
Kay214
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Kay214
キミは徳川共和国を知らないの?」
「はぁ~っ?」
セリーヌは目を剝き地図を凝視。
「ていうかさ……
じゃ、なんで本州の半分しかないのよ」
「本州ってなあに?
京の都より西は、薩摩諸藩連合UHS。
隣の国だよ」
「北海道もないじゃないの」
「えっ? 北海道ってなあに?」
セリーヌは地図を指さしてトントンと叩く。
「ここよ、ここ」
「そこは、ロシア連邦のエゾ州だよ。
僕たちの国じゃないんだ」
「はあぁ~?」
セリーヌ、頭を抱える。
「それにさ、
ここに東京って書いてないんだけど!」
「トーキョー? なにそれ」
「ここよ、ここっ!」
セリーヌ、地図を連打。
「そこは江戸市っていうんだよ。
ちゃんとここに書いてあるじゃん。
今、ボク達がいるところ」
「うっそぉ〜〜〜〜〜!!!」
セリーヌは両手で
頭を掻きむしりながら
窓に向かって大きなため息。
「ああー、頭が変になりそう」

Kay214
「ココちゃん?」
「うん、AIチップの名前」
「AIチップって?」
「100年後の人工知能よ。
私たち、生まれるとすぐに
小指の爪くらいのチップを
脳に埋め込まれるの。
そして、AIチップのココちゃんが
言葉も文化も、なんでも教えてくれるの」
「へぇ……。なんかすごいな」
「それでね、ココちゃんに頼んで
ちょっと原始時代に行ってきたの。
今はその帰り道ってわけね」
「ゲ、ゲンシ時代だってえー!」
「そんなに大きな声を出さないでよ。
翔太くんだって遊園地に行くでしょ」
「遊園地と原始時代じゃ、
ぜんぜん違うじゃん!」
「私たちの時代ではそんな感じなの」
「はあ~~?」
翔太は頭が混乱して
あんぐりと口を開けたまま
固まってしまった。
「ところで、その『ひいおじいちゃん』
ていう言い方やめてくれない?
まだ前途ある少年なんだから」
「わかったわ。じゃあねえ……、
翔太くんて呼ぶね」
「うん、それならいいよ」
翔太は自分の机に戻った。
セリーヌも立ち上がり翔太の横に来た。
机の上には、
教科書と地図帳とノートが広がっている。
「そうそう。“徳川共和国” ?
それってどこの国?」
セリーヌが大きな声をあげるものだから、
驚いた翔太は口を尖らして言った。
「なんだよ、ボクたちの国じゃん。
キミは徳川共和国を知らないの?」
*公開スケジュール:月曜日、木曜日の夜8時
第二話
「なんだよ、ボクたちの国じゃん。
キミは徳川共和国を知らないの?」
「はぁ~っ?」
セリーヌは目を剝き地図を凝視。
「ていうかさ……
じゃ、なんで本州の半分しかないのよ」
「本州ってなあに?
京の都より西は、薩摩諸藩連合UHS。
隣の国だよ」

Kay214
第一話
戸建ての二階、翔太の部屋。午後8時。
翔太は明日の社会科テストの勉強中。
「はぁー? 徳川共和国ですってえ!」
いきなり背後から声がして
翔太は椅子ごと飛び上がった。
「わ、わわわっ、誰っ!
キミっ! ダレっ!」
「ごめんなさい。
わたしセリーヌっていうの」
「ど、どうやって入ってきたの!」
「未来から来たの」
「未来から? はぁ……?
何言ってんの?」
「ごめんね。
実は、ひいおじいちゃんに
会いたくて100年後から来たの」
「ひいおじいちゃんて、ダレ?!」
「そこにいるキミ」
「えっ、ボクのこと?
ボクがキミのひいおじいちゃん?」
「そう。ひいおじいちゃんは
とても偉い人だったんだって。
世界の歴史を変えた人なんだって
歴史の授業でも習ったよ」
「えぇっ? そんなこと言われても
分からないよ!」
「そうよね。ごめんなさい。
きちんと説明するね。
実はね、私のパパは時間省の役人なの。
だから、こっそりとパスワードを盗んで
パパのタイムマシンを使ったの。
もちろんバレたら大変なんだけどね」
「へえ~、そうなんだ。
キミは案外とワルなんだね。
ま、まぁ、とにかく、
そこのベッドに座って話そうよ」
「わかったわ。
あら、この時代のベッド、硬いのね」
「キミは何歳?」
「14歳よ」
「じゃあ、年上だね。ボクは12歳だから」
「その年を選んで来たのよ。
あれ、この言葉づかい、大丈夫かな?」
「うん、ふつうだよ。
べつにおかしくはないけど」
「よかった。ココちゃんのおかげね」
「ココちゃん?」
「うん、AIチップの名前」
「AIチップって?」
「100年後の人工知能よ。
私たち、生まれるとすぐに…
#タイムマシーン
#パラレルワールド
#SF小説

Kay214
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はじめまして!
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Kay214
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