「メアリーの白黒部屋」に僕らで決着を着けよう
「メアリー(またはマリー)の部屋」という思考実験です。
メアリーはずっと白黒のものしか見たことがありませんが、白黒の部屋の中で猛勉強しありとあらゆる科学や生物学等の知識を得ています。当然、色の存在も知っていますし色を見た時に脳内でどんな電気信号が駆け巡るのかといった現代科学で解明しきれてない部分についても自力で理解してすべての知識を有しています。
さて、ある日メアリーは白黒の部屋から抜け出し、色に溢れた世界を実際に見ることになります。その時メアリーは何か新しい発見をするのでしょうか?

リツキ
僕としては魂とか精神とかを認めるのはかなり難しいと考える派なんだけど、とはいえ今こうしてスマホを観ている視界の映像、指先の触覚、この生々しい刺激の数々を無視することもできない。
かといって、感覚って実験で確かめたり取り出して客観視したり触れたり重さがあったりするものではないから、科学の対象とも言えなさそう。
いや、難しい。実際のところどうなんだろうね?

愛善院
言葉と(体験的)質的意味づけ、という「知識の体系的再構築」を得ることが可能である。
言語学分野から、サリバン先生がヘレンケラーに教えた「ウォーター」との出会い、言葉と世界そのものとの接触に似ているものと私はとらえている。

ひー
SUZUME
時の流れや文化、
社会の変化の中で
捉えられていると考えます。
『色が持つ意味や
それに対する人々の感じ方』は
時代や文化によって変化します。
例えばある時代には
特定の色の服を着ることが流行し
別の時代には違う色が好まれます。
『メアリーが色を得る事』は
そうした歴史的・文化的文脈を
丸ごと理解することを
意味するのかもしれません。
情報だけでは得られない
社会的な文脈や
集団的な意識の変遷までを含めた
『真の理解』に達したのでは
ないでしょうか。
としゆき
メアリーは、川の向こう側に広がる知識で知っている土地という人間の居住空間に存在する他の人間たちとの接触を想像してみた。彼らと話し彼らと接触することでどのような新しい心の体験ができるか、それは全くの未知であり知らない体験だった。歴史という時間の流れの中、絶えず更新し続ける事実の瞬間である自分と、今後も変わり続けていく空間や物質的更新それ自身である自分という名の物質と他人という名の物質との未知なる作用を求め、メアリーは一歩自分の足で踏み出し、実際に歩くという体験したことのない行動という感覚の事実を知った。
知ってはいるが知らない新しい体験に、メアリーは心を逸らせた。

