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nico

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スペインの思い出。
17年以上前、アルハンブラ宮殿があるグラナダ という地方の古びたホテルに泊まった。カードキーではなく昔ながらの鍵だった🗝️

鍵を開け部屋に入った瞬間、鳥肌。妙に薄暗く暖かい季節なのにも関わらず肌寒い。スーツケースをベッドの前に置いて部屋の中を見て回る。それなりに清潔だけど全ての調度品が古めかしい。
そして2人で泊まるのになぜか2部屋ある。
しかもコネクティングルームではなくメインベッドルームの奥に扉があり、セカンドルーム?として10帖くらいの広さにシングルベッドが2台ある間取り。
普段なら広くてラッキー♫と思えるのに、そうは思えない。変な部屋だなぁと思ってるうちに悪寒がしてゾクゾクする。そして鳥肌が立ちっぱなし。とにかく不穏だし気持ちが悪い。

言葉にならないまま荷解きをしようとしてたら、同行者が「とりあえず下のバルに行こうよ」と誘う。私もこの部屋にいたくなくて「とりあえず行こっか」と部屋を出て、これまた古びたエレベーターに早足で飛び乗った。

エレベーターに乗った瞬間、2人で目を合わせて「…あの部屋、気持ち悪くない?!」と言ったまま固まった。

ホテルのエントランスには人がたくさんいて、ようやく気持ちが落ち着いた。
その後、バルで白ワインとタパスをいただきながら「あの部屋に戻りたくないね」という結論に至った。

スペイン語が分からないから、ツアーガイドさんにお願いしてホテルフロントと交渉。シングルベッドがあるだけの8帖ほどの狭いシングルルームに変更してもらい2人で泊まった。

翌朝、ツアーガイドさんに「ここって、👻出るとか噂あります?」と聞くも、「いや、聞いたことない」とのこと。あれからもう20年近く経つけど、いまだにオチがないまま、一体あの気持ち悪さはなんだったのか?と不思議なまま。

ホテルの名前覚えてたから今どうなってるのかGoogleマップで調べてみたら、すでに閉業していた。リフォームしたのか建て直したのかは分からないけど、4つ星ホテルに変わってた。

あの時の不穏さ、不気味さ、気持ち悪さ、一分たりともここに居たくないと思える動物的勘、明らかに何かを見たわけじゃないから余計にわからない。一体なんだったんだろう。

もう今はないホテルだから、名前書いちゃう。
同じ経験した人いないかしら笑

Hotel M.A. Aben Humeya
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Rui

Rui

もしも海外行くならどこですか?もしも海外行くならどこですか?

回答数 320>>

ヨーロッパ。
ポンペイ、サグラダファミリア、コロッセオ、マルタ、ベネツィア、ヴェルサイユ宮殿、あとスペインでタパス食べたーい
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Hi

Hi

家事を片付けて一服一服〜と静かにコーヒー淹れてるとき、この生活が好きだと浸りながらも少し寂しさが混じったりする。
仕事も友だちとの遊びも趣味も"それなり"にあって、なんというか、人生がタパスみたいにちょっとずつ、色んなものを、バランスよくいただいていて。
でも、腹が満たされないときがあるよね。私の肉料理ってなんなんだろう。
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なな

なな




さまよう魂

—大地を越えて、心の中を旅する—

私は静かに旅に出た。
ひとりきりで。
魂は探し続けていた──
目に見えないものを、
胸の奥で失った何かを。

日本では、
秋の虫たちのやわらかな合唱が
私と犬の夕方の散歩の足跡を追ってきた。

空気は澄みきり、
ガラスのように鋭く、
稲穂の葉がさざ波のようにざわめいていた。
静かに、じっと、
収穫の時を待っているかのように。

命を湛えた黄金色の穂は重く垂れ、
まるで「今だよ」と言ってくれる
その瞬間を聴き取ろうとしているようだった。

フィリピンでは、
海が果てしなく青くきらめいていた。
セブからマラパスクア、
そしてエルニドへ──
地平線の端を追いかけて旅をした。

海の底へと潜り、
深みに答えを求めたけれど、
探していたものは
静かに沈んだまま、
珊瑚と塩の彼方にあった。

カランガマン島──
無人島。
二つの岸が
口づけを交わすような形をしていた。

私は風にささやいた。
「いつか、
あなたとここでキャンプがしたい」と。

タイでは、
カオサンロードを歩いた。
ロンリープラネットの端に書かれた地図をたどって。

パッタイがジュウジュウと焼け、
さまざまな国の声が空気を満たしていた──
まるで、ここがアジアではないような気がした。
あるいは、
東南アジアの土に根づいた
西洋人の村のように。

映画『ザ・ビーチ』のワンシーンのように、
ネオンと郷愁が絡み合っていた。
バンコクの路地裏から、
私は南へ──
プーケットの海岸を目指して歩いた。

ベトナムでは、
アオザイが湿った空気に揺れ、
フォーが静かな器の中で湯気を立てていた。
突然の雨が
すべての音を洗い流した。

バイクタクシーの運転手と口論し、
それから笑った。
借りたスクーターでひとり、
完璧なバインミーを求めて
スパイスとネオンに満ちた夜の市場を走った。

ダナンからホイアンへと向かう道は
煙のようにくねくねと曲がっていた。
ひとりで食べた麺の味は、
勇気の味がした。

バリでは、
夜が炎の祈りをささやいていた。
ケチャダンスの踊り手たちが炎を囲み、
私は蚊帳の下に横たわり、
ささやくような夢を見た。

母と再会し、
ミントときゅうりの水を分かち合い、
時が、沈黙では解けなかったものを
やさしくほどいてくれた。

スパの手が、
記憶を肌に刻み込んでいった。
ヤシの木が並ぶ細道はウブドへと続き、
ライステラスには
ひっそりとアマリリスが咲いていた。
まるでそれもまた、
ずっと待っていたかのように。

モルディブでは、
空気にスパイスの香りが漂っていた──
サフラン、クミン、そして記憶。

朝市を歩き、
モスクの静けさの中に身を沈める。
静寂と慎み深さが、
私をやさしく包んだ。

マーレの街は
私が抱えていた孤独には
小さすぎた。
大地でさえ、
胸の重みによって小さく感じた。

マーフシ島では、
ロマンスは手の届かないところで
かすかに揺れていた。
浅瀬で泳ぐエイたちは
足元で戯れていたけれど、
その出会いは
魂には触れなかった。

イスタンブールでは、
カモメがボスポラス海峡の上で鳴き、
風は塩と聖句の味がした。

アヤソフィアでは、
鐘の音が肋骨に響き、
一杯の紅茶が
肌よりも冷たくなったものを
そっと温めてくれた。

バザールは夢のようにねじれ、
すべての路地が
スパイスと絹のささやきで満ちていた。
私は迷いながら、
古い祈りのハミングに
やさしく包まれていた。

パリでは、
光がやさしく降り注ぎ、
フォーの湯気と
壊れた朝を照らしていた。

マダム──見知らぬ人が
優しさを差し出してくれた。
彼女が「オルヴォワール」と言ったとき、
私はもう、
涙をこらえることができなかった。

頬に残ったキスの感触は、
一生忘れられないような、
切ない別れの記憶になった。

サクレクールでは、
名前すらなかった悲しみに身を委ねた。
それはまるで
ステンドグラスのようにあふれ、
静かな丘の上で
そっとこぼれていった。

イタリアでは、
リゾットの隣に一輪のバラが咲いていた。

職人の手の中で
ピザがくるくると回るのを見つめながら、
その生地に触れる手つきのやさしさに
心が満たされた。

通りには
問いかけのないやさしさが溢れていた。

スペインでは、
タパスの光が金色に揺れた。
ガウディの石たちが空を目指し、
私は咳き込みながら
タイムティーをすすり、
夕暮れのバルセロナに見送られた。

ハンガリーでは、
浴場のタイルから蒸気が立ちのぼり、
友情の種が
長い冬のあとに
ようやく芽吹いたようだった。

けれど、熱がやってきた。
沈黙も一緒に。

ゲストハウスのベッドでじっと横たわり、
私を「何か違うもの」として見る
視線を感じた。
その日、
やさしさにも境界があることを知った。

モロッコとヨルダンでは、
サフランの香りを追いかけて、
蔦のように曲がるスークを歩いた。

タジンは母の味を思い出させてくれた。
クルアーンに根ざした見知らぬ人のやさしさが、
リネンのように私を包んだ。

青く染まる山の町では、
私は心をすぼめていた。
けれど、
乾いた空気と星降る夜に
少しずつ呼吸を取り戻した。

探していたもの──
それは、
見つからなかった。

海の中にも、
祈りの中にも、
熱や飢えの中にも。

でも、
すべての足跡の中に
確かに残っていたものがある。

ミントと海の香り、
知らない言語のリズム、
別れのあとに訪れる静けさ──
GRAVITY
GRAVITY2
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