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あお🫧
先輩が声をかける。
「先生ー、あおさん来ましたー」
先生は笑って迎えてくれる。
「まぁ、今日も寝ちゃったかと思った。よく来たね」
──ただ、お稽古に行くだけで、
こんなふうに褒めてくれる人たちがいる。
思い出すのは、あの夜。
仕事から帰って、軽く食事をすませ、
準備も整えて、あとは出かけるだけだったのに。
ソファに腰を下ろした「ちょっと」が
気づけば夜中の二時に変わっていた。
悪気なくすっぽかしたお稽古。
それ以来、私は“寝ぼすけあおさん”と呼ばれている。
紐結びはまだ手こずる。
帯揚げも、帯締めも、十回に一度くらいしか形にならない。
けれど、先生も先輩方も、根気よく教えてくださる。
こんな場面もあった。
帯の締め方を教わっているとき、
どうしてもくしゃみが出そうになった。
説明を聞き逃したくなくて、必死でこらえる。
けれど──
「へっぶしっ」
変なくしゃみが飛び出してしまった。
「あおさんっ……」
先生が崩れ落ちる。
「かわいいのに、くしゃみがおじさん!」
「へへ💦」
笑い上戸の先生の声に、稽古場がやわらかく揺れた。
思い出すたびに、頬がゆるむ。
不器用な私を、丸ごと受け止めてくれる時間。
──なんと幸せなお稽古だろう。
はやく、凛とした姿で着られるようになりたい。
けれど今は、拙い手つきも、
この道のりを楽しんでいる。
#着付け#お稽古の時間#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
考えれば考えるほど
幸福は 少しずつ遠ざかる
手のひらで掬った水が
こぼれていくように
思索の熱が 冷たく変わる
何も知らない瞬間だけが
こんなにもやさしかったと
後になって気づく
考えることは
生きることの延長で
それでも
心の奥でそっと願う
「少しの間だけ 何も考えずに 笑っていたい」と
考えすぎるほどに
世界は濁って見える
幸福は 沈黙の裏側に逃げ込んだまま
私はただ 思うことをやめられずにいる
#幸福との距離感#考えるということ#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
疲れた日には
カラオケ一択!
レパートリー関係なしで
楽しく合唱、fin♪
#カラオケ#ストレス発散#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星
声が夜にとけて
明日が、ちょっと軽くなる𓂃𓈒𓏸

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

らかん
朝起きていつものように勢いよく起き上がると、目の前が暗転
今日も大人しくします
画像は数日前の寝待月
立っているだけで眩暈は困ります
#眩暈#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
イベント3つ作りました!
えーっと、燃え尽きです(笑)
年内仕事しません!(笑)
みなさんイベント参加お願いします♪
#イベント作成#疲れた#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
秋の風が野を巡る。
鈴の音のように軽やかで、
透明な香りは秋の訪れを知らせる。
澄んだ空の下、落ち葉がそっと踊るように舞い、
哀しさも喜びも、すべて風に溶けてゆく。
風は速く、でも優しく、
心の奥にそっと触れるように通り抜ける。
ひと呼吸ごとに、世界は少し清められ、
ほんのわずかの哀愁が、胸に残るだけ。
香と旋律をまとった秋の風は、
どこまでも巡り、どこまでも澄んで、
触れた者の心に、透明な温度を残していく。
#秋の風#澄んだ空#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
今日は、一所懸命綴られた物語たちに出会った。
頭をひねって創られた、あいうえお作文や当て字の数々。
それぞれの言葉が、胸の奥でそっと光を放ち、
詩に宿る想いは、淡く、柔らかく、
私の心をつつみこむ。
ひとつひとつの言葉が、
優しい波紋のように広がり、
胸に小さな星を描く。
この星のみんなに、ありがとう。
言葉の光をくれたあなたに、ありがとう。
今日のしあわせは、確かにここにある。
#しあわせ#ありがとう#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
たぶんおちたって
ぶってるわけじゃないけど
んなもん怖いに決まってるやん!
おもいきりドカン言うたし
ちょ、家ゆれた気した[大泣き]
たのむからもう鳴らんで〜(笑)
#雷#キライ#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

天雲🌧-アマクモ-
古い煉瓦造りのアパートの一室で、パティシエ見習いの青年、ハルは、今日もオーブンと格闘していた。彼の夢は、いつか自分の店を持ち、人々を笑顔にするケーキを作ること。特に彼が心血を注いでいたのは、ふわりと軽やかなシフォンケーキだった。
ハルは、シフォンケーキに「詩風運慶」という当て字を当てていた。詩的な風が運ぶ、おめでたい慶び。彼の作るシフォンケーキが、まるで詩のように人々の心に語りかけ、幸運を運んでくれることを願って名付けたのだ。
しかし、現実は甘くない。何度焼いても、膨らみすぎたり、しぼんでしまったり。理想の「詩風運慶」にはほど遠かった。
ある雨上がりの午後、ハルは商店街の片隅にある小さなカフェで休憩していた。マスターは、いつも優しくハルの悩みを聞いてくれる、元職人の老婦人だった。
「今日も、詩風運慶に嫌われたんですか?」
ハルがため息交じりに言うと、マスターはにこやかに答えた。
「詩風は、待つものですよ。風は、追いかけるものではありませんから」
その言葉に、ハルはハッとした。彼はいつも、完璧なシフォンケーキを追いかけ、焦っていたのだ。
アパートに戻ったハルは、いつものように材料を準備したが、今回はゆっくりと、一つ一つの工程を慈しむように進めた。卵を割る音、砂糖が混ざる音、泡立てるリズム。全てが、まるで静かな詩のように響いた。
オーブンに入れた生地は、ゆっくりと、しかし確かな力強さで膨らんでいく。ハルは、その様子をじっと見つめた。まるで、風が詩を紡ぐように。
焼き上がったシフォンケーキは、これまでで一番の出来だった。黄金色に輝き、ふんわりと膨らんだ生地からは、甘く優しい香りが部屋中に広がる。まさに「詩風運慶」そのものだった。
その夜、ハルはマスターのカフェに、焼きたてのシフォンケーキを持って行った。
「これが、僕の詩風運慶です」
マスターは一切れ口に運び、目を閉じた。そして、ゆっくりと目を開き、ハルに微笑んだ。
「素晴らしい。このケーキには、あなたの心が詰まっていますね。まさに、慶びを運ぶ詩の風です」
その言葉に、ハルの目には涙がにじんだ。諦めずに追い求めてきた「詩風運慶」が、ようやく形になった瞬間だった。
それから、ハルの作るシフォンケーキは、街で評判になった。人々は、彼のケーキを一口食べると、まるで優しい風に包まれたように、心に温かい光が灯るのを感じた。
ハルは、今日もオーブンに向かう。彼の作る「詩風運慶」は、これからも人々に、ささやかながらも確かな幸福を運び続けるだろう。
#当て字でことばあそび
#夜露死苦フェス
#ことばりうむの星
短編小説第2弾
コメントにてまた感想聞かせてください

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

あお🫧
ちいさな鉢におさまっていた頃、
風にふるえる葉は、まだ頼りなかった。
やがて根は土をつかみ、
枝は空へとひろがり、
気づけば私よりもおおきな樹に。
そして今日、
掌にのるほどの実を結んでいる。
その小さな光の粒に、
過ぎた季節のすべてが宿る気がした。
秋のひざしに包まれて、
こころの結び目が、そっとほどけてゆく。
#オリーブ#初成り#夜露死苦フェス#当て字でことばあそび#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
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トモモ
ふわふわの卵白
わた菓子に似た
袋につめてしぼって
割れないように程よく焼いて
含んだ口の中
湧き立つ甘さに満ちる
ふたつ、みっつ、よっつ
分かってても止まらない手
ふと気付いたの
わざとたくさん食べちゃえば
不摂生だとしても
私の昼餉はメレンゲクッキー
#夜露死苦フェス
#当て字でことばあそび
#ことばりうむの星
夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

天雲🌧-アマクモ-
序章:色褪せの始まり
里山に住む一人の少年、コウは、毎年この季節になると、胸の奥がきゅっと締め付けられるのを感じていた。彼が住む村では、晩秋に吹きつける冷たくて強い風を、敬意を込めて「小寒風(こがらし)」と呼ぶ。
「小寒風」が一度吹き荒れると、それまで鮮やかだった山の色彩は一瞬で色褪せ、深い眠りにつく冬の時間が始まるからだ。
第一章:風の招待
今年の小寒風は、例年になく突然やってきた。
ある日の夕暮れ、コウが裏庭で焚き火の番をしていると、遠くの山々が灰色に染まるのと同時に、一本の冷たい風がコウの頬を撫でた。
それはただの風ではなく、まるで透明な刃で空気を切り裂くような、鋭い響きを持っていた。コウは思わず立ち上がり、その音の源を探した。
「古木の魂を呼ぶ、招待状じゃ...」
コウの隣に座っていた祖父が、小さくつぶやいた。
小寒風は、枯れゆく木々に感謝を告げ、彼らの魂を一時的に集めるという、村の古い言い伝えがあった。
第二章:旅立ちの葉
その夜、小寒風は本格的な荒れとなり、夜通し村を叩きつけた。コウは窓に張り付き、その光景を見つめた。
風の強さで、一本の大きなモミジの木から、まだ緑を残していた最後の葉が、まるで意志を持っているかのように剥がれていくのが見えた。その葉は、ただ地面に落ちるのではなく、風に導かれて高く、高く舞い上がった。
コウには、その一枚一枚の葉が、一年間の太陽の光と雨の記憶を携えた「小さな手紙」のように見えた。小寒風は、その手紙を丁寧に集め、冬の間、山の奥深くにある「眠りの宮殿」へ届ける旅人なのだ。
終章:約束の色
翌朝、風が止むと、世界は一変していた。地面は落ち葉の絨毯で埋め尽くされ、空は透明な青に磨かれていた。しかし、コウの心は寂しくなかった。
彼は、荒々しい風が運んだ静寂の中に、春の約束を感じていた。
「小寒風は、すべてを終わらせる風じゃない。次の始まりのために、場所を空ける風だ。」
祖父の言葉が蘇った。
コウは、風によって冷やされた木々の幹にそっと触れた。幹はもう凍えるように冷たかったが、その冷たさこそが、来年の春に向けて、命の力を深く深く蓄えている証拠だった。
小寒風が持ち去った鮮やかな色彩は、冬の間に夢となり、やがてまた、新しい命として里山に戻ってくるのだ。コウは、その再会の時を静かに待ち望みながら、澄んだ冬空を見上げた。
#当て字でことばあそび
#夜露死苦フェス
#ことばりうむの星

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

天雲🌧-アマクモ-
街の片隅に佇む小さな洋菓子店「ラ・プリュネル」。そこの若きパティシエ、優真(ゆうま)が作るウェディングケーキは、ただの菓子ではなく、「愛誓菓」と呼ばれ、人々の間で密かに語り継がれていた。
優真の作るケーキは、真っ白なクリームと繊細なシュガークラフトで飾られていたが、その真価は、ケーキが持つ「記憶を宿す力」にあった。彼が心を込めて生地を焼き、クリームを絞り、飾り付けをする間、新郎新婦の出会いから今日までの愛の記憶、そして未来への誓いが、まるで音もなくケーキの層に吸い込まれていくのだ。
ある日、店に一組のカップルが訪れた。新郎の翔太は無骨な職人、新婦の美咲は華やかなピアニスト。二人は喧嘩が多く、結婚の準備も難航していた。美咲は不安を隠さず、「私たちの愛が本物かどうか、このケーキで確かめられるでしょうか」と優真に尋ねた。
優真は静かに微笑み、「愛誓菓は、お二人の誓いの器です。誠実に向き合えば、必ずその真実を映します」と答えた。
そして迎えた結婚式当日。二人の前には、美咲の好きな薔薇のモチーフと、翔太の仕事道具の小さなチョコレート細工が飾られた、三段の愛誓菓が運ばれた。
ケーキ入刀の瞬間、会場の照明が一段と輝き、どこからともなく美しいピアノの旋律が流れ始めた。それは、二人が初めて出会ったコンサートで美咲が弾いた曲だった。
その時、翔太と美咲の脳裏に、ケーキ入刀の刃の軌跡に合わせて、過去の記憶が一瞬にして蘇った。
一段目:初めてのデートで翔太が美咲の無愛想な態度に戸惑いながらも、その繊実な指先に惹かれた瞬間。
二段目:大きな喧嘩の夜、美咲が涙ながらに「もう無理」と言った時、翔太が黙って差し出した、不器用ながらも心を込めた手紙。
三段目:プロポーズの朝、緊張のあまり言葉に詰まる翔太に、美咲が先に「はい」と微笑んだ、あの誓いの光景。
走馬灯のように駆け巡る記憶の中で、二人は知る。喧嘩やすれ違いは、互いの不器用さゆえの試練であり、それでも決して途切れることのなかった「愛」という名の甘く温かい絆が、このケーキの芯を成していることを美咲は涙を流しながらも、しっかりと翔太の手を握り直した。翔太もまた、優しく彼女を見つめ、深く頷いた。ケーキの調べが途切れ、入刀が終わる頃、二人の表情は迷いのない穏やかなものに変わっていた。
「愛誓菓」は、披露宴でゲストに振る舞われた。一切れ食べた人々は皆、その至福の甘さに驚きながら、なぜか温かい気持ちに包まれるのを感じた。それは、ケーキの中に宿った『永遠を誓う愛の力』が、分け与えられた幸福の欠片だったからだ。
優真の洋菓子店「ラ・プリュネル」は、それからも多くのカップルの愛を「愛誓菓」に託し続けた。
そして、そのケーキを口にした人々は皆、心の中で誓うのだ。この甘い味と温かい気持ちを忘れず、自分たちの愛も、このケーキのようにいつまでも崩れず、美しくあるようにと。
(終)
#当て字でことばあそび
#夜露死苦フェス
#ことばりうむの星
『愛誓菓』
これはなんという当て字でしょうか☝( ˙▿˙ )

夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

yjk☁️
とあるところに「鬼」と呼ばれた少年がいたらしい。
鬼と呼ばれてはいるものの、見るからに育ちの良さと品位を感じることができる。
不思議なものだ。グラウンドで砂まみれになりながら鬼ごっこをしていても、ドッジボールで無双して調子にのっていても――その品性が失われることはない。
無邪気な少年時代から、競争社会の入り口に立つ青年時代の狭間で、彼は運動も勉学においても非凡な才を発揮した。
周囲の中には、彼を「異常」と畏怖する者もいた。
それは、親も教師も例外ではなかった。
彼は特別なことは何もしない。ただ彼としてそこに在るだけ。なにも犯すことなく、ただそこで目を開き、耳を立て、鼻をすする……
ただそれだけのことなのに、周囲にとっては存在そのものが「圧」となった。
「わたしはあなたが怖い」
高校に入学してしばらく経った頃、担任の教師からそう言われたそうだ。
彼の中では、対話をしていただけだ。
ただ、素直に思ったことを言っていただけだ。
無論、暴言などは吐いていない。
「あなたと話していると、暴かれた気分になる」
誰かがそう言った。
「勘弁してください……」
誰かがそう言った。
「あなたにそんな人間らしい心があったなんてね」
誰かがそう言った。
そこで、少年は初めて自覚した。
自分の存在そのものが、誰かの不利益になっていることに――
本当は、彼は自制していた。
当たり前である。
彼は年頃の思春期の、普通の少年である。
感情は荒波のごとく内面を渦巻いている。
ぶちまけたい衝動を、何度も飲み込んできた。
少年は感じていた。
「誰も自分を尊重してくれない……
存在を認めてもらえない」
だが、すぐに答えを出す。
「いや、そもそも自分なんて認めてもらう必要などない。
俺は、今たしかに感じている。
この感性こそが俺を俺たらしめる。
その感覚を共有することなどできない。
これは、俺のための俺だけのものだ。
要は、周囲には見せるべき部分だけ見せていればいいのだ。
それで上手く回せる。」
それが、彼の結論だった。
本当は、彼は誰よりも知っていた。
思考は鎖なのだと。
己の存在を現世に受容させるための――
鎖を断つことは、破滅を意味する。
「さぁ、はじめようか。」
Hello world ♪
※ モ!さんの投稿作品『旗を立てる』から着想を得ました♪
#夜露死苦フェス
#当て字でことばあそび
#ことばりうむの星
#音楽をソッと置いておく人
#鎖ブンブンしたい人

Hello,world!
夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

たむい
ただ一度の失敗を
できてしまった傷を
ワタシは振り返る
何
度 何
も 度
も
分かってる
分かってるんだよ
ほっとけばいいって
忘れてしまえばいいって
痛みも薄れ
やっと治ってきたその時に
フラッシュバック
そのむず痒さに
こころがざわつく
自分で自分を罰する行為
さらに加わる後悔の重り
止まらぬ鎖の繋がり
いつまで続く無限の輪廻
駄目な自分を痛感する
#かさぶた
#夜露死苦フェス
#当て字でことばあそび
#ことばりうむの星
スタイル案感謝:@necco(ねこころん
夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

yjk☁️
「やっと……会えたね。
まさか、こんなとこにいたなんて……
でも、こんな……こんな再会はあんまりだよ!」
――遡ること数日前。
「期間限定」という響きに弱い男が、スーパーのアイスコーナーで魅力に抗っていた。
そして、敗北した。
しかし、家に帰ったときにはブツが見当たらないことに気づいた。
「まさか、盗まれた!?
いや……袋に入れるのを忘れて、セルフレジのとこに置いてきてしまったのか?」
そんなアホなことあるわけ……と、健全な人なら考えるだろう。
だが、この男は“やる漢”……うん。
――そして、今日。
晩ごはんを作ろうとキッチン台の収納スペースに置いてある調味料を取ろうとしたとき、
この前買ったものをスーパーの袋ごと入れていたことに気づいた。
もともと中にはカップ麺がいくつか入っていたが、今はスカスカ――
そこで、違和感に気づいた。
「あれ?なんか、カップっぽいシルエットが見える……」
男は「ツナ缶か何かかな?」とか、能天気なことを考えながら袋を覗いた。
「ば、馬鹿な!!この前確認したときはなかったはずなのに……!」
繰り返します。
この男は、“やる漢”です。
#夜露死苦フェス
#当て字でことばあそび
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夜露死苦フェス 〜当て字でことばあそび〜
参加

天雲🌧-アマクモ-
街の中心から少し離れた路地裏に、ひっそりと佇む喫茶店「虹色の窓」。そこの名物は、店主の老婦人、ハルが作る「富琳阿羅盛」だった。
ハルは、プリンアラモードを「富琳阿羅盛」と名付けていた。それは「豪華な宝石がちりばめられたように、あらゆるものが盛り付けられたデザート」という意味。彼女の作る富琳阿羅盛は、まさにその名の通り、色とりどりのフルーツ、滑らかなプリン、甘いクリーム、そしてキラキラと輝くゼリーが、まるで宝箱のように美しく盛り付けられていた。
ハルの富琳阿羅盛には、不思議な魔法が宿っていた。それは、食べる者の心を、一瞬にして夢の世界へと誘う魔法だった。
ある日、仕事に疲れ果て、心がすっかり乾ききってしまった若いビジネスマンの健太が、偶然「虹色の窓」を訪れた。彼は、SNSで評判になっていた富琳阿羅盛を半信半疑で注文した。
運ばれてきた富琳阿羅盛を見て、健太は思わず息を呑んだ。それは、彼が想像していたよりも遥かに美しく、まるで小さな楽園が皿の上に広がっているようだった。
健太は、スプーンを手に取り、一口食べた。とろけるようなプリンの甘さ、フルーツの爽やかな酸味、そしてクリームの優しい口溶けが、口いっぱいに広がる。まるで、心の中に温かい光が灯ったようだった。
その瞬間、健太は忘れかけていた幼い頃の記憶を思い出した。母が作ってくれた、ご馳走のようなプリン。父と訪れた遊園地で食べた、初めてのプリンアラモード。
一口食べるごとに、彼の心には、失われていたはずの「きらめき」が蘇ってくる。仕事のプレッシャーで凝り固まっていた心が、ふわりと軽くなるのを感じた。
ハルは、そんな健太の様子を、何も言わずに温かい眼差しで見守っていた。彼女は知っていた。富琳阿羅盛は、ただのデザートではない。それは、人々の心に眠る「幸せな記憶」を呼び覚まし、再び輝かせるための魔法の宝物なのだと。
健太は、富琳阿羅盛を食べ終えると、すっかり穏やかな顔になっていた。彼はハルに深々と頭を下げ、感謝の言葉を述べた。
「ありがとうございます。なんだか、大切なものを思い出した気がします」
ハルは、にっこりと微笑んだ。
「ようこそ、富琳阿羅盛の夢の世界へ。またいつでも、おいでなさい」
健太は、それから「虹色の窓」の常連客になった。そして、富琳阿羅盛を食べるたびに、彼の心は再び、色鮮やかな光を取り戻していくのだった。
富琳阿羅盛は、ただの甘い誘惑ではない。それは、人生に疲れた人々の心に、忘れ去られた喜びや希望を、豪華絢爛に盛り付けてくれる、そんな魔法のデザートなのだ。
#当て字でことばあそび
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