共感で繋がるSNS

人気

関連検索ワード

新着

桔梗色のきたじー

桔梗色のきたじー

#幻
『自苦之記』/Cp. 仁「目」

肉体的疲労は、熟睡を齎す。
しかし、この熟睡は、私に悪寒を齎すにも十分だった。

再び、夢。
目を開くと、城門にいる。足元に、灰白ツートンのハチワレ。思ったより大きい。座っているときは、なんと私の太腿に頭があるほどの大きさである。
ハチワレは、私と目が合うと尻尾をピンと立たせる。
「その手に持っているのは何だい?」
おお、この猫は喋るのか……。言われるがままに手を見せる。このとき、やっと私があの貝殻を2つ持っていることに気付いた。
「ほう……話通りの男の子が来たもんだな」
「話通りって?」
「ああ、こっちの話だ、気にするでない」
なんだか、集落の長老か何かと話している気分である。
「はて、何故その2つの鍵を持っているか、分かるかね?」
「決着をつけたいものがいるから」
「ははあん、あの子はそう伝えたか。……確かに、合っておる。だがな、理由はそれだけではない」
「まさか、この中に入って確かめろってこと?」
「おや、察しが良いことよ。だがな、今から見てもらうものは、お前さんを怖がらせる可能性がある。だから言っておく。……この城門を潜ったら、私以外と口を利いてはならん。それから、ここの物は絶対に手に取ってはならん。お前さんのため、よろしく頼めるかの?」
「……分かった」
「……その顔、待っておった。だが、くれぐれも、覚悟して見ることだ」
「分かった」
「良い返事だ」
よし、行こう、とハチワレは四足で歩き出す。私は、それについて行った。
まあまあの道程を経て、城の目の前まで来た。黒曜石の尖塔が何本も立っていて、中心に構えられているキープは、巨大である。方解石だろうか。
キープの目の前に、広場のような空間がある。
そこで見たのは、隊列を組んだ騎士たち。鎧は、まさに中世欧州のそれで、胸部に大きく空色のハートが配われている。国章か軍章と思われる。
騎士たちの視線の先に、大きな影。紺青色である。頭上には王冠。携える杖は、大きな黒いハートを湛える。
影は、杖で床をドンと突く。かなりの轟音だった。直後、騎士たちが右手を、手の甲を上にして影に向かって差し出し、一斉に「ハイル!」と叫ぶ。影がもう一度同じことをすると、騎士たちはまた、
「ハイル! ハイル! ハイル・ディル!
(Heil! Heil! Heil dir!)」
と一斉に叫んだ。
「騎士たちの目をご覧」
ハチワレが、真剣な顔をして小さく言った。言われた通りに騎士たちの目を見る。
光がない。
「お前さんも、このままではこうなる」
ハチワレが言う。
「お前さんがこうなるのは見たくもない。あの子も同じ想いだろう。だから、その鍵を渡したのだよ」
「真剣な割に口調が穏やかなのは気のせいかな?」
「そりゃあ、そもそも人間ではないからな。こんな未来にはならないのだよ」
カカカッ、とハチワレは笑う。しかし、すぐに真剣な顔に戻って、こう加える。
「だが、お前さんは人間なのだ、分かるだろう? こうなる未来が来てしまうのは、時間の問題なのだよ」
これに、私がなる? それは気に食わない。こんな私になってたまるか。

次の章節を「保」とする。
ことばりうむの星ことばりうむの星
GRAVITY
GRAVITY7
あやめ(小説の化け物

あやめ(小説の化け物

#短編小説#手記 #ClairCianWayariry

《Part .1》〈手記:Clair Cian Wayariry〉クレア・シアン・ウェアリリー

私は魔女だった。魔女と形容することが最も真実だと言い、大昔の人は嫌悪した。
私は恋をした。

私は不老不死に近い生き物であって、あくまで食事が必要なことも、孤独に心が蝕まれる性質もなにも周囲の人間と変わらなかった。

だから、長く生きていた私は恋をした。
孤独に堪えられなかったワケではない、まして、遊びや浮ついた何かの理由で相手を作ったわけではない。真剣だった。
恋をしたのはナチス将校だった。
史実から見ても大量殺戮者と名高いヒトラーを、「Heil Hitler.(ヒトラー万歳)」と毎日のように崇め敬礼し、当たり前に従順な姿勢を持ちそして、精神まで服従している男だった。
もちろん私は当時からヒトラーの精神の全貌を知って嫌悪していたし、そういった人種の末路も見抜いていた。そんなヒトラーを崇めている恋人の様子を見るのは、惨めで苦痛だった。
それでも、深夜まで毎日の残務処理を終えて私の待つ家に決まって帰宅する恋人のことを愛おしく感じていた。

恋人の名は「ジス・ゲイツ」、模範的なドイツ人。
ゲイツとはヒトラーが首相に就任した二年後の1935年から、交際していたから、ポーランド侵攻の1939年までの4年間があったから、裕福な職である将校で誉高い彼との日々も長くなっていた。
ドイツがポーランド侵攻に成功して、そこから更にヒトラーの支持率が上がった。それに影響されて、特にヒトラーの演説での他責(他国にドイツ困窮の理由を責める)の論法に影響されてどんどん世間が物騒になっていった。

最初のポーランド侵攻ではカレは上司に気に入られていて前線の参加をしなかった。もちろん、前線で毎日戦っているたくさんの兵士のことを考えると思うことがなくはなかった。それでも、毎日帰ってくる恋人のゲイツを迎えることが幸せで仕方がなかった。本当に、温かい食事を作って待つという日常が楽しかったからだ。
「魔女」はこの頃、完全に姿を潜めていた。
GRAVITY1
GRAVITY12
蘇我霊幻道師准尉

蘇我霊幻道師准尉

落ち込んだ時に聴きたい曲教えてください落ち込んだ時に聴きたい曲教えてください

回答数 31>>

元寇
宮さん
抜刀隊
日本陸軍
愛国行進曲
関東軍軍歌
紀元二千六百年
加藤隼戦闘機隊
出征兵士を送る歌
强军战歌
当那一天来临
Авиамарш(航空行進曲)
Экипаж - одна семья (乗組員は一つの家族)
Ракеты всегда на посту (ロケットは常に配置に就いている)
エリカ(Erika)
プロイセンの栄光(Preußens Gloria)
ヴェスターヴァルトの歌 (Westerwaldlied)
進め!進め!(Vorwärts Vorwärts!)
ジークハイルヴィクトリア(Sieg Heil Viktoria)
GRAVITY
GRAVITY1
もっとみる

おすすめのクリエーター