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僕は山を見ていた。
一人暮らしの為に借りたアパートから山を眺めていた、毎日だ。今日も缶ビールを片手に窓際で山を眺める。
なぜだと思う?風景が綺麗だとか、山が好きだからとかそういう話じゃないんだ。
窓から見える山の向こう。
そう。
山の向こうに見える"巨大な人"だ。
山の稜線の向こうから巨大な顔が覗いている。
丁度頭頂部から巨人の目まで見える感じだ。
その目をじっと見ていたんだ。
僕は巨人が現れてから毎日山を見ている。
それは何故か?......不安だからだ。
実を言うと巨人は最初から見えていたわけじゃない。
最初は山から巨大な木が生えてるのかと思ってた。だが、何日か経って、それが巨人の頭頂部から生えてる体毛と気付いた。
次第に山から新たな大きな山が生えてくるように頭部が......そして、ある日から目が合うようになった。
巨人は毎日少しずつ、僕からの視点だと、ほんの数ミリずつ向こうから現れてきているように見える。
話が少し変わるが、僕は友達が多い方だ。
日を変えながらいろんな友達を呼んだ。その中には霊が見えるって友達も何人か居たんだ。
そして、皆に窓の向こうを見てもらった。
でも何も感じない。気のせいなんじゃない?って言われるばかりだった。
僕以外、誰にも見えてないんだ。
そんな僕を気味悪がったのか、友達はだんだん赤の他人になっていった。
1ヶ月経って、誰からの信用も無くした僕は今日もアパートの窓際から巨人と目を合わす。
今日は鼻筋が見えてきている。
相変わらず瞬きもせずに僕を凝視している。
あの巨人が現れきったらどうなるのか。
この早さなら、あと一年くらいで巨人は現れきるだろう。
世界が終わるのか、僕だけが終わるのかは知らない。
ただ、僕だけが見えているならきっとどんな抵抗も無駄だろう。
僕はスーパーヒーローなんかじゃないからね。
今はただ現れ行く巨人に缶ビールをかざして乾杯するだけだ。
#SS
コメント
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しゅん

クカル

宮﨑敏

荒挽き
でも指太なあたいは鈴木屋さんの15号が入らないんだよね(:3_ヽ)_
お店によっては入ったりすることもなくなくなくなくない、、、ん?

はっし
去年に続いて救世主
立ち眩みとかしてる場合じゃない
\(*´ω`*)/

ュ‐リ
風邪ひいちゃいますよ

真鯛

まくま

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ミナ@取
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ま◠ちャルDティーチ🐰
文面の最初と最後の情景描写が変わらないのが、何も解決してなくて、より不気味な感じがするね✨️世にも奇妙な...的な。