、日々私達を癒してくれるお花や自然美を共有する星です🌱
もっとみる 

🏡*ana⸊ဂဗ◒