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たるお

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 パスカルは理性を突き詰めていった結果、懐疑を徹底的に突き詰めていった結果、この不安定な状況に陥らざるを得なかった。病で衰えてゆく身体を抱え、常に死に急かされながら、理性の果てに見出した絶望の中で、信仰を求める自らの心に気付いたのだ。――真の説得は理性ではなく感性に訴えることによってのみ可能となる。しかし、逆に言えば、理性による追及は信じることそのものをもたらすことはないが、信じることを感性的に必要とする状況に人を追い込むことは出来る。
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たるお

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 信じるという行為においては、「何を信じるか」と同時に、「誰を信じるか」が問題となる。また今度触れることになると思うけれど、パスカルの有名な「賭け」の議論は、「何を信じるか」に直接アプローチするものであり、その点で特異な議論ではあるが、しかし著作全体を通しては、「誰を信じるか」を論じることに(当然ながら)苦心しているように見受けられる。
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たるお

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 パスカルにとって、もう一つの直感的知性、あるいはむしろ言語活動における一つの到達点は、モンテーニュであった。実際、彼の残した言葉はモンテーニュの引用や影響が非常に多い。しかし、パスカルにとってモンテーニュは言論における模範であると同時に、乗り越えなければならない存在でもあった。パスカルはモンテーニュから人間に対する眼差しを学び、そして自己に対する目を養った。そしてモンテーニュと共に人間と生の虚しさ、そして死についてと向き合った。だがそこで、モンテーニュが虚無を受け入れ現実に生きる術を説くことが出来た一方で、パスカルはその虚無から帰ってくることが出来なかった。
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 パスカルにとって、幾何学的知性の極北にいたのがデカルトであった。彼は普遍的・必然的な自然法則に基づく機械論的自然観をもって、世界全体のあり方を説明しようとした。しかしパスカルにとっては、これは日常の具体的偶然性とは懸け離れたものであり、またあまりに概念的・演繹的性格を持つもの故に、実証的なものでもなかった。パスカルのデカルト批判は、信仰者としてのものでもありつつ、また理性的科学者の視点からのものでもあった。「無益で不確実なデカルト」。
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たるお

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 幾何学的な知性と直感的な判断。普遍的な理論と個別の事象。必然的な法則と偶然的な現実。数学的な記号と感情を引き出す言語。外界の実在の認識と内的な真理の感覚。学問の世界と社交的日常――パスカルは、人間の精神活動における二つの異なる領域を認識していた。彼にとってこの二つの領域は、どちらが上位に立つというわけでもなく、互いにそれなりの意義をもって人間の生において営まれている。しかし、最終的に彼はこのどちらの営みにも有限性と虚しさを覚えるようになる。
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