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ミルトン

ミルトン

自閉症スペクトラムの小学生が退院するので、お別れ会をした。

少年のたっての希望で、みんなでモノポリーをすることになった。

しかしモノポリーはみんなが苦手とするところで、誰一人ちゃんとしたルールを知らない。

自閉症は規則性のあるものに惹かれるという。少年がモノポリーに夢中になったのもそういうことなのだろうか。

少年が独自に考案した「探偵ゲーム」という数字を当てるトランプのゲームがあり、その完成度には驚かされた。

しかしそのゲームの終わりに、僕は少年に紙のライフルで撃たれることになり、正直いい気持ちはしなかった。

僕はいつの間にか少年が苦手になっていたのだ。

少年にはがんとして譲らないところがあり、そこが僕を疲れさせた。

ルールのよく分からないモノポリーをやるのも、正直苦痛でしかなかった。

しかし少年は見違えるように優しくなった。それが僕を驚かせた。

モノポリーのカードを落とせば率先して拾ってくれる。みんなの椅子をちゃんと並べてくれる。困っている人がいたら助けにゆく。

当初は見られなかったこれらの優しさが、僕を感動させた。

少年は学校の勉強が苦手だという。しかしそんなものはどうだっていいのだ。

これからも悩むときはあるだろうけど、その優しさがあればきっと大丈夫だ。

その優しさがあれば、みんなから愛されるだろう。

少年は来年のクリスマスに、サンタにモノポリーを頼むと嬉しそうに言っていた。
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