共感で繋がるSNS
GRAVITY(グラビティ) SNS

投稿

daisuke107

daisuke107

『風の頁』




夢みてゐた
いつからか
呼ばれることを 

聲を持ちながらも
それを使ふこともなく──


沈黙のなかに 身を沈めてゐた

聲を出せば 
何かが壊れてしまふやうな
そんな── 
気がして
 

靴音が 通り過ぎる
だれも 知らぬはずの
わたしの記憶に ふれながら

それは 忘れられた頁の
角をなぞる 風の指先のやうだった
 

わたしは
世界の片隅に 置かれた手紙

風が その頁を
そつと めくるたびに

わたしは まだ
讀まれることを 夢みてゐた



──遠くで 笑ひ聲がした

その聲は── 
わたしではない わたし

風のなかへ 消えてゆく
かすかな 呼び聲──



#自由詩 #創作
GRAVITY
GRAVITY9
関連する投稿をみつける
話題の投稿をみつける
関連検索ワード

『風の頁』