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こんばんは
読書記録です

西洋政治思想史
宇野重規 著
有斐閣アルマ

現代日本の政治家もお題目のように唱える法の支配や立憲主義というのは、中世ヨーロッパの封建社会にルーツがあるそうです
そもそも「法の支配」とは何かというと、統治される者だけでなく、統治する者もまた、より高次の法によって拘束されなければならないという考え方です
「法の支配」とは、法律をもってしても犯しえない権利があり、これらを自然法や憲法が規定していると考えるものです
このような考え方は、君主であっても決して自らの意志をすべてに貫徹させることができるわけではなく、歴史的に認められた臣下の権利を守るべきであるとした封建社会におけるコモン・ローの伝統に由来するものだそうです
中世封建社会というのは、国王と臣下の間の個人的な主従関係によって成り立っており、臣下には社会的な地位に基づく特権が認められていました
国王といえども、臣下の特権を勝手に踏みにじることは許されず、国王が古来の慣習の集積である「法」を破るとき、臣下には抵抗権が生じました
「古き良き法」を合言葉に、臣下は国王の権力を制限しようとする、支配者といえども法の下にあるという意味が見てとれる
ここに法の支配と立憲主義のルーツがあるということだそうです
臣下の同意がなければ国王は法の制定・改廃や課税を行うことができない
国王の大権と臣下の特権の間でバランスをとり、権力の濫用を防止することがはかられた
ヨーロッパにおける自由の伝統というのは、こういう歴史背景があるということが学べて良かったです
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こんばんは
読書記録です
ハーメルンの笛吹き男
阿部謹也 著
ちくま文庫

ハーメルンの笛吹き男伝説は、1284年の6月26日(聖ヨハネとパウロの日)に子供130人が失踪した事件がもとになっています。
ただ、真相は闇の中。
本書を読んでも結局のところ真相はわかりませんが、中世ヨーロッパの下層民の厳しい現実が語られていて勉強になります
飢饉の時は人喰いをしていたという現代人にとっては衝撃的な話も述べられています
子供は「ただの小さい人」として扱われ、社会で子供を守ろうという思想がなかったこと
孤児院というのはありましたが、町の人の喜捨頼りで厳しい暮らし向きだったこと
中世ヨーロッパは子供にとって過酷な時代であったことが語られて、勉強になりました
現代日本でさえ、シングルマザーは生活保護に頼らざるを得ない境遇におかれている割合が多いのに、福祉制度がなかった時代のシングルマザーの暮らしの悲惨さについても述べられています
中世の祭りがどんちゃん騒ぎなのも、普段抑圧されていることの裏返しだということが述べられています

子供はなぜ失踪したのか
子供の十字軍というのあったようで、子供特有のみんなが行くから行くみたいな感じで失踪してしまったケースもありそうです
著者は様々な仮説を比較して
ヨハネ祭の日に興奮した子供たちが町外れの場所に夏至の火をつけにいったが、湿地帯にはまり込んで脱出できなくなり、底なし沼に遭難したという説が有力だと考えているようです
その悲劇の原因を、賤民である「笛吹き男」に押し付けたそうです
また、ハーメルンの町は水車の町でネズミの被害に悩まされていましたが、「ネズミ捕り男」を市参事会が裏切ったという伝説もあったそうです


真相は不明ながら、笛吹き男伝説がどのように形成されたのかについては興味深いです
「笛吹き男」のような遍歴芸人は賤民扱いされていたこと
「ネズミ捕り男」も被差別民であったこと
ハーメルンの民衆による市参事会への不信が、子供の失踪を笛吹き男の復讐である解釈にしたそうです
「笛吹き男」の伝説と「ネズミ捕り男」の伝説が合成して、「ハーメルンの笛吹き男」伝説になったそうです

中世ヨーロッパの民衆の暮らしについて詳細に述べられているので、勉強になりました
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こんにちは。
読書しました。

日本の歴史をよみなおす(全)
網野善彦 著
ちくま学芸文庫

中世の庶民の文化風俗などを重点的にいくつかのトピックとして取り上げて論じたものです。
かつて穢多・非人と呼ばれていた人達のいわゆる部落問題の起源が語られていたのは勉強になりました。
かつては犬神人、河原者と呼ばれていた人達は平安時代の頃は差別を受けるだけの存在ではなく、「ケガレ」につながる職能として畏怖される存在でもあったようです。
それが畏怖される対象ではなくなり、差別される一方の対象となった時代に、鎌倉時代の新仏教は、被差別民の救済も目的の一つとしていたそうです。
中世の田舎についても決して自給自足の世界ではなく、農民や漁民や商工業者や流通業者などが貨幣経済のネットワークをつくっていました。
閉ざされた山間の村とかではなかったようです。
民俗学的なトピックが多く、よくある権力者に重点を置いた歴史本とはまた違った切り口で勉強になります。
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マインクラフトで中世の街並み作った!
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こんにちは。
読書しました。

中世哲学の射程
ラテン教父からフィチーノまで
クラウス・リーゼンフーバー 著
村井則夫 編訳
平凡社ライブラリー

聖アウグスティヌスを中心とするラテン教父の思考様式についての考察。
天使的博士 聖トマス・アクィナスの倫理学。
マルシリオ・フィチーノの新プラトン主義。
知的射程が広くとても難解ですが、中世ヨーロッパの知のエッセンスが著されています。
信仰の知性的理解を求める中世ヨーロッパの知の探求を描き出す内容となっています。
理性の自己理解の展開と並行して、理性の具体的実現としての「学知」の理念が、キリスト教を根幹として展開する中世ヨーロッパの哲学は、デカルト以降の近代哲学の源流であるということを明らかにしている名著です。
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こんにちは。
読書しました。

王の二つの身体(上・下)
E・H・カントーロヴィチ 著
小林公 訳
ちくま学芸文庫

ボリューミーな内容ですが、名著です。
王には二つの身体がある、それは自然的な生身の身体と、もうひとつは政治的な不可死のシンボル的な身体だそうです。
この国王二体論は16世紀イングランドにおいて特徴的なものだったそうです。
なぜイングランドなのか。
コーク卿が引用した『ブラクトン』の有名な一説。
「王自身は、人間の下にではなく神と法の下になければならない。なぜならば法が王を創るからである」というのがあります。
コーク卿の時代
法学の分野においては、正義は依然として父なる神と不可分であったとしても、祭壇の神とは同一視されていませんでした。
また、正義は神格化された国家に未だ従属されてはいませんでした。
正義はそれ自体において生ける徳であり、法=正義の時代でした。
もうひとつは、アリストテレス-アヴェロエス主義の現世の永遠性の概念がどこまで影響されているのかは別として、「自然的身体」から「政治的身体」論への発展としては時間の永遠性が自覚されたことが重要であるようです。
そうすることで、連綿たる王朝の永遠性が保証され、王がその体現者、不死鳥に例えられる単独法人として捉えられ、ここに個々の王の「自然的身体」からは独立した、非人格的な「政治的身体」が秩序の基盤となる国家になるそうです。
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こんばんは。
読了しました。

中世ヨーロッパ全史 上・下
ダン・ジョーンズ著
ダコスタ吉村花子 訳
河出書房新社

とても分厚い本ですが、物語調に記述されており、中世を生きた人々の生き様が感じられて、面白かったです。
個人的には中世ヨーロッパと聞かれて真っ先にイメージするのは騎士なので、第7章は特に楽しめました。
現実の中世の騎士達は、戦いに明け暮れ、苦難な人生を送った末に、戦闘で致命傷を負って無残な死に方をした人が多かった。
そして、殺人や暴力の罰として騎士たちはことごとく地獄に落ちるだろうと見られていました。
それゆえにこそ、『ローランの歌』やアーサー王物語などの中世騎士物語を綴り、騎士は恋する男性、冒険者であり、彼らの実際の玉虫色のおこないは倫理観を通して美化されました。
人はありのままの現実には耐えきれないからです。
騎士の社会的地位の上昇に伴って、13世紀になると騎士道の心得についての書物が著されるようになりました。
そこでは、騎士たる者、勇気、誠実さ、慈悲、敬虔さ、貧者や弱者への心配りを見せ、諸侯の大広間では堂々と振る舞わねばならない。そして貴婦人、それも社会的に自分よりも上位の男性の妻で、手の届かない女性に純粋な心を寄せ、汚れなき忠誠をささげよと説かれています。
ロドリーゴ・ディアス・デ・ビバールとウィリアム・マーシャルの実在の騎士の2つの例をあげて、騎士の実態や騎士的価値観とは何かというのが、本文で語られています。
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りん𓂃◌𓈒𓐍

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朝起きたら、中世の人のヘアースタイルみたいにモワモワ- ̗̀ ☁️ ̖́-になってた(笑)

あみこみしたまま寝てたからかな。
またしよꉂ(ˊᗜˋ*)

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