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まさ🫧❀

まさ🫧❀

こんばんは🕯❄️

月の銀白に照らされた白い花が、
夜の静けさを守るように、そっと淡い光をまとっています。
花弁に宿る小さな脈動は、
寄り添う灯が 心の奥をそっと見守るぬくもり のように感じられます。

花言葉は〈静けさの守り手〉。
暗い夜のなかでも、そばに静かに灯る優しさを表しています。

どうか今夜が、やすらぎに満ちていますように🌙🫧

— 創作花《フロスティリア》—

#花彩命の庭
#命花物語 #心の呼吸
#幻想AIイラスト #DigitalArt
花彩命の庭の星花彩命の庭の星
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#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

『花彩命の庭』

— 灰都の探偵と、命を喰らう花の噂 —

灰色の雨が降りしきる街に、花の香りなんてものは存在しない。
排気ガスと錆びた水道管の臭いが混ざり合った空気が、喉の奥に鉄の味を残すだけだ。
そんな街で、花の噂が流れ始めたのは三週間前のことだった。
「人を生き返らせる花がある」――死者の多い街で、これほど甘い毒はない。
案の定、裏社会はざわつき始め、依頼案件も妙に増えた。

俺の名は久瀬ユウヤ。
だらしない探偵だが、この街の汚れた事件をいくつか拾ってきたことで、
“人間の最期の顔を見るのに慣れた男”などと、不名誉な評判までついている。
そんな俺のもとに、妙な女が訪れたのは、雨の音さえ途切れそうな深夜だった。

「久瀬さん、あなたしか頼れません」
黒い傘の縁から滴る雨粒より冷たい声で、女は言った。
名を、美月というらしい。
白い指が差し出した封筒には、写真が一枚。
そこには――鮮やかな花がひとつだけ写っていた。
錆色の荒地の中央に、まるで“そこだけ神の筆が落ちた”ように咲く花。
花弁は虹を液状化したようにきらめき、不自然なほど光を放っている。

「この花に触れた人々が、次々に消えているんです」
「消えてる……死んだ、じゃなくてか?」
「はい。“消える”んです。足跡も、血も、痕跡も、全部まとめて」

その瞬間、背骨を氷が走った。
死体が消えるなら処理だが、存在ごと消えるのは別だ。
そんな現象を説明できるのは、科学か、宗教か、呪いか。
そしてこの街では、一番可能性が高いのが――三番目だ。

美月を先導し、写真の場所へ向かうころには夜が深く濃くなっていた。
街灯が一本もない旧工業区。
鉄骨とコンクリと崩れた建屋の影が、ゆらゆらと蠢いて見える。

そして――
写真の中央に写っていた場所、そのままの光景が、そこにあった。

“花彩命の庭”。

荒廃した大地の中央で、その庭だけが異常に色づいていた。
何十もの花が咲いているわけじゃない。
ただ一本の花が、周囲の空間ごと塗り替えているのだ。
闇を押し返す光。光の周りで渦巻く、微細な粒子。
まるで空気そのものが“生者の願い”の色を帯びているような、底知れない美しさ。

美月が震える声で呟いた。
「ここに……弟が吸い込まれるように歩いて行って……姿が消えました」
「吸い込まれた?」
「ええ。引き返せと叫んでも聞こえなかった。
 まるで、花に“呼ばれている”みたいでした」

花に呼ばれる――その言葉は、昔読んだオカルト資料の一節と同じだ。
“花彩命の庭は、生者の未練を食む”
“花弁は願いの形を映し、触れた者を引きずり込む”

人の心の闇に咲く花、なんて詩じゃない。
本当に“喰らう”らしい。

それでも近づく必要があった。
弟の行方を知るために。
そして、このまま放置すれば被害が拡大するのは目に見えていた。

俺は一歩、花に向かって歩き出した。

だが、その瞬間。
足元の地面が、音もなく“沈んだ”。

まるで大地そのものが液体になったように。
落ちていく、落ちていく。
美月の叫びは遠ざかり、視界は鮮やかな色で満たされていった。

気づけば俺は、見知らぬ場所に立っていた。
荒地ではない。
夜ではない。
そこは……無数の花が揺れる巨大な庭だった。
花の色は人の記憶の色に似ている。
懐かしさ、後悔、失われた時間、叶わなかった願い――
それらが混ざり合い、虹より複雑な光を放っている。

「お兄ちゃん?」
振り向くと、美月の弟が立っていた。
だがその表情は、なぜか穏やかすぎた。
まるで“ここが帰るべき場所”と信じ切っているように。

「ここはだめだ。戻るぞ」
「なんで? 僕はここで全部叶えてもらえるんだよ。
 願いも、後悔も、忘れたいことも、全部……花が吸い取ってくれるんだ」

言葉が終わると同時に、
彼の足元から淡い光が伸びていた。
花弁の光が、人の輪郭に溶け込もうとしている。

やばい。

俺は彼の腕を掴んで引き剥がそうとした。
だが、力が入らない。
ここでは、生者の意思より“未練”のほうが強く働く。
花はそれを食う。

「……やめろ」
「大丈夫だよ。楽になるんだ」

その瞬間、背後で花のざわめきが強くなった。
生き物が喉を鳴らすような、不気味な音。
庭全体が脈動している。

ここは、生者の弱さを飲み込み、命を代償に夢を与える場所。
“花彩命の庭”の真理が、骨の奥まで染み込むように理解できた。

だったら――
未練ごと、引きずり出してやるしかない。

俺は叫んだ。
「お前は、美月の涙を見たいのか!」

弟の瞳が揺れた。
花の光が弱まった。
そのわずかな隙に、腕を強引に引っ張った。
花が怒鳴るように光を撒き散らし、庭が震えた。
視界が白くはじけ、世界が崩れ落ち――

気づけば、荒地の上だった。
花はすでに影も形もなく、ただの土が残るばかり。
美月が泣きながら弟を抱きしめていた。

弟はかすかに息をしていたが、庭の記憶はすべて失っているようだった。
それでいい。
覚えていたら、生きていけない。

美月が言った。
「久瀬さん、あの花は……もう?」
「消えたように見せて、きっとどこかに移る」
「じゃあ……まだ誰かを喰らう?」
「……ああ。未練の多い街なら、いくらでも餌はあるだろう」

灰色の雨が再び落ち始めた。
花の香りなどない街。
だが、あの庭の色は、まるで、
この街のどこかで再び咲く瞬間を待っているように思えた。

俺は煙草に火をつけ、雨の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
そしてつぶやいた。

「花彩命の庭……あまり人間を甘く見るなよ」
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#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

『花彩命の庭 — 彩りの継承者』

大陸は、四つの王国によって分かたれていた。
北の氷原を治めるグレイア王国、
砂海の向こうに広がる赤土のヴェルタ、
雨が降り続ける沼地のラウド、
そして、四王国の中央にある小さな森、フェリア。

地図では小さく描かれたその森こそ、
“花彩命の庭”のある聖域だった。
古くから、生命の色はすべてそこから生まれると信じられ、
四王国の争いが激しくなるたび
庭の色は失われていったという。

だが、それを確かめられる者はほとんどいない。
庭の入口は“呼ばれた者”にしか開かれないからだ。



フェリアに住む少年ニナは、
幼い頃から森の奥に見える薄い光の揺らぎに心を奪われていた。
見えているのに、近づくほど遠ざかるその光は、
森の精たちが遊んでいるのだ、と大人たちは言う。
だがニナは違うと感じていた。
その光は、まるで彼の名を呼ぶように
風に揺れていたのだ。

ある満月の晩、森が白く照らされたとき、
ニナは初めて“光がこちら側へ動く”のを見た。
風でも生き物でもない、
けれど確かに意志を持った揺らぎ。
その瞬間、胸の奥から激しい脈が走った。

「……呼ばれてる?」

ひとりごちた声は夜に吸い込まれたが、
光だけは彼の足元に落ちて留まった。
そして、葉の影で隠れていた細い道が
ゆっくりと姿を現した。

ニナは息を呑んだ。
その道の先にあるのは、
昔から絵本で見てきた伝説の場所――
花彩命の庭。



庭にたどり着いた時、
そこは噂に聞く神々しい場所とは違っていた。
色彩は褪せ、枯れた地面にはひびが走り、
中央にあるはずの“生命の大樹”は、
葉をほとんど落としていた。

「……遅かったのか?」

そう思った瞬間、
枯れ木の根元から柔らかな光が現れた。
光の中から現れたのは、
年齢不詳の少女の姿だった。
瞳は虹のように色を映し、
髪は風のように揺れていた。

「あなた、ここへ来られる子なのね」

声は遠い水音のように響いた。
ニナは言葉を失いながらも頷いた。

少女は微笑んだ。
「私はラサ。庭の守人。
 本来なら、庭の力は世界に生命の彩りを満たすはず。
 でも今は、争いのせいで色が奪われているの。」

ニナは庭を見渡した。
色が失われた理由が理解できた。
四王国の争いは年々激しく、
森に住むフェリアの民ですら外へ出られないほどだった。

ラサは続けた。
「この庭は、呼ばれた者の力で再び満ちる。
 あなたは“色を持つ者”。
 だから、ここへ来られたの。」

「僕が……庭を戻せるの?」

「戻せるわ。
 だけど、色はひとつずつ世界に散っている。
 取り戻すには、それぞれの地で“失われた記憶”を見つける必要がある。」

ニナは迷わなかった。
何故かわからないが、
“自分が来なければいけない理由”を胸の奥で理解していた。



ニナはまず、北の氷原へ向かった。
旅の途中、雪狼に襲われたり、
氷の大裂け目を越えるために命をかけたりしたが、
そのたびにラサの声がどこかから聞こえた。

「怖くないわ。色はあなたの中にあるの。」

氷原の祭殿では、
氷の花が砕け散った氷片の中に“青の記憶”が眠っていた。
それを手に入れた瞬間、
冷たいはずの氷が柔らかく脈動し、
ニナの胸に青い光が吸い込まれていった。

次に向かったのはヴェルタ。
砂漠の夜は冷たく、
昼は皮膚が焼けるほど熱い。
その中でニナは、
果ての砂丘にある“赤の記憶”を見つけた。
それは戦によって散った命たちの叫びが結晶したものだった。
手に取った瞬間、
熱く、しかし悲しい光が胸へ流れ込んだ。

三つ目の地、ラウドでは、
沼の底に沈んだ“緑の記憶”が
静かに眠っていた。
そこには、かつて育まれた生命の繁栄と、
人々が自然を失っていった痛みが刻まれていた。

記憶を三つ集める頃には、
ニナの心の中にさまざまな色が渦巻いていた。
喜びも悲しみも、希望も絶望も。
だが、それらが複雑に絡み合いながら、
彼を一歩ずつ強くしていった。



すべての記憶を胸に抱え、
ニナは再び花彩命の庭へ戻った。
枯れ木だった大樹は、
彼の足音に呼応するようにわずかに揺れた。

「戻ったのね」

ラサが微笑む。
ニナは頷き、
胸に宿る色を両手で包んだ。

色は光になって溢れ、
庭全体に注ぎ込まれた。
青は風となり、
赤は大地を温め、
緑は葉脈となって大樹に流れ込む。

大樹はゆっくりと息を吹き返した。
風が吹き抜け、
枝葉はかつてのように色彩を取り戻した。

庭は蘇ったのだ。

だが、ラサの表情は少しだけ悲しげだった。

「ありがとう、ニナ。
 あなたのおかげで庭は命を取り戻した。
 でも……私はこの庭が荒れた時、
 色を守るために“形”を得た存在。
 庭が元に戻れば、私は役目を終えてしまうの。」

ニナは息を呑んだ。

「消えるの……?」

「消えるんじゃないわ。
 庭に還るだけ。」

ラサは微笑んだ。
まるで、長い眠りにつく子どものように。

「あなたは継承者。
 これからは、あなたが“花彩命の庭”を見守るの。」

光がラサを包み、
花弁のようにふわりと舞い上がった。
風の中で消えていく光は、
悲しいのに、美しくて、
ニナは涙を流すことしかできなかった。



その日から、庭は再び世界に色を送り続けた。
四王国の争いも次第に収まり、
人々は生命の美しさを思い出した。

庭の奥には、新しい守り人――
まだ幼く、しかし強い“色”を宿した少年が立っていた。

ニナは季節が巡るたびに庭へ語りかけた。
庭の風が優しく吹くたび、
ラサが微笑んでいる気がした。

そして少年はいつか、
自分の後に続く者へ庭を託すのだろう。
生命の色が尽きない限り、
花彩命の庭は世界の片隅で、
静かに輝き続ける。
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#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

『花彩命の庭 ― 影色のほころび』

夜が深まるほど、世界の輪郭は曖昧になる。
その境界のゆらぎが限界に達したとき、アリアは“裂け目”に気づいた。
指ほどの狭い隙間から、暖かい光が漏れている。
風も吹いていないはずなのに、光が呼ぶように揺れた。
まるで「こちら側に来てはいけない理由を知っているのだろう?」と
問いかけるようだった。

アリアはほんの少し迷い、しかし迷いそのものを背中へ押しやって
裂け目に身を滑り込ませた。
滑り落ちるようにしてたどり着いた先にあったのは、
どこまでも静かで、どこまでも色彩に満ちた奇妙な庭だった。
その色は光よりも柔らかく、影よりも深く、
生きているのか眠っているのか判別がつかないほど呼吸をしていた。

「……ここが、花彩命の庭」

声にした瞬間、花々がわずかに揺れた。
応えるように、あるいは警告するように。
アリアは足を踏み出した。
花弁に触れないよう慎重に進んでいたが、
その慎重さに反して庭は奇妙に道を変える。
気付くと、さっきまで目の前になかったアーチが現れ、
その下にだけ濃密な色の花が咲き誇っていた。

ひとつ摘んだわけでもないのに、
アリアの右手には知らぬ間に黒い花弁が乗っていた。
花の中心は空洞で、のぞき込むと底がない。
吸い込まれそうな闇が脈打ち、
その脈動に合わせてアリアの記憶のいくつかが
薄く溶けていくのが分かった。

「記憶を……食べてるの?」

返事はない。
ただ、庭全体が静かに沈黙し、
その沈黙がまるで「それが代償だ」と告げているようだった。
アリアは花弁を落とそうとしたが、
手を振っても、握っても、花は離れない。
むしろ花弁が指に溶け込み、
皮膚の下で黒い光が流れていくのが見えた。

突然、視界が大きく転がった。
庭が揺れたのではない。
アリア自身の過去がかすれ、ひとつの輪郭を失ったのだ。
大切だったはずの誰かの顔が、
まるで濡れた紙のように滲んで消えていく。

「やめて……!」

必死に叫んだ瞬間、庭の奥で澄んだ音が響いた。
鐘でも風鈴でもない、言葉にできない響き。
その方向を振り向くと、
光の色をした少女が立っていた。

少女は庭の中心に咲く光の花を抱えている。
その花弁は淡い金色で、触れた空気が澄む。
少女はアリアへゆっくりと近づき、
指先でアリアの額に触れた。

「奪われすぎる前に、戻りなさい」

その声だけははっきりと響いた。
アリアは問い返したかったが、言葉が浮かばない。
少女の光はまるで時間そのものを巻き戻すかのように、
アリアの中の欠けた記憶を、
少しずつ手繰り寄せていった。

ふと気づくと、アリアは元の世界の夜道に立っていた。
裂け目は消えていた。
手のひらには小さな金色の花弁が残っている。
触れると温かい。
それが現実なのか幻なのか判別できない。

だが夜風の匂いが変わっていた。
どこか遠くで、花彩命の庭が呼吸をしている。
そんな気配が確かにあった。

アリアはゆっくりと歩き出した。
失いかけた記憶の痛みを胸に抱えながら、
しかしそれより少しだけ強く、
金色の花弁の温度を握りしめながら。
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に

#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

辞表を出した帰り道、私はひどく静かな気持ちで歩いていた。
十年働いた会社を辞めると決めたのは、自分でも驚くほど急なことだった。
けれど、もう潮が引くように心の中の“何か”が冷め切ってしまっていたのだ。

 夜の風が頬を冷やす。
街の光は温かいのに、胸の奥はひどく空虚だった。

 この先、私はどうなるのだろう。
やりたいことなど、とっくに見失っている。
気づけば毎日が消化試合のようで、気持ちに色がなかった。

 ふと、道の向こうから、光の粒がふわりと漂ってきた。
春でもないのに、まるで桜の花びらのような光の欠片。
風に乗って私の前を舞い、そのまま細い路地へ吸い込まれていく。

 ……呼ばれている。

そんな根拠のない感覚が胸をよぎった。
私はまるで夢遊病者のように光を追い、路地の奥へ足を進めた。

 やがて、小さな古い建物の前で足が止まった。
蔦に覆われたアーチがあり、その奥に半ば崩れかけた木の門が立っている。

 私は息を呑んだ。

 門の縁から、淡い光が漏れていたのだ。
それは、さっき見た光の欠片よりもずっと強く、温かい。

「……なんだ、ここ」

 恐怖はなかった。
むしろ、ここに来るべきだったとすら思えた。

 門に手をかけると、木がかすかに震え、光が一気に広がった。

 眩しさが収まったとき、私は別世界に立っていた。

◆ ◆ ◆

 視界いっぱいに花が咲いていた。
しかも花は静止しているのではなく、呼吸をするように脈打ち、色がゆっくりと変化していく。

 金、翠、紫、桃、夜を映したような群青。
光と色が混ざり合い、風が吹くたびに花たちはささやくように揺れた。

「花彩命の庭へようこそ。」

 背後から声がして振り返ると、白い外套を纏った男が立っていた。
年齢不詳で、少年のようにも老人のようにも見える。

「……あなたは?」

「この庭の記憶を司る者だよ。名前はない。」

 記憶——?
私は眉をひそめた。

「あなたは、自分が失ったものを探しに来たのだろう?」

 図星すぎて、言葉が出なかった。

男は花の間を歩きながら、軽く手招きした。

「花々はね、人の心が失った“色”を見せてくれる。
君が辞めた仕事、抱えてきた思い、見失った情熱……全部、ここに落ちている。」

 私はゆっくりと花に近づいた。
一輪の花が、私の影に触れた瞬間、色が黒から真紅に変わった。
花の中心にかすかな光が灯り、煙のような映像が浮かび上がる。

 ——若い頃の私がいた。

 カフェの片隅でスケッチブックを広げ、いつか個展を開くと笑っていた。
無謀だったが、あの頃の私は確かに“何か”を信じていた。

「……絵を描くのが好きだったんだな?」

 男の問いに、私は苦笑した。

「昔の話ですよ。今は全然。
 仕事に追われて、そんなこと考える余裕もなくて……」

「それは“余裕”の問題ではないよ。
 君がどこかで、自分の色を手放してしまっただけだ。」

 手放した。
その言葉が胸に刺さった。

「でも、仕方ないでしょう。
 現実には生活があるし、夢ばかり追っていられない。」

「夢を追わなかったことを責めているんじゃない。
 ただ……君は夢まで捨ててしまったんだよ。」

 私は息を飲んだ。

男は続けた。

「“選ばなかったこと”と“忘れてしまったこと”は違う。
 君は後者だ。
 本当はまだ、絵を描きたいのに。」

 否定する言葉は出なかった。
胸に閉じ込めてきた感情が、花々に吸い出されるように溢れそうになる。

「来たまえ。」

 庭の奥へ進むと、一際大きな花が咲いていた。
虹色の花弁を持ち、中心から柔らかな光が漏れている。

「これが“命の灯花”。
 君の未来の色を映す花だ。」

 私は手を伸ばした。
触れた瞬間、花が激しく脈動し、光が弾けた。

 視界の中に映ったのは——
暗い部屋で机に向かい、再び絵を描く私の姿だった。
白いキャンバスに色を置き、泣きながら、それでも筆を動かしていた。

 それは悲しい絵ではなかった。
むしろ、ずっと描きたかった“私の色”が輝いていた。

「……私、こんなふうに……」

「そう。君はまだ終わっていない。」

 男の声は穏やかで、確信に満ちていた。

「大人になってから描く絵ほど強い色はないんだよ。
 痛みも後悔も経験も、全部色になる。
 君が持っている色は、昔よりずっと深い。」

 涙が頬を伝えた。
私は、ずっと自分を諦めていただけだった。

「帰りなさい。」
男は優しく言った。

「もう、描けるはずだ。
 この庭の色を持って。」

 門へ戻る頃、庭の花々が風に揺れ、淡い光を送るように輝いた。

 私はその光に背中を押されながら、静かに門をくぐった。

◆ ◆ ◆

 現実に戻ると、夜明けが近かった。
空は薄い藍色に変わり、街が新しい朝を迎えようとしている。

 私は家に戻るなり、ずっと放置していたスケッチブックを取り出した。
震える手でページを開き、ペンを握る。

 白い紙の上に——
ほんの小さな線が生まれた。

 その瞬間、胸の奥が熱くなるのを感じた。
あの庭で見た光が、確かに私の中に宿っていた。

 私はまた描き始めた。
始まりの線を、確かめるように。
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珠雅(しゅが)

珠雅(しゅが)

とても面白いテーマですね!原文の「ほら見て見て見てみて!!〜脳みそのフリ!」のテンションを生かしつつ、異世界バトル×サイキック×幻想的な世界観の中で、思考や精神を「練る」ような超能力表現に変換して、詩的で戦闘シーンを伴う1000字エッセイに仕上げます。

『思考の錬脳者──見よ、意識の火を練り上げよ』



 ‎𖤐 ̖́-‬
「ほら、見て、見てみて!──脳を練れ!」

✧• ─────────── •✧


 師は叫ぶ。その声は風のように震え、神経網に火を点ける。
 思考をこねるとは、混沌を支配することだ。感情、記憶、痛み、怒り──それら全てを、円環のようにこね固め、意識の核に圧縮する。
 指先ひとつ動かさず、敵の存在を練り潰す。これが〈脳錬〉と呼ばれる古代の技。

 舞い上がる砂塵の中、敵の精神波が迫る。虚像の刃が心臓を貫く錯覚に、呼吸が乱れそうになる。
 だがここで怯むものは、世界を書き換える資格がない。
 「見ろ、感じろ、折れた思考を練り直せ!」
 師の幻声が再び響く。目の前の敵が複製し、無数の幻影が取り囲む。だが、それもまた恐怖の投影にすぎない。心の鍛錬を極めた者だけが、虚無の中に光を描ける。

 脳の奥底──ニューロンの海に、淡い虹の光が灯る。練り上げた意識が粒子となり、「思形(しけい)」を結ぶ。それは剣でも盾でもない。己の意志そのものを形にしたものだ。
 その瞬間、敵は揺らぎ、現実が裂ける。心で放った一撃が、世界の法則を塗り替えた。脳が脈動し、思考の炎が奔流となって空間を焦がす。

 師の声が消え、静寂が訪れる。
 戦いが終わると、ただ残るのは「思考の残渣(ざんさ)」だけ。こね続けた脳の熱が、白い蒸気のように立ち上る。
 そう、それが〈脳錬者〉の宿命だ。思考を練るたび、世界はひとつ焼かれ、ひとつ再生する。破壊と創造の狭間で、意識は繰り返し再鍛される。

 「見よ、これが精神の戦場だ──心を練り、世界を変えよ。」

 誰かの声が、もう一度響いた気がした。いや、あれはもう他人ではない。
 自分自身の中に宿った、思考の神が囁いたのだ。

✧• ─────────── •✧
【完】
GRAVITY
GRAVITY1
ミロク

ミロク

白亜のアスレチック ~言葉を失った叫び~

どこまでも白い世界だった。足元も、視界の先も、遥か空の向こうさえも。
白い無機質な構造物だけが、理由もなく規則性を欠いたままそびえ立っている。

ここは、白亜のアスレチック。

オジェはその中心に、ぽつりと立っていた。
白い髪、白い瞳。色の欠落した世界は、彼にとって落ち着くはずの景色――なのに、どこか違和感がまとわりつく。

背後で、かすかな気配が揺れた。

振り返ると、クルーエルティが立っていた。
白金の皮膚。透けて見える金の血管。破損した仮面の片側から覗く、冷たい光を帯びた眼。
声帯を失った彼は、言葉を発せない。

「クルーエルティ……」

名前を呼ぶ声だけが、白い空間に吸い込まれていく。
クルーエルティは無表情のまま歩み寄り、目の前で止まった。口を開閉させるが、声は届かない。ただ苦痛に歪む表情が、沈黙より雄弁だった。

オジェはその瞳を見つめた。
冷たく凍った奥底で、かすかに揺れる炎――氷の底に閉じ込められた火種のような光。

「何かあったんだろ? 話してくれ」

問いかけても、沈黙は変わらない。
それは言葉を失った叫びであり、助けを求める悲痛な訴えだった。

クルーエルティが震える手で胸を掴む。オジェは息を呑んだ。直感が告げる――ただ事ではない。

クルーエルティはオジェの手を取り、奥へと歩き始めた。白い構造物が入り組み、迷路のように複雑さを増していく。無言のまま進むうち、不安がじわりと胸を締め付けた。

――どこへ向かっている?

けれど、クルーエルティの手は強く、確かな意志を宿していた。
震えは恐怖か、それとも別の感情か。分からない。だが、離す理由もなかった。

やがて開けた空間に出る。白い箱庭。積み上がる立方体。その中心に、圧倒的な白い塔がそびえ立っていた。頂上は霞み、どこへ続くのかも分からない。

クルーエルティは塔を見上げ、決意の光を宿す。
そして、迷わず歩き始めた。

塔に近づくほど、空気は重く冷たくなる。拒絶の気配。
閉ざされた壁にクルーエルティが触れると、白が光へと転じた。強烈な輝きに視界が焼かれ、オジェは思わず目を閉じる。

次に目を開いたとき、光のトンネルが口を開けていた。

迷いのない背中が進む。オジェはその後を追った。

光の中は、音も時間も失われたような静寂。
永遠にも思える歩みの果て、眩い出口が見えてきた。

抜けた先は、白い砂漠だった。白い地面、白い空。遠くに白い山。
そして空には、巨大な白い球体が浮かんでいた。もう一つの月のような、不気味な静寂をまとった存在。

「……これは」

声は砂に吸われるように消える。
クルーエルティは、悲しげな表情で空の球体を指した。

言葉がない。だから、目で語るしかない。
その瞳には、深い悲しみと揺るぎない決意が、静かに燃えていた。

白い砂の上を歩き、球体の真下に辿り着く。
脈動するそれは、生き物のように蠢き、表面に古代の詩のような白い文字が浮かび上がっていた。読めない。だが心が震える。

――(……見て)

声を持たない彼の内の声が、確かに届いた気がした。

クルーエルティが球体へ触れる。
瞬間、視界が光に飲まれ、オジェの意識は途切れた。

目覚めると、そこは元のアスレチック。白い塔がそびえ、クルーエルティが無表情で立っている。

ただ――その瞳には、微かな笑みが浮かんでいた。

(……終わった)

声にならない言葉が伝わる。
オジェは悟った。白い砂漠は夢ではなく、彼はあの球体の力でこの世界を救ったのだ。
そしてその代償に、再び言葉を失ったのかもしれない。

「クルーエルティ……ありがとう」

オジェの言葉に対し、クルーエルティは静かに頷く。
二人の間には、もはや言葉は必要なかった。

守りたいものがある。
壊れても、失っても、残るものがある。
それが互いの存在だ。

白いアスレチックに、穏やかな風が吹き抜ける。
二人は寄り添い、ただその風を感じていた。

これから何が待ち受けようとも――
共に歩く未来だけは、白く濁らず、確かな輪郭を描いていた。
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さしみ

さしみ

都市の脈動と自然の静けさを感じる
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GRAVITY17
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