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頑張れないの星の星

頑張れないの星の星

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惑星主: 頑張れないの星
空を、見上げてみる。 夕暮れのような、夜明けのような――どこか胸の奥がキュッと痛くなるような、やわらかな紫色の光が、ただ静かに広がっている。 ここには、時計の針の音なんてない。 誰かと比べて点数をつけるような、ややこしいものも、何ひとつない。 あるのは―― 足元でちいさく揺れているランプの灯りと、 さらさらと、ただただ流れていくだけの小川の音。 ……それだけだ。 ふと、足元の石畳に目をやると、誰かが置いていったノートが開かれている。 きっちり書かれた予定表でもなければ、自分への反省文でもない。 ちょっと掠れた鉛筆の丸っこい文字で、ぽつんと、一行だけ。 《きょうは、なにもしなかった。――それで、ぜんぶよかった。》 ねえ、わかるよ。 生きてるってさ、どうしてこんなに「ちゃんとしなきゃ」ってことばかりなんだろうね。 もっと前を向けとか、逃げるなとか、強くなれとか―― そういう言葉で、自分で自分をぎゅうぎゅうに締めつけて、 誰にも言えない弱音を、ひとり夜の底に沈めてしまうような日が、僕らにはどうしてもある。 だけど―― この星の木々は、そんな僕らのカッコ悪い背中を、決して笑ったりしない。 「もっと頑張れ」なんて、絶対に言わない。 ただ、ふわりと枝を広げて、星屑の光でそっと包み込んでくれるだけだ。 ……よく、ここまで歩いてきたね、って。 声には出さないけれど、あたたかい手のひらで背中を撫でてくれるみたいに。 立ち止まったって、いいんだよ。 途中で投げ出したって、いいんだ。 逃げたんじゃない。ちゃんと、休んでいるだけなんだから。 頑張れなくたっていいさ。 ――たまにはね。 背負い込んできた重たいリュックを、ぜんぶ足元に放り出してさ。 草っぱらに大の字になって、流れていく星空をぼうっと眺める。 それだけで――うん。 この星では、ぜんぶ、はなまる満点なんだよ。

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