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なーぽん

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知と疑い/寺田寅彦


『疑いは知の基である。よく疑う者はよく知る人である」』

物理学を通し、事象に対しての「知ること 疑うこと」二つの重要性が書かれている随筆。
1つのことを知れば、それを疑う1が付き纏う。だがその事実を把握している限りは盲目的になることは避けられる。

本文の中で
【初めて馬を見た人と、既に馬を知っている人】
の話がある。
初めて馬を見た人は「あの生物は人を食うのか?」と問いかけるが
既に馬を知っている人は「そんなわけない、あれは人が乗ることもできるし、重い荷台を引いて遠くまで行くための生物だ」と問いに対して笑う。
しかし、疑わず「馬を知ったふり」をしている限り、見えていない馬の具体的な要素を知ることは出来ない。
馬を知らないと思う人は、馬に対して驚き、怪しみ、疑う。
疑い、知り、疑って、知る。
その連続が「馬」を本当に知ることへと導く。

僕らはどうしても答えが欲しいし、気が散って他のものも見なきゃならないから道半ばで回答を断定せざるを得ない。
知り、疑うことの重要性は、果てしない道が続いていることを示唆している。想像するだけで頭が痛い。

有名なニュートンの「りんごと万有引力」
りんごが落ちたことを疑ったが故に法則へと繋がったわけだが、この発見のためには非凡な準備素養があって成り立っていると書かれている。
探求心には探究心が必要。そして一つ一つを疑うことが大事であると。

僕は新天地を目指す者ではないし、事象の深さを考えるだけで頭は痛いけど、実体験をもってこれは「事実なんだろうな」と理解できる。
自身が疑うことなく信じていたモノを疑い捨てた時に道が開けたことは何度もある。
人の信じる力は限りなく強いけど、盲信は悪戯に自身の手脚を縛り身動きができなくなるだけだから、怖いけども「疑う」ことはとても大事なんだと改めて気づいた。

以後も新しい本を読み、その都度理解して自分の中で答えを出すだろうけど
それは「その時の解」であり普遍的な絶対ではないことを心がけよう。

つくづく果てしない。マジで。

#読了 #評論 #随筆
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