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ケイ

a岩②

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翌日、水戸芸術館の磯崎新展へ赴く。初代館長であった吉田秀和の提言通りに音楽、演劇、美術を一つに包括した磯崎建築である。磯崎の観念的テキストは難解なものも多いが、話す時はわかり易くというように建築は実のところ捻くれながらもわかり易いと感じている。形態操作に忠実なのであるが、それは大きな建築ほどミニマムな所作に瞬時には注意が向かないからとも言える。当該建築にも古典的形象の引用を扱いながら空間は錬成される。演劇空間にグローブ座を引用するなど最たるものだ。聳え立つ塔はブランクーシとイサム・ノグチの操作を援用したようである。展示に関してはプロジェクトの膨大さに圧巻されるのだが、やはり若かりし磯崎と瀧口修造との関係性が垣間見えるところには熱い思いとなるし、磯崎自身も駆け出しの頃に瀧口に背中を押されたような話をしていた記憶がある。「間」展においては瀧口から送られた文章に対する感謝の便りを磯崎が書いており、それも展示されていた。彼のモノづくりが中心の展示であったため、こうした感想であるが、改めて建築が表現の世界観を持ち、あらゆる表現に通底していることを思い知らされるのであった。

