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天雲🌧-アマクモ-

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『愛誓菓物語』 〜永遠を刻む白い調べ〜

​街の片隅に佇む小さな洋菓子店「ラ・プリュネル」。そこの若きパティシエ、優真(ゆうま)が作るウェディングケーキは、ただの菓子ではなく、「愛誓菓」と呼ばれ、人々の間で密かに語り継がれていた。

​優真の作るケーキは、真っ白なクリームと繊細なシュガークラフトで飾られていたが、その真価は、ケーキが持つ「記憶を宿す力」にあった。彼が心を込めて生地を焼き、クリームを絞り、飾り付けをする間、新郎新婦の出会いから今日までの愛の記憶、そして未来への誓いが、まるで音もなくケーキの層に吸い込まれていくのだ。

​ある日、店に一組のカップルが訪れた。新郎の翔太は無骨な職人、新婦の美咲は華やかなピアニスト。二人は喧嘩が多く、結婚の準備も難航していた。美咲は不安を隠さず、「私たちの愛が本物かどうか、このケーキで確かめられるでしょうか」と優真に尋ねた。

​優真は静かに微笑み、「愛誓菓は、お二人の誓いの器です。誠実に向き合えば、必ずその真実を映します」と答えた。
​そして迎えた結婚式当日。二人の前には、美咲の好きな薔薇のモチーフと、翔太の仕事道具の小さなチョコレート細工が飾られた、三段の愛誓菓が運ばれた。

​ケーキ入刀の瞬間、会場の照明が一段と輝き、どこからともなく美しいピアノの旋律が流れ始めた。それは、二人が初めて出会ったコンサートで美咲が弾いた曲だった。

​その時、翔太と美咲の脳裏に、ケーキ入刀の刃の軌跡に合わせて、過去の記憶が一瞬にして蘇った。

​一段目:初めてのデートで翔太が美咲の無愛想な態度に戸惑いながらも、その繊実な指先に惹かれた瞬間。
​二段目:大きな喧嘩の夜、美咲が涙ながらに「もう無理」と言った時、翔太が黙って差し出した、不器用ながらも心を込めた手紙。
​三段目:プロポーズの朝、緊張のあまり言葉に詰まる翔太に、美咲が先に「はい」と微笑んだ、あの誓いの光景。

​走馬灯のように駆け巡る記憶の中で、二人は知る。喧嘩やすれ違いは、互いの不器用さゆえの試練であり、それでも決して途切れることのなかった「愛」という名の甘く温かい絆が、このケーキの芯を成していることを美咲は涙を流しながらも、しっかりと翔太の手を握り直した。翔太もまた、優しく彼女を見つめ、深く頷いた。​ケーキの調べが途切れ、入刀が終わる頃、二人の表情は迷いのない穏やかなものに変わっていた。

​「愛誓菓」は、披露宴でゲストに振る舞われた。一切れ食べた人々は皆、その至福の甘さに驚きながら、なぜか温かい気持ちに包まれるのを感じた。それは、ケーキの中に宿った『永遠を誓う愛の力』が、分け与えられた幸福の欠片だったからだ。

​優真の洋菓子店「ラ・プリュネル」は、それからも多くのカップルの愛を「愛誓菓」に託し続けた。
​そして、そのケーキを口にした人々は皆、心の中で誓うのだ。この甘い味と温かい気持ちを忘れず、自分たちの愛も、このケーキのようにいつまでも崩れず、美しくあるようにと。
​(終)
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『愛誓菓』
これはなんという当て字でしょうか☝( ˙▿˙ )
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コメント

yjk☁️

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1 GRAVITY

そのまま読んだら「あいせいか」やけど、 漢字の意味的に「愛妻家(あいさいか)」って読むんでしょうか?[照れる] 間違ってたら、ごめんなさい

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天雲🌧-アマクモ-
天雲🌧-アマクモ-
愛を誓う菓子と言えば…笑
1 GRAVITY
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