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河合隼雄 (1998)
『こころの処方箋』(新潮文庫)

 著者の河合隼雄は、臨床心理学者・文化功労者・文化庁長官・京都大学教授を務めた人物である。
 本著はAmazonレビュー 4.2/1117の評価を誇る、疲弊した心に真の勇気を起こし秘策を生み出す必携のロングセラーエッセイ集である。「心の常識」があまり知られていない時代だからこそ、腹の底では分かっているのだが言葉にすることが難しい「心の常識」を55章に分けて説明している。「16章 心のなかの勝負は51対49のことが多い」「32章 うそは常備薬 真実は劇薬」「37章 一人でも二人、二人でも一人で生きるつもり」の三章が特に印象に残っている。
 物事をAかBどちらかに決める場合は、その相反する気持ちの間で勝負が決まり、Aが勝つと、それだけが前面に現れ主張されるが、その実はその反対の傾向が存在しており、それは、51対49と言いたいほどの際どい差であることが多いという心の捉え方は、人間の言葉と行動の不一致に関する否定・懐疑的な捉え方に対し、肯定・柔軟的に捉え直すことを促すと考える。
 真実を語るのは良いことだと単純に確信している人や、適当な嘘を上手に交えて人間関係を円滑にすることが大切だと唱える人もいるが、嘘でも真実でもない表現をすることも大切である。また、終始この表現ばかりでは面白くないため、時には嘘を交え、そして、ここぞという時のみ真実を語る、その匙加減こそが重要であると述べている。言ってはならぬ真実を口にしたため、人間関係が壊れてしまった経験をお持ちの方は、多く居られることと思うが、この匙加減は人間関係を維持する上で役立つと考える。
 一人で楽しく生きている人は、心のなかに何らかのパートナーを持っている可能性があり、一人で生きてゆくためには、そのような意味で二人で生きてゆくことができねばならず、二人で生きている人は、一人でも生きられる強さを前提とし、二人で生きてゆくことが必要であり、一人でも生きてゆける人間が二人で生き、お互いに助け合ってゆくところに楽しみが見出せるという考え方は、特に人生100年時代を生きる私たちの結婚・恋愛の在り方を考え直す上で重要な視点だと考える。
 約248ページと内容は浅く読みやすい印象を受けた。誰にでも薦めたい一冊である。
 
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岸見一郎 古賀史健 (2013)
『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)

 本書の原案を担当した岸見一郎は、京都大学院文化研究科博士課程満期退学後、西洋古代哲学・プラトン哲学・アドラー心理学の研究や、精神科医院で数多くの青年のカウンセリングを行った日本アドラー心理学会顧問兼認定カウンセラーである。ライターの古賀史健は、20代の終わりにアドラー心理学と出会い、その後、京都の岸見一郎を訪ね、アドラー心理学の本質について聞き出し、本書ではギリシャ哲学の古典的手法である「対話篇」へと落とし込んだ人物である。
 本書は、Amazonレビュー4.5/26921の評価を誇り、世界的にはフロイト・ユングと並ぶ心理学会の三大巨匠とされながらも日本国内では無名に近い存在アドラーの教えを哲学者と青年の対話篇形式によって解き明かしていく古典作品である。また、世界40以上の国と地域で翻訳され、累計1,000万部を超えた世界的ベストセラーである。
 過去にトラウマなりの原因となる出来事があって、その結果、外に出られなくなってしまったという「原因論」的な考え方ではなく、外に出ないという目的が先にあって、その目的を達成する手段として不安や恐怖をこしらえているという「目的論」的な考え方は、現在の私は過去の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定できると解釈することが可能である。20代半ばを迎え、キャリア・交友・恋愛・家族・趣味に対し反芻する機会が増えたため、30代を迎えた際に20代の私に意味を与えようと吟味することは、意味のない人生を生きる上で僅かに心を軽くする。
 アドラーは、「対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされるため、我々は"これは誰の課題なのか"という視点から、自分の課題と他者の課題を分離していく必要がある。」と述べている。他者の課題と自分の課題を混同しない、他者の課題には介入せず自分の課題にも誰一人として介入させないと考えることは、私の人生は私が選択しているという自己決定感の意識を促す手助けをしてくれるのではないだろうか。
 約300ページと内容は浅く読みやすい印象を受けた。誰にでも薦めたい一冊である。

#読書 #読了 #古典
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戌海日狼

戌海日狼

【流行りの本を読むより古典を】

 本屋さんに並んでいる新書はほとんどが古典の焼き直しです。すごく良いことが書いてありそうなのですが、それらはほぼ全て著者の実体験と古典のようなものに触れてきているからです。

 古典は古事記、日本書紀、源氏物語、平家物語などの日本のものだけではありません。
 人類の歴史上で記された名著のことを総称して古典と呼ばせていただきます。

 古典は読むのが難しいかもしれません。ですが、古典の解説本はたくさん出版されているので是非とも手に取って読んでみてほしいです。
 そして、全容が把握できたら現代語訳や翻訳された本にチャレンジしてみてください^ ^

 私たち人類の歴史上「良い本」として何百年もあるいは何千年もの間、残り続けてきた人類に叡智に触れられる機会があるなら触れてみた方がいいです!

 現代社会に生きづらさを抱えている方には特に哲学をオススメします。

 なぜ生きるのか、なぜ愛するのかなどの人の根幹にある問いにアプローチをかけていきます。

 古典に触れることによって、考えることがいかに道徳的で自分の人生を豊かにしていくかを学べます。
そして生きづらさを抱える自分の中にある人間らしさに気づくことができます。

是非とも皆さんには流行りの本だけでなく古典にチャレンジしてほしいと思います。

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アメジスト

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こんばんは
読書記録です

解説 百人一首
橋本武
ちくま学芸文庫

解説が素晴らしいです
歴史的背景なども勉強になります
古典文法の解説もあり、勉強になります
もし無人島に行くとしたら、持っていきたい本の第一候補ですね

76
わたの原 こぎいでてみれば 久方の
雲ゐにまがふ 沖つ白波
法性寺入道前関白太政大臣

この歌のスケールの大きさが好きですね
葛飾北斎の神奈川沖浪裏の絵を思い浮かびますね🌊
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アメジスト

アメジスト

こんにちは
読書記録です

今昔物語集
作者不詳
大岡玲 訳
光文社古典新訳文庫

本書は、平安時代末期に成立したとみられる昔話集の中から一割程度を抜粋して訳出したものです。
武士や僧侶が欲望にまみれた話も多く載っており、平安時代末期の人々の世界観を味わえる感じがしました。
芥川龍之介の「羅生門」や「鼻」の元ネタもあり、さすがに史実ではないにしても、当時の人々の生々しい情念が感じられて面白いです。
#読書
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藤原氏

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趣味の投稿もやりたかったんです!!
私の趣味は和歌や日記を勉強して余韻に浸ることです✍🏻
同じような趣味を探すためにこのアプリを始めたんですよ!!
ちなみにこれはいつもは筆で書いてるのをペン字
挑戦してみたものです!これからもっと勉強するぞー!
#和歌 #古典 #ペン字 #趣味 #学生
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