
シュウ
宵闇奇譚はハーメルンに纏め直しました
https://syosetu.org/novel/400018/
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シュウ
https://syosetu.org/novel/400018/

シュウ
「藍にも言ったが私よりも二人を褒めるんだな
2人の戦術眼は確かだよ」
「当たり前じゃない
紅霧異変の時、私は霊夢の事を警戒してたけど魔理沙はノーマークだったわ
だけどパチェを撃破しフランを取り込んだのは魔理沙だった
計算外もいいとこ
霊夢ならパチェと咲夜の援護ありで戦えば勝てる算段だったのよ
咲夜の時止めの謎解きをしたのも、パチェを撃破して霊夢の援護に駆けつけた魔理沙だった
何もかにもが計算外、極めつけは紅霧異変解決後から何かと紅魔館に忍び込み、フランを無断であちこち連れ回すわ
美鈴や咲夜に見つからず地下図書館に忍び込み、本を黙って持っていくわ
しくじって見つかった魔理沙とパチェの魔法合戦は今や紅魔館メイド達の娯楽と化してる有様よ
どこかのネズミと猫みたく仲良く喧嘩してるわ
何から何まで予想の斜め上を軽々飛び越えて行くのが魔理沙よ」
溜息をつくレミリア

シュウ

シュウ
「久しぶりね
宵闇ルーミア、さっきの戦いは正攻法ながら見どころの多い戦いで中々面白かったわ」
レミリアがルーミア達を労う
確かに正攻法と言うか、集団戦法のお手本のような戦いだった
奇襲によって敵の隊列を崩し、その混乱に乗じてフランの乗せた魔理沙の高火力高機動で一点集中の中央突破、突破後に分身フランで包囲して広範囲に弾幕をばら撒き雑魚を一気に殲滅、その後に後方指揮をしていた夜雀達を撃破している
中央突破からの包囲殲滅と分断による各個撃破を同時にやってのけた稀有な事例だろう
これはルーミアと言うより、魔理沙とフランの戦術理解度が高かったからの戦果だろう
ルーミアの指示は確かに的確だが、どこを狙えなどの指示はしていない
つまり端的なルーミアの指示の意味を的確に理解し、もっとも効果的な行動している魔理沙とフランのお手柄である
では逆に夜雀達はどうすれば良かったのか?
理想は奇襲を受けない事だが、奇襲を予想していない状況だった
正解は一つ
奇襲を受けた時点で一時撤退しかない
紅魔館から距離を取り、後方で部隊を再編して体制を立て直す、撤退中に追撃を受けるが半分は生き残れただろう
そこで飯綱丸達予備戦力が効いてくる
撤退している敵を飯綱丸は見逃さない
文、椛、美鈴で撤退中の敵に奇襲攻撃仕掛けるだろう
そうしたら夜雀達は撤退ではなく敗走になるが、全滅だけはしなかった
飯綱丸なら全滅を狙わないからだ
椛の能力、千里先を見通す程度の能力があるから全滅させずに、敢えて逃がす事を選ぶだろう
敵がどこに逃げたかを椛に監視させ、可能ならば敵の居場所を見つけようとする
ルーミアは犬走椛を知らなかった
千里先を見通す程度の能力を知っていれば全滅を狙わなかった
知らない以上後腐れないように全滅させる方が、相手の戦力を削る意味で優れているのだ
本来戦術を選択する場合、ベストよりベター、ベターよりモアベターを目指す事が理想である
理想的な戦果より、もっともマシな戦果を選択する方が戦果は安定する
ベストな戦果、つまり理想的な戦果にはどこかでギャンブル的な不確定要素が発生する
ハズレを引いたら元も子もない
モアベター、つまりもっともマシな戦果なら当たり前に戦い、当たり前に得られる戦果である
戦術的勝利とは積み重ねて意味を持つ
積み重ねる為にはギャンブル的要因は排除しなければならない
戦略とは当たり前に勝てる状況を作る事であり、戦術とは当たり前に勝てる時に当たり前に勝つ事である

シュウ
今年の冬アニメ教えてと打ったら、鬼滅の刃遊郭編とか出てきた
2年前だっけ?

シュウ
奇譚
「第15話 紅魔館包囲部隊を蹴散らせ」
「これは悪巧みをする必要すらないな」
魔理沙達と合流したルーミアは呟いた
魔理沙は文と椛、それに飯綱丸まで来ていたのだ
当然ルーミア側は美鈴とフラン
過剰戦力すぎると言える
しかも敵の隊長クラスの夜雀達は、結界を突破しようと野良妖精やグレムリン達に結界への攻撃を命令している
奇襲を警戒すらしていない
「しかしこれだけの数の妖精とグレムリンかぁ
どこから来たんだ?」
「当然外の世界だろうな
ミスティア以外の夜雀など幻想郷で見た事がない」
ミスティアの話では人間と関わりを持ちたくない夜雀は妖怪の山でひっそりと暮らしているらしい
「一点に攻撃場所を定めて波状攻撃をかけているな
しかし流石はパチュリーだぜ
突破は難しいだろう」
この中では魔法の知識は魔理沙が1番である
その魔理沙が突破は難しいと言うのであればその通りなのだろう
「ルーミア殿ここは正攻法が最適解だと思うが?」
飯綱丸がルーミアに問いかける
「飯綱丸、貴方の事だ
レミリアとも共闘関係を築いておきたいとここまで来たのだろう?
つまりは客人だ
美鈴はここで客人達の護衛を頼む」
美鈴が頷く
ルーミアは紅魔館を見上げて「フランドール、魔理沙行くぞ」と言うと、飛び上がる
慌てて2人はルーミアに続く
「フランドール!魔理沙!マスパとスターボウブレイクで雑魚を薙ぎ払え!」
「任せとけ!恋符!マスタースパーク!!」
「行くよ!禁忌!スターボウブレイク!!」
一直線に雑魚を薙ぎ払う高火力の魔力を奔流がスターボウブレイクの煌めく無数の弾幕を纏い無数の妖精やグレムリンを焼き払う
隊列は乱れた
何が起こったのか?と振り向く夜雀達
猛スピードで夜雀達に向かってくる三人を見つける
しかし咄嗟の事に指示が出せない
「フランドール!魔理沙に捕まれ!」
敵の隊列は乱れたまま突如の事に混乱し始める
その隙をルーミアは見逃さない
フランは素直に魔理沙に抱きつく
「魔理沙!ブレイジングスターだ!
最大スピードで残りの雑魚共の群れを突き抜けろ!」
魔理沙は箒に八卦炉を取り付け、へへっと笑うと敵の中央に狙いを定める
ルーミアの簡潔な指示の意味を魔理沙もフランもちゃんと理解しているのだ
その指示が正しい事を戦況で理解している
「ちゃんと捕まってろよ!フラン!
見せてやるぜ!流星のスピードを!
ブレイジングスター!!」
マスタースパークを推進力に変え、残った雑魚のど真ん中を切り裂いた
まさしく中央突破、これで夜雀達がどんな指示を飛ばしても、もう集団としては機能しない
部隊とは集団行動が可能な状態でなければ機能を失うのだ
部隊はズタズタに引き裂かれ、部隊たりえない状況
「フランドール!分身して残った雑魚共を殲滅しろ!」
「禁忌!フォーオブアカインド!!」
四人に分身したフランは、残った敵を取り囲むように展開し通常弾幕のセフィロティックフルーツを放つ
「貴方たちにコンティニューの機会はないよ!」
セフィロティックフルーツ(東方ロストワード通常のフランの全体攻撃名から流用しました)は煌めく弾幕を広範囲に放つ技だ
辛うじて残っていた雑魚を容赦なく叩き落とす
そうして雑魚はほぼ全滅させた
紅魔館の居残り組に出番はなかった
当然とも言える
だいたい高機動型高火力移動砲台とも言えるぶっ壊れ性能の魔理沙
トリッキーな攻撃から正攻法まで多彩な攻撃方法を持ち、ありとあらゆる物を破壊できるフラン
その2人どちらも脳筋ではなく頭脳派なのだ
簡単な指示でもこちら意図を汲んでくれる
後詰めのメンバーも紅魔館で格闘戦最強であろう美鈴
若手でありながら白狼天狗最強のオールマイティな椛、幻想郷最速で風を操る文、大天狗で指揮官も出来る飯綱丸である
飯綱丸は気づいていた
客人と言いい自分達を残したルーミアの本当の意図、自分達は予備戦力である事を
戦場において予備戦力の有無は戦局を左右するほど重要である
遊兵を作らないのが戦場において基本だが、予備戦力は遊兵ではなく勝利を決定する切り札である
「お前達も良い勉強になっただろ?
攻城戦を仕掛けるのであれば、救援部隊による奇襲攻撃を常に意識してなければならない
結界を破るのに夢中になり、背後から奇襲を受けて負けましたはただのマヌケだ」
「貴様!いきなり背後から攻撃など卑怯だろう!」
1羽の夜雀が叫んだ
ルーミアは腕を組んだまま首を傾げ
「なんだ?貴様らはレミリアに攻撃しかけていいですか?とお伺いをたてて、レミリアがいいよ!OK!と返事したから攻撃を仕掛けてたのか?
おめでたい奴らだな」
肩を竦めて溜息を吐いた
相手を見下し小馬鹿にした言い回しに夜雀達は逆上した
「貴様ー!!!!」
四羽の夜雀はルーミアに襲いかかるが「馬鹿が」とルーミアは吐き捨て右手を軽く振ると、夜雀達は闇の球体に包まれた
夜雀の突進を軽く回避し「こっちだ!」と声をかける
声に反応して夜雀はまた突進してくるが、それも回避
ルーミアの闇の中でも声と気配は分かる
「どこに向かって突進しているんだ?
マヌケ共!」
声にならない声を上げ夜雀達はルーミアの声と気配の方に襲いかかる
ルーミアは小声で「月符ムーンライトレイ」と呟く
ムーンライトレイの光の束が夜雀達に直撃する瞬間、夜雀達を包む闇を解除した
ムーンライトレイのダメージ+強烈な光の束に両目を焼かれる地獄である
夜雀達は地面に叩きつけられ、両目を抑えてのたうち回っている
「ひでぇ事するなぁ
ルーミアの奴」
「うん、闇に完全に慣れた目にいきなり光の束をぶつけられたみたいな物だからね
暫く何も見えないんじゃない?」
魔理沙の呟きにフランが答える
完全な闇の中でいきなり太陽拳を食らったようなものである
夜雀達は目が!何が起こった?など口々に悶えていた
3人がゆっくりと地上に降りる
そこでは飯綱丸の指示で椛が四羽の夜雀達を拘束していた
「お見事!ルーミア殿
素晴らしい指揮だ」
飯綱丸がルーミアを絶賛する
「私は集団戦法の基本通りに、相手の隊列を崩して中央突破し、包囲殲滅しただけだよ
褒めるなら私ではなく二人だな」
チラッと魔理沙を見て「いや魔理沙は別に褒めなくてもいいか」と呟く
「おいおい、スカート巾着の事まだ根に持ってのかよ?」
魔理沙がボヤくと魔理沙の服を引っ張り「スカート巾着って何?」とフランが不思議そうにしている
「そうじゃない
魔理沙なら私の指示などなくても、これくらいは普通にやるだろって意味だ」
魔理沙はちょっと照れながら「そう言う事ならいいんだけどさ」と満更じゃなさそうだ
「安心しろ
根には持っているし、その内仕返しするから楽しみに待っているんだな」
「なんだよ!結局根に持ってるんじゃないか!?」
辺りが笑いに包まれる
一頻り笑った後に「で、この捕虜達はどうするのだ?」と飯綱丸がルーミアに聞いてきた
「その辺に転がしておけ
その内欲しい奴が持って帰るだろ?
例えばそこにいる八雲藍とかがな」
ルーミアは振り向き、全員がルーミアの視線の方を見る
そこには幻想郷の賢者八雲紫の式神、九尾の狐八雲藍が立っていた

シュウ
宵闇奇譚
「第14話 迷いの竹林」
ルーミアは迷いの竹林をゆっくりと歩いていた
「ふむ・・・案の定と言うか予定通りというか・・・迷った」
慣れていても迷うから迷いの竹林と呼ばれる場所だ
ルーミアはこの姿になって来た事はなかったから、迷っても当然である
ゆっくり歩いていたルーミアがピタッと足を止め、フワッと浮いて2メーターほど進みまた着地して歩き出す
そこにルーミアの背後から声が聞こえた
「おい!お前!なんであたしの落とし穴に気づいたんだ!!」
ルーミアは振り向き、ジト目で声の主を見る
うさ耳を生やし、首から人参のペンダントを下げた少女のような容姿を持つ妖怪因幡てゐ
「不自然さは無かったよ
それこそ不自然な程の自然さだったから気づいた
隠すのが上手すぎて、逆に不自然に感じたからだ
しかしお前・・・まだこんな悪戯ばかりしているのか?因幡てゐ」
てゐはジッとルーミアを見る
はっと何か気づきガタガタと震え出す
「ルーミア?しかもその口調にその態度
もしかして八雲紫に封印された方のルーミアの姉御?
封印が解けかけているのか?」
はぁ~と溜息をつくルーミア
「一応説明してやるか
私は最初からチビの中にいた
チビが眠っている時くらいしか動けなかったがな
この異変のせいでチビが起きなくなったから、チビを起こす為に霊夢や魔理沙に協力している
理解したか?」
「はい・・・分かりました・・・」
俯いて下を見ているてゐの肩に手をかけて、てゐの顔を覗き込むルーミア
「そう言えばてゐよ
元の姿の時も多少は面識があったのは認めるが、この姿になった頃はよく日頃の恨みとか言ってチビに色んな悪戯をしていたよな?」
てゐは段々青くなる
「ところで日頃の恨みとはなんだったんただ?
私はてゐとはたまに話をする程度の付き合いしか把握してなかった
気付かぬ内に恨みを買っていたとは知らなかったよ
キチンと謝罪したいから、説明してくれないか?てゐよ?」
ルーミアはニヤニアしている
てゐはその場で土下座して謝りだした
「すんませんした!
強かった姉御に勝手に嫉妬して、弱くなった姉御に勝手に幻滅して憂さ晴らししてしまいました!
命だけはお助け下さい」
「やれやれ」と呟くと「永遠亭まで案内してくれ、それでチャラだ」と笑った
「あざーす!任せて下さい!!」
「つかその口調ウザイぞ
もっとフランクに普通に喋れ」
「分かったよ!姉御
これでいい?」
「あぁそれでいい」と答えながら『ウザさがあまり変わらん?ウザいのは存在だったか?』と失礼な事を考えていた
「ところで永遠亭になんの用?」
異変で眠ったまま起きない人里の人間達のケアを頼みたいと伝える
「姉御が人間の事を気にかけるなんて、どう言う風の吹き回しさ?」
「チビが人間との共存を選んだからな」と、現状を簡単に説明した
「姉御、丸くなったね?」
ルーミアは考え込む
自分が変わった自覚は無い
やりたい事が変わった自覚はあるが、チビルーミアと同じで好きな様に生きているだけだ
強かった頃は強者と戦い、満足感を得たかった
戦闘狂だった自覚は十分にあるが、実は戦闘に勝ちたかった訳じゃない
全力を尽くせれば勝敗にはあまり興味は無かったのだ
全力を出して負け、その結果命を失っても受け入れる覚悟はあった
そうでなければ、鬼の四天王に喧嘩を売り期待外れだったと暴言を吐いてない
では今はどうだろう?
チビルーミアが人を食うのであれば、止める気は無かった
人喰い妖怪、その性を否定する気は無い
しかしチビルーミアは人を襲うのを面倒だと言い、自分を受け入れてくれる阿求の里との共存を選んだ
その反面それ以外の里、自分を受け入れ無い里には人喰い妖怪として振舞っている
見分け方は簡単だ
自分を恐れない人は阿求の里の人と理解してる
実はこの辺りはチビルーミアが小兎姫や阿求に頼んでいる事なのだ
チビルーミアの意図を理解した2人は積極的にルーミアはこの里の人の味方だと宣伝して回ってた
更にチビルーミアも仕事と称して、阿求の里の中で積極的に人助けして回ってた時期がある
結果阿求の里の人達はルーミア=味方と認識したのだ
また整った容姿もプラスに働いた
可愛らしい少女がお仕事なのだー!と里で一生懸命お手伝いする微笑ましい光景を里の人達は見ている
こうして阿求の里では人気がある人喰い妖怪と言う不思議な存在が誕生したのだ
その反面、森の中でルーミアを恐れる人間は徹底的に脅している
「お前は食べてもいい人類?」
「かんれんぼをするだ
鬼は私、見つかったらお前は私の晩御飯なのだ、」
「逃げていいのだ!
五つ数えたら追いかける
捕まったらBADENDのデスゲームなのだ」
仮に阿求の里を人を脅しても「なんだルーミアちゃんか」となる
「他の里の人達はまだ私を怖がって話を聞いてくれないから、脅して逃げて貰ってるのだ」と説明すると「ルーミアちゃんも大変だねぇ」みたいな流れになる事が多い
これらは基本的チビルーミアが自分でやった事だ
ルーミア自身は特に口を出してない
「丸くなったかもな
今は戦いたいと言う気持ちも無いし、チビが稗田阿求の里と共存を望むなら、それを手助けしたいとも思ってる」
てゐは目を丸くしてルーミアを見つめる
てっきり言い返して来ると思った
「今ならあたしでも姉御に勝てるかもね~」
「やってみるか?
遺書を書く時間くらいは待ってやるぞ」
と笑うルーミアにてゐは「冗談だよ~」と冷や汗をかく
実際にスペック的には似たり寄ったりだろう
てゐは戦術レベルも高いが、ルーミアにはかなり見劣りする
因幡てゐは見た目はともかく、妖怪としては強い部類に入る
八意永琳が永遠亭を作るまでは、迷いの竹林の主だったのだ
幼い容姿に誤魔化されるが、千年以上生きている老獪な妖怪だとも言われている
「姉御!着いたよ」
てゐはルーミアを案内して永遠亭に入る
「何か打撃音みたいな音がしているが?」
「姫様と妹紅がやり合ってる時間だからね」
てゐは永琳の部屋にルーミアを連れて入った
「お師匠様!お客さんを連れてきたよ」
机に座っていた永琳は振り向いた
八意永琳、かつては月の頭脳と呼ばれるほど人物
月人の中でもトップの居た人物だ
「あなたは・・・普段のルーミアじゃないわね?」
「ほぅ・・・見ただけ分かるのか?」
「姉御!それは悪役ムーブだよ!?」
「それはすまなかった」と素直に謝るルーミア
「貴方がかつて宵闇の人喰い妖怪と呼ばれていた方のルーミアね?
八雲紫に封印されていたはずでは?」
「封印が甘かったのか元々チビの中にいたんだ
チビが深く眠った時くらいしか動けなかったが、この異変のせいでチビが起きなくてね
チビを起こす為に霊夢や魔理沙に協力している」
永琳は不思議そうに「それは貴方にとってチャンスじゃないの?」と聞いてきた
「見解の相違だな
私は現状に満足しているし、チビがいない日常など最早考えられんよ」
「ふーん・・・まぁいいわ
それでなんの用かしら?」
ルーミアは事情を簡単に説明する
今回の異変よる影響の大きさと自分では対処できない事態への協力要請を頼む
「分かったわ
しかし薬だってタダじゃない
費用はどうするの?」
これは永琳が守銭奴って訳ではない
人助けにはどうしても費用が必要になるのだ
もちろん幻想郷の賢者である八雲紫や摩多羅隠岐奈に後で請求してもいい
多分は工面してくれるだろうが、まず動く為には資金が必要なのだ
ルーミアも分かっている
「昔無縁塚で拾った物だが、森近霖之助がこれは古いの貨幣だと言っていた
」
ルーミアはスカートのポケットから小判を数枚取り出した
「足りないなら大量にあるぞ?
慧音に聞いたら徳川の埋蔵金がどうとか言っていたな
まぁ興味が無かったからよくは覚えていないが」
「資金面はクリアね
てゐ!優曇華と2人で必要な物を掻き集めて!足りない物は人里回ってでも集めなさい
私は人里へ行く準備するわ」
バタバタと動き出す一同を見て「私の役目はここまでだ
後は霊夢や魔理沙に任せるさ」と立ち去ろうとする
そこにバタバタと足音が近づいてくる
「見つけた!ルーミア!!」
「フランドール?どうしてここへ?」
ルーミアに抱きついたフランに驚くルーミア
「妹様!少し落ち着いて下さい」
紅美鈴が遅れてやって来る
「今は宵闇ちゃんの方だったね?
とにかく紅魔館が大変なの
助けて!」
ルーミアは美鈴を見る
目で訳を話せと促しているようだ
「雄の夜雀を隊長に野良妖精やグレムリンの部隊が四部隊で紅魔館を包囲しているんです」
「今はパチェが結界を張って防戦中なの!」
「つまり籠城戦の勝利条件には外部からの応援が必要と言う訳か?」
攻められた側が籠城戦を選択する場合、救援部隊が来る事が必須条件だ
救援部隊と連携し、外と中から挟み撃ちにするのがセオリーである
外部から救援が無いなら、籠城戦はジリ貧になる場合が多い
攻める側は相手が籠城を選択した場合、外部からの応援部隊に警戒しなければならない
応援が来る前に攻め落とす必要が出てくる
つまり【いつ】と明確な時間が分からないタイムリミットが設定されてしまうのだ
しかも全力で攻める訳にはいかない
いつ奇襲されるか分からないのだから、常に奇襲に警戒の必要がある
「さっすが!宵闇ちゃん
魔理沙の方にはあたしの妖精メイドを行かせてるんだ
でも都って凄いよね?
夜雀達に包囲された時、直ぐに宵闇ちゃんや魔理沙に救援を頼もうと言い出したし、応援が来るまで防御結界とかで耐えられませんか?ってパチェに聞いてたんだよ」
美鈴が「お嬢様も都さんの意図に気づいてパチュリー様に結界を頼んでいました
私や妹様、妹様お気に入りのメイド妖精さんは複数の小悪魔さん達の力を借りて転移魔法で紅魔館を出て、急いで来たんです」と話す
「バカ弟子が・・・何がなんでも私を巻き込みたいらしいな」
ニ人がルーミアを見つめる
「転移魔法で三人紅魔館を出れるなら、それこそフランドール、美鈴、霊夢を外に出して奇襲かけさせればいい
呼応してレミリアとパチュリー、咲夜ついでに都で撃って出れば夜雀率いる野良妖精、グレムリンの混成部隊など蹴散らせるだろう」
「同じ事をお姉様も言ったけど、都がルーミアさんと、魔理沙さんが合流して奇襲するとしたらどんな悪巧みするか興味ありません?だって」
美鈴は気まずそうな表情をしている
それにルーミアは知らないがミスティアもいるのだ
戦力が足りない事はない
「都の奴、悪知恵を・・・」
間違いなくルーミアの影響だろう

シュウ


シュウ
宵闇奇譚番外編
「宵闇奇譚の主人公らしい白城都です
なんか年末年始の関係で、作者が超多忙になってしまい本編更新できねー!堅苦しい文章なんか書いてられるかー!つーか文章浮かばねー!気楽にバカ話してー!と言う事でルーミアさんと二人でテキトーにトークして来いと言われノープランで現在進めています」
「宵闇ことルーミアだ
作者は私の事を1号と呼んでいるが、それはどーでもいい
しかし本当にノープランなのか?」
「一応ネタバレ以外は好きに喋っていいらしいですが、ホントにノープランです」
「それなら好きに喋るか
まず過去の私、盛られ過ぎだろう!
特に妖怪の山で暇つぶしに鬼の四天王に喧嘩を売りに行き、期待外れだったからと罵倒して帰ってくるとか、傍若無人過ぎないか?」
「あははは
作者の中では過去のルーミアさんは、徹底した戦闘狂のイメージで書いてるそうです
それに作者の持論なんですが、逸話と例え話は極端な方が理解されやすいとか、それに今のルーミアさんとのギャップを持たせる為に敢えて傍若無人に書いてると、言い訳してます」
「それに因幡てゐとは普通に友好関係を作っているが?
戦闘狂なら因幡てゐなど歯牙にもかけまい?」
注『現在執筆中の話で因幡てゐが出てきます
てゐは過去のルーミアとも親交があり、ルーミアの姉御と呼んでいます
アップ前と言うことを失念しておりました』
「それについても作者の持論なんですが、現状に抗う意思を持つ者は戦闘力に関係なく強い者なんだそうです
例えば私の御先祖様の白城夏さん
娘の命を守る為に自分の命を代価に差し出す事で、ルーミアさんから譲歩を引き出そうしてます
その結果ルーミアさんは認めて、夏さんは未来を掴んでいます
ルーミアさんは弱いなりに抗う意思を示す者には好感を持つのです
弱い者には弱い者なりの戦い方があるってのが作者の考えで、てゐさんは悪戯好き=搦め手上手って事でルーミアさんは好感を持つはずって事ですね」
「つまり単純な戦闘力意外の強さも強さって事か?」
「そう言う事です
逆にチルノちゃんみたいなキャラは作者は苦手です
理由も理屈のいらない子は書きにくいと言っています」
「ではレミリアはどうなんだ?
レミリアも突拍子のない行動をするだろう?」
「行動のキーが分かればなんとかなるらしいですよ?
うちのレミリアさんのキーは面白いと感じる事、あと作者は暴走とは、右斜め45°に全力疾走する事だと言っています」
「つまり全力疾走で前進してるのに、何故かゴールから遠ざかって行くイメージって事か?」
「そうですね
本人はゴールに全力疾走で向かっているのに、いつの間にかゴールを通り越し遥か先を突っ走っている
でもまだ本人はゴールを目指してるつもりの残念感、そう言うのが書けたら最高だとか」
「作者と言えば、この話はプロットとか書いてあるのか?」
「一応ありますね
見たらびっくりすると思いますけど」
「なんだこれは?話の要点だけ、いくつか箇条書きにしているだけじゃないか?」
「それ以上書いても無意味だそうですよ?」
「何故だ?」
「どうせ守らないからだと本人は言ってます」
「いや!なら守れよ!
守らない設計図になんの意味がある」
「だから無意味なんですよw
プロットを守る事を放棄して、プロットを可能な限り簡略化する事にしたんです」
「なのにあの長文を書くのか?
脱線ばかりだが?」
「作者は1回だーっと書いてしまうのです
その後、推敲して説明が足りてないと思うと前後の文に違和感が無いように加筆します
それが脱線の元になります
簡略化されたプロットを元に話の骨組みを組み、肉付けして行くイメージだと本人は言っていますが、明らかに過剰な肉付けしてますよね」
「まぁ確かに文章などいくら書き足しても満足感は得られないだろうな
ついつい書き足しすぎて趣旨から離れて行くって事か?
んっ!?それって右斜め45°に全力疾走してないか?」
「してますね
持論を自ら実証していくスタイルです」
「それはもう持論ではなくただの性格だろ」
「ちなみに作者は人気投票で毎年イチオシ票をルーミアさんに入れるほどのルーミアさん推しです」
「それは私じゃないからな
チビの方だ」
「ややこしいですが、ルーミアさんは作者のオリキャラ扱いでしょうしね」
「オリキャラと言えば聞こえがいいが、私の元ネタはネギまと言う漫画に出てくる吸血鬼エヴァジェリン・A・K・マクガウェルだぞ?」
「しかも書いてる最中にこれネギまのエヴァじゃね?って気づいて、無意識に影響を受けた事に愕然したんですよね」
「古明地こいし!貴様の仕業か!とか一頻り自問自答した挙句、こいしの悪戯ならしょうがないと痛々しく自己完結したんだったな」
「無関係のこいしさんもいい迷惑ですよね」
「こいしは気にもしないだろ
しかしチビが一推しとか、作者は大丈夫か?」
「作者はギャップのあるキャラが大好きですならね
見た目可愛らしいのに人喰い妖怪
人喰い妖怪なのに、人を襲うのがめんどくさいとスルー
頭良さげな事も言うのに「そーなのかー」とかバカっぽい
闇を操る能力とか強そうなのに、一面のボスの出オチキャラ
異変に関係のに、たまたま見かけた主人公達にちょっかいかけるとかギャップの塊なんですよ」
「チビのことながら相変わらずだなぁ」
「ちなみに作者は幻想郷入りしてルーミアさんにあったらダッシュで逃げるそうです」
「その辺はマトモなんだな」
「仮にも人喰い妖怪ですしね」
「都には元ネタはないのか?」
「特にないそうです
ただ魂魄妖夢さんとはキャラがダブるので妖夢さんとの共演はなさそうです」
「そー言えばアリス・マーガトロイドは出さないのか?
作者の推しキャラだろ?」
「アリスさんは宵闇奇譚が終わった後、パロディネタの主人公させたいらしいです」
「アリスはヤンデレだったり、病みキャラだったり、扱いに差があるキャラだよな
作者はどうする気だ」
「真面目系で頭が良いバカキャラですね
ただでさえ濃いキャラが多い宵闇奇譚でこのアリスさんはキャパオーバーです」
「さて十分話しただろう
この辺にしておこうか?」
「そうですね
さて皆さん少し早いですが、良いお年を
来年も宵闇奇譚をよろしくお願いします」

シュウ
回答数 908>>
「大」好きとか愛してるとか誇張表現が嘘っぽい

シュウ
回答数 43>>
存在自体ダサい

シュウ
宵闇奇譚
「第13話 妖怪の山とルーミア」
「政治的な話は阿求としてくれ
阿求が天狗勢に求めているのは情報の共有だ
これは自警団が集めた情報との交換になる
価値が高い情報には対価を払うとも言っていたな
そちらが人里に求める物はあるのか?」
「こちらが求める物はやはり情報の共有だろう
もちろんこちらも自警団が持っている価値の高い情報には対価を払う用意がある
そしてこれは阿求氏に直接話しをした方がいい案件だが交易の自由化だ
流通路の作成、治安維持は妖怪の山で請け負う
これを機に阿求氏の人里と経済的に協力関係を作りたい」
飯綱丸の言葉に魔理沙は「分かった、阿求にはキチンと伝える」と答える
「連絡用に人員を貸してくれないか?
出来れば人の姿になれる者がいい
その方が面倒が少ないし、阿求に会う日程の調整もしやすいだろ?」
魔理沙が言うと飯綱丸は「心配はない」と頷く
「射命丸、犬走、2人とも魔理沙殿に付いてくれ」
「はいな!」と文が「分かりました」と椛が答える
「大盤振る舞いすぎないか?」
「何が起こるか分からんからね」
文は飯綱丸の命令がなくとも魔理沙に着いて行く気満々だったろう
そこに大スクープの匂いがあるのだから
「1つ気になった事がある
答えたくないなら答えなくていいから、聞いてもいいかい?」
魔理沙が飯綱丸に質問をする
「宵闇の人喰い妖怪ことルーミアの事だろう?
我らがかなり警戒している事に対してだね?」
魔理沙が頷くと飯綱丸は話し始める
「かつての妖怪の山は鬼達が支配していたんだ
その頃ルーミアは暇つぶしと称して当時の鬼の四天王に喧嘩を売りに来ている
そして2人まで討ち取った
当時まだ一兵卒だった現在の天魔様が言っておられたのだ
鬼よりも怖かったとね」
「そんなに強かったのか?」
「天魔様の見立てでは単純な身体能力では当時の鬼の四天王の方が上だったらしい
力押ししか出来ない、いやどんな相手でも力押しだけで勝ててしまう鬼達では、ルーミアの相手にはならなかった
身体能力の差を覆す戦闘技術と、防御能力の高い闇を操る程度の能力を駆使して鬼達を圧倒した
当時の四天王を2人を亡きものにし、いきり立つ残りの四天王を侮蔑した目で見ながら、強いと言われる鬼のトップもこの程度か・・・
どうせお前らも力押ししかできんのだろう?
それでは私には勝てん
死ぬ程暇ならまた相手をしてやるから、それまでに、その空っぽなオツム鍛えてちったあマシになってからかかってこい
と言い残して去って行ったそうだ」
魔理沙は呆然としている
「おいおいなにか?
鬼達にとっては、いきなり押しかけられてトップクラス2人倒され、暴言吐かれた上に見下されてバカにされたって訳かよ
踏んだり蹴ったりだな」
「それからだな
鬼の四天王には強さと知性も求められるようになったのはと、天魔様が言っていた
我らなら妖力、魔法使いなら魔力、博麗の巫女や守谷の巫女なら霊力など違いがあれど、共通する事がある
分かるか?」
魔理沙はちょっと考えて「光か?」と呟く
「そうだ
どんな物でも妖力の様な力を込めれば光を放つ
しかし光を放つ物ではルーミアの闇は突破出来ない
あの闇はあらゆる光を拒絶する
そうなれば身体能力を駆使した戦闘になるが、その戦闘技術でルーミアは鬼達を圧倒したそうだ
力押ししか出来ない鬼達では敵う相手ではなかった
妖力を使った戦闘では闇に阻まれる
身体能力に頼れば技術でいなされる
八方塞がりだったそうだ」
魔理沙はちょっと考え込む
「レミリアが起こした紅霧異変の時にチビルーミアとやり合ったが、チビルーミアの闇にはそんな防御能力なかったぞ?」
「今のチビルーミアと言う方は自分の能力を上手く使いこなせないのだろうな
ただ君達に指示をしている方のルーミアならそう言った使い方も出来るだろう」
「マジか・・・何が戦う力は無いだよ
十分強いじゃないか」
魔理沙は感心を通り越して呆れ果てていた
しかしこうも考える
その光を阻む病みとやらは、通常の闇より消費妖力が多く多用は出来ないのだろう
そう考えれば戦う力が無い発言はある意味正しい事になる
あくまで憶測だが、可能性は高いだろうなと思う
「やっと見つけた!
魔理沙ー!」
遠くから魔理沙を呼ぶ声がする
声がする方を見るとそこには紅魔館の妖精メイドの姿があった
「あれは確か・・・フランのお気に入りの妖精メイドだったな」
妖精メイドは魔理沙の元に飛んでくると、紅魔館が今回の異変解決に向けて全面協力する事が決定したと伝える
「闇夜異変対策捜査本部!?レミリアがまたノリで暴走してるのか・・・」

シュウ
再生回数も伸びてない去年の動画だけど、無許可でUPされてるのは気分悪いなぁ

シュウ
宵闇奇譚
「第12話 会談1」
魔理沙は挨拶を済ますと単刀直入に過程による推測と要件を説明した
「つまりはこの夜が明けない限り寝ている者達は起きずに、更に睡魔に負けて眠りに落ちる者が増え続けると言う事だね?
確証は?」
「ない」ときっぱり答えた
「ほう?つまりそのルーミアと言う妖怪の憶測でしかないと言う事だね?」
飯綱丸は目を細めて魔理沙を見る
魔理沙はやはりきっぱりと「そうだ」と答える
「では逆に問おう
そのルーミアがかつての力を取り戻す為に異変を起こし、博麗の巫女や君を巻き込んで利用しようとしているとの推測も成り立つと思うがどう思う?」
「それは無い」
魔理沙には迷いが無い
考える素振りも見せずに即答している
「何故だね?」
「嫌な言い方だがルーミアは霊夢に人質を差し出している
それこそ目の中に入れても痛くないと言う程に過保護に育てた白城都と言う愛弟子を異変解決に投入している
穿った見方をすると、これは博麗の巫女に可愛い弟子を預けるから信用してくれと意味合いにも取れる事だ
もちろん愛弟子に実戦を経験させたいと言う意図もあるだろう」
ここで白城都とルーミアの関係、過去の事も話す
「うーむしかしそれは、君や博麗の巫女に対して刺客を送り込んだと見れないか?」
「都に刺客は無理だ
都は頭は良いと思うが、ルーミアの過保護なまでの英才教育で頭の良さを戦闘IQに全振りしてる感がある
それに性格的に謀略には向いてない
怠惰で面倒臭がりだからな
言い方を変えれば、戦闘の時だけ異様に頭の回転が良くなる平和ボケした戦闘民族みたい性格をしている」
魔理沙の都に対する評価は、心理戦が抜群に上手いだ
魔理沙は見てないが、紅美鈴との試合が正にそうだろう
派手な格闘術や言い回し、立ち回りに目が行きやすいが、都の持ち味は地道な心理戦である
心理戦に持ち込む為の派手な格闘術や立ち回り、意味深な言い回しである事を霊夢との組手を見て魔理沙は気づいている
霊夢の持ち味が神がかり的な直感であるなら、魔理沙の持ち味は底を見透かすような観察力と、深い洞察力と理解力である
魔理沙は良く他者の技を模倣するが、観察力、洞察力、理解力がずば抜けている事の証明でもあるのだ
模倣するとはコピーとは違う
教えて貰う訳ではない
観て覚えて、本質を理解し、分解して自分の技術で再現出来るように再構築する
本来これは途方もない時間と労力、努力が必要な作業である
一般人に分かりやすいく言うと、車のエンジン見せてあげるから、自分でパーツと工具を用意して組み立てて、ちゃんと動くようにねと言っているような物である
魔理沙が努力家であると言う評価は間違っていない
それも相当な努力家だ
魔理沙自身努力家と言う評価を嫌うだろうが、その努力で飛び越えられる壁の高さは一般人を遥か彼方に凌駕しているのも事実なのだ
魔理沙もまた霊夢とは違うベクトルで天才なのは間違いない
話を戻そう
格上を相手にする場合、心理戦に持ち込んで相手の持ち味、実力を発揮する前に勝負を決めるか、我武者羅に攻めてラッキーパンチを期待するの2つしかない
この2つの違いは、紅美鈴と試合で見せた都の戦術が前者、試合後にレミリアに問われ都が答えた美鈴とどうしても再戦しなきゃならないならどう戦うの問いの答えである開始同時にフル加速の指弾乱射の戦術が後者である
本来都はこの心理戦の技術を応用すれば、謀略にもっとも向いているとも言えるのだが、ここでルーミアがした過保護なまでの英才教育が災いと言うか、幸いと言うか、詰め込み教育の弊害が発生する
あまりに戦闘に能力を全振りしてしまった為、戦闘と言う状況下でなければ能力を発揮できないのだ
更に都の本質は怠惰で面倒臭がりである
コミュ力お化けの魔理沙は里の人達とも交友を持っている
都は年齢が近いだけに、魔理沙にとって話しかけやすい相手であり、里で顔合わせれば立ち話くらいする相手だったが、ずば抜けた観察力を持つ魔理沙さえ戦いの匂いを感じ取らなかったほどだ
もちろん魔理沙の観察力は戦闘時より鈍っているし、都に実戦経験が無かった事もあるだろうが、それ踏まえてもルーミアの推薦を聞いて都に対する第一声が「お前戦えたのか!?」だったのだ
魔理沙の驚愕振りが見て取れる
謀略とは弱者の戦い方だ
能力的に都は適任である
戦わずに敵を排除できれば申し分ない
孫子は戦わずに勝つ事こそ最上の策と言っているからも分かる
ただ能力以外の要素が都を謀略から程遠いキャラにしていると魔理沙は見ている
それこそ平和ボケした戦闘民族とは言い得て妙な言い回しなのだ
「そうか博麗の巫女が行動を共にしているのだったな?
射命丸から博麗の巫女は恐ろしいまでの直感を持っていると聞いている
その巫女が危険視していないのだ
信用してもいいだろう」
その言葉に魔理沙持ち前の反抗心が顔を出し「霊夢の直感にだって根拠はないぜ」と言ってしまう
内心しまったと思っていると、飯綱丸は笑いながらこう言った
「はっはっはっ!
確かにそうだが、裏切られて困るのは君達だし、私達にとっては異変の首謀者が判明すると言う事だ
こっちには損は無いんだよ」
怖い事を言うが気分は害してないらしい
魔理沙にとってはそりゃそうかくらいにしか思わなった
「しかし君もそのルーミアと言う妖怪を信用しているように見えるが、根拠はあるのかい?」
魔理沙はちょっと考えてから
「飯綱丸さん、八雲紫には会った事あるかい?」
「何回かはあるがそれがどうしたのかな?」
魔理沙は腕を組んでうーんと唸りながら「どう説明したもんか」と呟いた後
「幻想郷の賢者にして守り手の1人である八雲紫は、同時に人喰い妖怪でもある
人間の本能がどうしても、こいつは天敵だだと警告するんだよ
同族の血の臭いがするってな
もちろん紫が敵じゃないのは分かってる
でも本能が否定する
それが紫特有の胡散臭さに繋がってるんじゃないか?と私は思う
おっとこれは率直な意見だ
説教は勘弁してくれよ」
飯綱丸も魔理沙と同じ様に腕を組んで考え込み「つまりルーミアにはそれがないと?」と聞いてきた
「そうだ
あの姿になったって事は生まれ変わったみたいなもんなのかな
あいつは人喰い妖怪を自称しているが、あの姿になってからは人喰いをしてないんじゃないか?
本能が警告しない
血の臭いを感じない
そして元の姿に戻りたいとも思っていない」
「なぜそう言い切れる?」
「元に戻りたいなら紫の悪口を言ってスカートを巾着結びされないよ」
と、豪快に笑う魔理沙
スカート巾着と言う謎な言葉に困惑する飯綱丸
「確かルーミアの告白では、封印のリボンは八雲紫が持ってきたと言ってたな
騙したい相手の悪口を言う訳ないと言う事か」
「そう言う事だ」と魔理沙が笑う
「ルーミアは今の状況を楽しんでいるんじゃないかな?
チビルーミアとの共存も都の成長を見守る事も全部含めて楽しく気ままに生きてるように見えるぜ」
「なるほどな」と呟くと飯綱丸が魔理沙に向かって真っ直ぐ見つめて話し始める
「射命丸曰く霧雨魔理沙と言う人物は、豪快で煌びやかな弾幕を好む反面、観察力、洞察力に優れ人を見る目を持ち、緻密な戦術を用いて強敵達と渡り合って来た人物だとの評価だった
気に入ったよ
さて人妖共同作戦の話をしようか?」

シュウ
宵闇奇譚
「第11話 妖怪の山」
魔理沙はルーミアに言われて射命丸文か姫海棠はたてを探して、妖怪の山付近を飛んでいた
「探すと中々会わないもんだなぁ」
これ以上進むと妖怪の山に入ってしまう
妖怪の山は基本的に人間は立ち入り禁止なのだ
まぁ魔理沙は何度か無視して進んで、犬走椛に目を付けられている
しかしそれを気にする魔理沙ではないのだが、今回のミッションは天狗達の協力を得る事だ
その為には敵対行為と見られる行動は慎むべきだと弁えている
良い意味でも悪い意味でも霧雨魔理沙と言う人物は有名なのだ
そんな事を考えていると、白狼天狗が二人魔理沙の元にやって来る
「貴様!ここから先は我ら天狗のテリトリーだ!
人間風情が立ち入る事まかりならん」
2人の白狼天狗を一瞥すると魔理沙は「だから入ってないだろ?」と軽く答える
「貴様が犬走隊長が言っていた霧雨魔理沙だな!」
「なんだ椛の部下か?
だったら椛に伝えて、文かはたてを呼んでくれないか?
探していたんだよ」
それを聞いて2人の白狼天狗が激昂する
「犬走隊長だけじゃなく射命丸様や姫海棠様を呼び捨てとは何様のつもりだ!!」
「おいおい友達を呼び捨てにして何が悪いんだよ?」
魔理沙は何を言っているんだとばかりに肩を竦める
「人間風情が調子に乗って!もう許せん!!!」
一人の白狼天狗が剣を薙ぎ払い斬撃風の妖力弾を放つが、魔理沙はひょいっと躱す
「喧嘩売ってきたのはそっちだからな
椛がどんだけ鍛えてるか見てやるか」
2人の白狼天狗は魔理沙を追いながら次々と弾幕を放つが、魔理沙は空中を華麗に舞いながら軽々と避けて行く
「どうした?
二人がかりでその程度か?」
魔理沙はイリュージョンレーザーを放つ
二人の白狼天狗も危うくはあるが、ギリギリで回避する
「そんなモーションの大きい弾幕じゃ連続で放てないだろ」
右手には八卦炉を持ち
次々とイリュージョンレーザーを放つ
空中を華麗に自在に舞いながら、連続で放たれるイリュージョンレーザー
空中を自由自在に舞う魔理沙と比べ、二人の白狼天狗達は段々と背中合わせになる
イリュージョンレーザーが二人の動きを制限して行く
「そんなとこに固まってていいのか?
弾幕はパワーだぜ!
恋符マスター・・・」
八卦炉が起動し白狼天狗に向けて放たれようとした刹那
「魔理沙殿!お待ちを!!
お前達もやめろ!」
新たに現れた白狼天狗が割って入って来た
「隊長!何故ここに?」
「なんだ椛か?
喧嘩売ってきたのはそっちだぜ」
魔理沙はマスタースパークを放つのをやめて臨戦態勢を解除する
「一部始終見てました
それで慌ててやって来たところです
部下の非礼申し訳ない」
椛は魔理沙に椛は頭を下げると魔理沙は軽く頷くと「いや、別にいいけどさ」と笑う
「人間風情のスペカなど我々に通用するはずないです!」
「黙れ!魔理沙殿は数々の妖怪や神々と弾幕ごっこで渡り合って来た猛者だ
それに文さんとは共に異変を解決した事もある
友と呼んでもおかしくない」
「しかし!」
「私が敵わなかった相手だ
お前達が束になっても勝てるはずかなぃ
今正にマスタースパークの射線に捕らえられ、負ける寸前だったではないか!」
「申し訳ありません」と頭を下げる白狼天狗達に「謝る相手が違うだろ!」と声をあげる椛
「まあまあ椛、もういいよ
ところで椛は飯綱丸って大天狗と連絡はとれるか?」
魔理沙は椛に事情を話した
ここでの嘘は悪影響しかない
ルーミアの事を含めて全てを話す
「なるほど今回の異変に関して協力体制を取りたいとの事でしたか
そのルーミア殿は何故に我らを疑わないのでしょうか?」
「メリットがないからだろ?
これはあくまで私の考えだけどさ
この異変で得られるメリットが無いんだと思う
個人じゃなくて集団としてな
個人なら逆恨みとかあるかもしれないが、集団として見ると分かりやすい
例えば守矢神社や命蓮寺、豊聡耳神子達なら自作自演で信仰集められると言うメリットが発生するが、天狗達にはそれはない
普段から人間は立ち入り禁止の妖怪の山で、厳しく監視しているから人達から十分に恐れられている
この異変で天狗達の得られるメリットってなんだ?むしろデメリットだらけではないか?
多分そう言う事なんだと思う」
「なるほど、確かに我らも起きない仲間や里の人達がいて困っています
言われてみれば、さすがの妖怪でも何ヶ月も続けば衰弱死も有り得ます
確かに幻想郷の危機と言える異変ですね」
「あやややや、それは確かに大変ですね」
二人が驚いて振り向くとそこにはメモ帳にメモを取る射命丸文が居た
「驚いた!いきなり後ろに現れるなよ」
「文さん!?驚きました」
「幻想郷の未曾有の危機が勃発し、それにいち早く気付いたルーミアの中に封印されていたかつての大妖怪の人格
博麗の巫女や霧雨魔理沙に警告し、事態の収拾に動き出す!
大スクープじゃないですか!?」
満面の笑みを浮べ、両手を広げ天を仰ぐ文
そんな文を見て頭を抱える椛とやれやれと肩を竦める魔理沙
「記事にするのは異変解決後に頼む
それとルーミアの事は書くならちゃんと本人に許可をとってくれよ?
それとも復活したかつての大妖怪って煽るだけ煽って、伏せたままにした方が記事は盛り上がるんじゃないか?
正体は・・・次号に続くみたいにさ」
「なるほど!流石は魔理沙さん
何回も引っ張るのは飽きられますが、1回くらいなら有効ですね」
人の悪い笑顔で笑い合う二人
呆れる椛
「もう!白昼堂々悪巧みしないで下さい!
文さんはこの協力要請をどうお考えですか?」
「もちろんOKです
飯綱丸様がどう考えるかまでは分かりませんが、伝えるのは迅速にやるべきでしょう」
文は飯綱丸がこの協力にOKを出す確信している
「ここに来る前に稗田阿求に会ってきた
この異変解決の為に、阿求の人里と妖怪の山で協力体制を作りたいと話すと阿求は二つ返事でOKしたよ
これは阿求の里からの正式な要請でもある」
この辺りを魔理沙にあって霊夢には無いバランス感覚である
「手土産持参とは気が利かますねぇ」
「友達の家じゃないんだ
手ぶらで交渉する訳にいかないよ
しかも自分の懐が痛まない手土産なら尚更さ」
必要なのは手間と労力だけである
「しかも交渉が失敗しても飯綱丸様も事態の収拾に動き出すから、どっちに転んでも損はしない
流石は魔理沙さんですねぇ」
魔理沙はまた肩を竦め「それはルーミアを褒めてくれ、私はただのお使いさ」と笑う
「では!私はひとっ走りして飯綱丸様に事情を説明してきます
後は任せましたよ !椛」
「はい!分かりました」
地上に降りて魔理沙と椛は雑談を始めた
椛に叱責された白狼天狗達は持ち場に戻っていく
「椛は昔のルーミアを知っているか?」
「私の生まれる前ですから、流石に分かりませんが、文さんなら知ってるんじゃないですか?
あの人ああ見えて・・・」
「椛、なんの話をしてるのかな?」
椛の背後に現れた
「あわ!文ひゃん・・・なんでもないです」
噛んだせいか椛は真っ赤だ
「魔理沙さん、飯綱丸様が会って直接話しがしたいと言っておられましたので、こちらに向かってます」
「ここに来るのか?」
文の言葉に魔理沙は驚く
「はい、妖怪の山は基本的に人間立ち入り禁止ですから、天魔様に許可を取るより出向いた方が早いと仰ったので、一足先に魔理沙さんに伝えにきたのです」
魔理沙は「分かった、ここで待つよ」と軽く答える
大天狗の飯綱丸龍がここに来ると言うのに魔理沙は全く通常運転だ
流石は弾幕ごっことは言え神様に喧嘩売るほどの強メンタルである
「流石速いな射命丸、君が霧雨魔理沙君だね
私が大天狗の飯綱丸龍だ」

シュウ


シュウ
宵闇奇譚
「10話更新記念の番外編 ルーミアの1日」
これは宵闇奇譚より以前の話です
朝の8時を回った時間
清々しい空気を吸いながら、博麗神社に続く森の中、ルーミアはただフヨフヨと飛んでいた
「お腹すいたのだぁ」
森の中で何か探すか?と考えていると『昨日の夜、森で人を里まで誘導しただろ?』と頭の中で声がする
誰の声かは知らない
でもいつも的確なアドバイスをくれる声に特に違和感は感じない
何故?と言う疑問は持たない
答えなど出ないのだから、いつもの事だしあまり気にしない
それがルーミアと言う妖怪だった
ルーミアは人里へと向かう
人里の入口に立っている自警団員に「おはようなのだー!」と声をかける
「おぅ!ルーミアちゃんおはよう
昨日の夜はありがとうな!」
「どういたしましてなのだー
お腹すいたのでご飯を貰いに来たのだぁ」
「自警団の寄り場に小兎姫さんがいるから行ってみな」
「そーなのかー
ありがとうなのだー」
ルーミアは地面に降りて歩いて移動する
人里では飛ばない、頭の中の声が教えてくれた
人間は飛べない、霊夢や魔理沙のようなのは例外
変に警戒されないように、里の中では飛ばない方がいいと言われた
それもそうかと納得して里の中では歩く事にしている
太陽の光は苦手だ
長い間当たっていると、肌は荒れるし、枝毛が増えるし、考えも纏まらなくなる
ルーミアは闇の妖怪、太陽の光は苦手なのだ
まぁ吸血鬼のように太陽の光で灰になるわけでも無い為、短時間なら我慢もできる
しかも今はまだ朝、日差しも柔らかだ
特に影響は無い
自警団の寄り場は小兎姫の自宅の隣になっている
寄り場に入りキョロキョロと辺りを見回すと小兎姫が先にルーミアを見つけて声をかけて来た
「ルーミアおはよう
ご飯食べに来たの?」
「来たのだー!」
「任せておいて!そう来ると思って用意していたわ」
ルーミアは基本肉食だ
人喰い妖怪なんだから当たり前だが、別に肉しか食べない訳でもない
森の中で木の実や果実を好んで食べる
獣を倒したり、魚を取って焼いて食べたりもする
要するに気が向いた時に気が向いた物を食べている
その事を知ったいる小兎姫は朝から豚のしょうが焼きを容易してくれた
目を輝かせて食べるルーミア
「昨日はありがとうね
迷った人もルーミアに送って貰えて安心したと言ってたわ」
夜の森で人喰い妖怪に出会い安心するのもどうかと思うが、自警団はルーミアは自警団に協力してくれていると宣伝している為、ルーミア=安全と言う認識がこの人里では定着している
しかし稗田阿求の影響が無い他の人里では、ルーミアは人喰い妖怪としてまだ恐れられている
妖怪は人間から恐れられて存在が安定する
幻想郷で起きる異変、それは妖怪達が人間から恐れられる為に起こる事が多いのだ
遭遇率は比較的多いルーミアは他の里から恐れられている為に存在は安定している
食事を終えたルーミアは小兎姫にしっかりお礼を言ってから寄り場を後にする
里を出て森の中を当てもなく移動する
自身を闇に包み、目的もなくフヨフヨと移動する
たまに木にぶつかったりするが、多少痛いだけで気にしない
ルーミアも妖怪なので人よりはずっと頑丈だ
「お前!ルーミアだな!
またあたいの縄張りに入ってきてどーする気だ!」
ルーミアは一部闇を解除して顔だけ出す、そこには氷の妖精チルノがいた
自称幻想郷最強の氷の妖精チルノ
頭が弱いのが弱点?な妖精だ
チルノの住処は紅魔館の近くにある霧の湖、博麗神社の近くの森からはかなり遠いが闇を纏うと前が見えない
いつの間にかこんなに遠くまで来ていたようだ
「ごめんなのだー
いつもの様にフラフラしてたらいつの間にかここに居たのだー
悪気はないのだー」
「言い訳無用!喰らえ!!」
無数の氷柱がルーミアに降り注ぐ、ルーミアは「チルノ!やめるのだー!!」と叫びながら氷柱を回避しながら逃げる
戦えば似たような実力の二人、しかしルーミアは人を襲うの面倒臭いという人喰い妖怪の立場を自ら全否定するような性格だ
面倒事は避ける傾向にある
無数に降り注ぐ氷柱を回避し続けたが、木に激突して「キュー」と気を失ってしまった
「トドメだぁー!」
一際大きい氷柱がルーミアを襲う
その瞬間、気絶したはずのルーミアが飛び起きると、「来い!妖刀小夜!!」と叫ぶ
ルーミアの右手に一本の剣が現れ、逆手に構え一閃、氷柱は見事に砕けた
小夜とは古典的表現で月夜を指す言葉、闇の妖怪が使う刀には相応しい名前だろう
「出たな!ヨイヤリ!今日こそ泣かしてやるぅ」
「宵闇だ・・・まぁお前の中ではもうヨイヤリなんだろうな・・・」
ルーミアは納刀し腰溜めに構える
抜刀術の構え、それを見たチルノはやる気満々だ
「チルノ、問題だ!
1+2+3+6は?」
「ヘっ!?えーと1でしょ2でしょ・・・
あれ?指が足りない」
指折り数え始めたが、どうやら指が足りないらしい
「足の指を使えばどうだ?」
「そっか!お前頭がいいな!」
チルノは地面に座り靴と靴下を脱いでまた数え始める
「分かった!12だ!!ってあれ?ヨイヤリは?
あー!!!!逃げられたー!!!!!」
その頃ルーミアは霧の湖を離れ、紅魔館の近くまで来ていた
「やれやれチルノにも困ったもんだ」
腕を組みながら歩くルーミア
頭上に闇を展開して陽の光を避けている
フラフラ歩いていたルーミアは、紅魔館に来ていた
門の前には居眠りしてる紅美鈴がいる
「また居眠りしているのか?
まぁ私に敵意はないから、起きないのだろうな」
そろそろ夕方の時間だ
紅魔館には用は無いし、通り過ぎようとすると、紅美鈴が目を覚ましルーミアを見つけ声をかける
「ルーミア?いや宵闇さんの方ですか?
紅魔館に何か用ですか?」
「やぁ紅美鈴、通りかかっただけだよ」
手を振り通り過ぎようとするルーミア
「お嬢様から宵闇さんを見かけたら、話しがあるからお招きしろと言われてるんですよ」
「じゃあ見なかった事にしてくれ
今日はチルノのせいで疲れてる」
「チルノさんですか?
また弾幕ごっこでも仕掛けて来たんですか」
「そんな所だな
それにこれから用事もあるしな」
「用事かあるなら仕方ないですね」
紅魔館を後にして、人里に戻る頃には夜になっていた
人里の中をパタパタと走るルーミア、いつの間にかチビルーミアに戻ってる
目的の物を見つけたルーミアは走り出した
「みすちー!お腹すいたのだー!!!」
屋台を出しているミスティアだ
「出たな!腹ぺこ妖怪ルーミア」
屋台に座ると「ビールとおでん」と注文するルーミア
注文はしっかり親父思考だったりする
「ここはヤツメウナギの屋台なんですけどねぇ」
ミスティアが言うと「みすちーのうなぎはたまに鰌なんで嫌なのだ」と笑う
「営業妨害よ!まぁ時々そうだけど・・・」
おでんとビールを用意しながら、ふと「あんたお金持ってるんでしょうね?」と声をかけると「えへへへ」と財布の中を見せる
「結構持ってるじゃない?
あんたどうしたのよ?」
「鯢呑亭で給仕のお仕事を3日してたのだー
森で妖怪から助けた人達もいっぱい来てくれたのだー
それに自警団の人達も皆来てくれて、美宵が鯢呑亭始まって以来の大繁盛だったってお金をいっぱいくれたのだ」
その手があったかとミスティアは考えた
「今度うちの屋台でバイトしない?」
「嫌なのだぁ
みすちーのお店で、みすちーのご飯食べながらお酒飲みたいからお仕事したのだ
みすちーといっぱいお話しながらお酒飲みたいのだ」
「まぁ・・・あんたがそう言うなら、それでいいけど・・・」
「みすちー真っ赤なのだ?
大丈夫?みすちー」
「なんでもないの!」とブンブンと手を振るミスティア
『みすちー意外とチョロいのだー
とか考えてるとは思わんよなぁ
勘弁してくれよミスティア』
心の中で謝る宵闇ルーミアだった

シュウ
宵闇奇譚
「第10話 闇夜異変対策捜査本部」
「まだ頭がクラクラしますねぇ」
やっと動けるようになった美鈴は首を振りながら立ち上がる
「大丈夫?美鈴」
咲夜が美鈴に付き添っている
「丈夫なだけが取り柄なんで、大丈夫ですよ」と微笑みかける
実際人間なら下手をすれば死んでいてもおかしくない打撃を受けて、痛かったと済ましている辺り、美鈴は本当に丈夫な妖怪なのだろう
「しかし都さん
あんな負け方するとは思いませんでしたよ
流石は宵闇ルーミアさんのお弟子さんですね」
都の事を認めたのだろう
美鈴はフランクに接している
逆に都は騙し討ちで勝ったせいか、妙に恐縮してしまう
「いいですか?都さん
貴方はこの紅美鈴に、知略で勝利したのですよ
戦いとは勝った方が強いのです
例え実力的に下でも、それは知恵で補えると証明したのです
胸を張っていい事ですよ」
「ありがとうございます」と益々恐縮してしまう都
「都ってあんな強いんだ・・・
知らなかった・・・」
試合を見ていたミスティアが呟くと「あんた修行を手伝ってたんでしょ?」と、隣の霊夢が突っ込みを入れる
「実はキャーキャー言いながら、逃げ回ってただけだし、宵闇ちゃんはギリギリを狙え、でも当てるなと無理難題言ってるなぁと思ってただけだよ」
と悪びれないミスティア
しかし霊夢は考える
普段フヨフヨ森の中など飛んでいるだけで、特に悪さもしないが何を考えてるかも分からないルーミアが、稗田阿求、小兎姫の里の自警団に協力して、食事を確保したり人里を自由に出入りしていい許可を貰っていたりと意外と社交性がある
「あのルーミアがねぇ」
霊夢の言葉にミスティアが「ルーミアはお酒飲みたくなると、里でアルバイトもするよ?
言動はアホっぽいけど、そこそこ頭は良いし、見た目は可愛いし人里でも結構人気があるんだ」と笑う
人に人気がある人喰い妖怪と言うのはどうだろうか
「ルーミアがアルバイト?」
「そうだよ
どこかの巫女を名乗ってるニートとは違うのだよ」
意地悪く笑うミスティアに「誰がニートよ」と軽くミスティアの頭を叩く霊夢
「暴力巫女~」
都の方に逃げるミスティア
霊夢は考える
今回の試合を決めたのは奇策である
奇策と言うはそうそう通用しない
初見同士の対戦で、美鈴が格上なのは分かっていた
正攻法では絶対に都は勝てない
自分との組手の時に感じていた事、それは主導権、一度でも主導権を渡してしまえばズルズルと都のペースに嵌められる
そこは魔理沙にも共通する事だ
しかし都は魔理沙以上に虚実の使い分けが抜群に上手い
多分ルーミアの教えによる物が大きい
魔理沙も魅魔に師事していた事はあるが時期か短い
ルーミアは今も都に教えているのだろう
その差は大きい
魅魔とルーミアの教育方針の差もある
魅魔は魔理沙を強者にしようと考えているが、ルーミアは弱者のまま強者と渡り合える事を第一に考えている
人間と妖怪の差をルーミアは理解している
強者から弱者になったルーミアは、弱さを受け入れる強さと柔軟さを学んだのだろう
今回の試合結果が正にそうだ
美鈴の敗因は「美鈴の方が強かったから」としか言いようがない
強かったから負けたと言う、一見何を言ってるの?と問いただしたくなる敗因
かつて孫子は虚をもって実となし、実をもって虚となすと説いている
過去茨木華扇が霊夢にクドクドと説いていたが、自分には向いていないと一瞥もしなかった事が、ここまで有効だと霊夢は思わなかった
人型である以上避けられない弱点を、緻密な戦術を駆使しピンポイントで決める戦術眼
おそらくだが、夜陰流戦闘術だの黒流鞭だの一々言う事すらブラフの一種なのだろう
主導権を握り続ける為の戦術の一つ
そして都は聞けば普通に「そうですよ」とあっさり手の内を晒すだろう
手の内を晒した事によって発生するメリットがあるからだ
その事を都は理解している
「まぁいいわ
都ちゃんと敵対する理由もないし」
そうなのだ
都は明確に人間側の立ち位置であり、ルーミアに何か起こらない限りは人間に敵対する必要はない
そのルーミアですら、稗田阿求が代表をしている人里には受け入れられている
しかもそこそこ人気まである
つまり異変を起こす側にはなりようがない
霊夢にとってはそれで十分なのだ
ミスティアは都に「こうやるの?」と左手をブンブン振っている
普段は屋台を営み、時折幽谷響子とライブを行うミスティアだが、稗田阿求の評価は危険度中、人間友好度も低い妖怪なのだ
本能が戦いを求めるのだろう
強さに対して興味津々である
「皆様お嬢様がおよびです
こちらへどうぞ」
いつの間にか消えていたレミリア
咲夜が皆に声をかける
咲夜の案内で大きめの円卓が置いてある部屋に通された
部屋にはレミリアとフラン、パチュリーと小悪魔代表の通称こあがいる
壁には闇夜異変対策捜査本部とデカデカと書かれた紙が貼ってある
霊夢がはぁ~溜息をついた
レミリアの悪ノリモードが発動している
「全面協力と言った以上、紅魔館の総力を上げて協力するわ!」
「ねぇ、咲夜
大丈夫?」
霊夢が咲夜に囁くと「いつもの事だから」とだけ返してくる
「魔理沙もきっと動いているでしょう
でもこちらも負けられない」
レミリアは辺りを見回す
都がそっと手を挙げる
「都、どうしたのよ」
「あの・・・魔理沙さんはルーミアさんの指示で今、天狗さん達にコンタクトを取ろうとしています」
レミリアはちょっと考える
「なるほどね
宵闇の考えは、天狗達の情報網か
無駄に交友関係の広い魔理沙には適任だわね
飯綱丸も人里への伝手ができるのは悪い事じゃない
魔理沙が変な事しないなら協力できるかもだわ」
このお嬢様は頭は良いのだ
時折乗りと勢いに身を任せ暴走する癖があるだけである
今回のように
都は一言でルーミアの意図を理解したレミリアを尊敬の眼差しで見ている
そんな都の視線にレミリアは満足そうに「ふふん」と胸を張る
「レミリアは頭は良いのよね・・・頭は・・・
ただバカなだけで・・・」
霊夢はこっそり独り言のように呟いた
「パチェとこあは図書館で夜に関係する妖怪か神様をピックアップしてちょうだい」
「分かったわ
レミィ」
暴走モードのレミリアには何を言っても無駄である
親友であるパチュリーはしっかり心得ている
「咲夜は妖精メイド達を使って、人里で情報収集
妖精メイド達なら人里でも怪しまれないで普通に行動できるでしょ」
「はい!紅魔館の妖精メイドは時々買い出しなのどで人里に行きますので大丈夫かと」
そこでレミリアはちょっと考え込む
「そうだ!
吸血鬼の私は今回の事を疑われている可能性があるわ
だから博麗の巫女に協力して異変解決に乗り出したと妖精メイド達に宣伝させなさい
説得力を持たせる為に霊夢も一緒に人里に行ってくれないかしら?」
「人里の様子も気になるし構わないわよ」
と了承する
「都とミスティアはあの捕虜の意識が戻ったら尋問して情報を引き出して、私と咲夜が同席するから」
「分かりました
やってみます」
都が頷くとフランがレミリアに駆け寄る
「フランはどうしたらいい?
フランも、何かしたい」
「当然よ
フランと美鈴は宵闇を探して
確か今は永遠亭に協力要請に向かってるのよね?
お膳立てだけして、引きこもられてら敵わないないわ
絶対に巻き込んでやる」
と、高笑いを決める
『ルーミアさん、あてが外れただろうなぁ
永遠亭の後で絶対姿を隠す気だったろうし・・・』と考え都は苦笑いしている
役割を与えられた事で、驚きながらもやる気になっているフラン
今回も蚊帳の外かと思っていたら尚更である
「美鈴、フランは最近情緒不安定さも落ち着いて来て、本来のフランに戻りつつあるわ
宵闇のサポートできるくらいには賢い子よ
くれぐれも宜しくね」
フランに聞こえないように、美鈴にだけ話しかける
「分かりました
お嬢様のご期待に添えるよう全力で妹様を支えます」
「それと美鈴・・・さっきの試合だけど・・・」
その言葉に美鈴は息を飲む
失態と言われたらその通りだ
叱責されてないだけ不思議であった
「良い教訓になったでしょ?
人間には実力差を覆す知略がある
私も初めて知ったわ
もう私達は人間相手でも慢心しない
これでこの館の守りはより完璧になったと言う事、試合での勝利より得る物が多かったのだから、結果は気にしないでいいわよ
まぁ貴方の事だから、負けた事より勝った都の事を賞賛して認めてるだろうけど一応ね」
美鈴は深々と頭を下げる
言葉なく頭を垂れる美鈴にレミリアは頷くと
「では!各自行動開始よ!!」
レミリアは皆に向けて声を上げた

シュウ
ファーストアニバーサリーちょい前から始めたので課金無しでほぼ1年です



シュウ
回答数 136>>
次点でマガトロさん

シュウ
宵闇奇譚
「第9話 敗因は・・・」
「都は美鈴の挑発に対して挑発で返したわね」
レミリアの問いに霊夢は首を傾げる
「挑発だといいんだけどね」
霊夢は都と組手とは言え一戦交えている
何か感じる物があるのだろう
都は軽くステップを踏みながら、左腕をブラブラ振っている
今にも行くぞ!行くぞと圧力をかけているようだが、美鈴はそんな都を見ながら微笑みすら浮かべている
都は黒流鞭を放つ
縦横無尽に乱打される左拳を美鈴は少しの動きで回避している
見切ったと言い切っただけはある
回避し切れない物は軽く弾いて捌いている
黒流鞭の弱点は一撃一撃が軽い事だろう
元からジャブのような攻撃だ
いくら威力があるとは言え、相手を制し行動の制限をかける事を目的とした攻撃でしかない
都はどんな意味で見切れないと言い切ったのか?
美鈴には余裕がある
都の乱打を回避し捌いている
「どうしたのですか?
見切れないのでしょう?」
「制空権・・・ですか?」
都は呟く
美鈴は「ほぅ」と関心した
「流石は宵闇さんの弟子
知っていますか」と笑顔だ
「それでも黒流鞭は見切れない」
またも都は黒流鞭の乱打
しかし美鈴は見切っている
回避し捌いている
都はそれでも強引に黒流鞭、焦っているようにも見える
その一撃を美鈴は待っていたかのように大きく力強く弾いた
都は反動で体勢を崩してしまう
「美鈴の勝ちね」と笑うレミリア
霊夢は「いいえ、都ちゃんの勝ちよ・・・多分ね」と返した
その瞬間、都の身体は一瞬ブレる
そのブレが収まると都は体勢を崩した格好ではなく、攻撃姿勢に戻っていた
「あっ・・・」と言う声ともに膝が崩れる美鈴
そう都はもう攻撃を終えている
「夜陰流黒流鞭・旋(つむじ)」
「何が起こったの?!」
レミリアが声を上げる
しかし美鈴は意識はあれど身体を動かせない
焦点の定まらない視線でレミリアを見ようとしているようだ
「これで詰みです」
ビー玉を握ったままの右手を美鈴に向けた
美鈴は動けない
咲夜は慌てて「勝者白城都!」と声を上げた
「一体何が起こったの?
都が一瞬ブレたかと思ったら、美鈴が崩れたなんて」
「黒流鞭で顎の先端を撃ち抜きました
そうすると脳が揺られて意識はあっても動けなくなります」
人間だろうが妖怪だろうが脳を持つ以上、その脳が激しく揺らされたら意思があっても身体は動けなくなる
それは当たり前の事だ
「でもどうやって攻撃したのよ・・・」
「私の能力は自分を加速する程度の能力で実際の時間で1秒間だけ、自分を加速できます
今回は調子が良かった
5倍くらい加速出来ました」
つまり1秒が都にとって体感で5秒になったのだ
5秒もあれば崩れた体勢も立て直して反撃に転じる事も可能だ
「多分都ちゃんは黒流鞭と言う技で自分の最高速を美鈴に覚えさせたのよ
それで美鈴は見切れると判断した」
都は無言で頷く
「美鈴は都ちゃんの実力を理解して、勝てると確信した
しかしそれは都ちゃんの描いた図面
体勢を崩した瞬間、美鈴は勝ったと思って一撃で決めようと思った
攻撃に意識が行った時、それは一番反撃を警戒してないタイミング
しかし都ちゃんは加速して体勢を整えて反撃した」
「多分こう」と左腕をピンと伸ばして、身体をグルンと回転させる
その超高速の一撃が美鈴の顎を掠めて脳を揺らし戦闘継続をできない状態にしたのだ
「はい、それが黒流鞭・旋です
美鈴さんの敗因は私より強かった事
私は美鈴さんより弱い、しかしそれを私は美鈴さんより知っていました」
都は美鈴が本気になる前に勝負を決めに行った
美鈴が勝ちを確信した瞬間を、その瞬間を狙い済ました
いやより正確には美鈴が勝ちを意識するその瞬間を演出して、狙い済まし致命的な一撃を入れる
この隙は美鈴が都より強いから出来た物だ
実力が拮抗していては出来ない
美鈴の余裕があってこその致命的な一瞬
「黒流鞭は見切れません
何故なら本来は私の能力を使い、軌道も速度も自由自在に変化します
見切られる、弾かれる、ガードされる瞬間に私が加速し軌道もスピードもリーチも変化させる事が出来るからです
力が自分と同等、もしくは格下の場合はそう使いますが、圧倒的に格上の時は敢えて見切らせる事に意味があるとルーミアさんは言いました
霊夢さんの説明の通り、黒流鞭で私のMAXスピードを美鈴さんに覚えて貰い
見切れると判断して貰う事が最初のステップ
それを踏まえて美鈴さんに心理的余裕を持ってもらう事が次のステップ
実際に見切って貰い、勝利までの道筋を意識してもらう
それらを全てクリアして、私は焦って強引に攻めるフリをする
当然美鈴さんはそれを崩して決めに来る
勝ちを確信した瞬間ほどカウンターへの警戒は無くなります
警戒が無くなった所に望外の一撃、それこそ私に見いだせた唯一の勝機でした
逆に美鈴さんの場合、見切れないと判断したら出させない
つまり黒流鞭が使えない超至近距離の戦いにするか、当たらないミドルレンジで戦うかの二択になります
こうなったら私の勝機はほぼありません
見切った、見切れると誤解して貰った方が隙が生まれ、致命的一瞬を演出出来る可能性がある
それが私に与えられた勝機です
弱いならその弱さすら武器に変える
それが強き者から弱き者になった
ルーミアさんが辿り着いた答えです」
ようやく身体が動くようになってきたのか、美鈴が頭を抑えている
「でも!こんなの1発芸みたいなもんじゃない!
次やったら美鈴が勝つわ」
「はい!その通りです」
レミリアの言葉に都はあっさり答える
「へっ!?」レミリアは素っ頓狂は声を上げた
「これは試合ですからね
次は私が負けるでしょう
もう勝てるビジョンが浮かびません
格上が慢心を捨てるのです
弱い私が勝てる訳が無い」
都はここで一息入れた
レミリア達は息を飲む
「だから次戦うような事になれば、全力で逃げます
逃げに徹した私を捕まえる事は、幻想郷最速の射命丸文さんでも出来ないとルーミアさんか教えてくれました」
都は笑顔で言い切った
清々しい程の勝ち逃げ宣言である
「それでも戦わなければならない状況ならどうする気?」
レミリアが都に問いかける
「対峙した瞬間フル加速で指弾を乱射します
ルーミアさんは私の能力を真正面から正々堂々と不意打ちできる程度の能力と言っていましたから、望外から意表を突いた一撃はこれしかないです」
一度負けて慢心を捨てているからこそ、先手は譲らないだろう
逆に攻める気満々なはずだ
自分の方が実力は高い、それも圧倒的に強いと理解しているからこそ、下手な小細工されないように一瞬で決めようと考える
そこにいつ撃ったか認識できないスピードで放たれる超高速の指弾の弾幕
都の勝ち筋はこれしかないだろう
硬気功などで防がれてしまえば、都は負けを受け入れるか、逃げるしかなくなる
ルーミアは都に逃げる事は恥ではないと何度も言っている
勝てないなら逃げる、これは当然の考えだ
当然な事は恥では無い
弱い事は罪ではない
弱さを受け入れ、立ち向かう事こそ人の強さなのだから
「それでレミリアさん
協力してくれのですか?」
「協力してあげるわ
そこそこ面白かったし、宵闇に会ったら伝えてちょうだい
一度顔を出せとね」
レミリアにとって弱さは罪だった
そう言う世界で生き抜いて来た
それなのに弱さを武器に変えるなんて発想はレミリアにはなかったのだ
『面白い!面白いわ
宵闇と白城都・・・あなた達は必ず紅魔館に引き入れる』

シュウ
宵闇奇譚
「第8話 夜陰流黒流鞭」
紅魔館の中庭には紅美鈴が待っていた
「美鈴、この子白城都と試合をしてちょうだい
面白い試合になったら、紅魔館はこの異変の解決に全面協力するから、手を抜いたらダメよ」
「白城都です
よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げると、美鈴が拳包礼で「紅美鈴です」と答える
「この子は宵闇の弟子だから、胸を貸してあげなさい」
「ルーミアさんの弟子なんですね
それは面白い」
やる気になってる美鈴に都は慌てる
ルーミアと美鈴の間にいったい何があったのか、都には分からない
「宵闇は一度美鈴に勝ってる・・・と、美鈴は思っているんじゃない?
あれは引き分けだと私は思うけどね」
どうやら一悶着あったらしいのは理解した
都はふぅーと息を吐くと両の頬をパチンと叩き気合いを入れ、前に出て構えを取る
「夜陰流戦闘術白城都
まだ未熟ですが、お手合わせお願いします」
都はアウトボクサーのようにステップを踏み左前構え、右手は顎の辺りを防御姿勢
左手は軽く握ったままブラブラさせている
「見た事のない構えですね
面白い」
美鈴は腰を軽く落としてやはり左前の構え
両者の準備は整ったと咲夜はレミリアを見た
それにレミリアが頷く、咲夜が右手を振り上げると「始め!」と勢い良く振り下ろした
その刹那!都がステップを踏みながら、美鈴に近づく
軽く握った左手を鞭のように振り回す
ボクシングを知っている人なら、フリッカージャブと言うだろう
「夜陰流戦闘術!黒流鞭」
軽いステップ共に縦横無尽に繰り出される左拳
美鈴は両腕でガードしていたが、堪らすバックステップで距離を取る
その両腕にはいくつかミミズ腫れのような物が出来ている
「都さん、なかなかやりますね」
美鈴は楽しそうだ
都はステップを踏みながら近づくとまた左拳を無数に振るう
左拳の弾幕を遮るように美鈴は強引に間合いを詰めた
いや詰めたように見えた、その刹那、美鈴は前進を辞めて上体を後ろに反らす
美鈴の顎があった辺りには、都がはね上げた右膝があったのだ
拳の弾幕をガードする為、美鈴はボクシングで言うピーカーブースタイルだった
ピーカーブーは左右から攻撃には強いが、上下からの攻撃には弱い
身をかがめ拳の弾幕を遮るように前進すると、そこには下から突き上げるような膝の一撃
最初からデザインされた連携だ
強引に引き上げた顔目掛けて、右手から指弾が放たれる
これには流石の美鈴も慌てて膝を落として倒れ込むように回避する
それを見逃す都じゃない
倒れた美鈴に飛びつくと、身体を絡めて腕を取りそのまま脇固めの体勢に入り、ガッチリ固めてしまった
武術の達人相手にスタンドアローンで戦うなんて、拘りは都には無い
「流石は宵闇の弟子ね」
レミリアが呟く
霊夢が「どう言う意味よ?」と聞く
「宵闇が美鈴とやり合った時もあの体勢になったのよ
美鈴からしたら、可愛がってるルーミアに得体の知れない何かが取り憑いているように見えたのでしょう
宵闇から見たら言いがかりなんだけど、取り敢えず押さえ込んで話を聞いて貰おうとしただけかも知れないけどね」
気が付いた咲夜が止めに入って事情を聞いたって事らしい
「がっちり関節決められたとなれば、美鈴は負けを認めてしまうだろうけど、宵闇は小さい、体重をかけて関節を決めても美鈴の気のパワーを使えば返せたと思うのよね
だから決着付かずにドローが私の判定」
レミリアは楽しそうだ
華麗な立ち回りの打撃戦も泥臭い寝技ありの戦いもどちらも楽しめるのだろう
美鈴もただの人間相手に関節を決められたとしたら、それは屈辱だろうが都は過去に宵闇の人喰い妖怪と恐れられた程の妖怪の弟子である
美鈴は決められたはずの右手に気を集中する
その瞬間、都は美鈴の関節を離して距離を取った
「何故離したのですか?」
美鈴に都が「危険と判断したら距離を取って仕切り直しが、ルーミアさんの教えです」と返す
「危険を犯さないと火中の栗は拾えませんよ?」
「まだ生焼けの栗を危険を犯してまで拾う必要はありません」
つまりそこに勝機は無いと都は判断したって事になる
まだ試合は始まったばかりの序盤戦、勝ちに焦り危険を犯す必要は無いって事だろう
「私相手に勝つ気でいる訳ですか・・・
やはり貴方は面白い」
「ルーミアさんは私を怠惰で面倒臭がりと言いますが、最初から勝ちを諦めるほど怠惰ではありません
結果的に負けるのは仕方が無いですが、それは最初から勝ちを諦める事とは違います」
都が纏う妖気が研ぎ澄まされて行く
美鈴も思わず息を飲む程にだ
夜陰流は格上相手に対抗する為にルーミアがデザインした戦闘術
弱い人間が強い妖怪に勝つためにはどう戦えばいいか?を追求した物だ
「どこからでもかかって来て下さい」
「ルーミアさん曰く、強い妖怪は弱い人間を下に見ている
実際人間は弱いので下に見ているのは文句はありません
故に受けに回り後の先を選びやすい
そこに付け入る隙があるだそうです」
都は一旦区切る
そして美鈴を見つめて問いかける
「ホントに先手を譲ってもいいのですか?」
これは人間同士でも当てはまる
将棋やチェスのようなボードゲームで、相手が格下の場合、攻め手を相手に譲り守勢を取る傾向がある
それは相手の実力を測ると言う意味と、攻めるより守る方が戦術的に有利と言う事を知っているからだ
相手の戦力を削ってから攻勢に出る
これは戦略的に正しい
戦略の基本は勝ちやすきを勝つ事、そして戦術とはその勝ちやすい状況を作る手段でしかない
格上が格下相手に守勢を取るのは戦略的には正しいのだ
強き者から弱き者になったルーミアは考えた
そこにロジックの穴があると
本来戦術で戦略を覆す事は出来ない
正確には非常に難しい
しかし戦術とは戦略的勝利を確定する手段なのだ
相手の戦術が崩壊すれば、戦略も当然崩壊する
そして後の先の戦法の唯一の弱点、それは主導権を相手に渡してしまう事
つまりどっからでもかかって来いと言う姿勢が相手に戦術的フリーハンドを渡しているのだ
そこが付け入る隙になる
それに都の能力、自分を加速する程度の能力
先手を取りながらも後の先を選べる事
そして能力を使っていてもバレずらい隠匿性、ルーミアが都に与えた指弾と言う技術、武術よる高度な虚実を使い分ける戦略眼
それらを駆使して主導権を握り続け、相手の戦術を崩し、こちらの戦術的有利を積み重ねる
それが夜陰流の基本にして真髄なのだ
実際先手を譲ってもいいのですか?と聞かれて、やっぱこっちから攻めるわと格下相手に意見を変える者はいない
確認ではなく駄目押し、それが都の問いの意味だ
「黒流鞭と言う技は見切りました
もう通用しません
貴方が次に何をして来るかたのしみですよ」
これは美鈴から黒流鞭を使って来いと言う挑発
「黒流鞭は見切れません
そう言う技です」

シュウ
宵闇奇譚
「第7話 紅魔館」
霊夢達は紅魔館に訪れた
幸い門番の紅美鈴は起きていたので、霊夢のおかげですんなりと話はレミリアに通り、捕らえた夜雀達は妖精メイド達に別々の部屋に隔離される事になった
3つほど部屋を離して保護と言う名の監禁をされる
応接室に通された3人は、紅魔館の主であるレミリア・スカーレットを待っていた
「あたしまでいいのかなぁ?」
ミスティアが呟く
場違いに感じているのだろう
しかしそれは都も同じなのだ
そわそわと落ち着かない
堂々としているのは霊夢のみである
「あんたはまた狙われるかも知れないんだから、暫くは一緒にいなさい」
霊夢は咲夜が出してくれた紅茶を飲みながら答える
主に変な紅茶を出す咲夜だが、流石に客には普通の紅茶を出すようだ
霊夢は平然と飲んでいる
そこに応接室の扉が開き、レミリア・スカーレットとそれに従う十六夜咲夜が現れた
霊夢達の前にある椅子に座り足を組むレミリア
その後ろに静かに控える十六夜咲夜
都とミスティアは緊張している
「霊夢お久しぶりね
そっちは博麗神社の宴会で顔を合わせた夜雀の・・・ミスティアだったからしら?」
「ひゃい!ミスティア・ローレライです」
思わず噛んでしまうミスティア
顔は真っ赤だ
「確か、ミスティアはバンドをやっているのでしょ?
これくらい緊張してちゃダメよ」
レミリアは軽く笑う
ミスティアはさらに赤くなった
「で、そっちの見慣れない人間?にしては妙な妖力を感じるわね
あなたは?」
「はい!白城都と言います
ルーミアさんに言われて、代理で来ました」
「ルーミア・・・あぁ宵闇の方の?
あなたが宵闇の弟子・・・
ふぅーん、あなたがねぇ」
品定めするかのような視線、都は緊張を深くする
「あんたも大人ルーミアを知っているのね」
霊夢が問うとレミリアが笑いながら
「ルーミアは意外にもフランが気に入ってるのよ
妹とみたいと言ってね
遊び疲れて寝たはずのルーミアがたまに帰っていくから、声をかけたら宵闇の方だったと言う訳、宵闇とはたまに話をするくらいには仲が良いわよ」
意外とオープンである
隠す気がないのだろう
「いつの間にか図書館に宵闇の事が書かれている本が増えていて、それをこあが発見
本経由で宵闇の経緯を知ってるくらいだけどね
過去なんてどうでもいいし」
紅魔館の地下図書館はいつの間にか本が増える事がある
それを小悪魔達が管理し、定期的に確認作業をしているのだ
こあとは小悪魔達のリーダーの愛称、小悪魔達は個別に名前を持たないので愛称で呼ばれる事が多い
「単刀直入に言うわ
夜が明けない件に紅魔館は関わってない
多くの妖精メイド達が起きなくて困ってるくらいよ」
レミリアはじっと霊夢を見つめている
霊夢も無言でレミリアを見ていた
「でしょうね?
あんたやミスティアが言う宵闇の方のルーミアが、これは幻想郷全体を敵に回す異変だって、そして紅魔館は幻想郷と敵対する理由が無いとも言っていたわ
私もそれは同意見よ」
それを聞いて目を丸くするレミリア
てっきり疑われていると身構えていたようだ
「だったら何をしに来たの?
さっさと異変を解決させなさいよ
夜か明けないくらいで幻想郷を敵に回すとか大袈裟ね」
「あのね
夜が明けない事が問題じゃないの
寝ている人達が起きない事が問題なのよ
あんたのとこの妖精メイド達も何をしても起きなかったんじゃない?」
レミリアが咲夜を見ると「その通りです」と短く答えた
「妖精は大丈夫かも知れないけど、起きない人間はいつか衰弱死するわ
そして今起きている人間達もいつか眠ってしまう
そうすれば結果は同じ、これは幻想郷の一大事よ」
ふむと考え込むレミリア
確かに幻想郷存続の危機と言える
「咲夜、美鈴に伝えてちょうだい
暫く門番はいいから、フランのお目付け役をしてとね
美鈴はたまに居眠りしてるから、そのまま起きないと問題だわ」
普段門番をしている紅美鈴はたまに門番をしながら居眠りしている事がある
それで門番が務まるのか?とも思うが、美鈴は武術の達人で気を使う程度の能力を持っている
敵意や害意に鋭く、居眠り程度なら直ぐに察知して目を覚ますのだ
門番としては意外と優秀である
「チビルーミアが寝たまま起きないらしいから、美鈴も寝たら多分起きないわよ」
その瞬間バタンと扉が開き、フランが飛び込んで来た
「ルーミアが起きないってホントなの!?」
「盗み聞きははしたないわよ
フランドール」
レミリアが窘める
「ごめんなさい、お姉様」
フランドール・スカーレット
レミリア・スカーレットの妹でありとあらゆる物を破壊する程度の能力を持つ吸血鬼だ
一時期は情緒不安定だったが、幻想郷に来て平和に暮らせ、また霧雨魔理沙を始めとした交友関係を複数持った事で、情緒不安定は克服しつつある
「それで宵闇が動き出したっ訳ね
話は思っていた以上に大事だわ
それなら尚更何をしに紅魔館に来たのよ?」
霊夢が都をチラッと見る
「ルーミアさんがレミリアさんやパチュリーさんの協力を得たいと、私に自分の代理として話に行けと言ってまして、それに霊夢さんが着いてきてくれた訳です」
都が言うと「協力って何をすればいいの?」とレミリアが返す
「はい、博識なお二人に夜に関係する能力を持ってそうな妖怪や神様を図書館で探して欲しいと言われていました」
「なるほどね
話はわかったわ
で、ミスティアはどうしてここへ」
霊夢がここに来る途中に見知らぬ夜雀達に襲われていたのを助けた事
また襲われるかも知れないから連れて来た事を話す
「あの雄の夜雀達は情報源にするつもりね
しかしただ協力するのも面白くないわね・・・」
レミリアが何かを考え込む
「そうだ!都は宵闇の弟子なんでしょ?
美鈴と試合しなさい
私を満足させる試合をしたら、紅魔館は今回の件で全面協力してあげるわ
吸血鬼相手に協力を仰ぐなら、それなりの代価が必要でしょ?」
「美鈴さんって武術の達人なんですよね?
私なんかが勝てる訳ないじゃないですか!?」
レミリアは可笑しそうに笑う
「当たり前じゃない
勝てなんて言ってないわ
面白い試合をしなさいと言っているの
宵闇が言っていたわ
弟子は怠惰で面倒臭がりだが、人間にしてはかなり面白い能力を持っているとね
それを見せてちょうだい」
「分かりました・・・期待に添えるか分かりませんが頑張ってみます」
渋々了承する都
レミリアは咲夜に指示して美鈴を中庭に呼び出しに行った
「霊夢!ルーミアは大丈夫なの?」
フランが霊夢に話しかける
「落ち着いてフラン、ルーミアは大丈夫よ
今はレミリアの言う宵闇、もう1人のルーミアが起きているから、この異変さえ解決すればまた遊べるわ」
「そっか!でも心配だなぁ」
フランはまだ不安そうだ
「大変な事になったなぁ」
レミリアが先導して皆中庭に向かう
都の呟きは誰にも届かなかった

シュウ
無課金でここまで集めました
しかしまぁ改悪なのか課金圧が増してるよね










シュウ
私は東方Projectの原作未プレイです
PC壊して以来スマホでいいかって感じになり、東方原作を未プレイでしたw
東方を知ったきっかけはYouTubeのゆっくり解説、雲ゆきさんのレミリアとフランが遊戯王の微妙なカードってか、使えないカードとダイナソー竜崎ばかり解説してるチャンネルで知りました
現在は更新されてないのが残念ですw
それから東方mmdのワッキュウさん、ゴキブリ3号さん、TNTさん、風月さんなどmmd紙芝居にハマり、ソシャゲのロストワード、幻想エクリプスにハマり、何故かルーミアが1番の推しになる
次点でアリス・マーガトロイドも好き
ルーミア推しはmmdのルーミア飼いませんか?がきっかけです
他にも霧雨魔理沙、スカーレット姉妹、ミスティア・ローレライが好きなキャラです
宵闇奇譚を書くきっかけは、やはりYouTubeのAlsieさんのmmd紙芝居ですね
バカルテット+大妖精の軽快なやりとりのショート動画の影響を思いっきり受けて、自分でも二次創作やってみてーって思い、勢いで始めたんです
ルーミアのmmdモデルで好きなのは、ゼケさん風ルーミアbvモンテコア/AIudaと雪萱式ルーミア
宵闇奇譚のイメージはゼケさん風ルーミアかな?
雪萱式ルーミアはロリ感が強いから、宵闇奇譚のルーミアにはちょっと合わないような気がします
今回からみすちーが登場してますが、残りの寺子屋組は宵闇奇譚には出ません
だってあの子たち夜はしっかり寝てそうなイメージがありますから、特に⑨はぐっすり寝てそうw
紅魔館組からはフランとお目付け役に美鈴が参戦予定
レミリア、咲夜、パッチェさんは参謀ポジで物語に関わるかも、地霊殿組、特にさとりは好きなキャラではありますが、能力が扱い難いし、こいしは多分扱えない
更に地霊殿の場所は地底ですから、夜が明けない異変にまだ気づいてない可能性もあるでしょう
そんな訳で地底組の参戦は多分ありません
イメージ的に霊夢パーティに都とみすちー
魔理沙パーティに文、はたて、椛
宵闇ちゃんパーティにフランと美鈴、後方支援的に紅魔館組ってイメージで物語を進めて行こうと思ってます

シュウ
宵闇奇譚
「第6話 夜雀襲来」
霊夢と都は紅魔館へと向かっていた
都は一応、ルーミアから飛行用の妖術も習っているが、飛ぶのは苦手だ
特に空中戦は壊滅的にセンスが無いと師であるルーミアから言われている
しかしそれはしょうがない事
都の基本的なスタイルは指弾&体術
打撃技がメインなのだ
打撃技は地面に足が着いている事で威力が発揮される事が多い
空中戦は踏み込みの強さを打撃に乗せる事ができないのだ
打撃技とは本来、身体全体を効率良く使う技術である
柔拳だろうと剛拳だろうと打撃の基本は踏み込みの強さと速さだ
某世界的ヤサイ人の空中戦を否定している訳ではない
あれは一撃一撃の威力が下がってる分、手数で補っているのだろう
閑話休題
紅魔館に向かう道の途中「誰かー!助けてーー!!」と言う声が聞こえてきた
霊夢と都は身構えて背中合わせになり、周りを警戒している
「れっ!・・・霊夢ー!!助けてよーー!!」
現れたのはミスティア・ローレライ
夜雀の妖怪だ
独特な形をしたロングスカート身につけている
霊夢目掛けて一目散に飛んでくる
よほど切羽詰まっているのだろう
「霊夢〜!見た事ない夜雀達が仲間になれ、ならなきゃ消すって襲って来るんだよ~」
「夜雀?あんた意外にも存在してるの?」
「見た事ないよ~
でもいきなり夜雀なら自分達に従えとか襲ってきたの~」
ミスティアは霊夢に抱きつくとワンワン泣き出した
「助けよ~先週の呑み代のツケ、少しまけてあげるからさ~」
霊夢はため息をつくと「呑み代はちゃんと払うから、都ちゃんミスティアをお願いね」と、抱きついていたミスティアを都に押し付ける
「み!都!?えーい!この際都でもいいよ~助けて~」
「みすちーさんはルーミアさんのお友達ですしね」
都はミスティアを庇うように立つと、「キター!あいつらだよ!!」とミスティアが空を指をさす
そこには槍と盾で武装した男の夜雀が5人?それとも5羽?がこちらに飛んでくる
霊夢達の前に降りてきた男の夜雀達の1人が「そこの夜雀を渡せば見逃してやるぞ?人間」と威圧してくる
霊夢はしれっとした顔で威圧を受け流している
さすがは博麗の巫女って事だろう
霊夢が受けてたとうとした刹那!話しかけてきた夜雀がいきなり後ろに吹き飛んだ
都が指弾を放ったのだ
電光石火で問答無用の判断だ
吹き飛んだ夜雀は気を失っている
「貴様ら!何をした!!」
叫んだ夜雀がまた吹き飛んだ
どちらも眉間にビー玉がクリーンヒットしている
残りの夜雀達が身構える
しかし都は夜雀達の槍を持つ手を狙撃、槍を次々と弾き飛ばした
夜雀達は都が何をしたのかさえ理解していないだろう
ただ何かが飛んできて武器を弾き飛ばされた
誰が何をどうやって飛ばしたのか?全く理解できないでいる
驚愕の表情を浮かべ都達を見る
それを確認した都は全くの無表情で前に出る
ゆっくり1歩1歩、夜雀に近づいて行くと夜雀達はジリジリと下がっていく
ヤニァ~と都が笑うと、「引け!」夜雀の一人が叫んだ
それに従うように3羽の夜雀は飛び去った
飛び去った方を黙って見ている都
夜雀達の姿が見えなくなった途端に振り返り「はぁ~怖かったぁ~」と一息つく
「嘘つけ!あんたの方がよっぽど怖いわー!!」とミスティアが叫ぶ
「同感だわ・・・」
霊夢がやれやれと言った仕草をする
「ルーミアさんから、言葉での脅しはナンセンスだ
本気で相手を脅したいなら無言で殴れ、それが1番怖い
相手が引いたら笑顔を忘れるなと言われてまして、実践してみただけですよ~
内心ビクビクでした」
「それも夜陰流戦闘術?」
「いいえ、将来彼氏や旦那が浮気した時の対処法と言ってました」と都が笑うと「絶対にやるんじゃないわよ」と霊夢が釘を刺す
「さすが宵闇ちゃんだね」
ミスティアは苦笑いだ
霊夢はその宵闇ちゃんと言う言葉に反応した
「ミスティア、あんたもあの大人ルーミアを知っているのね」
「うん!ルーミアが屋台で飲み過ぎて潰れると出てきて、ちゃんと支払いしてくれるからさ
あと都も知ってるよ?
昔都の修行を手伝わされたしね」
「修行を手伝ったの?」
都は印を結び、拘束の妖術を使い気絶している夜雀を拘束している
「手伝ったよ~
指弾だっけ?あれで狙撃されるのを飛んで逃げ回ったの
1回も当たらなかったんだ!えっへん」
ミスティアは胸を張る
「一度も当たらなかったのね・・・
都ちゃん、ホント?」
「あっ!はい
当てないようにギリギリで撃てとルーミアさんから言われてましたし、みすちーさんはホント早いので」
「宵闇ちゃん昔は大妖怪だったみたいだよ?
あの幽香が引き分けるのがやっとだったと言ってたし」
風見幽香は幻想郷最強の妖怪の一角と言われるくらい強い妖怪だ
その風見幽香が引き分けるのがやっとだった言うほどの実力とは一体どんな強さだったのだろうか
「そんな大妖怪を宵闇ちゃんってあんたねぇ」
「最初は宵闇さんと言ってたんだけど宵闇ちゃん自身が、チビがミスティアの事を友達だと思っている
私もそうだ
友達からさん付けはなんかおちつかない
せめて宵闇ちゃんくらいしといてくれって言われたんだよ」
風見幽香も呼び捨てで構わないと言っているので、妖怪とは呼び方には拘りが無いのかもしれない
「で、都ちゃんそいつらどうする気?」
霊夢が都に問いかける
都は妖術を使い2羽の夜雀を持ち上げている
「尋問して情報を引き出します
夜の明けない異変、幻想郷では見た事のない夜雀達、なんらかの関係がありそうですし」
確かに怪しいが、簡単に口を割るだろうか?
「できれば別々に隔離したいんですけど、どこかで部屋を貸して貰えたらいいんですけどね」
「紅魔館で交渉してあげるわ」

シュウ
宵闇奇譚のオリキャラ紹介
白城都(しろしろみやこ)
年齢16歳
本作の主人公
種族・半人半妖
能力・妖怪化する程度の能力
自分を加速する程度の能力
スペルカード
夜符ナイトバード
月符ムーンライトレイ
夜陰流・狂想流星雨
本人は人間だと思っているが、父方の先祖に半人半妖がいて隔世遺伝で都も半人半妖である
妖力を持つ以外、人間との違いはほとんどなくルーミアもその事に気づいていない
都の本来の能力は妖怪化する程度の能力
妖怪化した時の能力が自分を加速する程度の能力である
だから半人半妖状態だと自分を加速する程度の能力を上手く使えない
本人はまだその事に気づいていない
見た目はルーミアに良く似ている
白のブラウスに黒のベスト、赤い紐のネクタイ
黒の膝下のキュロットスカートに黒の靴下、赤い靴である
明るい茶髪に真っ赤なキャスケット帽を被り、ミッドナイトブルーの縁の大きな眼鏡をかけている
レンズは分厚いように見えるが伊達眼鏡で、度など入っていない
幼い頃からルーミアに妖力のコントロールと格闘術を習い、ルーミア考案の夜陰流戦闘術を扱える
ルーミア曰く怠惰で面倒臭がりの性格
夜陰流戦闘術
ルーミアが過去、とある博麗の巫女に勝つ為に覚えた色々な格闘術の中から都に合う形で組み立てられた戦闘術の事
格上相手にどうイニシアティブを取り有利に戦闘を進めるか?を主観に組み立てられた戦闘術
心理的有利を積み重ねて、相手に敗北を認めさせる事を第一に考えられている
相手が負けを認めるまで戦術的有利を積み重ねて行く事を主観にしている為に、効率はあまり良くない

シュウ
宵闇奇譚
「第5話 調査開始」
霊夢と魔理沙は自警団リーダーの小兎姫と、里を治める稗田阿求にしっかり怒られた
実はルーミアは自警団に所属してる訳ではないが、それなりに協力していたのだ
チビルーミアが人を襲うより、人を助けた方が得だと学習した結果なのだが、稗田阿求や小兎姫と森に迷い込んだ人間を保護して里に届ける代わりに、自由に里に出入りできる権利と、自警団で食事を提供すると約束をしているのだ
愛らしい見た目に反して、人では敵わない程度の実力のあるチビルーミアは自警団では絶大な人気がある
稗田阿求や小兎姫にしても、たまに食事を提供するだけで、自警団の戦力が増えるのだ
悪い取り引きではない
見た目は人間と変わらないルーミアが、人里を歩いていても違和感は無い
そのルーミアが自警団に泣きついた結果、霊夢と魔理沙はかなりこってり怒られたのだった
「はぁ~災難だったぜ」
「あんたのせいでしょ!あんたの!!」
「まぁまぁ」と都が二人を宥めていると、ルーミアが声を掛けてきた
「茶番は終わりにして、そろそろ本格的に動かないか?」
チビルーミアの真似はしていない
素のルーミアだ
「私は永遠亭に行って八意永琳に協力を頼んでくるつもりだ
眠ったまま起きない人達のケアを頼みたんでな」
三人は意外そうな表情でルーミアを見ている
「あんたが積極的に異変に関わるなんてね」
「どうゆう風の吹き回しだ?」
霊夢と魔理沙が口々に言うとルーミアはすました顔で「寝た子をさっさと起こしたいだけだ」と言う
そうチビルーミアはまだ眠ったままなのだ
「要するにバックアップはしてやるからさっさと異変を終わらせてくれって事だな?」
魔理沙が言うと「まぁそうだが魔理沙、お前は酷い目にあってしまえ」とルーミアは呟く
スカートをまくり挙げられ、頭上で結ばれた事を根に持ってるらしい
「ルーミアさん私はどうしたらいいのでしょうか?」
都は不安そうにルーミアに尋ねる
「魔理沙に着いて行って、隙あらば狙撃しろ」
「おいおい、そりゃないだろ・・・」
「冗談は置いておくか
都、紅魔館に行ってくれないか?」
「紅魔館ですか?」
ルーミアは頷く
「ああ、レミリアやパチュリーに夜に関する能力を持ってそうな妖怪や神様辺りを聞いてきてくれ
手がかりになるかも知れないからな」
「あれ?スカーレット姉妹は疑ってないのか?」
「私は疑ってない
紅魔館は幻想郷に敵対する理由がない
この異変は幻想郷を敵に回している
つか魔理沙は地底にでも行って勇儀辺りにボコられろ」
星熊勇儀は地底の鬼で鬼の四天王の一人だ
弾幕ごっこでもなければ、人間が適う相手ではない
ルーミアは相当魔理沙に怒っているらしい
「でも私、紅魔館と面識がありませんよ?」
都が言うと「生意気な方のルーミアの使いと言えば、紅美鈴から十六夜咲夜には話は通るさ」と笑う
一体、何があったのだろう?
「レミリアなら面白半分に面会してくれるだろう
あいつはいつも退屈してるからな
起きていればだが」
「じゃあ私も都ちゃんに付き添うわ
それなら確実にレミリアに会えるだろうし」
霊夢は都への同行すると言う
都は少しホッとしている
「じゃあ私はどうするかなぁ」
魔理沙が呟くと「真面目な話なら射命丸文、姫海棠はたてと接触して欲しい」と、ルーミアが言うと、不思議そうな顔をする魔理沙
「天狗勢の情報網は凄い
射命丸、姫海棠から飯綱丸に繋げて貰えば飯綱丸なら多分協力してくれる
あいつは人里への影響を欲しがっているからな
なんなら稗田阿求と繋ぎをとってやると言えば問題ない」
「あんたねぇ」
霊夢が不満気だが「繋げるだけだ
稗田阿求が簡単に飯綱丸に丸め込めれるはずないだろう?
後の事は稗田阿求と飯綱丸の話だしな」とルーミアは素っ気ない
「はぁ・・・確かにそうだけど・・・」
「他の勢力との接触はどうする?
守矢神社や豊聡耳神子達、妙蓮寺の奴らもだな」
「妙蓮寺はほっておいて大丈夫だ
山彦のおはようございますが今日は無かったからな
全員寝ているんじゃないか?
他も単独で動くだろう
起きていればだがな」
幽谷響子は山彦の妖怪だ
毎朝7時に人里に響くほどおはようございますと言う声が響くのだが、今日はおはようございますがなかったのだ
「守矢神社はどうするの?
私はあまり関わりたくないのよねぇ」
霊夢が言うとルーミアが頷く
「守矢神社は妖怪の山にあるのだろう?
天狗勢に任せればいいさ
問題は八雲紫だ」
ルーミアが腕を組んで考え込んでいる
「紫がどうしたのよ?」
「霊夢、お前は私を捕まえて過去の事を聞こうとしたと言うのは、八雲紫を呼んでも現れなかったと言う事だろ?
あらかさまな異変が起きているこの状況で、監理者であるスキマババァが現れないのはおかしい」
と、言い切って辺りをキョロキョロと警戒するルーミア
しかし何も起こらない
「ほら悪口を言っても現れない
これは八雲紫側で何か起こっている可能性があるな
覗き趣味のストーカー気質のババァが霊夢の傍での悪口に気づかない訳がないからな」
ハッハッハと笑うルーミア
その瞬間ルーミアの背後に紫のスキマが現れ、ぬっと手が伸びルーミアを引っ掴むとルーミアを飲み込み消えたのだ
三人が驚いていると、またもスキマが現れルーミアが蹴り出されたように見える
またスカートを頭上で縛られてる状態で、ペタンと座っている
「グズグズ・・・霊夢さん、魔理沙さん、都さん、申し訳なのですが、解いていただけないしょうか?グス・・・」
都は慌てて駆け寄って解こうとしている
2人は呆れてルーミアを見ていた
「あんたねぇ・・・紫はなんて言ってた?」
「ゆかりんは17歳なんでぇ~ババァじゃないよ~とマジキレ顔で言われた
後で話があるから逃がさないからねとも言ってた
後半より前半の方が怖かった」
都がなんとかスカートを解くと、ルーミアは半べそ状態だった
その表情が可愛いと思ったのは都だけの秘密である

シュウ
宵闇奇譚
「第4話 昔、昔あるところに・・・」
「これは組手か?
霊夢と都、実力的には霊夢が上だが、さてどうなるか」
魔理沙の近くにルーミアが突然のように現れた
「影牢か・・・都の奴、まだまだだな」
離れて見ていると、都がゆっくり近づきスピードを上げて回り込み打撃を繰り出しているようにしか見えないが、何故か霊夢は時々都を見失い防戦一方になっている
「おい、ルーミア
影牢ってどんな技なんだ?」
ふむっとルーミアは呟くと「特殊な歩法だ」と答える
「空手と言う武道に猫足立ちと言うのがある」
ルーミアは左足を真っ直ぐベタ足に、右足の踵を上げ独特な構えを見せる
「魔理沙、この構えの重心は右と左、どちらの足だ?」
「そんなのベタ足の左だろ?」
当然のように答える魔理沙にルーミアはニッと笑うと「残念、右足だ」と左足で軽く中段蹴りを繰り出す
寸止めだが、警戒しているはずの魔理沙はガードすら出来なかった
「習得は難しい技だ
だが効果はご覧の通り、この技法を歩法に組み合わせ、更に視線や体捌き、動きの緩急などで相手を惑わせる
人とは無意識で動く物の行方を予想しているんだ
魔理沙も無意識に動く物を目で追う事があるだろう?」
魔理沙は無言で頷く
「それは無意識に物の動きを予測しているんだ
つまり右に行くと予想させた上で、左に動けば相手には消えたように見える
無意識レベルだから修正は難しいし、修正出来たとして必ず逆に動くとは限らない」
「だが霊夢の直感は鋭いぜ」
「そうだな・・・辛うじてだが都の直撃は避けている」とルーミアは呟く
「だが影牢の前段階、相手の行動を防御寄りにさせる夜霞が効いている
夜霞は相手の思考を防御寄りにさせる技術の事だ
霊夢にとって一番警戒しなければならない攻撃は都の指弾
常にロックオンされているからだが、逆に都は指弾が警戒されている為に蹴りが主体になる
蹴りは強力だが、手技より間合いが必要な分、扱いが難しい
さて霊夢の奴、そろそろ気づくはずだが・・・わざわざ魔理沙の策に乗ってやったのだ
いい加減気づいてもいいだろう」
その時霊夢が動いた
ずっと動かず都の攻撃に捌いていた霊夢が、前に出始めている
そう目で追って惑わされるなら、消える前に前に出てしまえばいい
一歩前に出て着地しようとした左足に何かが当たり足払いを受けたように、霊夢は前につんのめる
「飛ばすのはビー玉だけとは限らない
多分オハジキだな
ビー玉より小さく見難い」
つんのめった霊夢目掛けて都の下段蹴り、霊夢は能力を使い浮き上がって回避した
後方に着地した霊夢、またも仕切り直しになる
その時霊夢が叫んだ
「何やってるの!魔理沙!!
ルーミアを確保ー!!!」
「はぁ!?」ルーミアが間抜けな声を上げる
魔理沙は迷わなかった
ルーミアをガシッ掴むと、なんとスカートを持ち上げ「固結びの魔法」とルーミアの頭上でスカートを縛ってしまった
一切容赦なし
「ま!魔理沙!これはあんまりじゃないか!?
同じ女としても酷い
いくらドロワーズとは言え、私にだって羞恥心くらいあるぞ!」
「格上相手には実力を発揮させず、心理的に負けを認めさせる
私流に実践したまでだぜ」
ニヒヒヒと笑う魔理沙、それを見て頭を抱える霊夢
「はぁ・・・なんて格好してるのよ
ルーミア」
「私に言うな!やったのは魔理沙だ!
断固抗議する!!」
内股になりモジモジしながら結ばれたスカートの中で身をよじるルーミア
「魔理沙!お前、霊夢にアドバイスを送るつもりで私に技の解説をさせたのだろう?
わざと乗ってやった私にこの仕打ちは酷いだろう!」
「それはそれ、これはこれと言うだろう?」と全く悪びれない魔理沙
「ルーミア、何故あんたはその姿になったの?」
「自分語りは嫌いだ」
はぁ~とため息をついた霊夢
魔理沙はニヤニヤしながら二人を見ている
「じゃこのままあんたをこの異変の首謀者として人里に吊るしておこうかしら・・・
そのままの姿でね」
「ふざけるな!私ではないと言っているだろ?」
「だから確証が欲しいと思っているのよ」
ペタンと座り込むルーミア
「分かった・・・話すよ
だからスカートを解いてくれ」
固結びを解く魔法を唱えてルーミアを解放する
「はぁ・・・何から話すか・・・
都から昔の話は聞いたか?」
「話しましたよ、ルーミアさん」と都が頷くとルーミアはまた溜息を吐く
「あれは博麗の巫女が霊華の時代だったか、私が助けた白城夏の曾孫になる白城の子が妖力を持って産まれたのだ
その妖力に飲まれて半妖になり、このままだと妖怪化してしまう異変が起きた
当時の博麗の巫女霊華はその子を助ける為に動き出し、私の存在に気づいてやって来た
当時の私は白城の子が妖怪化してるのに気づかなかった
博麗の巫女が喧嘩を売ってきたと思い戦ったのだ
霊華は強かったとても人間とは思えなかった
霊華の母とはしょっちゅう意味無くやり合ってたから、その娘になんか負けるか!と本気で戦い惨敗した
霊夢の使っている夢想転生に似た技を使っていたぞ
夢想転神とか言ってたな」
「夢想転神?そんな技聞いた事ないわね」と霊夢が言う
「私は死を覚悟したよ
何故か霊華はトドメを刺せずに躊躇していた
多分妖怪退治はしていたが、トドメを刺した事はないのだろう
しかし私の妖力を絶たなければ、白城の娘の妖怪化は止められない
だから躊躇し葛藤していたのだろう
そこに曾孫が走ってきて私と霊華の間に立ちはだかった
このルーミア様は祖母の命の恩人です
私のせいで命を奪うような真似は出来ません
だから!・・・・私が妖怪化したら始末して下さい!!
そしてルーミア様をお助け下さい!!
と言ったんだ
一言一句覚えているよ
妖怪化の恐怖の中、死を覚悟してまで気まぐれで祖母の命を助けた私なんかを恩人として守ろうとする健気な少女の姿を見た
死に別れた夫との約束を守ろうと、妖怪に襲われるかも知れない恐怖の中、娘の為に命賭けで夜の森で薬草を探し、もうすぐ戻れると思った時、人喰い妖怪に出会ってしまった娘の大祖母の姿と重なった」
三人はルーミアの話を黙って聴いていた
ルーミアは天仰ぐように、遠い昔を懐かしむように話している
「当時の私は常日頃、何故幻想郷は妖怪の物じゃないのか?と思っていた
摩多羅隠岐奈や八雲紫が何故に人間なんかを幻想郷の中心に据えたのか理解出来なかったが、この子のおかげで幻想郷の賢者達が何を目指したのか理解した
人間の可能性と言うのが分かったんだ
だからこの子の命を奪うなんてダメだと思った
自ら生命を断とう思った矢先に八雲紫が現れて霊華に赤いリボンを渡し、私の力を封じて今の姿になった
紫の誤算は私の人格が、今のルーミアの中に残った事くらいか?
力のほとんどを封じられて、知識はあれど今のルーミアが深く寝ている時くらいしか動けない私に紫は白城の子供がまた妖力を持って産まれたら、導いて欲しいと言ってきた
もちろん快諾したよ
それから私は人喰いを辞めて白城の子供達を影から見守っている
これでいいか?」
「私もルーミアさんにずっと見守って貰っていたんですね?
修行は厳しかったけど、それも結果的には私の為ですし」
「私を助けた白城の娘は【京】と言う字を書き【みやこ】と言った」
座ったまま地面に京の文字を書くルーミア
「だからか、お前には特別な感情があったのかもな」
ルーミアは立ち上がると膝の辺りをパンパンと叩き砂を落とす
「これ以上話す事は無いが、私の疑いは晴れたと思っていいか?」
「まぁ、納得してあげるわ」と霊夢が頷く
ルーミアは周りをキョロキョロと見回して、遠くに歩いて見回りしている里の自警団員を発見する
一瞬霊夢と魔理沙を方を見てニヤリと笑うと自警団員に向かって走り出し
「わーん!魔理沙と霊夢が虐めるのだー!
魔理沙が私のスカートを持ち上げて、頭の上で縛って虐めて、霊夢がこの異変?の犯人としてそのまま人里に吊るすと脅すのだー!!
私、私、何もしてないのだー!!」
「はぁ!?あいつ何を言ってるんだ?」
「何で私もなの!魔理沙のせいじゃない?」
全部事実である

シュウ
宵闇奇譚
「第3話 白城都の実力」
「霊夢さんと組手ですか!?
無理!無理!無理!無理!無理ですよ~
今まで幻想郷を守って来た巫女様と組手なんて一村人の私には無理ですって!!」
ただの村人が人の身でありながら妖力を持ち、宵闇の人喰い妖怪と呼ばれた妖怪らしき存在に師事し、妖怪化しない為に修行させられ、能力に目覚めたりしない
もうただの村人などと呼べる存在ではない
「都ちゃん!もしあなたが妖怪化したとしたら、排除するのは私の役目
博麗の巫女としてあなたがキチンと妖力を制御出来ているか?妖怪化してないか確認する必要があるのよ
これはその為の組手、断るのは許さないわ」
うーと唸りながら渋々構えを取る都
「しょうがないです
夜陰流白城都、お願いします!!」
「魔理沙!あんたは下がってなさい!」
「ヘイヘイ・・・わかったよ」
魔理沙は頭の後ろで手を組み2人から離れる
さてこれは弾幕ごっこではない
なのでスペルカードなどの派手な攻撃は出来ない
ましては人里の中、無闇矢鱈とは暴れられない
これはあくまで組手でしかない
霊夢と都の距離は2.5メートル、都は腰をやや落とし、両手をダラリと下げている
これが構えらしい
霊夢は無造作に間合いを詰めて、やや大振りぎみの右ストレートを都に放つ
刹那!都の右手が微かに動く、霊夢は前進する止めて、上体を後ろに逸らした
その瞬間霊夢の目の前を妖力を纏ったビー玉が通過する
都は霊夢が止まったのを確認し、バックステップで間合いを取る
「これが指弾か
確かに厄介ね」
霊夢は体勢を整え小刻みにステップを踏む
その時、都はポケットから1枚のカードを出し叫んだ
「夜符!ナイトバード!!」
「なっ!?」霊夢は一瞬あっけに取られ、次の瞬間防御姿勢を取る
刹那!都は間合いを詰める
「都の奴、スペルカードをブラフに使いやがった」
魔理沙が人が悪そうな笑顔を浮かべ呟いた
弾幕ごっこに慣れている霊夢は大技であるスペルカードに対して身体が反応してしまったのだ
こんな人里でスペルカードなんて!?っと頭では分かっているが、しかし驚いてしまった以上、身体は条件反射で反応してしまうモノだ
都は間合いを詰めると鋭く上段右回し蹴りを放つ
スペルカードに驚いてしまった事、条件反射で防御姿勢を取ってしまった事と2つも後手に回った霊夢は、素直に左腕でガードするしかない
しかし都はまだ主導権を渡さない
右回し蹴りが当たる直前に止まったのだ
右回し蹴りを止めた姿勢のまま、やや下段にあった都の左手が僅かに動く
霊夢の顔面目掛けて指弾が飛ぶ
霊夢は慌てて右手に霊力を集め、なんとかビー玉を弾いたが、その瞬間左脇腹に都の蹴りがヒットする
しかし霊夢も負けていない、蹴りがヒットした瞬間に能力を使い右へ飛んでダメージを軽減する
「後手に回って主導権が取れない」
霊夢の呟きに都が「夜陰流戦闘術の夜霞です」と返す
ルーミアの教えに格上の相手と戦う時に如何にイニシアティブを取るか?が重要であると都には説いている
狙うべきは思考力、洞察力、観察力の源、思考の瞬発力である
現に霊夢は悉く読みを外し、先手を取られ、主導権を奪われて、やられっぱなしと思っている
しかし実は違う
都は選択の瞬間だけ、加速しているのだ
都は言った
現実時間の1秒間だけ加速できる
それは最大加速時間は1秒と言うだけで、1秒未満でも加速できる
つまり都は選択の瞬間、1秒に満たない僅かな時間だけ加速し、霊夢の行動を確認してから次の手を決めている
先手を取っていると見せかけての後の先なのだ
先程の上段右回し蹴りの時、当たる直前で止めいるのは、霊夢の防御が間に合うのを加速状態に入り確認しているからの行動だ
そもそも当たるならそのまま蹴りを入れている
加速する事で都は相手よりも確実に確認と思考する時間を稼いでいるのだ
都の行動に咄嗟の判断はほぼ無い、見て、考えて、行動する
その為に加速能力を使うのだ
夜陰流とはルーミアが使う戦闘術ではなく、ルーミアが過去に覚えた体術の中から都の力を引き出す為にデザインした戦闘術でしかない
使い手は白城都しかいないのだ
それ自体がブラフである
夜の闇の中、更にその陰に潜み全貌を見せず、相手を翻弄し、読みを悉く外させ、疑心暗鬼の迷路に叩き込む
疑心暗鬼は思考の瞬発力を奪い、迷い、正解が見えなくなる
夜陰に紛れるが如く、相手は見るべき相手である都を見失う
都の言動、行動の1つ1つがブラフであり、正解でもあるのだ
都は後出しでその行動がブラフなのか、正解なのかを決めている
なのでその事に気づかない限り、霊夢が主導権を取り戻す事は無いのだ
『したたかな奴だな
直感で戦う霊夢とは相性が最悪
いや都にとっては最高に手玉に取りやすい相手って事か』
魔理沙は離れた位置で見ている為、ある程度は理解していた
全貌までは見えていないが、都が何をしているかくらいは理解している
「おーい!霊夢!!アドバイスいるかー?」
「いらないわよ!魔理沙!!黙ってなさい!!」
『だよなぁ・・・そう言うよなぁ』と魔理沙はやれやれと首を振った
霊夢自身も何かが違うと感じている
直感がそう告げている
しかしその何か?が分からなければ、迷いの元でしかない
都は一瞬だけ、チラっだけ魔理沙を見た
その時2人の視線は刹那の瞬間だけ交差する
都の視線は普段の能天気なモノではなく、冷たく品定めでもしてるかのようだと魔理沙は思った
視線を霊夢に戻した都はまたもバックステップで大きく距離を取る
「夜陰流影牢(カゲロウ)・・・行きます!」
都は特に構えも取らずゆっくりとした歩調で霊夢に向かって歩く
霊夢は身構える
本来の霊夢なら先手を取るはずなのだが、駆け引きで負けたと言う事実が受けを選択してしまう
本人は安全策を選んだつもりなのだが、後手に回ると言う悪手を打ってしまう
これはある意味都に選ばされたとも言える
ここで勘違いしてはいけない事は、霊夢より都の方が強いと言う訳ではないと言う事だ
都の戦術の基本は、あくまで格上相手にイニシアティブを取り戦闘を有利に進める事だ
ルーミアが都に徹底的に叩き込んだ戦闘術、その基礎は相手の実力を発揮させない事にある
人間は妖怪より弱い、弱い人間が強い妖怪に勝つ為には相手の実力を発揮させずに勝つ事
その為には相手の心理的に誘導し、こちらの都合の良い選択肢を選ばせる事
それを積み重ねる事で心理的敗北を受け入れさせる事である
能力を持つが故にいずれは戦闘に巻き込まれるであろう都に、過保護のまでの英才教育
ルーミアは何を想って都を鍛え上げたのだろうか?

シュウ
宵闇奇譚
【第2話 白城都】
ルーミアが去った後、紫を呼んでみるが紫は博麗神社に現れなかった
八雲紫、幻想郷の賢者と呼ばれる1人であり人喰い妖怪でもある
隙間と言う異空間を操り距離の概念を破壊する
幻想郷の管理を担う賢者の1人
博麗の巫女の後見人である
確かにこの異変を早急に解決しなければならない
ルーミアによれば眠ったまま起きない人間が多くいるはず、しかしルーミアの言葉を全部信じるほど博麗霊夢はお人好しじゃない
人が変わってしまったルーミアが一体何者なのか?本当に信じて良いのか?そのソースが欲しい
霊夢の勘はルーミアは正しいと言っているが、その勘が100%正しいと言えるほど霊夢は自信過剰でもない
だから八雲紫を呼び出し聞き出そうとした
しかし紫は現れない
現れないのでは仕方ないもう一人の手がかり上白沢慧音に会いに行こうとした時に「おーい!霊夢ー!!」と声が響く
「やれやれ
面倒なのの次は煩いのがやって来たわね」
悪態をつきつつ声の主であり親友である霧雨魔理沙を迎えたのだった
霊夢は魔理沙と共に人里へと向かう
その道すがらルーミアとの事を魔理沙に話して聞かせた
「つまり人が変わったルーミアが犯人ではなく、犯人は別にいると言ってきた訳だ
そしてその自称ルーミアの言葉が信用できるかどうか確認する為に慧音のとこに向かってるって訳だな?」
魔理沙が簡潔に要点だけを纏めた
「そうよ
本人から聞けるか、紫が来てくれたら早かったけど紫は呼んでも来なかったし、本人は自分語りは嫌だとか言ってたけど本心はきっと面倒臭いだけよ」
あの自称ルーミアの事を霊夢は、大人びただけで根本的には変わってないと思っている
ルーミアは基本的に怠惰で面倒臭がり、あの自称ルーミアは面倒事が起きて、多少なりとも巻き込まれたのでこれ以上面倒な事が起こらないように先読みして動いてに過ぎない
人里までは空を飛んで来たが、人里からは2人で並んで歩く
辺りは相変わらず夜のままだ
道行く人も少ない
寺子屋までの道を歩きながら、霊夢はある人物を見つける
白城都(しらしろ みやこ)だ
自称ルーミアが困ったら使ってくれと言っていた人物
明るい茶髪のショートヘアに大きめの眼鏡をかけた少女
ルーミアのように白いブラウスに黒いベスト、黒いスカートに見える膝丈のキュロットパンツを履いている
頭には真っ赤なキャスケット帽を被ったやや童顔の少女、それが白城都だった
「おーい!都ちゃん」
霊夢が声をかけ大きく手を振る
振り向いた都が振り返り、霊夢を見てあらかさまに動揺しだした
「れれれれれ、霊夢様!?
それに魔理沙さんも一緒?
はわわわわ」
その様子に肩を竦める霊夢
「ちょっと話を聞きたいだけよ
それに様はやめてといつも言ってるでしょ」
「で、で、でもいくら同い年でも幻想郷の守り手である巫女様を呼び捨てなんて出来ませんし」
霊夢は都の言葉にため息をつきながら
「だったら魔理沙と同じさん付けでいいわ
魔理沙なんか会った瞬間から呼び捨てだったわよ」
「様をつけて呼んでもいいんだぜ?」
魔理沙が人の悪い顔で言い放つ
「どうせ、キサマとか言うんでしょ?
ネタが古いのよ」
霊夢の突っ込みに魔理沙は肩を竦めて首を振る
どうやら図星だったらしい
「ところで都ちゃん?
ルーミアとどう言う関係なの?」
「あっ!はい!!
かなり昔に御先祖様がルーミアさんに助けてもらったらしく、その時にルーミアさんがお腹がすいたらご飯をご馳走すると言う盟約をしたと言う話が私の家では代々伝えられてます
今でも年に何回かルーミアがご飯を食べに来るのです」
都の言葉に霊夢が違和感を感じる
「ルーミアさんとルーミア?
呼び分けてる理由はなに?」
「えーと、今の幼いルーミアはご飯を食べた後寝ちゃう事がたまにあるんですけど、ルーミアが寝てる時に妙に大人びたルーミアさんの人格が出てくる事があるんです
御先祖様が助けられた時は、美しい女性の姿だったと伝えられてますから、何故今の姿になったのかは分かりませんが、同一人物なのは間違いないんです」
なるほど、と霊夢は思った
あの自称ルーミアは本物のルーミアで間違い無い
ルーミアが何者かに乗っ取られたとかではない
「なぁ!都、お前戦えるのか?」
魔理沙のド直球に都は狼狽えた
はぁと霊夢はため息をつく
最初霊夢と魔理沙を見て動揺した都
それはルーミアから霊夢を手伝うように言われてるからだ
「えーと・・・霊夢・さんなら分かると思うのですが、私は何故か人間なのに妖力を持っているのです」
覚悟を決めたような表情で話し始める
「えぇそれは分かるわ」
「多分ルーミアさんとの盟約でルーミアさんの庇護みたいのがあるです
ルーミアさん曰く、白城家ではたまに妖力を持った子供が生まれるそうで、ほっておくと妖力に飲まれて半妖に、さらには妖怪化する可能性があるそうです
そうすると幻想郷では・・・」
「あぁ・・・掟を破る事でなって終わりだな?」
魔理沙があっさり言ってのけたが、幻想郷は人から妖怪になった者は排除される掟がある
「はい、ルーミアさんが言うにはキチンと妖力の制御を学べば大丈夫と、小さい頃に修行させられました
その時、自分には不思議な能力がある事に気づいたんです
ルーミアさんには真正面から正々堂々と不意打ちできる程度の能力とか言われましたが、私はもっと簡単に自分を速くする程度の能力と言っています」
「元々都は足が速かったよな?
100メートルを12秒くらいか?」
「うーん、多分そのくらいです
ルーミアさんの修行は基礎体力向上もありましたし、そのくらいで走れると思います」
日本の女子中学生のトップが11秒くらいだから、都はそのくらい速さで走れると言う事になる
「都ちゃんは能力を使うとどのくらい速くなるの?」
「現実時間の1秒間の体感時間を伸ばせます」
「はっ!?
マジなのか!!」
魔理沙が突拍子の無い声を出すが、霊夢はまだピンときていないようだ
「どのくらいまで伸ばせるんだ?
1秒が倍に感じるだけでも、相当凄いんだが」
「えーと・・・死ぬ気で頑張って10秒くらいかな?」
「それは咲夜の時止めに近いな
時間に干渉してないから、そのまま直接攻撃できるだけ確かに真正面から正々堂々と不意打ちできる程度の能力と言えるなぁ」
霊夢はまだ理解してないような様子だ
そんな霊夢に魔理沙が右ストレートを放つ
魔理沙はもちろん寸止めのつもりだが、その分手加減無しだ
しかし霊夢は「何するのよ?」と事も無げに受け止める
「この体さばきと右ストレートの速さが10倍になったら霊夢は攻撃を認識して避けられるか?」
「あっ!?そう言う事」
「咲夜の時止めは止まってる時間中に攻撃しないだろ?
それは相手の時間が止まってる間はダメージを与えられないからだ
ダメージを受けるって事はそれは時間が動いているって事だからな
だから咲夜はナイフをばら撒いてから時間を動かすだろ?」
「都ちゃんはその制約が無くいきなり攻撃できる訳ね?」
魔理沙が頷く
「もし都に隙の少ない遠距離攻撃の手段があればそれこそ手に負えないぞ?
無いよな?」
都は申し訳なさそうに背負っていた鞄から巾着袋を出して、ビー玉を見せる
「ルーミアさんがこれを指で弾いて狙った場所に当たるまで練習しろと言われました
指弾って体術らしいです
普通に撃っても結構痛いですが、妖力を乗せて打てばそれなりのダメージになるから練習しておけって言われました」
霊夢と魔理沙は顔を見合わせる
「ルーミアって相当な曲者ね」
「あぁ・・・かなり頭が切れるな
都が敵じゃなくて良かったぜ」
2人を見ながらアワアワしてる都
「最大加速は本気で追い詰められて、もーダメだー!!って時しか発動出来ません
普段は3倍に出来たら、今日は調子が良いってくらいです」
「ルーミアには後、どんな修行をさせたんだ?」
「えーと・・・全ての基本は体術だと言っていて、幾つかの体術を組み合わせてルーミアさん流にアレンジした体術を今でも練習しています
妖怪化はしたくないですし、ルーミアさんは名付けるなら夜陰流って言ってました」
「霊夢、夜陰ってなんだ?」
「宵闇より更に深い夜の闇って意味よ」
霊夢ははぁ〜と息を吐くと、数回軽くジャンプしてから構えを取る
「都ちゃん、1度組手をしましょうか
実力を測るにはこれが一番速いんだからね」

シュウ
これは東方Project二次創作です
気が向いた時に続きを書きます
タイトル「宵闇奇譚」
序章
時は幻想郷初期
人と妖怪は相容れぬ時代
博麗の巫女は3代目の時代であった
人里から博麗神社へと続く森の中、深夜になろうとする時刻に人間の女が提灯の明かりを頼りに足早に歩いていた
荒い息を吐きながら、必死の形相で人里へと向かっている
しかし時刻はもうすぐ深夜、妖怪達が活発になる時間だ
その女は左手で提灯を持ち、右手には何が草のような物を握りしめている
もうすぐ人里だ
女の足は更に早くなる
夜は怖い妖怪が出る時間、しかも森の中では見つかれば生きては帰られない
あとちょっと、あとちょっとで人里だ
人里にさえ入ってしまえば、妖怪に遭遇する可能性は大幅に減る
あと少し、あと少しと言う所で女の前に立ち塞がる影が現れた
女の顔に絶望が浮かぶ
立ち塞がったのは、ロングヘアの金髪の女性
闇夜よりも鮮やかな翼をはためかせ、黒のロングスカートに白地のブラウス、黒のベストのような服に身を包み、首から赤いネクタイが見えている
「よ・・・宵闇の人喰い妖怪・・・」
女は呟いた
「こんな時間に森の中でお散歩かい?
貴方は食べてもいい人類?」
立ち塞がった者は妖怪、宵闇の人喰い妖怪ルーミアと呼ばれる者だった
見方によってら少女とも成人女性とも取れる風貌だが、妖しい雰囲気を纏う美しい容姿
女性であっても思わず見とれてしまうであろう姿をしている
ルーミアの問いにはっと我に返り土下座をする女
「わ、私の身体をご所望ならば差し出します
しかし1日、明日の夜まで待って頂けないでしょうか?
明日この場で貴方様をお待ちすると約束致します
何卒!何卒!お願い致します!!」
不思議そうな顔をするルーミア
「何故?1日待って欲しいの?」
「私の3つになる娘が、高熱で生死を彷徨っているのです
この薬草で助けたいのです」
「娘?ならば父親は何をしている?」
「去年流行病で他界致しました
亡き夫と娘は立派に育てると約束しております
このような病で夫の元に送る訳には行かないのです」
女は土下座のまま必死でお願い致しますと懇願している
ルーミアは腕を組み、女を見ながら更に問う
「明日の夜、私に食べられたなら旦那との約束は守れないのでは?」
「年老いていますが、私の両親は健在です
2人に娘を託します
そしてあの世で夫に謝ります
許してくれるかは分かりませんが、誠心誠意謝ります」
女の顔は涙で濡れていたが、健気に微笑む表情をルーミアは美しいと思った
「貴方は運がいい
私は人喰い妖怪だが、人だけを食べる妖怪ではない
先程熊を倒して食ったばかりでね
腹は満たされている」
「では!」女が土下座のままだが、顔を上げた
涙でぐしゃぐしゃだが、表情は明るい
「しかし何がを得ようとするなら、それなりの対価が必要だよ
それが妖怪相手と言うなら尚更だ」
「対価と言うと?」
女は困惑している
「今後、私が腹を空かせて困っている時、人の食べ物を食べさせて欲しい
おにぎり1つでも構わない
だけど妖怪は長い時を生きる
貴方が生きている時代には私は困らないかも知れない
貴方の娘の更に娘の時代、それよりも長い先の話になるかも知れない
貴方の一族と私の盟約、受けるかしら?」
女はルーミアとの盟約を受け入れた
それが私たちの遠いご先祖さまの話
その後何故か宵闇の人喰い妖怪は幼子の姿になってしまったが、盟約自体は続いている
すでにルーミアの前の姿を知る者はほんの少しの妖怪にしかいないと聞いている
数年に1回フラっと現れてはご飯を食べて帰って行く
現博麗の巫女、霊夢様が言うには私たち一族には強い妖怪の庇護があるとか、そのせいか妖怪には襲われにくいらしい
確かに妖怪に襲われて死んだご先祖さまはいない
これが宵闇の人喰い妖怪ルーミアと私、白城都(しらしろ みやこ)の始まりになる

シュウ

シュウ
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写真は現場写真しかない

シュウ
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自分は苗字か名前を呼ばれないと、自分に話しかけてると認識しません
なんか喋ってるとしか思わない

シュウ
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シュウ
20000mAhでも小型でラッキー


シュウ
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これは北海道のご当地コンビニセイコーマートで売っている飲むチョコミントw


シュウ
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シュウ
聖戦士ダンバインOPの曲の2番に「殺し合うのが正義でないと知って戦う戦場だけど」って歌詞があります
衝撃的だったを覚えてます
それまでは主人公=正義、敵側は悪と単純に考えていました
でも実は敵側には敵側の主張があり、理想な世界があり、それを実現させる為に戦ってると気づいてアニメ世界にハマるきっかけになりました

シュウ


シュウ


シュウ
何年前から沈んでるだろーなぁ


シュウ
どちらも原作好きだったのでまとめて観たくて貯めてました
アベマプレミアムで東方幻想エクリプスをやりながら観れるのが楽ですね
また幻リプキャラが増えたよ








