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山村 武彦(防災システム研究所 所長・防災・危機管理アドバイザー)
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「避難所に行けば助けてもらえる」――その期待は、南海トラフ巨大地震では通用しないかもしれない。 能登半島地震の現場で目撃されたのは、水も食料も暖房も圧倒的に不足し、寒さと不衛生に耐え忍ぶ被災者たちの姿だった。
【前編記事を読む】「避難所に行けば安心」という「致命的な誤解」
広域災害において、救援物資がすぐに届くという前提はもはや幻想に近い。インフラが断絶した世界で、あなたと家族は最低一週間、自力で生き延びることができるだろうか。 揺れから生き残った命を、その後の避難生活で失わないために。地域や建物単位でインフラと備蓄を確保し、逃げる街から「逃げ込める街」へと変貌させる「ライフスポット防災」。その全貌と、私たちが今すぐ始めるべき「備え」について防災・危機管理の第一人者である山村武彦氏が解説する。
前編記事 <南海トラフ巨大地震で「太平洋ベルト地帯」が壊滅する…日本経済を襲う「1241兆円被害」の衝撃的な現実>より続きます。
南海トラフ巨大地震後のモノ不足(1)
南海トラフ巨大地震は広域大規模災害である。離れた拠点や工場が同時被災する可能性があるため、代替生産拠点、ロジスティックリカバリ、バックアップオフィスなどが同時被災エリアにないか再確認が必要だ。
すでに策定されているBCPや行動マニュアルも客観的視点で「震度6強の揺れに耐えられるか」「長期停電・断水・ガス停止に耐えられるか」「通信回線の遮断に耐えられるか」「〇〇メートルの津波に耐えられるか」「液状化・側方流動に耐えられるか」「公共交通機関の運行停止・主要道路の通行止めに耐えられるか」「仕入先や外注先が被災した場合、代替先は確保できるのか」などのストレステストを実施し、自社の地震・津波・インフラ断絶・ロジスティックの混乱に対する耐力度を確認し、ウィークポイントをフォローしておく必要がある。
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(1)不足食料7,200万食
東日本大震災ではピーク時(地震後3日目)の避難者数は全国で約47万人だったが、被災地では飲料水・食料・トイレ・医薬品の不足が2週間以上解消されなかった地域もあり、広域大規模災害の影響の深刻さを目の当たりにした。
もし南海トラフ巨大地震が発生すれば、最悪の場合の避難者は約1,230万人。東日本大震災の約26倍の避難者が想定されている。となると、命に直結する飲料水や食料の膨大な不足が懸念される。被害想定「生活への影響」(物資)では、飲料水・食料等の被害様相を次のように想定している。
・【食料】:食料は必要量が大量であり、都府県・市町村の公的備蓄物資や家庭内備蓄による対応では大幅に不足する。地震発生後3日間の合計で約 700万食~2,000万食分の食料が不足。地震発生後の4~7日目の合計で約3,300万食~7,200万食分の食料が不足。また、膨大な数の避難者等が発生する中で、被災地内への物資の供給が不足するとともに、被災地内外での買い占めも発生する。
・【飲料水】:飲料水についても、都府県・市町村による災害用給水タンク等からの応急給水や備蓄飲料水、家庭内備蓄による対応では大幅に不足する。地震発生後の 3 日間の合計で約1,700 万リットル~4,400 万リットル分の飲料水が不足。地震発生後の4~7日の合計で約4,800万リットル~9,700万分リットルの飲料水が不足すると推計されている。
・【毛布】:生活必需品の毛布も、都府県・市町村の公的備蓄物資による対応では約 300万枚~620 万枚分の毛布が不足する。
南海トラフ巨大地震後のモノ不足(2)
(2)物資不足に備えた準備と備蓄
以上のように南海トラフ巨大地震発生時、膨大な量の物資が不足すると想定されている。さらに物流網の混乱や燃料不足が加われば、物資不足は被災地だけでなく広範地域で発生しそれが長期にわたる可能性がある。限られた地域だけの災害であれば政府のプッシュ型救援物資で賄えるが、人口密度の高い大都市を含みリソースが集積した約1000kmを超える地域が被災する南海トラフ巨大地震では現行備蓄品の放出だけで品不足はすぐに解消できない。
繰り返すが、水道・電気・ガス・物流等、配線、配管、道路、鉄道で繋がるライフラインは発災時に損壊・断絶のリスクは免れない。大規模災害対策は、そうした生命線(ライン)が途切れることを前提にして対策しなければならない。災害関連死を防ぎ、被災者を路頭に迷わせないための備蓄や防災設備の充実を図り、家庭、避難所、企業等、その地点(スポット)ごとに一定期間は自力で生き残れるように、準備と備蓄の事前対策を重視したライフスポット防災が重要である。
といってすべてを国が受け皿になるのは合理的ではない。国の財政支援を明記し、自治体の備蓄義務と供給業者の流通備蓄義務を法律で制度化することだ。具体策として、自治体に対しては避難所や拠点ごとに非常用自家発電設備の整備・非常用飲料貯水槽整備・冷暖房整備、水・食料・エネルギーなど最低一週間分の備蓄、それらを法令で定める。
また、国際紛争などによる物資不足にも備え、生活必需品の供給業者に一定量の流通備蓄を法律で義務付けるべきだ。さらに家庭には一週間分の備蓄を推奨する。罰則規定のない「努力目標」とする家庭備蓄推進条例を制定すべきではないか。
日本は多くの原材料と生活用品を輸入に依存し、多様な部品・製品を輸出して経済が成り立っている。万一輸送路封鎖や国際紛争で輸入・輸出が停止すれば、直ちに経済的危機に陥る。国際情勢によっては騒乱に巻き込まれる恐れもある。また、国家的備蓄が少なければ、受け入れられない威嚇に屈しなければならなくなる。経済安全保障の見地からも備蓄は国家の自由と独立を守るための礎でもある。
税金をほとんど使わないスイスの備蓄制度
参考にすべきはスイスの備蓄制度だ。
スイス連邦では非常用品の流通在庫備蓄が法律で義務化されている。スイスには連邦憲法第102条に基づく「経済的供給のための国家法」があり、生活必需品を輸入・生産・販売する企業に対し、一定量の流通在庫を持つこと(強制備蓄)を義務付けている。現在対象とされている企業は約300社を超える。
国が直接倉庫を持つのではなく、民間業者の倉庫に「国のための確保分」を備蓄させ、そのコストの一端を国が支援する形式だ。この備蓄システムは「経済的国家供給」と呼ばれ、購入・備蓄費用を政府が直接負担や支援せず、低利の銀行融資の政府保証(連帯保証)と、消費者が負担するわずかな手数料(賦課金)を組み合わせることで成り立っている。政府は税金をほとんど使わずに民間企業が備蓄を維持できる仕組みとなっている。
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銀行は政府の連帯保証で倒産リスクがないため極めて低い金利(ほぼ0に近い金利)で企業に融資し、企業が倒産しない限り政府からの支出はほとんど発生しない。
倉庫代、保険料、管理費、期限の入れ替え費用等の備蓄保管に係るランニングコストは、業界ごとに設立された「保証基金」から企業に支払われる。「保証基金」の財源は輸入品への上乗せ徴収(賦課金)で賄われる。消費者の負担は商品購入時に「備蓄手数料」として気づかない程度の額が上乗せされている。
一般家庭の備蓄推奨品目
こうした流通備蓄の期間と数量は、国内消費量の3~4.5か月分で、輸入や生産が完全に停止しても一定期間は持ちこたえられる。流通備蓄の主な品目は、下記の通りだ。
・食料:砂糖、米、食用油、穀物(小麦等)、家畜用飼料、コーヒーなどの嗜好品など。
・エネルギー:ガソリン、軽油、灯油、航空燃料(約4.5ヶ月分)など。
・医薬品:抗生物質、鎮痛剤、ワクチン、インスリンなど。
・その他: 肥料、工業用エタノールなど。
一方、一般家庭に備蓄義務は課せられていないが、スイスに居住する全世帯に対して「緊急備蓄」をするように政府がガイドラインを示して強く推奨している。備蓄は自力で1週間以上生活できる量が基本で、主な備蓄推奨品目は下記の通り。
・水:1人1日3Lで7日分。
・食料:7日分(調理不要ですぐ食べられるもの保存できるもの)
・備蓄推奨リスト:米・パスタ・小麦粉・豆類缶詰(野菜、果物、キノコなど)、砂糖、
ジャム、ハチミツ、食用油、ブイヨン、塩・胡椒、コーヒー、カカオ、お茶、長期保
存牛乳、ビスケット、チョコレート、乾パンなど。
・日用品:トイレットペーパー、石鹸、ライター・マッチ、ろうそく、ごみ袋、カセットコンロ・カセットボンベなど。
・情報等:電池式ラジオ、予備電池、救急箱、現金(小額紙幣)など。
一般家庭に備蓄義務はなくてもスイス人の多くは「自分の身は自分で守る」という意識が高く、「緊急備蓄」を実行している家庭が多い。スイス政府は1週間分の備蓄を推奨しているが、政府の調査では、60~70%の家庭で12〜16日分が備蓄されていると報告されている。
全家庭に配布している「民間防衛」という冊子の前書きには「われわれの最も大きな基本的財産は、自由と独立です」と書かれている。
そして「蜂蜜は、いつも流れ出ているわけではない」というタイトルで、輸入依存の現状リスクに対し自由と独立を守る備蓄の重要性を強く訴えている。スイスにおける「緊急備蓄」はもはや義務というより、国を守り自分や家族が生き残るためのマナー(作法)と位置づけられている。
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前述したように、南海トラフ巨大地震が発生すれば、膨大な物資の不足が想定されている。スイス連邦を参考にした国家レベルの流通在庫備蓄の仕組みを構築すべきである。合わせて、家庭、事業所、自治体など、それぞれの主体が発災時に1週間は自力で生き延びるための準備と備蓄をするライフスポット防災を推進する必要がある。
迫り来る南海トラフ巨大地震への準備と備えは焦眉の急である。本書では南海トラフ巨大地震の歴史、過去にこの震源域で何が起きたか、できるだけ分かりやすくその本質を伝えようとしてきた。また、最新の被害想定と東日本大震災との比較、能登半島地震の状況など新しい知見を交え、50年以上世界中の災害現地調査から得た減災のための教訓と提言を書いてきた。それでも十分意を尽くせなかったように思うが、防災・危機管理意識の啓発に少しでも寄与できたとしたら幸甚の極みである。最後までお読みくださり感謝します。ありがとうございました。
こちらの記事もオススメ <「避難所に行けば安心」という「致命的な誤解」…南海トラフ巨大地震で想定される「避難生活」の「恐ろしい実態」>
フォフォ元フォビ
収入や学歴の話にやたら固執する人多いけど
俺もそんなふうになるんだろかー」
っ書いてる人のユーザー名が
「漢は黙って国立大学」だった。

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マネーポストWEB
「墓じまいは要らない」と説く宗教学者・島田裕巳氏
昨今、多くの人の難題となっているのが「墓」である。実家の墓を継ぐ人がいない場合や遠方の墓参りは負担が大きいなど、様々な理由で「墓じまい」を考える人が増えている。しかし、そんな現状に疑問を呈するのが宗教学者・島田裕巳氏だ。『無縁仏でいい、という選択』(幻冬舎新書)を上梓した島田氏は、墓じまいは要らないと説く。その哲学を聞いた。【全文】
バブル期までは残っていた「故人への思い」
人が死ぬと葬儀を執り行ない、荼毘に付す。残った遺骨を拾い集め、墓に埋葬する。日本人は長くこの方法で故人を弔ってきた、いわば伝統のようなものだ。だが、どれだけの人が葬送について正しい知識を持っているだろうか。
多くの死は突然やってくる。そして葬儀は、十分な準備のないまま、突然始まる。核家族化が進み、近親者の死に対して経験の浅い遺族は、葬儀の知識もない。葬儀業者のシステムに頼りきる格好で、埋葬までの一連の儀式が行なわれる。
一方、昭和の初め頃まで、日本の農村社会では、三世代、四世代同居の家は珍しくなく、死は現在よりも身近だった。先祖代々の田畑を守る農村社会にとって死者は先祖につながる重要な存在で、家によっては...

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立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」は22日、結党大会を国会内で開いた。立民と公明の衆院議員計160人超が加わる野党第1党が始動。衆院選で200人を超える候補の擁立を目指し、与党と対決する。結党大会後に記者会見し、公約や1次公認候補を発表する。主な役員は暫定的に立民、公明の出身者が共同で担う。
公約には「新しい財源をつくり、今年の秋から恒久的な食料品消費税ゼロ」を実現すると掲げる。現役世代の社会保険料引き下げも盛り込む。
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誤字だらけですんませんんん!あとプロフのMBTI間違ってますね。えぇ
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そら
チャットならできる
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