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昨晩出張の帰り道、質問箱を眺めていたら大喜利で「桃太郎が鬼退治から帰ってこない。なぜ?」
と言ったお題を見つけたので書いてみた。

笑いはないのだが、なんとなしに気に入っているので加筆訂正を🖊️





ー鬼退治を終え、そばの丁度良い丸石に腰掛けた。
思ったより早く終わったなぁ
少しばかり余力もある
まだ居ないのか?
周りを見渡せど鬼だったものが横たわっているだけだ。
危惧しているのではない。

猿は金目のものを漁り、雉は肉を啄み、犬は物足りないと怪訝な顔をしながら小便をかけている。

あぁ、終わったのか

好物の草餅がまだ三個残っている。
ならば一個。
まだ残っているな。
また一個。
もう一個残っている。
夜にするか。いや、食べてしまおう。

無くなってしまった。

まだ食べられる。


食べてぇなぁ


といった心持ちと良く似ている。



奴らは悪だ
成敗してくれる




「殺したい」


驚くほど迷いもなくその言葉が心を覆った。

どこかに居ないか

居ないか
居ないのか


母上は明日になれば草餅を置いておいてくれる。

が、鬼は違う。



ガサリ


音の方に目を向けると、目を見開き眉を潜めた、年の頃六つ、七つとおぼしきいとけなし童が幹の後ろに居た。身体は紅く、ちゃんと角を生やしている。

鬼の子だ。


私は気付いてしまった。

己の中のそれに気付いてしまった。



と言うより、知っていた。分かっていた。


鬼は、私だ。




膝に乗せた片方の手を首筋にやりぽりぽりと少し掻いて、転がっている金棒を手に取り、小さく「草餅たべてぇなぁ」と呟き幹の方へと足を進めたー 


#ダーク桃太郎
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雑食の巨人

雑食の巨人

鬼退治が終わった桃太郎が帰って来ない。何故?鬼退治が終わった桃太郎が帰って来ない。何故?

回答数 117>>

鬼退治を終え、側の丁度良い丸石に腰掛けた。
思ったより早く終わったなぁ
少しばかり余力もある
まだ居ないのか?
周りを見渡せど鬼だったものが横たわっているだけだ。
猿は金目のものを漁り、雉は肉を啄み、犬は物足りないと怪訝な顔をしながら小便をかけている。

あぁ、終わったのか
好物の草餅をまだ三個残っている、ならば一個、まだ残っているな、また一個。もう一個残っている。夜にするか。いや、食べてしまおう。
無くなってしまった。
まだ食べられる。
食べたいなぁ
といった気持ちと良く似ている。

まだ殺したい
奴らは悪だ
成敗してくれる
どこかに居ないか

居ないか
居ないのか

母上は明日になれば草餅を置いておいてくれるが、鬼は違う。

私は気付いてしまった。
鬼は、私だ。
己の中のそれに気付いてしまった。

ガサリ

音の方に目を向けると、目を見開き眉を潜めた子供が幹の後ろに居た。身体は紅く、ちゃんと角を生やしている。鬼の子だ。


膝に乗せた片方の手を首筋にやりぽりぽりと少し掻いて、私は転がっている金棒を手に取り小さく「草餅」と呟き幹の方へと足を進めたー から。
大喜利のお題の星大喜利のお題の星
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まきまさんれぜの扉絵は映画で出ましたけれども7巻59話の見開きもアニメで出ますか?
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#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

少女ユナの世界には、色というものがなかった。朝も昼も夜も、すべてが灰色で塗りつぶされ、人々は色の存在を語ることすらない。ユナは子どもの頃からときどき夢を見た。夢の中だけに現れる、色鮮やかな花々の庭。その名前も知らないまま、大人たちに話しても「そんなものは存在しない」と笑われ続けた。けれどユナは、その庭が「ある」と信じていた。理由なんてなかった。ただ、その庭の花たちは、いつも彼女をじっと待っている気がしたのだ。

ある日、街を歩いていると、古い本屋の奥で一冊の薄い本が目に止まった。ページは黄ばんで、表紙には見覚えのある模様。震える指で開くと、そこにはたった三行だけの文章があった――“世界のすべての色は、花彩命の庭から生まれる”“色を失った者だけが庭に辿り着ける”“庭は、心の声を聞く”。その瞬間、ユナの胸の奥で何かが強く跳ねた。本に挟まれていた地図のような紙片を握りしめ、彼女は家へ戻ることもせず、そのまま歩き出した。

地図が示す先は街の外れ、誰も近づかない森の境界だった。そこに古びた石門がひとつ、世界から取り残されたように立っていた。色のない世界の中でも、その門だけは妙に存在感があった。ユナが門をくぐると、空気の質が変わった。湿った木の匂い、足元の土の柔らかさ、遠くから聴こえる見たことのない鳥の声。それはユナが生まれて初めて感じる“生の匂い”だった。

道なき道を進んだ先、急に視界が開けた。そこに広がっていたのは、まさに夢で見た場所――花彩命の庭。ただし夢に見たような色鮮やかな風景ではなく、そこに咲く花々はすべて灰色で、まるで息を潜めて眠っているようだった。ユナは困惑し、夢との違いに心を揺らした。すると、背後から柔らかい声がした。

「色がないのは、庭があなたを試しているからだよ」

振り返ると、一匹の白狐が立っていた。額に小さな葉の紋が光っている。ユナが声を失っていると、狐は静かに言葉を続けた。

「私はミオ。この庭の守り狐。花彩命の庭は、人の心に触れたときに色を咲かせる。けれど君は、生まれてから一度も色を見たことがないだろう? だから庭は、まず君の心の形を知りたがってるんだ」

ユナは自分の胸に手を当てた。心の形なんて、自分でも知らない。けれど庭に引き寄せられた理由が、ようやく少しだけ理解できた。

ユナはゆっくりと庭の中央へ歩いた。そこには、一輪だけ他の花よりもかすかに光る蕾があった。手を伸ばすと、その瞬間、胸の奥で押し込めてきた記憶が溢れ出す。誰にも気づかれなかった寂しさ。いつも“平気なふり”をしていた幼い自分。泣きたくても泣けなかった夜。溢れた記憶は涙となり、蕾に落ちた。

すると、蕾が静かに震え、灰色の花びらが淡い桃色を帯びていった。光が灯るように、色が広がっていく。ユナは目を見開き、手を口に当てた。

「これ……私の色……?」

ミオがうなずく。

「そう。君の悲しみが咲かせた色。でもそれは弱さじゃない。長い間、誰にも見せず抱えてきた“強さ”でもあるんだ」

その言葉に胸が熱くなった。ユナは涙を流しながら笑った。自分の心が花を咲かせたという事実が、たまらなく嬉しかった。

その後、庭のあちこちを歩くたびに、ユナの心の断片に触れた花が色づいていった。過去の恐れは深い青に、誰かに向けた優しさは薄紫に、小さな勇気は黄金色の光となって咲いた。庭はユナの人生そのもののように彩りを増していき、彼女は自分の中にこんなにも多くの感情があったのだと初めて知った。

しかし、色が増えるほどに、庭を囲む森の奥から黒い霧が立ち上り始めた。ミオは険しい顔をして言った。

「影が動き出したね。色を手にした者は、必ず影と向き合わなければならない」

影――それはユナが生きてきた世界の痛み、恐れ、見ないふりをしてきた心の暗部。逃げれば庭は再び色を失う。ユナは震える手を握りしめ、霧の中へ足を踏み入れた。

霧の中心に、ユナは“もう一人の自分”を見た。色を持たず、瞳は深い闇のよう。声はユナのものなのに、どこか幼い。

「私を置いて色を探しに来たの?」

その一言だけで、ユナの胸が痛んだ。影のユナは、色を知らない世界でずっと押し込められ、泣きたくても泣けなかったもう一人の自分だった。

ユナは首を振って言った。

「置いてなんかいない。あなたがいたから、私はここへ来られたの。だから……一緒に色を見たい」

影のユナは驚いたように瞬きをし、その体が小さな光の粒に変わってユナの胸へ吸い込まれていった。黒い霧が晴れ、庭の中央に一本の大きな木が姿を現す。その枝には、今にも開きそうな大きな蕾がひとつ。

ユナが近づき、そっと手を重ねると、蕾はゆっくりとほころび、彼女の生きてきたすべての感情が色となって花を咲かせた。赤、青、紫、黄色、白……色が混ざり合い、一つの大きな光となる。庭全体が光に包まれ、世界で初めて見る“色”が空へと駆け上がった。

遠くの街にも色があふれ、人々の頬に温かな彩りが戻っていく。ユナは空を見上げ、胸に手を当てながら静かに微笑んだ。

「ありがとう。私……やっと、自分の色を見つけたよ」

花彩命の庭は風を揺らし、色づいた少女を送り出すように光を散らした。庭はまた次の誰かが来る日まで、静かに命の色を育て続けるのだった。
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めい

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サクシード1日で見開き4ページとか無理ゲーでしょ
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