虹色の雨粒が地上に降り注ぎ、コンクリートがぬれていく匂いがした。雨をつゆと飲みこんだ葉が、さやさやと体をゆらす。虫たちが雨に歓喜し、羽をふるわせ音楽をかなでる。風は人の子の背をそっと押した。「世界って、きれいだ」 #自作小説の一節