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Kay214

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よかった。ココちゃんのおかげね」

 

「ココちゃん?」

 

「うん、AIチップの名前」

 

「AIチップって?」

 

「100年後の人工知能よ。

 

私たち、生まれるとすぐに

 

小指の爪くらいのチップを

 

脳に埋め込まれるの。

 

そして、AIチップのココちゃんが

 

言葉も文化も、なんでも教えてくれるの」

 

「へぇ……。なんかすごいな」

 

「それでね、ココちゃんに頼んで

 

 ちょっと原始時代に行ってきたの。

 

 今はその帰り道ってわけね」

 

「ゲ、ゲンシ時代だってえー!」

 

「そんなに大きな声を出さないでよ。

 

 翔太くんだって遊園地に行くでしょ」

 

「遊園地と原始時代じゃ、

 

 ぜんぜん違うじゃん!」

 

「私たちの時代ではそんな感じなの」

 

「はあ~~?」

 

翔太は頭が混乱して

 

あんぐりと口を開けたまま

 

固まってしまった。

 

「ところで、その『ひいおじいちゃん』

 

 ていう言い方やめてくれない?

 

 まだ前途ある少年なんだから」

 

「わかったわ。じゃあねえ……、

 

 翔太くんて呼ぶね」

 

「うん、それならいいよ」

 

翔太は自分の机に戻った。

 

セリーヌも立ち上がり翔太の横に来た。

 

机の上には、

 

教科書と地図帳とノートが広がっている。

 

「そうそう。“徳川共和国” ? 

 

 それってどこの国?」

 

セリーヌが大きな声をあげるものだから、

 

驚いた翔太は口を尖らして言った。

 

「なんだよ、ボクたちの国じゃん。

 

キミは徳川共和国を知らないの?」

 

*公開スケジュール:月曜日、木曜日の夜8時

 

 

第二話

 

「なんだよ、ボクたちの国じゃん。

 

 キミは徳川共和国を知らないの?」

 

「はぁ~っ?」

 

 セリーヌは目を剝き地図を凝視。

 

「ていうかさ……

 

 じゃ、なんで本州の半分しかないのよ」

 

「本州ってなあに?

 

 京の都より西は、薩摩諸藩連合UHS。

 

 隣の国だよ」
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