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░モジバケ░永そ哀
港町に暮らす青年は毎朝
まだ潮の匂いの濃い時間に海辺を歩く
夜を引きずった波が寄せては返すたびに
何かを告白するように泡立つ
1.水平線は約束のように引かれている
それは決して近づけぬ境界であり
だが人を向こう側へと誘う
山の稜線が登攀者を呼ぶように
2. 海は沈黙を装うが実は語りすぎている
寄せて返す音は無限に反復されるが
一度として同じ声を聴いた者はいない
青年は波を聞き分けられずにただ立ち尽くす
3. 船出は常に冒険である
陸に留まれば安心はある
しかし その安心は潮風にさらされると
すぐに脆い壁となる
青年は古びた桟橋に腰を下ろし
海に石を投げ入れる
小さな飛沫はやがて波に溶けて跡を残さない
4. 人の記憶もまた海に沈む石である
表面に広がる輪は一瞬の証しにすぎず
次第に波紋は呑まれ忘却される
5. 山が「登れ」と告げるなら
海は「漂え」と囁く
しかし漂うとは流されることではない
自ら舵を放棄しつつ
なお意志を持って浮かぶことだ
日が昇り水平線が白金に輝く
青年はふと自分の影が
砂に長く伸びているのに気づく
6. 海に映るものは常に裏返しである
真実を求める者は
まず逆さの像に耐えなければならない
やがて潮が満ち
桟橋の下まで水が押し寄せてくる
青年は立ち上がり
最後にもう一度だけ波に目を向ける
7. 海は答えない
だが答えがないことこそが答えである
青年はそのまま町へ戻り日常へと歩を進めた
背後で海はまたいつものように語りすぎ
そして沈黙していた

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